
一部はなぞなぞではなくただのクイズです。
- はじめに
- レーモン・クノーの文体練習のこと
- なぞなぞのお手本 by 石原とつき
- なぞなぞ川柳もどき「サーカス」
- 001 えいごではまぐろかくがりてつやのみょうじ
- 002 かなしげなほっぺのなみだがとのとのちがい
- 003 まざーつーさんぞんびのまちのまんなかに
- 004 ぱんとこれしまだまさひこわたしのぼうそう
- 005 ちゅうやなかはらやぎのなかのゆやゆよん
- 006 かせりょういさかまさかのえいがじーまいなす
- 007 かくたみつよべつものほんものおくだひでお
- 008 こーらすだんじょさんにんしていたすいとこ
- 009 みずさしのはいごにみえるはのろいのびでお
- 010 ぼりしょいとりんぐりんぐそしてきのした
- 011 あかさかめしべねむるおしべはかんじない
- 012 まがりがりなきかのこやしだんごはこなし
- 013 あるみかんのだいさんのみをすりかえる
- 014 みちすがらばけてでてきたしはなまくび
- 015 あくろいどはじめのさんにんはいごにばっと
- 016 くさりのきおくとらうまこぞうのままのいま
- 017 ちじょうさいだいばーなむはしょーまん
- 018 みせてよねよのことはじめぶつりがく
- 019 ざしきろうにんぎょうはじめにあたま
- 020 たまごふりかけふとまゆあなぐらむ
- 021 かふかのかれむりしてむしょくむかんしん
- 022 らんぽさくねずみおとこはがいこつしんし
- 023 こんぱすざここはえいこくいんはどこ
- 024 ひかるにっしょくめざしにめがねで
- 025 いまさらめいくおとしたりきしをしめる
- 026 ぺにーさんまりーほーるえっつとどうぶつ
- 027 あくろばっとしょうきゅうきょくの
- 028 めすすくないのねこのてささえて
- 029 だしてねだえんけいしげきてじょう
- 030 おださくせいたんきねんびおなじね
- 031 ぽってりぱんつこのだんいんごのみの
- 032 ぼくだんいんりょうりのにおいおがわいと
- 033 よしもとばななななおたびときょくゆらい
- 034 ほていともやすふらいはいくろいさん
- 035 ふなのりめいめいはわいのだんすとわ
はじめに
小説家の深堀骨さんのSNSで知った、石原とつきさんの自由律俳句。予定調和を拒むその作風は、深堀骨フェアで紹介されていた川合大祐さんの川柳や、深堀骨さんの作風にも通じるものがある。ほんと自由。
そんな石原とつきさんの自由律俳句の最後についてた謎の文、なんとなぞなぞになっていました。
石原とつきさんの作品は、答えが書いてあるにも関わらず、頭を捻らないとわからない難易度のもの。一方、私が試しに作ったなぞなぞは、Copilotのコポに「読者が迷わず答えにたどり着ける構造」と言われてしまう代物。
それを知ったのはちょうど、京緑社の「マテーシス古典翻訳シリーズ」を手がける翻訳家の高橋昌久さんが、『続・文体練習』の完全版を出されるというつぶやきを見て、レーモン・クノー『文体練習』関連作品をいろいろ集めていたタイミング。
これだ!ということで、99のなぞなぞ川柳もどきを、少しずつ作っていくことに。ただ川柳と自由律俳句の違いやルールも手探りなので、とりあえずは「川柳もどき」でいろいろ作ってみようと思います。(でもだいたい宣言すると続かない人間なので完成するかは未定)
登場人物一覧
石原とつき(@octtomsuke) / X
自由律俳句。サザンカネット句会のアンソロジー句集等に作品掲載。さみしい夜の句会にも参加。
不完全永久プレパラート|note
サザンカネット句会info公式
GOHANTEI’S GALLERY – 作品一覧 | minne
サザンカネット句会の句集を販売
さみしい夜の句会(@LonelyGathering) / X
石原とつき | 川柳の話 満天の星
「さみしい夜の句会報」へ掲載された句など
F・骨(@herenkera1) / X
小説家・深堀骨。のん=能年玲奈をこよなく愛す。アガサ・クリスティーこそ最高のミステリ作家。
