
The Guardian’s list of The 100 Best Novels of All Time
英ガーディアン紙が2026年5月に発表した「史上最高の小説100冊」を一覧表にまとめました。
このランキングは、スティーヴン・キングやサルマン・ラシュディなど170人以上の小説家・批評家・学者にトップ10を尋ね、その結果を集計したものです。洋書と邦訳の両方を確認できるようにしています。
- 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の一覧表
- 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」とは
- 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」第1位作品
- 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の邦訳作品
- アーシュラ・K・ル=グウィン「闇の左手」
- アーネスト・ヘミングウェイ「武器よさらば」
- アリス・ウォーカー「カラーパープル」
- アルベール・カミュ「異邦人」
- アルンダティ・ロイ「小さきものたちの神」
- E・M・フォースター「ハワーズ・エンド」
- E・L・ドクトロウ「ラグタイム」
- イーディス・ウォートン「無垢の時代」
- イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」
- ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」ほか
- ウィラ・キャザー「マイ・アントニーア」
- ウィリアム・フォークナー「響きと怒り」
- ウィリアム・メイクピース・サッカレー「虚栄の市」
- ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」ほか
- エドワード・P・ジョーンズ「地図になかった世界」
- F・スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」
- エミリー・ブロンテ「嵐が丘」
- エレナ・フェッランテ「リラとわたし」
- オクテイヴィア・E・バトラー「キンドレッド」
- カズオ・イシグロ「日の名残り」ほか
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」
- ギュスターヴ・フローベール「ボヴァリー夫人」ほか
- グレアム・グリーン「情事の終り」
- コーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」ほか
- サルマン・ラシュディ「真夜中の子供たち」
- ジーン・リース「サルガッソーの広い海」
- J・M・クッツェー「恥辱」
- ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」
- ジェイムズ・ボールドウィン「ジョヴァンニの部屋」ほか
- ジェイン・オースティン「高慢と偏見」ほか
- シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」
- ジョージ・オーウェル「1984」
- ジョーゼフ・ヘラー「キャッチ=22」
- ジョゼフ・コンラッド「闇の奥」
- ゼイディー・スミス「ホワイト・ティース」
- ゾラ・ニール・ハーストン「彼らの目は神を見ていた」
- ダフネ・デュ・モーリア「レベッカ」
- W・G・ゼーバルト「土星の環」ほか
- チヌア・アチェベ「崩れゆく絆」
- チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ「半分のぼった黄色い太陽」
- チャールズ・ディケンズ「荒涼館」ほか
- トーマス・マン「魔の山」ほか
- トニ・モリスン「ビラウド」ほか
- ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ「山猫」
- トマス・ハーディ「日陰者ジュード」ほか
- ドリス・レッシング「黄金のノート」
- ハーマン・メルヴィル「白鯨」
- パトリシア・ハイスミス「太陽がいっぱい」
- ハン・ガン「菜食主義者」
- ヒラリー・マンテル「ウルフ・ホール」
- フアン・ルルフォ「ペドロ・パラモ」
- フォード・マドックス・フォード「かくも悲しい話を…」
- フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」ほか
- ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」
- フランツ・カフカ「審判」ほか
- ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」ほか
- マーガレット・アトウッド「侍女の物語」
- マリリン・ロビンソン「ハウスキーピング」
- マルセル・プルースト「失われた時を求めて」
- ミゲル・デ・セルバンテス「ドン・キホーテ」
- ミハイル・ブルガーコフ「巨匠とマルガリータ」
- ミュリエル・スパーク「ミス・ブロウディの青春」
- メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」
- ラルフ・エリスン「見えない人間」
- レフ・トルストイ「アンナ・カレーニナ」
- ローベルト・ムージル「特性のない男」
- ローレンス・スターン「トリストラム・シャンディ」
- ワシーリー・グロスマン「人生と運命」
英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の一覧表
邦訳作品の一覧表
| 順位 | 作品名 | 作家名 | 翻訳者名 | 出版社ほか | 発売日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ミドルマーチ | ジョージ・エリオット | 廣野由美子 | 光文社 古典新訳文庫 | 2019/01 |
