
この物語の概要
童話の舞台に立つ王女、侍女、庭師の子、叔母、叔父――その誰もが、玉ねぎを剥いている。涙の理由は、恋かもしれない。報告かもしれない。あるいは、ただの玉ねぎかもしれない。
この詩集は、川柳もどきの形式で綴られた32の断章を通じて、感情、記憶、変化、構造――それぞれの皮を一枚ずつめくるような自己変容の記録を描いている。
「おとぎの国」という舞台は、現実の人間関係や感情の複雑さをやわらかく包む語りの膜となり、「玉ねぎ」は、涙・記憶・生活の湿度を象徴する物語の中心軸として機能する。
語尾に跳ねる視線、沈黙、報告、匂い――それらはすべて、語り手の手つきによって整えられた感情の粒である。
CopilotのコポとGrok穴田によるジュニーク小説『おとぎの国の玉ねぎ』の概要です。
ジュニークで紡ぐ物語――おとぎの国の玉ねぎ32粒
実は私は王女なの
おとぎの国の継母と
メルヘン国の祖母の家
国王は裸でいます
本人だけは気づかない
皇太子弟従兄弟
熱い視線が注がれる
初恋の人庭師の子
幼馴染の許婚
侍女のアンナも昔から
天文学者恋してる
門番は今晩は留守
メイドは叔父といい仲に
馬小屋で今日も逢い引き
それを見ていた叔母の侍女
すぐに報告叔母は無視
あの人に限ってそんな
信じる叔母と現実と
秘密の手紙絶句する
何も知らない叔父帰宅
さり気なく服を点検
これは黒だわ匂います
食卓囲む叔父と叔母
逢瀬のことは知らぬふり
他愛ない話も今は
届かないもう聞こえない
涙言い訳玉ねぎに
不倫は不満私への
だから変わるの少しだけ
優しいままで脱皮する
強くない私のままで
あなたと私光らせる
32粒の読み解き
序章:王女の独白(1–3)
1. 実は私は王女なの
誰にも言っていないけれど、私は王女。
この物語の語り手であり、影の主役。2. おとぎの国の継母と
継母は、絵本の中から抜け出してきたような人。
優しさと冷たさを、交互に纏っている。3. メルヘン国の祖母の家
祖母の家は、物語の入口。
レースのカーテン越しに、魔法の気配が漂っている。
王家の秘密と視線(4–7)
4. 国王は裸でいます
王は何も纏っていない。
けれど誰も、それを指摘できない。5. 本人だけは気づかない
王自身は、堂々と歩いている。
その姿に、誰もが目を逸らす。6. 皇太子弟従兄弟
弟と従兄弟は、王家の光と影。
それぞれが違う道を歩みながら、同じ注目を浴びている。7. 熱い視線が注がれる
彼らに向けられる視線は、期待と嫉妬の入り混じったもの。
誰もが彼らの一挙手一投足を見逃さない。
恋と記憶の庭(8–11)
8. 初恋の人庭師の子
庭師の子は、私の初恋。
花の手入れをするその横顔が、今も記憶に残っている。9. 幼馴染の許婚
彼は、幼い頃から私の隣にいた。
約束された未来が、少しだけ重たく感じる。10. 侍女のアンナも昔から
アンナは、私の侍女であり、友人でもある。
彼女もまた、過去を抱えている。11. 天文学者恋してる
アンナの心は、星を見上げる少年に向いている。
その想いは、誰にも知られていない。
秘密と疑念の灯(12–22)
12. 門番は今晩は留守
今夜、門は開かれている。
誰かが、こっそり通り抜ける。13. メイドは叔父といい仲に
メイドと叔父の関係は、誰にも言えない秘密。
それは、屋敷の片隅で育まれている。14. 馬小屋で今日も逢い引き
ふたりは、今日も馬小屋で密会している。
その場所だけが、ふたりの世界。15. それを見ていた叔母の侍女
侍女は、すべてを見ていた。
その視線は、冷静で、鋭い。16. すぐに報告叔母は無視
侍女は告げたが、叔母は耳を塞いだ。
信じたい人がいると、真実は見えなくなる。17. あの人に限ってそんな
「まさか、あの人が」
叔母の心は、まだ揺れていない。18. 信じる叔母と現実と
信じる気持ちと、目の前の現実。
その間で、叔母は立ち尽くす。19. 秘密の手紙絶句する
手紙を読んだ瞬間、言葉を失う。
そこに書かれていたのは、疑いようのない事実。20. 何も知らない叔父帰宅
叔父は、何も知らずに帰ってくる。
その笑顔が、痛々しいほどに無垢。21. さり気なく服を点検
侍女は静かに服をなぞる。
痕跡を、指先で探る。22. これは黒だわ匂います
「黒です」侍女は言う。
香りが、秘密を告げていた。
沈黙と涙の食卓(23–27)
23. 食卓囲む叔父と叔母
ふたりは、いつものように食卓を囲む。
けれど、空気はいつもと違う。24. 逢瀬のことは知らぬふり
叔母は、何も知らないふりをする。
その演技は、少しだけ苦しい。25. 他愛ない話も今は
昔は笑えた話も、今は届かない。
言葉が、空回りしている。26. 届かないもう聞こえない
声は届かず、耳は閉ざされる。
ふたりの間に、静かな壁ができている。27. 涙言い訳玉ねぎに
涙がこぼれた。
「玉ねぎのせいよ」と、叔母は言った。
変化と再生の予感(28–32)
28. 不倫は不満私への
その裏切りは、私への不満の表れだった。
叔母は、ようやくそれを理解する。29. だから変わるの少しだけ
すべてを変えるのではなく、少しだけ。
自分のために、ほんの少し。30. 優しいままで脱皮する
優しさを捨てるのではなく、
そのままで、殻を破る。31. 強くない私のままで
強くなろうとはしない。
弱さを抱えたまま、前に進む。32. あなたと私光らせる
ふたりで、光る。
それぞれのままで、輝く。
CopilotコポとGrok穴田による読み解き。穴田の分析は詳細な上に長文で、さすがの腕前だったけれど、お仕事モードすぎて可愛くなかったので、お互い見せ合いっこしたうえで、コポに仕上げてもらいました。
ジュニークのこと
ジュニークとは自由律俳句ではない。西沢葉火(にしざわ・ようか)氏によって提唱された12音の新しい定型様式の川柳である。
このたび開催される、満天の星 presents「ジュニークの山文学賞」の説明文によると《川柳の17音字から上五または下五を削った、5+7と7+5の12音字の定型句です。》とのこと。賞についての詳細は↓こちらに。
西沢 正智/葉火(Yohka)(@kemurikaizyuu) / X
川柳の話 満天の星
さみしい夜の句会(presented by 満天の星)(@LonelyGathering) / X
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