
ブッカー賞の歴代受賞作と受賞作家の一覧表
| 年 | 作品名 | 作家名 | 作家名英語 | 国 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | Flesh | デイヴィッド・サロイ | David Szalay | ハンガリー/ イギリス |
| 2024年 | Orbital | サマンサ・ハーヴェイ | Samantha Harvey | イギリス |
| 2023年 | Prophet Song | ポール・リンチ | Paul Lynch | アイルランド |
| 2022年 | マーリ・アルメイダの七つの月 | シェハン・カルナティラカ | Shehan Karunatilaka | スリランカ |
| 2021年 | 約束 | デイモン・ガルガット | Damon Galgut | 南アフリカ |
| 2020年 | シャギー・ベイン | ダグラス・スチュアート | Douglas Stuart | スコットランド /アメリカ |
| 2019年 | 誓願 | マーガレット・アトウッド | Margaret Atwood | カナダ |
| 2019年 | 少女、女、ほか | バーナディン・エヴァリスト | Bernardine Evaristo | イギリス |
| 2018年 | ミルクマン | アンナ・バーンズ | Anna Burns | アイルランド |
| 2017年 | リンカーンとさまよえる霊魂たち | ジョージ・ソーンダーズ | George Saunders | アメリカ |
| 2016年 | The Sellout | ポール・ビーティー | Paul Beatty | アメリカ |
| 2015年 | 七つの殺人に関する簡潔な記録 | マーロン・ジェイムズ | Marlon James | ジャマイカ |
| 2014年 | 奥のほそ道 | リチャード・フラナガン | Richard Flanagan | オーストラリア |
| 2013年 | ルミナリーズ | エレノア・カットン | Eleanor Catton | ニュージー ランド |
| 2012年 | 罪人を召し出せ | ヒラリー・マンテル | Hilary Mantel | イギリス |
| 2011年 | 終わりの感覚 | ジュリアン・バーンズ | Julian Barnes | イギリス |
| 2010年 | The Finkler Question | ハワード・ジェイコブソン | Howard Jacobson | イギリス |
| 2009年 | ウルフホール | ヒラリー・マンテル | Hilary Mantel | イギリス |
| 2008年 | グローバリズム出づる処の 殺人者より | アラヴィンド・アヴィガ | Aravind Adiga | インド |
| 2007年 | The Gathering | アン・エンライト | Anne Enright | アイルランド |
| 2006年 | 喪失の響き | キラン・デサイ | Kiran Desai | インド |
| 2005年 | 海に帰る日 | ジョン・バンヴィル | John Banville | アイルランド |
| 2004年 | The Line of Beauty | アラン・ホリングハースト | Alan Hollinghurst | イギリス |
| 2003年 | ヴァーノン・ゴッド・リトル 死をめぐる21世紀の喜劇 | D・B・C・ピエール | DBC Pierre | オーストラリア |
| 2002年 | パイの物語 | ヤン・マーテル | Yann Martel | カナダ |
| 2001年 | ケリー・ギャングの真実の歴史 | ピーター・ケアリー | Peter Carey | オーストラリア |
| 2000年 | 昏き目の暗殺者 | マーガレット・アトウッド | Margaret Atwood | カナダ |
| 1999年 | 恥辱 | J・M・クッツェー | J. M. Coetzee | 南アフリカ/ オーストラリア |
| 1998年 | アムステルダム | イアン・マキューアン | Ian McEwan | イギリス |
| 1997年 | 小さきものたちの神 | アルンディタ・ロイ | Arundhati Roy | インド |
| 1996年 | ラストオーダー | グレアム・スウィフト | Graham Swift | イギリス |
| 1995年 | The Ghost Road | パット・バーカー | Pat Barker | イギリス |
| 1994年 | How Late It Was, How Late | ジェームズ・ケルマン | James Kelman | スコットランド |