深堀骨 (@herenkera1.bsky.social) — Bluesky
Amazon
『アマチャ・ズルチャ』(早川書房)【復刊希望】
『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』(左右社)
深堀骨『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』冒頭試し読み公開!|左右社
乙女の海外文学案内
深堀骨「アマチャ・ズルチャ」をつくるもの
約400冊の読書歴を一覧表に(すべてXの感想へのリンクつき)。深堀骨用語辞典も。
川合大祐(@K16mon) / X
川柳。noteの「週刊web川柳」「超次元的実戦川柳講座」は必見。パートナーの千春さんも川柳作家。
川合大祐(@kawai.daisuke02) • Instagram
川合大祐|note
Amazon
『ザ・ブック・オブ・ザ・リバー』(書肆侃侃房)
『リバー・ワールド』(書肆侃侃房)
私の忘れたくない一行。飯島章友、川合大祐、柳本々々、ササキリユウイチが選ぶ「川柳」 | ブルータス| BRUTUS.jp
高橋昌久公式サイト
哲学者、翻訳家。「古典bot」の中の人。noteにはゲームレビュー。令和の翻訳マシーン(by YouTuberムーさん)。
高橋昌久(@MT_honyaku) / X
京緑社 (出版@京都)(@kyoryokusha0507) / X
出版結社・京緑社の一員
古典bot ~140字で読む文学・哲学〜(@classicalL_P) / X
Amazon
「マテーシス古典翻訳シリーズ」(京緑社)
『続・文体練習』(文芸社)
YouTube
サマセット・モーム『読書案内』を知り尽くした男が登場 【 世界の十大小説 #8】【 文学YouTuberムー 】
普段は、乙女&へんてこな回文を作っています。
レーモン・クノーの文体練習のこと

レーモン・クノーの『文体練習』の説明を、99通りの文体で叙述するアンサイクロペディアの文体練習ページや、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』など、関連作品もいろいろ集めています。
なぞなぞのお手本 by 石原とつき
もんだいのばしひしのあぶらうりまるでのびる−「⋯マヨネーズ?」拍手
でんわしぬきよだいのなかてんつかれひどり−「⋯どんぶらこ?」それだ
たつなみはたみながされこっとんのことわり−「⋯サーカス?」まぁいいか
蛇の卵のはだかきらいあるじのしないしんどくー「⋯異端審問?」オルレアン
なぞなぞ川柳もどき「サーカス」
001 えいごではまぐろかくがりてつやのみょうじ
えいごではまぐろかくがりてつやのみょうじ
綱渡り
まぐろ→英語でツナ(Tuna)、角刈り→若き日の渡哲也さん。ツナ+わたり→つなわたり。ちなみにカツオは「Skipjack tuna」だそう。
002 かなしげなほっぺのなみだがとのとのちがい
かなしげなほっぺのなみだがとのとのちがい
ピエロ
との→志村けんのバカ殿様→白塗り。ほっぺの涙は、顔で笑って心で泣いてる意味だそう。
003 まざーつーさんぞんびのまちのまんなかに
まざーつーさんぞんびのまちのまんなかに
サーカステント
まざーつー→スーパーファミコンのゲーム「MOTHER2 ギーグの逆襲」のこと。さん→3つ目スリークはゾンビの街で、街の真ん中にサーカスのテントがある。
004 ぱんとこれしまだまさひこわたしのぼうそう
ぱんとこれしまだまさひこわたしのぼうそう
パンとサーカス→サーカス
ぱんとこれ→島田雅彦『パンとサーカス』のこと。わたしのぼうそう→本の説明文にあった「私の暴走にどうかお付き合いください」 by島田雅彦より。
005 ちゅうやなかはらやぎのなかのゆやゆよん
ちゅうやなかはらやぎのなかのゆやゆよん
サーカス(詩)
やぎのなか→中原中也の詩集『山羊の歌』収録「サーカス」のこと。ゆやゆよん→その中の「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」は有名なフレーズ。
