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全米図書賞の歴代受賞者一覧と日本人の受賞作家、邦訳作品

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全米図書賞の歴代受賞者と日本語訳された受賞作品一覧

全米図書賞の歴代受賞作家一覧

2018年に多和田葉子さんが『献灯使』、2020年に柳美里さんが『JR上野駅公園口』で全米図書賞・翻訳文学部門を受賞。2022年には多和田葉子さんが『地球にちりばめられて』で再び最終候補になったことや、受賞されたお二人がノーベル文学賞の候補(→ノーベル文学賞の候補作家一覧)として名前が上がったことでも話題になった全米図書賞。2024年は楊双子さんの『台湾漫遊鉄道のふたり』が翻訳部門を受賞しました。日本でも話題の作品なのでとてもうれしい。

全米図書賞は作品に贈られる賞だけれど、歴代受賞作家だけで受賞作品なし、作家名だけのシンプルな一覧表にします。小説・ノンフィクション・詩・翻訳・児童文学の5部門の分類。翻訳部門のみ翻訳家と国などを記載した一覧表のほか、日本語で読むことのできる受賞作品を紹介。邦訳されていない作品名が知りたい方は↓のWikipediaで確認して、一覧表の作家名からAmazon検索へ飛ぶと見つけられると思います。全米図書賞を入口に、海外文学に触れる機会が増えますように。

  1. 全米図書賞とは
  2. 2024年全米図書賞受賞作
  3. 2024年全米図書賞・翻訳文学部門受賞作
    1. 「台湾漫遊鉄道のふたり」楊双子
    2. 「Taiwan Travelogue」Shuang-zi Yang,Lin King
  4. 全米図書賞の歴代受賞作家一覧
    1. 「翻訳部門」受賞作家一覧
    2. 「小説部門」受賞作家一覧
    3. 「児童文学部門」受賞作家一覧
    4. 「詩部門」受賞作家一覧
    5. 「ノンフィクション部門」受賞作家一覧
  5. 全米図書賞、日本人の受賞作家一覧
  6. 日本語で読める全米図書賞受賞作品「小説部門」
    1. 「友だち」シーグリッド・ヌーネス(2018年)
    2. 「歌え、葬られぬ者たちよ、歌え」ジェスミン・ウォード(2017年)
    3. 「地下鉄道」コルソン・ホワイトヘッド(2016年)
    4. 「一時帰還」フィル・クレイ(2014年)
    5. 「骨を引き上げろ」ジェスミン・ウォード(2011年)
    6. 「世界を回せ」コラム・マッキャン(2009年)
    7. 「煙の樹」デニス・ジョンソン(2007年)
    8. 「エコー・メイカー」リチャード・パワーズ(2006年)
    9. 「六月の組曲」ジュリア・グラス(2002年)
    10. 「コレクションズ」ジョナサン・フランゼン(2001年)
    11. 「イン・アメリカ」スーザン・ソンタグ(2000年)
    12. 「待ち暮らし」ハ・ジン(1999年)
    13. 「チャーミング・ビリー」アリス・マクダーモット(1998年)
    14. 「コールドマウンテン」チャールズ・フレイジャー(1997年)
    15. 「シッピング・ニュース」E・アニー・プルー(1993年)
    16. 「すべての美しい馬」コーマック・マッカーシー(1992年)

全米図書賞とは

全米図書賞 – Wikipedia

全米図書賞(ぜんべいとしょしょう、英語: National Book Awards)は、アメリカで最も権威のある文学賞の一つ。1950年3月15日に、複数の出版社グループによって創設され、現在は全米図書協会(National Book Foundation)によって運営されている。2022年時点で、小説・ノンフィクション・詩・翻訳・児童文学の5部門があり、受賞者には副賞として賞金10,000ドルと銅の彫像が贈られる。

2024年全米図書賞受賞作

小説部門(FICTION)
James
Percival Everett

ノンフィクション部門
(NONFICTION)
Soldiers and Kings: Survival and Hope in the World of Human Smuggling
Jason De León

