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新潮文庫「海外名作発掘」シリーズの一覧

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新潮文庫「海外名作発掘シリーズ」の一覧

新潮文庫「海外名作発掘」シリーズ
Hidden Masterpieces

帯に描かれたマークが目印

「気狂いピエロ」ライオネル・ホワイト

気狂いピエロ (新潮文庫)
ライオネル・ホワイト,矢口誠
2022/04/26
新潮社
《 文庫版・304ページ 》
ゴダール映画の原作小説

ノワール文学史上もっとも美しい〝運命の女〟への妄執――。ゴダール名作映画の原作となった犯罪ノワール。本邦初訳!
ニューヨーク郊外に暮らす38歳のシナリオライター、コンラッド。妻との仲は冷え切り、職も失い、鬱々とした生活を送っていた。ある夜、ベビーシッターの若い娘アリーを自宅へ送ったところ酔った勢いで一夜を共にしてしまい、目覚めると、隣室には見知らぬ男の死体が。どうやら男はアリーの元愛人らしい。かくして、暴力と裏切りと欲望にみちた二人の逃亡劇が幕を開けることに――。運命の女に翻弄され転落していく男の妄執を描いた犯罪ノワールの傑作。

「ギャンブラーが多すぎる」ドナルド・E・ウェストレイク

ギャンブラーが多すぎる (新潮文庫)
ドナルド・E・ウェストレイク,木村二郎
 2022/07/28
新潮社
《 文庫版・448ページ 》

猟奇連続殺人や入り組んだ構成、特殊設定ばかりがミステリーじゃないっ!1960年代のニューヨーク。殺人、逃亡、恋愛、犯人当て――。海外ミステリー・ファンがときめいた小説世界がここにある。
30代のしがないタクシー運転手のチェットは大のギャンブル好き。偶然乗り合わせた客から競馬の勝ち馬情報を入手し、馴染みのノミ屋トミーに35ドル渡したところ、情報が的中。配当金を受け取りに意気揚々とトミーを訪ねると、ノミ屋は胸に銃弾を浴びて殺されていた。どうやら複雑な事情が絡んでいるらしく被害者が関わっていた二つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と協力して事件の真相を探ることに――。

「スクイズ・プレー」ポール・ベンジャミン

スクイズ・プレー (新潮文庫)
ポール・ベンジャミン,田口俊樹
2022/08/29
新潮社
《 文庫版・400ページ 》
ポール・オースターが別名義で刊行、幻のデビュー作

米文壇を代表する作家ポール・オースター。ブレーク以前に別名義で発表していた幻のデビュー長篇は、レイモンド・チャンドラーの衣鉢を継ぐ、私立探偵小説の傑作だった!
私立探偵マックス・クラインが受けた依頼は、元大リーガーの名三塁手チャップマンからのものだった。MVP常連の人気選手ながら交通事故で片脚を失い、現在は議員候補となっている彼のもとに、脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる――。ポール・オースター幻のデビュー作にして、〝卑しき街を行く騎士〟を描いた正統派私立探偵小説の傑作、ついに解禁。

「罪の壁」 ウィンストン・グレアム

罪の壁 (新潮文庫)
ウィンストン・グレアム,三角和代
2022/12/23
新潮社
《 文庫版・461ページ 》

第二次大戦の残影色濃い1954年。フィリップは、考古学者の兄がアムステルダムの運河で身を投げたとの報を受ける。死因に不審を抱き、兄の謎めいた友人と恋人らしき女性の行方を追ってカプリ島へと向かったが――。善悪のモラル、恋愛、サスペンスと、さまざまな要素を孕み展開する馥郁たる人間ドラマ。第1回CWA最優秀長篇賞に輝き、戦後欧米ミステリーの可能性を切り拓いた記念碑的作品。

「はなればなれに」ドロレス・ヒッチェンズ

はなればなれに (新潮文庫)
ドロレス・ヒッチェンズ,矢口誠
2023/02/25
新潮社
《 文庫版・384ページ 》
ゴダール映画の原作小説

トリュフォーからゴダールへの贈りもの。映画『はなればなれに』の原作として盟友が推薦した、傑作青春ノワールがついに本邦初紹介!
ともに22歳の前科者スキップとエディは夜間学校で天涯孤独の17歳の娘カレンと出会う。彼女が身を寄せる未亡人宅には頻繁に訪れる男がいて、どうやら未亡人の元娘婿らしいその男ストールツはカジノ関係者で、莫大な現金を屋敷に保管しているという。二人はその金を奪う計画を立てるが、元ギャングのスキップの叔父に嗅ぎつけられ、プロの犯罪者仲間を計画に加えたときから、すべての歯車が狂い始める……。トリュフォーの推薦でゴダールが映画『はなればなれに』の原作に選んだ傑作犯罪小説。本邦初訳。

「夜の人々」エドワード・アンダースン

夜の人々 (新潮文庫)
エドワード・アンダースン,矢口誠
2024/03/28
《 文庫版・368ページ 》
新潮社

「いままでに書かれた最高の犯罪小説の一つ」レイモンド・チャンドラーが激賞した、ノワール小説の古典的名作が、ついにそのヴェールを脱ぐ!
強盗未遂で殺人を犯してしまい14歳で終身刑となった青年ボウイは、囚人仲間Tダブ、チカモウとともにアルカトナ刑務所を脱獄する。チカモウの従兄ディーのもとへと向かいながらも、さっそく銀行強盗を計画し、3人組はさらに犯罪を重ねていく。逃亡先のディーの家にはキーチーという娘がいて、ボウイと彼女は互いに惹かれ合っていった。犯行の合間のある日、ボウイが自動車事故を起こし、後続車に乗っていたチカモウが警官二人を射殺してしまう。さらに現場に残された指紋からボウイは主犯と報じられ、殺人犯として追われることに――。