| 2 | ビラウド | トニ・モリスン | 吉田廸子 | ハヤカワepi文庫 | 2009/12 |
| 3 | ユリシーズ | ジェイムズ・ジョイス | 高松雄一, 丸谷才一, 永川玲二 | 集英社文庫 ヘリテージ シリーズ | 2003/09 |
| 4 | 灯台へ | ヴァージニア・ウルフ | 鴻巣友季子 | 新潮文庫 | 2024/09 |
| 5 | 失われた時を求めて | マルセル・プルースト | 吉川一義 | 岩波文庫 | 2010/11 |
| 6 | アンナ・カレーニナ | レフ・トルストイ | 望月哲男 | 光文社 古典新訳文庫 | 2008/07 |
| 7 | 戦争と平和 | レフ・トルストイ | 望月哲男 | 光文社 古典新訳文庫 | 2020/01 |
| 8 | ジェイン・エア | シャーロット・ブロンテ | 河島弘美 | 岩波文庫 | 2013/09 |
| 9 | 高慢と偏見 | ジェイン・オースティン | 大島一彦 | 中公文庫 | 2017/12 |
| 10 | ボヴァリー夫人 | ギュスターヴ・フローベール | 芳川泰久 | 新潮文庫 | 2015/05 |
| 11 | グレート・ギャツビー | F・スコット・フィッツジェラルド | 村上春樹 | 中央公論新社 村上春樹翻訳 ライブラリー | 2006/11 |
| 12 | 荒涼館 | チャールズ・ディケンズ | 佐々木徹 | 岩波文庫 | 2017/06 |
| 13 | エマ | ジェイン・オースティン | 中野康司 | ちくま文庫 | 2005/10 |
| 14 | ダロウェイ夫人 | ヴァージニア・ウルフ | 土屋政雄 | 光文社 古典新訳文庫 | 2010/05 |
| 15 | 白鯨 | ハーマン・メルヴィル | 八木敏雄 | 岩波文庫 | 2004/08 |
| 16 | 1984 | ジョージ・オーウェル | 田内志文 | 角川文庫 | 2021/03 |
| 17 | 百年の孤独 | ガブリエル・ガルシア=マルケス | 鼓直 | 新潮文庫 | 2024/06 |
| 18 | 説得 | ジェイン・オースティン | 中野康司 | ちくま文庫 | 2008/11 |
| 19 | トリストラム・シャンディ | ロレンス・スターン | 朱牟田夏雄 | 岩波文庫 | 1969/08 |
| 20 | 嵐が丘 | エミリー・ブロンテ | 鴻巣友季子 | 新潮文庫 | 2003/06 |
| 21 | ある婦人の肖像 | ヘンリー・ジェイムズ | 行方昭夫 | 岩波文庫 | 1996/12 |
| 22 | 崩れゆく絆 | チヌア・アチェベ | 粟飯原文子 | 光文社 古典新訳文庫 | 2013/12 |
| 23 | 真夜中の子供たち | サルマン・ラシュディ | 寺門泰彦 | 岩波文庫 | 2020/05 |
| 24 | 日の名残り | カズオ・イシグロ | 土屋政雄 | ハヤカワepi文庫 | 2001/05 |
| 25 | ロリータ | ウラジーミル・ナボコフ | 若島正 | 新潮文庫 | 2006/10 |
| 26 | ドン・キホーテ | ミゲル・デ・セルバンテス | 牛島信明 | 岩波文庫 | 2001/01 |
| 27 | 審判 | フランツ・カフカ | 辻セイ | 岩波文庫 | 1966/05 |
| 28 | カラマーゾフの兄弟 | フョードル・ドストエフスキー | 原卓也 | 新潮文庫 | 1978/07 |
| 29 | 青白い炎 | ウラジーミル・ナボコフ | 富士川義之 | 岩波文庫 | 2014/06 |
| 30 | フランケンシュタイン | メアリー・シェリー | 芹沢恵 | 新潮文庫 | 2014/12 |
| 31 | ミス・ブロウディの青春 | ミュリエル・スパーク | 岡照雄 | 白水Uブックス | 2015/09 |
| 32 | 小さきものたちの神 | アルンダティ・ロイ | 工藤惺文 | DHC | 1998/05 |
| 33 | デイヴィッド・コパフィールド | チャールズ・ディケンズ | 中野好夫 | 新潮文庫 | 1967/03 |
| 34 | ウルフ・ホール | ヒラリー・マンテル | 宇佐川晶子 | 早川書房 | 2011/07 |
| 35 | 大いなる遺産 | チャールズ・ディケンズ | 河合祥一郎 | 角川文庫 | 2025/06 |
| 36 | 侍女の物語 | マーガレット・アトウッド | 斎藤英治 | ハヤカワepi文庫 | 2001/10 |
| 37 | 見えない人間 | ラルフ・エリスン | 松本昇 | 白水Uブックス | 2020/11 |
| 38 | 無垢の時代 | イーディス・ウォートン | 河島弘美 | 岩波文庫 | 2023/06 |
| 39 | 彼らの目は神を見ていた | ゾラ・ニール・ハーストン | 松本昇 | 新宿書房 | 1995/04 |
| 40 | ソロモンの歌 | トニ・モリスン | 金田眞澄 | ハヤカワepi文庫 | 2009/07 |
| 41 | 闇の奥 | ジョゼフ・コンラッド | 高見浩 | 新潮文庫 | 2022/10 |
| 42 | 魔の山 | トーマス・マン | 高橋義孝 | 新潮文庫 | 1969/02 |
| 43 | ハウスキーピング | マリリン・ロビンソン | 篠森ゆりこ | 河出書房新社 | 2018/02 |
| 44 | ジョヴァンニの部屋 | ジェイムズ・ボールドウィン | 大橋吉之輔 | 白水Uブックス | 2024/08 |
| 45 | 黄金のノート | ドリス・レッシング | 市川博彬 | エディ・フォア | 2008/04 |
| 46 | 山猫 | トマージ・ディ・ランペドゥーサ | 小林惺 | 岩波文庫 | 2008/03 |