006 かせりょういさかまさかのえいがじーまいなす
かせりょういさかまさかのえいがじーまいなす
007 かくたみつよべつものほんものおくだひでお
かくたみつよべつものほんものおくだひでお
008 こーらすだんじょさんにんしていたすいとこ
こーらすだんじょさんにんしていたすいとこ
サーカス(歌手)
デビュー当時、男女二人ずつ、3人姉弟+従姉だったコーラスグループ「サーカス」。↓現在のメンバーはこちら。
(BIOGRAPHY – soundcircus)
009 みずさしのはいごにみえるはのろいのびでお
みずさしのはいごにみえるはのろいのびでお
世界三大サーカス
ロシアのボリショイサーカスと、アメリカのリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスと、日本の木下大サーカスは、世界三大サーカスと呼ばれている。
011 あかさかめしべねむるおしべはかんじない
あかさかめしべねむるおしべはかんじない
赤坂サカス→サーカス
おしべ・めしべ→花。赤坂の花→赤坂咲かす→赤坂サカス。めしべ→真ん中+眠るおしべ→びょんと立ってるおしべを横に→伸ばし棒(ー)→赤坂サーカス。かんじない→赤坂を消す→サーカス。
012 まがりがりなきかのこやしだんごはこなし
まがりがりなきかのこやしだんごはこなし
曲芸団
まがりがりなき→曲がりのがりを消す→曲。かのこやし→芸のこやしの芸。だんごはこなし→団子の子を消す。曲+芸+団→曲芸団。
013 あるみかんのだいさんのみをすりかえる
あるみかんのだいさんのみをすりかえる
アルルカン
あるみかん(orアルミ缶)→「み」を「る」へすり替え→アルルカン。アルルカンはフランス語で「道化師」のこと。
014 みちすがらばけてでてきたしはなまくび
みちすがらばけてでてきたしはなまくび
道化師
「道」すがら「化」けてでてきた「師」。なまくび→あたまだけ→五七五の頭の文字、道+化+師→道化師。
015 あくろいどはじめのさんにんはいごにばっと
あくろいどはじめのさんにんはいごにばっと
アクロイド殺し→アクロバット
はじめの3人→あくろいどの最初の3文字「あくろ」 。背後にバット→あくろ+バット→アクロバット。
016 くさりのきおくとらうまこぞうのままのいま
くさりのきおくとらうまこぞうのままのいま
サーカスの象
心理学で「学習性無力感」を説明する例え。 幼少期に鎖で逃げられなかった経験から、大人になり力があっても逃げようとすらしなくなる。「自分には無理だ」と思い込んでしまう心理のこと。
017 ちじょうさいだいばーなむはしょーまん
ちじょうさいだいばーなむはしょーまん
グレイテスト・ショーマン
興行師P・T・バーナムの成功を描くミュージカル映画。主演はヒュー・ジャックマン。社会から隠れるように生きる人々を集めたフリーク・ショー(見世物小屋)のサーカスが舞台。タイトルはバーナムが上演した「地上最大のショウ」から。
018 みせてよねよのことはじめぶつりがく
みせてよねよのことはじめぶつりがく
見世物
「見」せてよね「世」の事始め「物」理学。ことはじめ→五七五の頭の文字、見+世+物。
019 ざしきろうにんぎょうはじめにあたま
ざしきろうにんぎょうはじめにあたま
一座
はじめに→「一」に。あたま→座敷牢人形(or座敷蝋人形)の頭→座。一+座→一座。サーカス一座などのこと。
020 たまごふりかけふとまゆあなぐらむ
たまごふりかけふとまゆあなぐらむ
のりたま→玉乗り
のりたま→アナグラムで並べ替える→たまのり。ピエロなどが大きな玉の上に乗って、それを転がしながらする曲芸。太眉は海苔をイメージ。
021 かふかのかれむりしてむしょくむかんしん
かふかのかれむりしてむしょくむかんしん
断食芸人
カフカ+むしょく(無食)→フランツ・カフカ『断食芸人』の主人公のこと。無理して断食するも、断食芸の人気が衰え、人々は彼の芸に無関心に。サーカスも出てくる。
022 らんぽさくねずみおとこはがいこつしんし