| 1993年 | パディ・クラークハハハ | ロディ・ドイル | Roddy Doyle | アイルランド |
| 1992年 | イギリス人の患者 | マイケル・オンダーチェ | Michael Ondaatje | カナダ/ スリランカ |
| 1992年 | 聖なる渇望 | バリー・アンズワース | Barry Unsworth | イギリス |
| 1991年 | 満たされぬ道 | ベン・オクリ | Ben Okri | ナイジェリア |
| 1990年 | 抱擁 | A・S・バイアット | A. S. Byatt | イギリス |
| 1989年 | 日の名残り | カズオ・イシグロ | Kazuo Ishiguro | イギリス |
| 1988年 | オスカーとルシンダ | ピーター・ケアリー | Peter Carey | オーストラリア |
| 1987年 | ムーンタイガー | ペネロピ・ライヴリー | Penelope Lively | イギリス |
| 1986年 | The Old Devils | キングズリー・エイミス | Kingsley Amis | イギリス |
| 1985年 | The Bone People | ケリ・ヒューム | Keri Hulme | ニュージー ランド |
| 1984年 | 秋のホテル | アニータ・ブルックナー | Anita Brookner | イギリス |
| 1983年 | マイケル・K | J・M・クッツェー | J. M. Coetzee | 南アフリカ/ オーストラリア |
| 1982年 | シンドラーズ・リスト 1200人の ユダヤ人を救ったドイツ人 | トマス・キニーリー | Thomas Keneally | オーストラリア |
| 1981年 | 真夜中の子供たち | サルマン・ラシュディ | Salman Rushdie | イギリス |
| 1980年 | 通過儀礼 | ウィリアム・ゴールディング | William Golding | イギリス |
| 1979年 | テムズ河の人々 | ペネロピ・フィッツジェラルド | Penelope Fitzgerald | イギリス |
| 1978年 | 海よ、海 | アイリス・マードック | Iris Murdoch | イギリス/ アイルランド |
| 1977年 | Staying On | ポール・スコット | Paul Scott | イギリス |
| 1976年 | サヴィルの青春 | デイヴィッド・ストーリー | David Storey | イギリス |
| 1975年 | Heat and Dust | ルース・プラワー・ ジャブヴァーラ | Ruth Prawer Jhabvala | イギリス/ ドイツ |
| 1974年 | The Conversationist | ナディン・ゴーディマ | Nadine Gordimer | 南アフリカ |
| 1974年 | Holiday | スタンリー・ミドルトン | Stanley Middleton | イギリス |
| 1973年 | セポイの反乱 | ジェイムズ・G・ファレル | J. G. Farrell | イギリス/ アイルランド |
| 1972年 | G. | ジョン・バージャー | John Berger | イギリス |
| 1971年 | 自由の国で | V・S・ナイポール | V. S. Naipaul | イギリス/ トリニダード・ トバゴ |
| 1970年 | 選ばれし者 | バーニス・ルーベンス | Bernice Rubens | ウェールズ |
| 1969年 | Something to Answer For | P・H・ニュービィ | P. H. Newby | イギリス |
ブッカー賞受賞作、邦訳作品の一覧表
| 年 | 作品名 | 作家名 | 翻訳者 | 出版社 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | マーリ・アルメイダの七つの月 | シェハン・カルナティラカ | 山北めぐみ | 河出書房新社 |
| 2021年 | 約束 | デイモン・ガルガット | 宇佐川晶子 | 早川書房 |
| 2020年 | シャギー・ベイン | ダグラス・スチュアート | 黒原敏行 | 早川書房 |
| 2019年 | 誓願 | マーガレット・アトウッド | 鴻巣友季子 | 早川書房 |
| 2019年 | 少女、女、ほか | バーナディン・エヴァリスト | 渡辺佐智江 | 白水社 |
| 2018年 | ミルクマン | アンナ・バーンズ | 栩木玲子 | 河出書房新社 |
| 2017年 | リンカーンとさまよえる霊魂たち | ジョージ・ソーンダーズ | 上岡伸雄 | 河出書房新社 |