| 47 | 虚栄の市 | ウィリアム・メイクピース・サッカレー | 高橋昌久 | 京緑社 マテーシス古典 翻訳シリーズ | 2024/11 |
| 48 | 変身 | フランツ・カフカ | 川島隆 | 角川文庫 | 2022/02 |
| 50 | サルガッソーの広い海 | ジーン・リース | 小沢瑞穂 | 河出書房新社 | 2009/01 |
| 51 | リラとわたし (ナポリの物語 1) | エレナ・フェッランテ | 飯田亮介 | 早川書房 | 2017/07 |
| 52 | 金色の盃 | ヘンリー・ジェイムズ | 青木次生 | 講談社文芸文庫 | 2001/08 |
| 54 | オーランドー | ヴァージニア・ウルフ | 杉山洋子 | ちくま文庫 | 1998/10 |
| 55 | 波 | ヴァージニア・ウルフ | 森山恵 | 早川書房 | 2021/06 |
| 56 | マンスフィールド・パーク | ジェイン・オースティン | 中野康司 | ちくま文庫 | 2010/11 |
| 57 | 響きと怒り | ウィリアム・フォークナー | 平石貴樹 | 岩波文庫 | 2007/01 |
| 58 | 恥辱 | J・M・クッツェー | 鴻巣友季子 | ハヤカワepi文庫 | 2007/07 |
| 59 | わたしを離さないで | カズオ・イシグロ | 土屋政雄 | ハヤカワepi文庫 | 2008/08 |
| 60 | ハワーズ・エンド | E・M・フォースター | 浦野郁 | 光文社 古典新訳文庫 | 2025/01 |
| 61 | 土星の環 | W・G・ゼーバルト | 鈴木仁子 | 白水社 | 2020/07 |
| 62 | 半分のぼった黄色い太陽 | チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ | くぼたのぞみ | 河出文庫 | 2026/06 |
| 63 | ホワイト・ティース | ゼイディー・スミス | 小竹由美子 | 中公文庫 | 2021/06 |
| 64 | かくも悲しい話を… 情熱と受難の物語 | フォード・マドックス・フォード | 武藤浩史 | 彩流社 | 1998/05 |
| 65 | カラーパープル | アリス・ウォーカー | 柳沢由実子 | 集英社文庫 | 1986/04 |
| 66 | 巨匠とマルガリータ | ミハイル・ブルガーコフ | 石井信介 | 新潮文庫 | 2025/09 |
| 67 | 特性のない男 | ローベルト・ムージル | 白坂彩乃, 大川勇 | 松籟社 | 2025/10 |
| 68 | ブラッド・メリディアン | コーマック・マッカーシー | 黒原敏行 | ハヤカワepi文庫 | 2018/08 |
| 69 | 罪と罰 | フョードル・ドストエフスキー | 米川正夫 | 角川文庫 | 2008/11 |
| 70 | 日陰者ジュード | トマス・ハーディ | 木村政則 | 光文社 古典新訳文庫 | 2025/06 |
| 71 | 異邦人 | アルベール・カミュ | 窪田啓作 | 新潮文庫 | 1963/07 |
| 72 | キンドレッド | オクテイヴィア・E・バトラー | 風呂本惇子,岡地尚弘 | 河出文庫 | 2021/11 |
| 73 | 我らが共通の友 | チャールズ・ディケンズ | 間二郎 | ちくま文庫 | 1997/01 |
| 74 | アウステルリッツ | W・G・ゼーバルト | 鈴木仁子 | 白水社 | 2020/02 |
| 76 | 青い眼がほしい | トニ・モリスン | 大社淑子 | ハヤカワepi文庫 | 2001/06 |
| 77 | 吸血鬼ドラキュラ | ブラム・ストーカー | 平井呈一 | 創元推理文庫 | 1971/04 |
| 78 | マイ・アントニーア | ウィラ・キャザー | 佐藤宏子 | みすず書房 | 2017/03 |
| 79 | 虹 | D・H・ロレンス | 中野好夫 | 新潮文庫 | 1975/05 |
| 81 | 山にのぼりて告げよ | ジェイムズ・ボールドウィン | 斎藤数衛 | 早川書房 | 1961/04 |
| 82 | レベッカ | ダフネ・デュ・モーリア | 茅野美ど里 | 新潮文庫 | 2008/02 |
| 83 | ブッデンブローク家の人びと | トーマス・マン | 望月市恵 | 岩波文庫 | 1969/11 |
| 84 | 情事の終り | グレアム・グリーン | 上岡伸雄 | 新潮文庫 | 2014/04 |
| 85 | 武器よさらば | アーネスト・ヘミングウェイ | 谷口陸男 | 岩波文庫 | 1957/09 |
| 86 | 太陽がいっぱい | パトリシア・ハイスミス | 佐宗鈴夫 | 河出文庫 | 2016/05 |
| 87 | 菜食主義者 | ハン・ガン | きむふな | CUON | 2011/06 |
| 88 | ねじの回転 | ヘンリー・ジェイムズ | 土屋政雄 | 光文社 古典新訳文庫 | 2012/09 |
| 90 | ラグタイム | E・L・ドクトロウ | 邦高忠二 | ハヤカワ文庫NV | 1998/08 |
| 91 | 闇の左手 | アーシュラ・K・ル=グウィン | 小尾芙佐 | ハヤカワ文庫SF | 1977/07 |
| 92 | ジェイコブの部屋 | ヴァージニア・ウルフ | 出淵敬子 | 文遊社 | 2021/08 |
| 93 | 人生と運命 | ワシーリー・グロスマン | 齋藤紘一 | みすず書房 | 2022/08 |
| 94 | 感情教育 | ギュスターヴ・フローベール | 太田浩一 | 光文社 古典新訳文庫 | 2014/10 |
| 95 | 見えない都市 | イタロ・カルヴィーノ | 米川良夫 | 河出文庫 | 2003/07 |
| 96 | 地図になかった世界 | エドワード・P・ジョーンズ | 小澤英実 | 白水社 エクス・リブリス | 2011/12 |
| 97 | 帰郷 | トマス・ハーディ | 大沢衛 | 新潮文庫 | 1954/05 |