詩部門(POETRY)
Something About Living
Lena Khalaf Tuffaha

翻訳部門(TRANSLATION)
Taiwan Travelogue
Shuang-zi Yang,Lin King

児童文学部門
(YOUNG PEOPLE’S LITERATURE)
Kareem Between
Shifa Saltagi Safadi

2024年全米図書賞・翻訳文学部門受賞作

「台湾漫遊鉄道のふたり」楊双子

台湾漫遊鉄道のふたり
楊双子,三浦裕子
2023/04/20
中央公論新社
2024年全米図書賞・翻訳文学部門
第十回日本翻訳大賞受賞作

炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。
ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。

「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。
そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」
古内一絵さん大満足

「Taiwan Travelogue」Shuang-zi Yang,Lin King

Taiwan Travelogue
Shuang-zi Yang,Lin King
2024/11/12
Graywolf Pr
受賞したLin King(金翎)さん訳の英語版

A bittersweet story of love between two women, nested in an artful exploration of language, history, and power

National Book Foundation
現地時間11月20日20時より全米図書賞受賞者を発表。

YouTube
75th Annual National Book Awards Ceremony(英語)
日本時間11月21日10時より授賞式が↑の公式サイトとYoutubeで配信。

全米図書賞の歴代受賞作家一覧

「翻訳部門」受賞作家一覧

受賞年作家名翻訳家国など
2024楊双子Lin King台湾
2023Stenio GardelBruna Dantas Lobatoブラジル
2022サマンタ・シュウェブリンミーガン・マクダウェルアルゼンチン
2021エリザ・シュア・デュサパンAneesa Abbas Higginsスイス
2020柳美里モーガン・ジャイルズ日本
2019クラスナホルカイ・ラースローOttilie Mulzetハンガリー
2018多和田葉子マーガレット満谷日本
1983シャルル・ボードレールリチャード・ハワードフランス
1982樋口一葉ロバート・L・ダンリー日本
1982作者未詳リービ英雄日本
1981フロベール?フランシス・スティーグミュラーフランス
1981アルノ・シュミットジョン・E・ウッズドイツ
1980チェーザレ・パヴェーゼウィリアム・アロウスミスイタリア
1980オシップ・マンデリシュタームジェーン・ゲリー・ハリス,コンスタンス・リンクロシア
1979セサル・バジェホクレイトン・エシェルマン,ホセ・ルビア・バルシアペルー
1978ウーヴェ・ゲオルクリチャード・ウィンストン,クララ・ウィンストンドイツ
1977王実甫リーリー・チェン中国
1975ミゲル・デ・ウナムーノアンソニー・ケリガンスペイン
1974後深草院二条カレン・ブラゼル日本
1974オクタビオ・パスヘレン・R・レインメキシコ
1974ポール・ヴァレリージャクソン・マシューズフランス
1973ウェルギリウスアレン・マンデルボーム古代ローマ
1972ジャック・モノーオーストリン・ウェインハウスフランス
1971ベルトルト・ブレヒトフランク・ジョーンズドイツ
1971川端康成エドワード・サイデンステッカー日本
1970ルイ=フェルディナン・セリーヌラルフ・マンハイムフランス
1969イタロ・カルヴィーノウィリアム・ウィーヴァーイタリア
1968セーレン・キェルケゴールハワード・ホン,エドナ・ホンデンマーク
1967フリオ・コルタサルグレゴリー・ラバッサアルゼンチン
1967ジャコモ・カサノヴァウィラード・タスクイタリア