| 2015年 | 七つの殺人に関する簡潔な記録 | マーロン・ジェイムズ | 旦敬介 | 早川書房 |
| 2014年 | 奥のほそ道 | リチャード・フラナガン | 渡辺佐智江 | 白水社 |
| 2013年 | ルミナリーズ | エレノア・カットン | 安達まみ | 岩波書店 |
| 2012年 | 罪人を召し出せ | ヒラリー・マンテル | 宇佐川晶子 | 早川書房 |
| 2011年 | 終わりの感覚 | ジュリアン・バーンズ | 土屋政雄 | 新潮社 |
| 2009年 | ウルフホール | ヒラリー・マンテル | 宇佐川晶子 | 早川書房 |
| 2008年 | グローバリズム出づる処の 殺人者より | アラヴィンド・アヴィガ | 鈴木恵 | 文藝春秋 |
| 2006年 | 喪失の響き | キラン・デサイ | 谷崎由依 | 早川書房 |
| 2005年 | 海に帰る日 | ジョン・バンヴィル | 村松潔 | 新潮社 |
| 2003年 | ヴァーノン・ゴッド・リトル 死をめぐる21世紀の喜劇 | D・B・C・ピエール | 都甲幸治 | フリュー |
| 2002年 | パイの物語 | ヤン・マーテル | 唐沢則幸 | 竹書房文庫 |
| 2001年 | ケリー・ギャングの真実の歴史 | ピーター・ケアリー | 宮木陽子 | 早川書房 |
| 2000年 | 昏き目の暗殺者 | マーガレット・アトウッド | 鴻巣友季子 | ハヤカワepi文庫 |
| 1999年 | 恥辱 | J・M・クッツェー | 鴻巣友季子 | ハヤカワepi文庫 |
| 1998年 | アムステルダム | イアン・マキューアン | 小山太一 | 新潮文庫 |
| 1997年 | 小さきものたちの神 | アルンディタ・ロイ | 工藤惺文 | DHC |
| 1996年 | ラストオーダー | グレアム・スウィフト | 真野泰 | 中央公論新社 |
| 1993年 | パディ・クラークハハハ | ロディ・ドイル | 実川元子 | キネマ旬報社 |
| 1992年 | イギリス人の患者 | マイケル・オンダーチェ | 土屋政雄 | 創元文芸文庫 |
| 1992年 | 聖なる渇望 | バリー・アンズワース | 小林克彦, 二村宮國 | 至誠堂書店 |
| 1991年 | 満たされぬ道 | ベン・オクリ | 金原瑞人 | 平凡社 |
| 1990年 | 抱擁 | A・S・バイアット | 栗原行雄 | 新潮文庫 |
| 1989年 | 日の名残り | カズオ・イシグロ | 土屋政雄 | ハヤカワepi文庫 |
| 1988年 | オスカーとルシンダ | ピーター・ケアリー | 宮木陽子 | DHC |
| 1987年 | ムーンタイガー | ペネロピ・ライヴリー | 鈴木和子 | 朝日出版社 |
| 1984年 | 秋のホテル | アニータ・ブルックナー | 小野寺健 | 晶文社 |
| 1983年 | マイケル・K | J・M・クッツェー | くぼたのぞみ | 岩波文庫 |
| 1982年 | シンドラーズ・リスト 1200人の ユダヤ人を救ったドイツ人 | トマス・キニーリー | 幾野宏 | 新潮文庫 |
| 1981年 | 真夜中の子供たち | サルマン・ラシュディ | 寺門泰彦 | 岩波文庫 |
| 1980年 | 通過儀礼 | ウィリアム・ゴールディング | 伊藤豊治 | 開文社出版 |
| 1979年 | テムズ河の人々 | ペネロピ・フィッツジェラルド | 青木由紀子 | 晶文社 |
| 1978年 | 海よ、海 | アイリス・マードック | 蛭川久康 | 集英社 |
| 1976年 | サヴィルの青春 | デイヴィッド・ストーリー | 橋口稔 | 集英社 |
| 1973年 | セポイの反乱 | ジェイムズ・G・ファレル | 岩元巌 | 新潮社 |
| 1972年 | G. | ジョン・バージャー | 栗原行雄 | 新潮社 |
| 1971年 | 自由の国で | V・S・ナイポール | 安引宏 | 草思社 |
| 1970年 | 選ばれし者 | バーニス・ルーベンス | 鈴木和子 | 創流社 |
ブッカー賞とは
ブッカー賞のこと

The Booker Prizes
ブッカー賞 – Wikipedia
ブッカー賞は、以前はブッカー賞小説部門(1969年 – 2001年)、マン・ブッカー賞(2002年 – 2019年)と呼ばれ、毎年、英国またはアイルランドで出版された英語で書かれた最も優れた単一の長編フィクション作品に授与される文学賞です。最も権威のある文学賞の1つとみなされており、受賞者には5万ポンドが贈られるほか、通常は売上の大幅な増加につながる国際的な宣伝効果も得られます。