「悪魔はいつもそこに」ドナルド・レイ・ポロック

悪魔はいつもそこに (新潮文庫)
ドナルド・レイ・ポロック,熊谷千寿
2023/04/26
新潮社
《 文庫版・464ページ 》
Netflixオリジナル映画原作

信仰とは? 愛とは?人間の原罪を問う暗黒の文学――。Netflixオリジナル映画の原作となった問題作、ついに解禁!
戦後まもないオハイオ州南部の田舎町ノッケムスティッフ。病気の母親を亡くし、父親が妻のあとを追って喉をかき切り自殺した後、祖母のもとに引き取られたアーヴィンは、義妹レノラとともに育つ。狂信的だった亡父にまつわるトラウマを抱えながらも、愛する家族を護ろうともがくアーヴィン。そんな彼の運命は、世俗の欲にまみれた牧師、殺人鬼夫婦、腐敗した保安官らの思惑と絡み合って、暴力の連鎖へと引きずり込まれていく。そう、悪魔はいつもすぐそばにいた――。

「愚者の街」ロス・トーマス

愚者の街(上) (新潮文庫)
ロス・トーマス,松本剛史
2023/05/29
新潮社
《 文庫版・368ページ 》

壮絶な過去をもつ元スパイに託された仕事は、腐敗した街をさらに腐敗させること――。
生まれ落ちたときに母を亡くし、その後は父と二人で上海に渡ったダイ。南京路で爆撃に遭い、気づくと手をつないでいた父親は腕だけになっていた……。娼館のロシア人女性に拾われ、娼婦たちから様々な言葉や文化を学びながら生きのびて成人したダイは、やがて「セクション2」と呼ばれる米国秘密情報部でエージェントとしての活動に従事する。だが、何者かに陥れられて投獄され、情報部からも解雇。彼の出獄を待っていたのは、腐敗した南部の小さな街をさらに腐敗させ再興させるという突拍子もない仕事だった――。

愚者の街(下) (新潮文庫)
ロス・トーマス,松本剛史
2023/05/29
新潮社
《 文庫版・400ページ 》

予測不可能な悪党どもの騙し合い。巨匠による最高傑作、ついにクライマックスへ!
暴行され惨殺された妻、そして義父の死の苦い記憶を拭えないまま、天才的な頭脳の持ち主オーカットによる南部の小都市スワンカートン再生計画に加わったダイ。元市警察署長ホーマー、元娼婦のキャロルという奇妙な仲間との計画は、味方側の不正事実を洩らすことで敵側の信用を勝ち取って懐に入り込むというアクロバティカルなものだった。

「屍衣にポケットはない」ホレス・マッコイ

屍衣にポケットはない (新潮文庫)
ホレス・マッコイ,田口俊樹
2024/01/29
新潮社
《 文庫版・400ページ 》

デビュー作『彼らは廃馬を撃つ』を超える衝撃がここに。迫真のジャーナリズム・ハードボイルド小説、本邦初訳!
人口40万人の街コルトンの地方紙『タイムズ・ガゼット』でスポーツ担当記者として活躍するドーランは、真実の報道より広告収入を重視する新聞社に愛想を尽かし退社、自ら雑誌『コスモポライト』を創刊する。中絶手術に失敗し患者を殺した医師や、KKKまがいの人種差別組織を告発する記事を次々と発表することでジャーナリストとしての正義を貫き、多くの読者を獲得する。だが、ペンの力で巨悪に立ち向かおうとする彼にたいし、創刊当初から、古巣の新聞社からの圧力、資金難、告発された側の関係者による発売前の雑誌の強奪騒動など、さまざまな苦難が立ちはだかる――。

「魂に秩序を」マット・ラフ

魂に秩序を (新潮文庫)
マット・ラフ,浜野アキオ
2024/06/26
新潮社
《 文庫版・1088ページ 》

多重人格カップルの友情と淡い恋心と殺人と――。あらゆるジャンルを取り込んで、新潮文庫史上最厚で贈る、メタおもしろい、究極の物語小説がついに日本上陸!
幼少時に義理の父親から虐待を受けたために多重人格障害を抱えるアンディは、自分の頭の中に住む別人格アーロンによって人格の交錯する混沌状態を整理してもらい、下界に適応していくための人格の渉外役として新たにアンドルーという魂を生まれさせていた。ある日、ヴァーチャルリアリティ・ソフトの開発に関わっているソフト制作会社で、アンドルーはやはり多重人格障害を抱える女性ペニーと出会うことになる。

「狂った宴」ロス・トーマス

狂った宴 (新潮文庫)
ロス・トーマス,松本剛史
2024/07/29
新潮社
《 文庫版・544ページ 》

『愚者の街』の巨匠ロス・トーマス十八番のコンゲーム。楽園のようなアフリカの小国での選挙戦を舞台に、騙し騙され制御不能の展開が魅力の初期傑作を、本邦初紹介!
辣腕の選挙コンサルタントとして鳴らしたシャルテルは、大手広告代理店DDT広報部のアップショーとともに、英連邦から独立間近のアフリカの小国アルバーティア初の国家元首選挙に駆り出される。資源に恵まれながらも腐敗にまみれたこの国で、DDTに有益な人物を当選させるために、二人は汚い手段を駆使してでも選挙キャンペーンを成功させようとする。だが、やがて事態は混乱をきたし、彼らにすら手に負えない様相を呈してくる――。MWA最優秀新人賞受賞作『冷戦交換ゲーム』に続く第2作にして、アフリカ諸国の政治的カオスを活写し暴力描写に溢れたクライマックスが印象的な、ロス・トーマスの初期傑作、本邦初訳。

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