↑リンクはAmazon、
作家名で検索、スクロール可能、
並べ替えもできます。

「小説部門」受賞作家一覧

受賞年作家名
2024パーシヴァル・エヴェレット
2023ジャスティン・トーレス
2022テス・ガンティ
2021ジェイソン・モット
2020チャールズ・ユウ
2019スーザン・チョイ
2018シーグリッド・ヌーネス
2017ジェスミン・ウォード
2016コルソン・ホワイトヘッド
2015アダム・ジョンソン
2014フィル・クレイ
2013ジェイムズ・マクブライド
2012ルイーズ・アードリック
2011ジェスミン・ウォード
2010Jaimy Gordon
2009コラム・マッキャン
2008ピーター・マシーセン
2007デニス・ジョンソン
2006リチャード・パワーズ
2005ウィリアム・T・ヴォルマン
2004リリー・タック
2003シャーリー・ハザード
2002ジュリア・グラス
2001ジョナサン・フランゼン
2000スーザン・ソンタグ
1999ハ・ジン
1998アリス・マクダーモット
1997チャールズ・フレイジャー
1996アンドレア・バレット
1995フィリップ・ロス
1994ウィリアム・ギャディス
1993E・アニー・プルー
1992コーマック・マッカーシー
1991ノーマン・ラッシュ
1990チャールズ・ジョンソン
1989ジョン・ケイシー
1988ピート・デクスター
1987ラリー・ヘインマン
1986E・L・ドクトロウ
1985ドン・デリーロ
1985ボブ・シャコーチス
1984エレン・ギルクリスト
1984ハリエット・ドウア
1983アリス・ウォーカー
1983グロリア・ネイラー
1983ユードラ・ウェルティ
1982ウィリアム・マックスウェル
1982ジョン・アップダイク
1982ロブ・F・デュー
1981アレン・アレンズバーグ
1981ジョン・チーヴァー
1981ライト・モリス
1980ウィリアム・スタイロン
1980ウィリアム・ワルトン
1980ウォルター・ワンゲリン
1980ジョン・D・マクドナルド
1980ジョン・アーヴィング
1980フレデリック・ポール
1980ルイス・ラムーア
1979ティム・オブライエン
1978メアリー・リー・セットル
1977ウォーレス・ステグナー
1976ウィリアム・ギャディス
1975トマス・ウィリアムズ
1975ロバート・ストーン
1974アイザック・バシェヴィス・シンガー
1974トマス・ピンチョン
1973ジョン・ウィリアムズ
1973ジョン・バース
1972フラナリー・オコナー
1971ソール・ベロー
1970ジョイス・キャロル・オーツ
1969イエールジ・コジンスキー
1968ソーントン・ワイルダー
1967バーナード・マラマッド
1966キャサリン・アン・ポーター
1965ソール・ベロー
1964ジョン・アップダイク
1963J・F・パワーズ
1962ウォーカー・パーシー
1961コンラッド・リクター
1960フィリップ・ロス
1959バーナード・マラマッド
1958ジョン・チーヴァー
1957ライト・モリス
1956ジョン・オハラ
1955ウィリアム・フォークナー
1954ソール・ベロー
1953ラルフ・エリソン
1952ジェームズ・ジョーンズ
1951ウィリアム・フォークナー
1950ネルソン・オルグレン

《 うれしいお知らせ 》

Amazon Prime Video
アメリカン・フィクション

《 侮辱的な表現に頼る“黒人のエンタメ”から利益を得ている世間の風潮にうんざりし、不満を覚えていた小説家が、自分で奇抜な“黒人の本”を書いたことで、自身が軽蔑している偽善の核心に迫ることになる。》

「児童文学部門」受賞作家一覧

受賞年作家名
2024Shifa Saltagi Safadi
2023ダン・サンタット
2022サバア・タヒア
2021マリンダ・ロー
2020ケイスン・キャレンダー
2019マーティン・W・サンドラー
2018エリザベス・アセヴェド
2017ロビン・ベンウェイ
2016ジョン・ルイス
2015ニール・シャスタマン
2014ジャクリーン・ウッドソン
2013シンシア・カドハタ
2012ウィリアム・アレグザンダー
2011タィン=ハ・ライ
2010キャスリン・アースキン
2009フィリップ・フース
2008ジュード・ワトソン
2007シャーマン・アレクシー
2006M・T・アンダーソン
2005ジーン・バーズオール
2004ピート・ハウトマン
2003ポリー・ホーヴァート
2002ナンシー・ファーマー
2001ヴァージニア・ユウワー・ウルフ
2000グロリア・ウィーラン
1999キンバリー・ウィリス・ホルト
1998ルイス・サッカー
1997ハン・ノーラン
1996ヴィクター・マルティネス
1983ウィリアム・スタイグ
1983ジーン・フリッツ
1983ジェームズ・クロス・ギブリン
1983ジョイス・キャロル・トーマス
1983バーバラ・クーニー
1983ポーラ・フォックス
1983メリーアン・ホバーマン
1982ウィーダ・セベスティアン
1982スーザン・ボナーズ
1982ピーター・スピアー
1982モーリス・センダック
1982ロイド・アリグザンダー
1981アリソン C・ヘルツィヒ,
ジェーン・ローレンス
1981ビバリー・クリアリー
1981ベッツィ・バイアース
1980ジョアン W・ブロス
1980マドレイン・ラングル
1979キャサリン・パターソン
1978ジュディス・コール,
ハーバート・コール
1977キャサリン・パターソン
1976ウォルター・エドモンズ
1975ヴァジニア・ハミルトン
1974エレノア・カメロン
1973アーシュラ・K・ル=グウィン
1972ドナルド・バーセルミ
1971ロイド・アリグザンダー
1970アイザック・バシェヴィス・シンガー
1969マインダート・ディヤング