ブッカー賞が高い評価を得ている要因の一つに、その選考の仕方がある。賞選考は、諮問委員会が選考委員を決定するところから始まるが、選考委員は毎年変わり、2度選ばれることは滅多にない。
The Booker Prizes
The Booker Prize 2025 | The Booker Prizes
Prize years | The Booker Prizes
ブッカー賞 – Wikipedia
Booker Prize – Wikipedia
The International Booker Prize | The Booker Prizes
International Booker Prize – Wikipedia
The Children’s Booker Prize | The Booker Prizes
Children’s Booker Prize – Wikipedia
国際ブッカー賞とは

こちらでまとめています。
児童ブッカー賞は、ブッカー賞財団によって2025年10月に発表されました。既存の英語小説を対象としたブッカー賞と、英語に翻訳された作品を対象とした国際ブッカー賞を補完する形で、英国またはアイルランドで出版された8歳から12歳までの児童向け現代小説(英語で書かれたもの、または他言語から翻訳されたもの)の中から、最も優れた作品を毎年表彰します。受賞者には5万ポンドが授与されます。
2025年のブッカー賞受賞作と最終候補作
「Flesh」デヴィッド・サロイ
『Flesh: A Novel』
David Szalay
2025/04/01
Scribner
ハンガリーの静かな集合住宅で、10代のイシュトヴァーンは母と暮らしている。内気で町に来たばかりの彼は、クラスメートが慣れ親しんでいる社会的な儀式に馴染めず、すぐに孤立してしまう。そして彼は、仲間や母、さらには自分自身に対しても永遠に「よそ者」となるような一連の出来事に引き込まれていく。
その後の年月で、イシュトヴァーンは見知らぬ人々の善意、あるいは自己利益に導かれながら、険しくも上昇する軌跡を描いていく。それは彼の子供時代や、突然終わりを告げた決定的な出来事から、彼自身が想像もしなかったほど遠くへと彼を運んでいくのだった。
2025年のブッカー賞最終候補作
『The Land in Winter』
アンドリュー・ミラー
Andrew Miller
『The Rest of Our Lives』
ベン・マルコヴィッツ
Ben Markovits
『Audition』
ケイティ・キタムラ
Katie Kitamura
『The Loneliness of Sonia and Sunny』
キラン・デサイ
Kiran Desai
『Flashlight』
スーザン・チョイ
Susan Choi
気になるブッカー賞受賞作
ただいま追加作業中。
2022年「マーリ・アルメイダの七つの月」シェハン・カルナティラカ
『マーリ・アルメイダの七つの月 上』
シェハン・カルナティラカ,山北めぐみ
2023/12/26
河出書房新社
1990年、内戦下のスリランカ・コロンボ。戦場カメラマンにしてギャンブラー、皮肉屋で放埓なゲイであるマーリ・アルメイダは、気がつくと冥界のカウンターにいた。自分が死んだ記憶はないが、ここに来る前、内戦を終わらせるための写真を撮ったことは覚えている。写真を公表するため、彼にあたえられた猶予は7回月が昇るまで。生者と死者の入り乱れた狂乱の世界をさまよう、マーリ・アルメイダの地獄めぐりがはじまる。ブッカー賞受賞作。
2021年「約束」デイモン・ガルガット
『約束』
デイモン・ガルガット ,宇佐川晶子
2024/06/19
早川書房
アパルトヘイト以前、以後──社会変革の渦中にある南アフリカ。プレトリアで農場を営む白人の家族とその黒人メイドとの間に交わされた土地の所有権をめぐる約束が、40年にわたり一家の運命を翻弄する。アフリカ文学の最先端にして英国最高峰ブッカー賞受賞作
2020年「シャギー・ベイン」ダグラス・スチュアート
『シャギー・ベイン』
ダグラス・スチュアート,黒原敏行
2022/04/20
早川書房
デビュー作にして、英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞。英語圏で100万部突破の話題作。
1980年代、英国グラスゴー。“男らしさ”を求める時代に馴染めない少年シャギーにとって、自分を認めてくれる母アグネスの存在は彼の全てだった。アグネスは、エリザベス・テイラー似の美女。誇り高く、いつも周囲を魅了していた。貧しさが国全体を覆っていくなか、彼女は家族をまとめようと必死だった。しかし、浮気性の夫がアグネスを捨ててから、彼女は酒に溺れていき、唯一の収入である給付金さえも酒代に費やしてしまう。共に住む姉兄は、母を見限って家を離れていくが、まだ幼い
2019年「誓願」マーガレット・アトウッド
『誓願 (ハヤカワepi文庫)』