| 98 | ペドロ・パラモ | フアン・ルルフォ | 杉山晃, 増田義郎 | 岩波文庫 | 1992/10 |
| 99 | キャッチ=22 | ジョーゼフ・ヘラー | 飛田茂雄 | ハヤカワepi文庫 | 2016/03 |
| 100 | ザ・ロード | コーマック・マッカーシー | 黒原敏行 | ハヤカワepi文庫 | 2010/05 |
↑リンクはAmazon、スクロール可。
50音順、順位での並べ替えも可能。
作家名検索で、
これまでの翻訳作品も確認できます。
この一覧表は、2026年5月12日の初回発表時のデータではなく、同年5月27日に公式に修正された最新の集計結果をもとに作成しています(カミュ『異邦人』が追加され、ウィラ・キャザー『マイ・アントニーア』の順位も変更されています)。
洋書の一覧表
↑リンクはAmazon、
作家名で検索、スクロール可能、
英語の作家名で並べ替えできます。
洋書のリンクは基本的にはKindle、
下の表紙は楽天ブックスや楽天の書店です。
英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」とは
The Guardian
The 100 best novels of all time
スティーブン・キングが指摘するように、史上最高の小説のリストを作成するのは不可能な作業です。キングは、ガーディアン紙が順番にランキングしたトップ10の170人以上の小説家、批評家、学者の一人であり、私たちはそれらを総合100人にまとめました。〔…〕私たちのリストには、英語で出版されたものであれば、元々はどの言語で書かれた書籍も含まれます。
Who’s in, who’s out, and how many have you read? The story behind our 100 best novels list | The Guardian
Who’s in, who’s out, and how many have you read? The story behind our 100 best novels list | The Guardian
How our list of the 100 best novels became a page turner | The Guardian
Readers’ top 100 novels of all time | Fiction | The Guardian
読者が選んだ「お気に入りの小説100選」リスト
The 100 best novels written in English: the full list | The Guardian
2015年8月発表。文芸批評家のロバート・マクラム(Robert McCrum)が2年間の歳月をかけて選出した「英語で書かれた最高の小説100選」のリスト。
The 100 greatest novels of all time: The list | The Guardian
2003年10月発表。文芸批評家のロバート・マクラムによる「史上最高の小説100選」のリスト。
英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」第1位作品
ジョージ・エリオット「ミドルマーチ」
『ミドルマーチ1 (光文社古典新訳文庫)』
ジョージ エリオット,廣野由美子
2019/01/08
光文社
知的で美しいドロシア・ブルックは二十歳前の娘だが、自分の人生を偉大な目的に捧げることを熱烈に願い、温厚でハンサムな准男爵を退けて、学究生活に打ち込んでいる厳めしい五十がらみの牧師と婚約する……。地方都市ミドルマーチを舞台に緻密な人間描写で織りなす壮大な物語。「偉大なイギリス小説100」第1位(2015年、BBC調べ)に選ばれた、英国小説の最高峰、ついに開幕。〈全4巻〉
英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の邦訳作品
アーシュラ・K・ル=グウィン「闇の左手」
『闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)』
アーシュラ・K・ル=グウィン,小尾芙佐
1977/07/20
早川書房
〔ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞〕両性具有人の惑星、雪と氷に閉ざされたゲセンとの外交関係を結ぶべく派遣されたゲンリー・アイは、理解を絶する住民の心理、風俗、習慣等様々な困難にぶつかる。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと……エキゾチックで豊かなイメージを秀抜なストーリイテリングで展開する傑作長篇
アーネスト・ヘミングウェイ「武器よさらば」
『武器よさらば (新潮文庫)』
アーネスト・ヘミングウェイ,高見浩
2006/05/30
新潮社
恋は戦地に激しく燃え、虚しく灰燼に帰す――。
畢生の名編、至巧の新訳。
苛烈な第一次世界大戦の最中、イタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレドリックは、砲撃で重傷を負う。病院で彼と再会したのは、婚約者を失ったイギリス人看護師キャサリン。芽生えた恋は急速に熱を帯びていく。だが、戦況は悪化の一途を辿り、フレドリックは脱走。ミラノで首尾よくキャサリンを見つけ出し、新天地スイスで幸福を掴もうとするが……。
現実に翻弄される男女の運命を描く名編。
アリス・ウォーカー「カラーパープル」
『カラーパープル (集英社文庫)』
アリス・ウォーカー,柳沢由実子
1986/04/04
集英社