「詩部門」受賞作家一覧

受賞年作家名
2024レーナー・ハラフ・トゥッファーハ
2023Craig Santos Perez
2022John Keene Punks
2021マーティン・エスパーダ
2020チェ・ドンミ
2019アーサー・ジー
2018ジャスティン・フィリップ・リード
2017フランク・ビダート
2016ダニエル・ボルズツキー
2015ロビン・コステ・ルイス
2014ルイーズ・グリュック
2013Mary Szybist
2012デイヴィッド・フェリー
2011ニッキー・フィニー
2010テレンス・ヘイズ
2009キース・ウォルドロップ
2008マーク・ドティ
2007ロバート・ハス
2006ナサニエル・マッキー
2005W・S・マーウィン
2004ジーン・ヴァレンティン
2003C・K・ウィリアムズ
2002ルース・ストーン
2001アラン・デュガン
2000ルシール・クリフトン
1999アイ
1998ガーナード・スターン
1997ウィリアム・モリス・メレディス・ジュニア
1996ヘイデン・カルース
1995スタンリー・クニッツ
1994ジェイムズ・テイト
1993A・R・アモンズ
1992メアリー・オリヴァー
1991フィリップ・レヴィン
1983ゴールウェイ・キネル
1983チャールズ・ライト
1982ウィリアム・ブロンク
1981リゼル・ミュラー
1980フィリップ・レヴィン
1979ジェイムズ・メリル
1978ハワード・ネメロフ
1977リチャード・エバハート
1976ジョン・アッシュベリー
1975マリリン・ハッカー
1974アドリエンヌ・リッチ
1974アレン・ギンズバーグ
1973A・R・アモンズ
1972ハワード・モス
1972フランク・オハラ
1971モナ・ヴァン・ダイン
1970エリザベス・ビショップ
1969ジョン・ベリーマン
1968ロバート・ブライ
1967ジェイムズ・メリル
1966ジェイムズ・ディッキー
1965セオドー・レトキ
1964ジョン・クロウ・ランサム
1963ウィリアム・スタフォード
1962アラン・デュガン
1961ランダル・ジャレル
1960ロバート・ローウェル
1959セオドー・レトキ
1958ロバート・ペン・ウォーレン
1957リチャード・ウィルバー
1956W・H・オーデン
1955ウォレス・スティーヴンズ
1954コンラッド・エイケン
1953アーチボルト・マクリーシュ
1952マリアンヌ・ムーア
1951ウォレス・スティーヴンズ
1950ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ

作家名で並べ替えすれば、
2回3回受賞した人もわかります。

「ノンフィクション部門」受賞作家一覧

受賞年作家名
2024ジェイソン・デ・レオン
2023ネッド・ブラックホーク
2022イマニ・ペリー
2021ティヤ・マイルズ
2020レス・ペイン
2019サラ・M・ブルーム
2018ジェフリー・C・スチュワート
2017マーシャ・ゲッセン
2016イブラム・X・ケンディ
2015タナハシ・コーツ
2014エヴァン・オスノス
2013ジョージ・パッカー
2012キャサリン・ブー
2011スティーヴン・グリーンブラット
2010パティ・スミス
2009T・J・スタイルズ
2008アネット・ゴードン・リード
2007ティム・ワイナー
2006ティモシー・イーガン
2005ジョーン・ディディオン
2004ケヴィン・ボイル
2003カルロス・アイル
2002ロバート・A・キャロ
2001アンドリュー・ソロモン
2000ナサニエル・フィルブリック
1999ジョン・ダワー
1998エドワード・ボール
1997ジョゼフ・J・エリス
1996ジェイムズ・キャロル
1995ティナ・ローゼンバーグ
1994シャーウィン・B・ヌーランド
1993ゴア・ヴィダル
1992ポール・モネット
1991オルランド・パターソン
1990ロン・チャーナウ
1989トーマス・フリードマン
1988ニール・シーハン
1987リチャード・ローズ
1986バリー・ロペス
1985J・アンソニー・ルーカス
1984ロバート・V・レミニ
1983フォックス・バターフィールド
1983ジェイムズ・ファローズ
1982トレイシー・キダー
1982ヴィクター・S・ナヴァスキー
1981マキシーン・ホン・キングストン
1981ジェーン・クレイマー
1980トム・ウルフ
1980ピーター・マシーセン
1963リオン・エデル
1962ルイス・マンフォード
1961ウィリアム・L・シャイラー
1960リチャード・エルマン
1959J・クリストファー・ヘロルド
1958カサリン・ドリンカー・ボーエン
1957ジョージ・ケナン
1956ハーバート・クブリ
1955ジョセフ・ウッド・クルーチ
1954ブルース・カットン
1953バーナード・デ・ボォート
1952レイチェル・カーソン
1951ニュートン・アーヴィン
1950ラルフ・L・ラスク

全米図書賞、日本人の受賞作家一覧

2020年
Tokyo Ueno Station
柳美里,モーガン・ジャイルズ
原著『JR上野駅公園口

2018年
The Emissary
多和田葉子,マーガレット満谷
原著『献灯使

1982年
The Ten Thousand Leaves, Volume I: A Translation of Man’yoshu, Japan’s Premier Anthology of Classical Poetry
リービ英雄
原著『万葉集

1982年
In The Shade Of Spring Leaves: The Life Of Higuchi Ichiyo, With Nine Of Her Best Stories
樋口一葉,ロバート・L・ダンリー
原著『樋口一葉 その文学と生涯 ―貧しく、切なく、いじらしく

1974年
The Confessions of Lady Nijo
後深草院二条,カレン・ブラゼル
原著『とはずがたり

1971年
The Sound of the Mountain
川端康成,エドワード・サイデンステッカー
原著『山の音

日本語で読める全米図書賞受賞作品「小説部門」

まだ途中。あとで追加します。

「友だち」シーグリッド・ヌーネス(2018年)

友だち (新潮クレスト・ブックス)
シーグリッド・ヌーネス,村松潔
2020/01/30
新潮社

物言わぬ犬の哀しみを抱きとめて、わたしは静かに言葉を紡ぎつづける。誰よりも心許せる初老の男友だちが自殺し、大きな空洞を抱えた女性作家の狭いアパートに、男が飼っていた巨大な老犬が転がり込む。真冬のニューヨーク。次第に衰えゆく犬との残された時間の中で、愛や友情のかたち、老いること、記憶や書くことの意味について、深い思索が丹念に綴られてゆく……。2018年全米図書賞受賞作。

「歌え、葬られぬ者たちよ、歌え」ジェスミン・ウォード(2017年)

歌え、葬られぬ者たちよ、歌え
ジェスミン・ウォード,石川由美子
2020/03/25
作品社

アメリカ南部で困難を生き抜く家族の絆の物語であり、臓腑に響く力強いロードノヴェルでありながら、生者ならぬものが跳梁するマジックリアリズム的手法がちりばめられた、壮大で美しく澄みわたる叙事詩。現代アメリカ文学を代表する、傑作長篇小説。全米図書賞受賞作!

「地下鉄道」コルソン・ホワイトヘッド(2016年)

地下鉄道 (ハヤカワepi文庫)
コルソン・ホワイトヘッド,谷崎由依
2020/10/15
早川書房
ピュリッツアー賞、全米図書賞
アーサー・C・クラーク賞受賞作

19世紀、アメリカ。南部の農園で過酷な生活を送る奴隷の少女コーラは、新入りの少年シーザーから奴隷を逃がす“地下鉄道”の話を聞き、ともに逃亡を決意する。冷酷な奴隷狩り人リッジウェイに追われながらも、コーラは地下をひそかに走る鉄道に乗り、さまざまな州をわたり、人に助けられ、また裏切られながら、自由が待つという北をめざす。ピュリッツアー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作。