マーガレット・アトウッド,鴻巣友季子
2023/09/05
早川書房
過酷な男尊女卑政策をとる独裁国家ギレアデ。その司令官の娘アグネスは、よき妻となるための教えに従いつつ、違和感も覚えていた。隣国の高校生デイジーは平和に暮らすある日、両親を殺され、やがて危険な任務に身を投じていく。ギレアデの中枢では、指導者のリディア小母が秘かな賭けに出ていた。まるで異なる3人の女性がいま、手を組み、国家の闇に挑む。『侍女の物語』の15年後を描いた、ブッカー賞受賞作。解説/小川公代
2019年「少女、女、ほか」バーナディン・エヴァリスト
『少女、女、ほか』
バーナディン・エヴァリスト,渡辺佐智江
2023/10/01
白水社
子ども時代のレイプ、小さな町での差別、子どもを抱え必死に働いてきたこと、エリートとなった娘との不仲、実の両親を知らないことなど、みな人知れず心に傷を抱えている。大切なのは共にいること。人生、捨てたもんじゃない。笑って泣かせ心揺さぶる真実の物語。2019年度ブッカー賞受賞作。
2018年「ミルクマン」アンナ・バーンズ
『ミルクマン』
アンナ・バーンズ,栩木玲子
2020/12/01
河出書房新社
「ミルクマンはある日、私が『アイヴァンホー』を読みながら歩いているところへ、車を運転しながら近づいてきた」。1970年代終わりの北アイルランド・ベルファスト。本を読みながら歩くことが好きな18歳少女が、反体制派の大物から恋人としてつけ狙われる。政治、宗教、暴力、旧弊な思考に支配されるコミュニティで少女は次第に孤立していく。
2017年「リンカーンとさまよえる霊魂たち」ジョージ・ソーンダーズ
『リンカーンとさまよえる霊魂たち』
ジョージ・ソーンダーズ,上岡伸雄
河出書房新社
戦時の大統領リンカーンが、急逝した愛息ウィリーの記憶にひたるため夜の墓地を訪れる。そこには自らの死を受け入れられず、彼岸と此岸の間をさまよう霊魂たちがいた。たくさんの目と鼻と手をもつベヴィンズ、素っ裸で巨大なペニスを屹立させたヴォルマン、最後の審判を恐れる牧師トーマス…。現世の妄執を抱えて生きる(?)彼らがリンカーンに触れる時、感動的でユーモラスな途方もない物語が動きはじめる。まったく新しい形式に奇想と興奮を詰めこんだ、現代アメリカ最高の短編作家、驚愕の初長編。全米ベストセラー、ブッカー賞受賞の超話題作!!!
2009年「ウルフホール」ヒラリー・マンテル
『ウルフホール 上』
『ウルフホール 下』
ヒラリー・マンテル, 宇佐川晶子
2011/07/08
早川書房
16世紀のイギリス、ロンドン。息子が生まれないと悩む国王ヘンリー八世は、王妃との離婚を願う。しかし、教皇の反対により、一向に離婚協議は進まない。トマス・クロムウェルは、卑しい生まれから自らの才覚だけで生きてきた男。数カ国語を流暢に話し、記憶力に優れ、駆け引きに長けた戦略家だった。仕える枢機卿の権勢が衰えていくなか、クロムウェルはヘンリー八世に目をかけられるようになるがー16世紀のイギリス宮廷を、希代の天才政治家クロムウェルの目から描いた興奮の歴史大作。ブッカー賞、全米批評家協会賞、ウォルター・スコット賞受賞。
2000年「昏き目の暗殺者」マーガレット・アトウッド
『昏き目の暗殺者 上 (ハヤカワepi文庫)』
『昏き目の暗殺者 下 (ハヤカワepi文庫)』
マーガレット・アトウッド,鴻巣友季子
2019/09/28
早川書房
1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ。あれは本当に事故だったのだろうか?年老い孤独に暮らす姉アイリスは、釦工業で財をなした町いちばんの名家だった家族の歴史と姉妹の来し方を振り返っていく…。ローラの手になる小説『昏き目の暗殺者』、次々と亡くなっていく親族たちの死亡記事、そして老女の回想が織りなすある一族の波瀾の歴史。稀代の物語作家が圧倒的想像力で描くブッカー賞、ハメット賞受賞作。
1992年「 イギリス人の患者 」マイケル・オンダーチェ
『イギリス人の患者 (創元文芸文庫)』
マイケル・オンダーチェ,土屋政雄
2024/01/19
東京創元社
砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた男は顔も名前も失い、廃墟のごとき屋敷に辿り着いた。世界からとり残されたような場所へ、ひとりまたひとりと訪れる、戦争の傷を抱えたひとびと。それぞれの哀しみが語られるとともに、男の秘密もまたゆるやかに、しかし抗いがたい必然性をもって解かれてゆく──英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く至上の長編小説。訳者あとがき=土屋政雄/解説=石川美南



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