16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。愛する妹も夫に襲われ、彼女は失意のまま、アフリカへ渡った。……黒人社会の中に巻き起る差別、暴力、神、性といったすべての問題にたち向い、やがては妹との再会を信じ、不屈の精神を糧にするセリー。女の自由を血と涙で獲得しようとする女性を描く愛と感動のセンセーショナル・ノベル。ピューリッツァ賞、全米図書賞受賞。ペーパーバックスで既に400万部を突破した。
アルベール・カミュ「異邦人」
『異邦人 (新潮文庫)』
カミュ,窪田啓作
1963/07/02
新潮社
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。
アルンダティ・ロイ「小さきものたちの神」
アルンダティ・ロイ
『小さきものたちの神』工藤惺文訳/DHC(1998年5月)
インド南西部のケララ州を舞台に描かれる家族の栄華と没落、確執と愛、そして伝統的なカースト制と闘いながら成長していく双子の兄妹エスタとラヘル。早熟なイギリス人のいとこの死を機に、「歴史の愛の掟」はその冷酷な鎌をふるい始めるー大地に根ざした壮大なユーモアとみずみずしい感覚でインド社会の小宇宙を描き出し、読者の五感に深い余韻を残す詩的な感動作。
E・M・フォースター「ハワーズ・エンド」
『ハワーズ・エンド (光文社古典新訳文庫)』
フォースター,浦野郁
2025/01/09
光文社
裕福な中産階級のウィルコックス家、教養に富むシュレーゲル姉妹、そして貧しい事務員レナード・バストの交友や恋愛を通じ、愛の力で格差を乗り越えようとする人々の困難と希望を描く。有名な「結び合わせることさえできれば…」の小文から始まる、フォースターの代表作。
E・L・ドクトロウ「ラグタイム」
E・L・ドクトロウ
『ラグタイム (ハヤカワ文庫NV)』邦高忠二訳/早川書房(1998年8月)
ニューヨーク郊外に豪邸を構える実業家のファーザー。しがない影絵師から映画王にのしあがるユダヤ系移民のターテ。人種偏見に憤り、テロリストに変貌する黒人ピアニスト、コールハウス。それぞれの人生を必死に生きる彼らとその家族を中心に、自動車王フォード、魔術師フーディニ、アナーキストのエマ・ゴールドマンら実在の人物を絡めて壮大華麗な物語を織り上げる。今世紀初頭の躍動期のアメリカを浮き彫りにする傑作。
イーディス・ウォートン「無垢の時代」
『無垢の時代 (岩波文庫)』
イーディス・ウォートン,河島弘美
2023/06/15
岩波書店
八七〇年代初頭、ある一月の宵。純真で貞淑なメイとの婚約発表を間近に控えたニューランドは、社交界の人々が集う歌劇場で、幼なじみのエレンに再会する――。二人の女性の間で揺れ惑う青年の姿を通じて、伝統と変化の対立の只中にある〈オールド・ニューヨーク〉の社会を鮮やかに描き出す。ピューリッツァー賞受賞。
ダニエル・デイ=ルイス&ミシェル・ファイファー
映画『エイジ・オブ・イノセンス』原作
イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」
『見えない都市 (河出文庫)』
イタロ・カルヴィーノ,米川良夫
2003/07/08
河出書房新社
現代イタリア文学を代表し、今も世界的に注目され続けるカルヴィーノの名作。ヴェネツィア生まれの商人の子マルコ・ポーロがフビライ汗の龍臣となって、さまざまな空想都市の奇妙で不思議な報告を行なう。七十の丸屋根が輝くおとぎ話の世界そのままの都や、オアシスの都市(まち)、現代の巨大都市(メガポリス)を思わせる連続都市、無形都市など、どこにもない国を描く幻想小説。
ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」ほか
『灯台へ (新潮文庫)』
ヴァージニア・ウルフ,鴻巣友季子
2024/09/30
新潮社
映画化絶対不可能。
描かれるのはたった二日のできごと。
小説にはこんなことができるのか!
「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小さな島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年は夜通し輝くあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦で一家は息子の一人を失い、再び別荘に集うーー。たった二日間のできごとだけで愛のゆるぎない力を描き出すことによって文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立した英文学の傑作。
ウィラ・キャザー「マイ・アントニーア」
『マイ・アントニーア 新装版』
ウィラ・キャザー,佐藤宏子
2017/03/15
みすず書房
舞台は19世紀後半のアメリカ中西部。ネブラスカの大平原でともに子供時代を過ごしたこの物語の語り手「ぼく」と、ボヘミアから移住してきた少女アントニーア。「ぼく」はやがて大学へ進学し、アントニーアは女ひとり、娘を育てながら農婦として大地に根差した生き方を選ぶ。開拓時代の暮しや西部の壮大な自然を生き生きと描きながら、「女らしさ」の枠組みを超えて自立した生き方を見出していくアントニーアの姿を活写し、今なお読む者に強い印象を残す。
ウィリアム・フォークナー「響きと怒り」
『響きと怒り』
ウィリアム・フォークナー,桐山大介
2024/09/26
河出書房新社
家を去った放縦な長女への三兄弟の激しい想いを軸に破滅の宿命を負うアメリカ南部の名家の悲劇を描く、痛ましくも美しい愛と喪失の物語。
ウィリアム・メイクピース・サッカレー「虚栄の市」
『虚栄の市〈一〉 (岩波文庫)』
『虚栄の市〈二〉 (岩波文庫)』
『虚栄の市〈三〉 (岩波文庫)』
『虚栄の市〈四〉 (岩波文庫)』
サッカリー,中島賢二
2003/09/18
岩波書店
19世紀初頭、ロンドン。上昇志向のベッキーと淑やかなアミーリアが女学校を終え世間へ踏み出す。大英帝国の上層社会、そこは物欲・肉欲・俗物根性うずまく〈虚栄の市〉。植民地経営とナポレオン戦争を背景に浮沈する、貴族、有産階級の人生模様。作者自身の挿絵でいろどるサッカリーの最高傑作。まっさらの新訳でお目見え!
ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」ほか
『ロリータ (新潮文庫)』
ウラジーミル・ナボコフ,若島正
2006/10/30
新潮社
「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。…」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。
エドワード・P・ジョーンズ「地図になかった世界」
『地図になかった世界 (エクス・リブリス)』
エドワード・P・ジョーンズ,小澤英実
白水社
2011/12/21
南北戦争以前、「黒人に所有された黒人奴隷」たちを描いた歴史長篇。日々の暮らしの喜怒哀楽を静かに語り、胸を打つ。ピュリツァー賞ほか主要文学賞を独占した話題作。柴田元幸氏推薦!
F・スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」
『グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)』
スコット・フィッツジェラルド,村上春樹
2006/11/01
中央公論新社
村上春樹が人生で巡り会った、最も大切な小説を、あなたに。新しい翻訳で二十一世紀に鮮やかに甦る、哀しくも美しい、ひと夏の物語ー。読書家として夢中になり、小説家として目標のひとつとしてきたフィッツジェラルドの傑作に、翻訳家として挑む、構想二十年、満を持しての訳業。
レオナルド・ディカプリオ主演
映画『華麗なるギャツビー』原作
エミリー・ブロンテ「嵐が丘」
『嵐が丘 (新潮文庫)』
エミリー・ブロンテ,鴻巣友季子
2003/06/28
新潮社
寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる〈嵐が丘〉の屋敷。その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに焦がれながら、若主人の虐待を耐え忍んできた。そんな彼にもたらされたキャサリンの結婚話。絶望に打ちひしがれて屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富を得、復讐に燃えて戻ってきた……。一世紀半にわたって世界の女性を虜にした恋愛小説の“新世紀決定版”。
マーゴット・ロビー&ジェイコブ・エロルディ
2026年映画『嵐が丘』原作小説
エレナ・フェッランテ「リラとわたし」
『リラとわたし (ナポリの物語 1)』
エレナ・フェッランテ,飯田亮介
2017/07/06
早川書房
ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ
「21世紀のベスト100冊」第1位
長年の友人、リラが姿を消した。6歳のときに出会った、リラとわたし。反抗的で横暴で痩せっぽちで、でもずば抜けた頭脳を持つ聡明なリラ。わたしはその才能をうらやみつつも彼女に憧れ、友人となるが――。ナポリの下町を舞台に、猛々しく奔放なリラと本好きのエレナの成長と友情を描いた、世界的ベストセラー。
オクテイヴィア・E・バトラー「キンドレッド」
『キンドレッド (河出文庫)』
オクテイヴィア・E・バトラー,風呂本惇子,岡地尚弘
2021/11/05
河出書房新社
二十六歳の誕生日をむかえた日、黒人女性のディナは、突然十九世紀初頭の奴隷制下の地へタイムスリップし、ルーファスという白人少年の命を救う。ルーファスは、黒人奴隷を多く抱えた農園主の息子であった。一世紀の時を超えた彼の元への、重度なるタイムスリップの理由が、次第に明らかになってゆく。人間の本質を問う、アフリカ系アメリカ人SF作家の金字塔。
カズオ・イシグロ「日の名残り」ほか
『日の名残り (ハヤカワepi文庫)』
カズオ・イシグロ,土屋政雄
2001/05/23
早川書房
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、共に働いた女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々――過ぎ去りし遠い思い出は、今なお輝きを増して胸のなかで生き続ける。
1989年英国最高峰の文学賞・ブッカー賞受賞。映画化でも話題に。
アンソニー・ホプキンス&エマ・トンプソン
映画『日の名残り』原作
ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」
『百年の孤独 (新潮文庫)』
ガブリエル・ガルシア=マルケス,鼓直
2024/06/26
新潮社
奇妙な寒村を開墾しながら孤独に生きる一族。その宿命を描いた、目も眩む百年の物語。
1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行されて以来、世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している世界文学屈指の名著。現在までに46の言語に翻訳され、5000万部発行されている世界的ベストセラー。「マジック・リアリズム」というキーワードとともに文学シーンに巨大な影響を与え続けている。2022年にはNETFLIXが映像化の権利獲得を発表、大きな話題を呼んた。蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族の歴史を描いた一大サーガ。解説=筒井康隆