「一時帰還」フィル・クレイ(2014年)

一時帰還
フィル・クレイ,上岡伸雄
2015/07/24
岩波書店

戦場――そこに大義など、ありはしない。
戦闘地域の真っ只中だけではない。銃後の日常でも、帰還兵たちは自身の生の極限に直面する。彼らに慰めや癒しを与える、幸福な物語や簡単な答えなど、どこにも存在しない。蛮行と信仰、罪と恐怖、不安、無力感――生々しい戦場の現実から浮かび上がる戦争の無意味さ、愚かさ、人間の悲しみが読む者の心を撃つ。自身も海兵隊員として戦場の最前線に臨んでいた著者の体験を反映した本作は、2014年、アメリカでも最も権威あるナショナル・ブック・アワード(全米図書賞)を受賞した。

「骨を引き上げろ」ジェスミン・ウォード(2011年)

骨を引き上げろ
ジェスミン・ウォード,石川由美子
2021/09/02
作品社

全米図書賞受賞作!
子を宿した15 歳の少女エシュと、南部の過酷な社会環境に立ち向かうその家族たち、仲間たち。そして彼らの運命を一変させる、あの巨大ハリケーンの襲来。フォークナーの再来との呼び声も高い、現代アメリカ文学最重要の作家による神話のごとき傑作。

「世界を回せ」コラム・マッキャン(2009年)

世界を回せ 上
コラム・マッキャン,小山太一,宮本朋子
2013/06/11
河出書房新社

1974年夏。ニューヨーク。一人の若者が、空に踏み出した。世界貿易センターのツインタワー間で、命綱なしの綱渡り。その奇跡の行動が下界に魔力を及ぼしたかのように地上では、出自も年齢も環境も異なる人々がひそかにつながりはじめるー全米図書賞・国際IMPACダブリン文学賞受賞作。

「煙の樹」デニス・ジョンソン(2007年)

煙の樹 (EXLIBRIS)
デニス・ジョンソン,藤井光
2010/02/01
白水社

< ベトナム戦争 >と戦争という病
 1963年、ケネディ大統領暗殺がラジオで報じられるシーンから物語は始まる。日本軍の捕虜になった経験をもち、戦争が人生のすべての元米軍大佐サンズと、その甥スキップによる、ベトナム戦争での情報作戦を中心に展開する。
 兵士として従軍するヒューストン兄弟、児童支援の看護師キャシー、大佐に付き従う軍曹ストーム、ベトナム人情報員グエンやチュンなど、大佐やスキップに惹きつけられ、翻弄され、戦争に憑かれていく登場人物たち……。
 作戦の全体像が見えないまま、物語はゆるやかに、うねるように進んでいく。

「エコー・メイカー」リチャード・パワーズ(2006年)

エコー・メイカー
リチャード・パワーズ,黒原敏行
2012/09/28
新潮社

マークが、事故に遭った。カリン・シュルーターはこの世に残ったたった一人の肉親の急を知らせる深夜の電話に、駆り立てられるように故郷へと戻る。カーニー。ネブラスカ州の鶴の町。繁殖地へと渡る無数の鳥たちが羽を休めるプラット川を望む小さな田舎町へと。頭部に損傷を受け、生死の境を彷徨うマーク。だが、奇跡的な生還を歓び、言葉を失ったマークの長い長いリハビリにキャリアをなげうって献身したカリンを待っていたのは、自分を姉と認めぬ弟の言葉だった。

「六月の組曲」ジュリア・グラス(2002年)

六月の組曲
ジュリア・グラス,石山淳
2003/12/01
ディーエイチシー

1989年6月。妻の死後、ポールは思い立ったようにギリシャを訪れる。妻と過ごした半生を振り返り、その思い出を捨て、新たな一歩を踏みだすために。1995年6月。父ポールの死後、フェンノは久しぶりに故郷スコットランドに帰る。その旅で、それまで気づかなかった、エイズで亡くなった友人と家族への深い愛に気づかされる。

「コレクションズ」ジョナサン・フランゼン(2001年)