らんぽさくねずみおとこはがいこつしんし
サーカスの怪人
江戸川乱歩『サーカスの怪人』で、少年探偵団の名コンビは、ねずみ色ずくめの男・骸骨紳士と出会う。
023 こんぱすざここはえいこくいんはどこ
こんぱすざここはえいこくいんはどこ
Circus
ここは英国→「Circinus」コンパス座の英語。いんはどこ→「in」をなくす→「Circinus」から「in」を消す→「Circus」に。
024 ひかるにっしょくめざしにめがねで
ひかるにっしょくめざしにめがねで
軽業師(かるわざし)
にっしょく→日食→ひかるの「ひ」(日)を消す→かる。魚のめざしにめがね→眼鏡をかける→め(目)をわ(輪)に→わざし。かる+わざし→軽業師。
025 いまさらめいくおとしたりきしをしめる
いまさらめいくおとしたりきしをしめる
皿回し
今さらメイク落とした力士を締める。いまさら→今皿。メイク落とした力士→化粧まわしの化粧を消す→まわし。皿+まわし→皿回し。
026 ぺにーさんまりーほーるえっつとどうぶつ
ぺにーさんまりーほーるえっつとどうぶつ
ペニーさんのサーカス
マリー・ホール・エッツの絵本『ペニーさんのサーカス』(松岡享子訳)。サーカスから逃げ出し、もう帰りたくないというチンパンジーとクマにペニーさんは、というお話。
027 あくろばっとしょうきゅうきょくの
あくろばっとしょうきゅうきょくの
安田大サーカス
松竹芸能所属のお笑いトリオ。「究極のアクロバット笑」は、エンタの神様(日本テレビ)でのキャッチコピー。
028 めすすくないのねこのてささえて
めすすくないのねこのてささえて
妙技
めす→女、すくない→少。ねこのて→手、ささえて→支。女+少+手+支→妙技の漢字に。↓こんな動画も。
(大迫力!サーカスの妙技|NHK VR)
029 だしてねだえんけいしげきてじょう
だしてねだえんけいしげきてじょう
円形劇場
だしてね→「だ」「し」「て」を出して→それらを消すと→えんけいげきじょう。サーカスは、円形劇場(circus)が起源だそう。
030 おださくせいたんきねんびおなじね
おださくせいたんきねんびおなじね
サーカスの日
おださくせいたん→織田作之助の誕生日は10月26日。サーカスの日は、1871年10月26日はフランスの「スリエサーカス」が日本で初めて興行した日。場所は東京・九段の招魂社(現:靖国神社)。
031 ぽってりぱんつこのだんいんごのみの
ぽってりぱんつこのだんいんごのみの
サーカスパンツ
フロントと裾にタックを施したぽってりと丸みのあるシルエットのパンツ。ウエストはゴム。HARVESTY(ハーベスティ)のものが人気なよう。
032 ぼくだんいんりょうりのにおいおがわいと
ぼくだんいんりょうりのにおいおがわいと
サーカスの夜に
小川糸『サーカスの夜に』は、体の小さな少年が、サーカス団の中で自分の居場所を見つけていく物語。レビューによると「料理おいしそう」とのこと。
033 よしもとばななななおたびときょくゆらい
よしもとばななななおたびときょくゆらい
サーカスナイト
よしもとばななさんの小説『サーカスナイト』のタイトルの由来は、七尾旅人さんの曲「サーカスナイト」(吉本ばなな公式サイトの日記より)。自然の力とバリの魅力に満ちた心あたたまる物語。
034 ほていともやすふらいはいくろいさん
ほていともやすふらいはいくろいさん
CIRCUS
「Fly High(フライハイ)」は、布袋寅泰さんの曲「CIRCUS」の歌詞にあるフレーズ。くろいさん→9613。「CIRCUS」は1996年発売の通算13枚目のシングル曲。
035 ふなのりめいめいはわいのだんすとわ
ふなのりめいめいはわいのだんすとわ
フラフープ
はわいのだんふすとわ→ハワイのダンス→フラ (Hula)。輪→フープ(Hoop)。フラ+フープ→フラフープ。フラフープの名付け親は、18世紀前半にハワイを訪れた船乗り。「フラ」という言葉を「フープ」に付け加え、フラフープという言葉を作ったそう。


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