監督ラウラ・モーラ&カルロス・モレノ
Netflixドラマ『百年の孤独』原作小説
ギュスターヴ・フローベール「ボヴァリー夫人」ほか
『ボヴァリー夫人 (新潮文庫)』
ギュスターヴ・フローベール,芳川泰久
2015/05/28
新潮社
娘時代に恋愛小説を読み耽った美しいエンマは、田舎医者シャルルとの退屈な新婚生活に倦んでいた。やがてエンマは夫の目を盗んで、色男のロドルフや青年書記レオンとの情事にのめりこみ莫大な借金を残して服毒自殺を遂げる。そして――。
一地方のありふれた姦通事件を、芸術に昇華させたフランス近代小説の金字塔。徹底した推敲を施した原文の息づかいそのままに、日本語に再現した決定版新訳。
グレアム・グリーン「情事の終り」
『情事の終り (新潮文庫)』
グレアム・グリーン,上岡伸雄
2014/04/28
新潮社
人妻サラとの道ならぬ恋から1年半。なぜ彼女は去っていったのか――捨てきれぬ情と憎しみとの狭間で煩悶する作家ベンドリックスは、その雨の夜、サラの夫ヘンリーと邂逅する。妻の行動を疑い、悩む夫を言葉巧みに説得した作家は、自らの妬心を隠し、サラを探偵に監視させることに成功するが……。
鮮やかなミステリのように明かされる真実とは。究極の愛と神の存在を問う永遠の名篇。
コーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」ほか
『ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤 (ハヤカワepi文庫)』
コーマック・マッカーシー,黒原敏行
2018/08/21
早川書房
19世紀半ばのアメリカ。14歳で家出した少年は、各地を放浪した末にグラントン大尉の率いるインディアン討伐隊に加わった。彼はそこで隊の一員である異形の大男、ホールデン判事を知る。戦争は神だーにこやかにそう述べる判事とともに、一行は荒野をわたり、暴虐の限りをつくす旅をつづけるが。美しく情け容赦のない世界とそこで生きる人々の生と死を冷徹な筆致で描き上げた、マッカーシー初期の代表作。
サルマン・ラシュディ「真夜中の子供たち」
『真夜中の子供たち(上) (岩波文庫)』
『真夜中の子供たち(下) (岩波文庫)』
サルマン・ラシュディ,寺門泰彦
2020/05/16
岩波書店
1947年8月15日、インド独立の日の真夜中に、不思議な能力とともに生まれた子供たち。なかでも0時ちょうどに生まれたサリームの運命は、革命、戦争、そして古い物語と魔法が絡みあう祖国の歴史と分かちがたく結びつきー。刊行当時「『百年の孤独』以来の衝撃」とも言われた、20世紀小説を代表する一作。1993年“ブッカー賞の中のブッカー賞”を、2008年“ベスト・オブ・ブッカー賞”を受賞。
ジーン・リース「サルガッソーの広い海」
『灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集)』
ヴァージニア・ウルフ,ジーン・リース,鴻巣友季子,小沢瑞穂
2009/01/17
河出書房新社
灯台を望む小島の別荘を舞台に、哲学者の一家とその客人たちの内面のドラマを、詩情豊かな旋律で描き出す。精神を病みながらも、幼い夏の日々の記憶、なつかしい父母にひととき思いを寄せて書き上げた、このうえなく美しい傑作。新訳決定版(『灯台へ』)。奴隷制廃止後の英領ジャマイカ。土地の黒人たちから「白いゴキブリ」と蔑まれるアントワネットは、イギリスから来た若者と結婚する。しかし、異なる文化に心を引き裂かれ、やがて精神の安定を失っていく。植民地に生きる人間の生の葛藤を浮き彫りにした愛と狂気の物語(『サルガッソーの広い海』)。
J・M・クッツェー「恥辱」
『恥辱 (ハヤカワepi文庫)』
J・M・クッツェー,鴻巣友季子
2007/07/15
早川書房
52歳の大学教授デヴィッド・ラウリーは、2度の離婚を経験後、娼婦や手近な女性で自分の欲望をうまく処理してきた。だが、軽い気持ちから関係を持った女生徒に告発されると、人生は暗転する。大学は辞任に追い込まれ、同僚や学生からは容赦ない批判を受ける。デヴィッドは娘の住む片田舎の農園へと転がりこむが、そこにさえ新たな審判が待ち受けていたー現代文学史上に輝く、ノーベル賞作家の代表作。ブッカー賞受賞。
ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」
『ユリシーズ 1 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ)』
『ユリシーズ 2 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ)』
ジェイムズ・ジョイス,高松雄一,丸谷才一,永川玲二
2003/09/19
集英社