コレクションズ(上) (ハヤカワepi文庫)
ジョナサン・フランゼン,黒原敏行
2011/08/10
早川書房

ランバート家の老家長アルフレッドは頑固そのもの。妻イーニッドはなにかと落胆する日々を過ごしている。成人した子供たちの生活も理想通りとはいえない――裕福な銀行員だが妻子と喧嘩ばかりの長男ゲイリー。学生と関係を持ち勤務先の大学をくびになった次男チップ。末っ子の一人娘、才気あふれるシェフのデニースは恋愛がうまくいかない。卓越した筆力で描写される五人の運命とその絆の行方は? 全米図書賞、ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞受賞の傑作

「イン・アメリカ」スーザン・ソンタグ(2000年)

イン・アメリカ
スーザン・ソンタグ,木幡和枝
2016/05/27
河出書房新社

かくして、女優はアメリカへ渡った。ポーランド移民がシェイクスピア劇を通じてスターになるまで。史実をもとにソンタグが描く、大長編ロマン。全米図書賞受賞作。

「待ち暮らし」ハ・ジン(1999年)

待ち暮らし
ハ・ジン,土屋京子
2000/12/01
早川書房

毎夏、軍医の孔林は妻を離婚しようとして帰省しては失敗していた。妻、淑玉には愛情を感じたことはなく、いまや林は看護婦の呉曼娜を愛している。そのため、離婚を申請しに人民法院へ出向くのだが、淑玉は裁判官の前に立つと最後の最後になって考えを翻すのだった。

「チャーミング・ビリー」アリス・マクダーモット(1998年)

チャーミング・ビリー
アリス・マクダーモット,鴻巣友季子
1999/11/01
早川書房

ビリーには誰もが惚れこんだものさ-心やさしく、筆まめな男、気のきいたおしゃべりで周囲を楽しませる陽気な男。第二次世界大戦から帰ってきたビリーといとこのデニスは、ロングアイランドの海辺で、アイルランドからやって来ていた娘エヴァとその姉メアリに出会い、恋に落ちた。夏が終わり、きっと戻ってくると約束してエヴァは故郷へ帰っていった。ビリーは連日、エヴァに宛てた手紙を書き、もどってくるときの資金まで工面して送りつづけた。だがある日、エヴァがアイルランドで亡くなったとの知らせが…。

「コールドマウンテン」チャールズ・フレイジャー(1997年)

コールドマウンテン
チャールズ・フレイジャー,土屋政雄
2004/03/01
新潮社

南北戦争の末期、負傷した南軍兵士インマンは、収容された病院から脱走ー恋人エイダが待つ故郷へ向けて、500キロの徒歩の旅が始まった。多くの危険と困難に遭遇し、誘惑や裏切りの試練にさらされながら、彼が遭遇する様々な出来事、そして人人。時には翻弄され、またある時は救われるインマンの過酷な運命…。壮大なアメリカの原風景を丹念に描いた叙事詩、至高のラブストーリー。

「シッピング・ニュース」E・アニー・プルー(1993年)

シッピング・ニュース (集英社文庫)
E・アニー・プルー,上岡伸雄
2002/02/20
集英社
ケビン・スペイシー主演
映画『シッピング・ニュース』原作

クオイルは不器用な三十男。三流新聞を解雇され、浮気をし放題の性悪女の女房は事故で死んだ。父母も借金を抱え自殺。彼は人生をやり直すために二人の娘たちと唯一の血縁の叔母を伴い、父祖の地ニューファンドランドへ渡る。そこには一族の名のついた岬があり、叔母が昔捨てた家があった。クオイルは船の情報ー港湾(シッピング)ニュースを書く記者として雇われ、島の生活を始める…。ピュリッツアー賞、全米図書賞W受賞。

「すべての美しい馬」コーマック・マッカーシー(1992年)

すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)
コーマック・マッカーシー,黒原敏行
2001/05/31
早川書房

1949年。祖父が死に、愛する牧場が人手に渡ることを知った16歳のジョン・グレイディは、自分の人生を選びとるために親友と愛馬と共にメキシコへ越境した。途中で年下の少年を一人、道連れに加え、三人は予想だにしない運命の渦中へと踏みこんでいく。至高の恋と苛烈な暴力を鮮烈に描く永遠のアメリカ青春小説。

《 その他の邦訳作品 》

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