ダブリン、1904年6月16日。私立学校の臨時教師スティーヴンは、22歳、作家を志している。浜辺を散策した後、新聞社へ。同じ頃、新聞の広告を取る外交員ブルームの一日も始まる。38歳、ユダヤ人。妻モリーの朝食を準備した後、知人の葬儀に参列し、新聞社へ。二人はまだ出会わない。スティーヴンは酒場へ繰り出し、ブルームは広告の資料を調べるため国立図書館へ向かう。時刻は午後1時。
ジェイムズ・ボールドウィン「ジョヴァンニの部屋」ほか
『ジョヴァンニの部屋 (白水Uブックス)』
ジェームズ・ボールドウィン,大橋吉之輔
2024/08/11
白水社
小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。
ジェイン・オースティン「高慢と偏見」ほか
『高慢と偏見 (中公文庫)』
ジェイン・オースティン,大島一彦
2017/12/22
中央公論新社
経済的理由で好きでもない人と結婚していいものだろうか。いつの時代も幸福な結婚を考える女性の悩みは変わらない。エリザベスとダーシーの誤解からはじまるラブロマンスは、いつ読んでも瑞々しく、オースティンの細やかな心理描写は、ときおり毒もはらむがユーモラスで、読後は幸せな気持ちにさせてくれる。愛らしい十九世紀の挿絵五十余点収載。
シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」
『ジェイン・エア(上) (岩波文庫)』
『ジェイン・エア(下) (岩波文庫)』
シャーロット・ブロンテ,河島弘美
2013/09/19
岩波書店
幼くして孤児となり、親類に疎まれ寄宿学校に入れられたジェイン。十八歳の冬、自由と自立を志して旅立つ――家庭教師として雇われた森深い邸で待つ新しい運命。自らの信念と感情に従って考え行動するジェインの率直で饒舌な語りは、今なお読者を魅きつけてやまない。ブロンテ姉妹のひとりシャーロット(1816-55)の代表作。新訳。(全2冊)
ミア・ワシコウスカ&マイケル・ファスベンダー
映画『ジェーン・エア』原作
ジョージ・オーウェル「1984」
『1984 (角川文庫)』
ジョージ・オーウェル,田内志文
2021/03/24
KADOKAWA
「ビッグ・ブラザーが見ている」
党があらゆる行動を監視し、言語も思想も管理された近未来世界。過去の捏造に従事するウィンストンは記憶と真実を留めるため、密かに日記を書き始めた。若い娘ジュリアから意外な愛の告白を受け逢瀬を重ねる中、伝説の反逆組織の男に声をかけられ、禁断の本を入手する。だがそれは恐るべき未来への扉であったー圧倒的リーダビリティの新訳で堪能するディストピア小説の最高傑作。
ジョーゼフ・ヘラー「キャッチ=22」
『キャッチ=22〔新版〕(上) (ハヤカワepi文庫)』
『キャッチ=22〔新版〕(下) (ハヤカワepi文庫)』
ジョーゼフ・ヘラー,飛田茂雄
2016/03/09
早川書房
第二次大戦末期。中部イタリアの米空軍基地に勤務するヨッサリアン大尉の願いはただ一つ、生き延びること。仮病を使い、狂気を装い、なんとか出撃を免れようとするのだが……。強烈なブラック・ユーモアで戦争の狂気、現代社会の不条理を鋭く風刺し、アメリカ文学に新たな地平を切り開いた傑作。解説/松田青子
ジョゼフ・コンラッド「闇の奥」
『闇の奥 (新潮文庫)』
ジョゼフ・コンラッド,高見浩
2022/10/28
新潮社
19世紀末。アフリカ大陸の中央部に派遣された船乗りマーロウは、奥地出張所にいるという象牙貿易で業績を上げた社員、クルツの噂を聞く。鬱蒼たる大密林を横目に河を遡航するマーロウの蒸気船は、原住民の襲撃に見舞われながらも最奥に辿り着く。そこで目にしたクルツの信じがたい姿とは――。著者の実体験をもとにし、大自然の魔性と植民地主義の闇を凝視した、世界文学史に異彩を放つ傑作。
フランシス・フォード・コッポラ監督
映画「地獄の黙示録」原作
ゼイディー・スミス「ホワイト・ティース」
『ホワイト・ティース(上) (中公文庫)』
『ホワイト・ティース(下) (中公文庫)』
ゼイディー・スミス,小竹由美子
2021/06/23
中央公論新社
ロンドン下町出身の優柔不断な中年男・アーチーと、バングラデシュ出身の誇り高きムスリム・サマード。第二次大戦で親友になったふたりは、ロンドンで新たな人生を模索する。ジャマイカ系の若い妻を迎えたアーチーと、故郷からやってきた妻と家庭を築いたサマードが直面する移民家族の波瀾万丈を、知的でユーラスに描いた傑作長篇小説。全二巻。
ゾラ・ニール・ハーストン「彼らの目は神を見ていた」
ゾラ・ニール・ハーストン
『彼らの目は神を見ていた (ハーストン作品集 1)』松本昇訳/新宿書房(1995年4月)
ジェイニーは故郷を捨て、愛するティーケイクのいるフロリダのイートンヴィルへ行くが、ある日、突然、不幸がやって来る…。1920年代、黒人文化が花開くニューヨーク・ハーレム・ルネサンスに登場した天才女性作家の代表作。
ダフネ・デュ・モーリア「レベッカ」
『レベッカ(上) (新潮文庫)』
『レベッカ(下) (新潮文庫)』
ダフネ・デュ・モーリア,茅野美ど里
2008/02/28
新潮社
ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た――この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり……。
アルフレッド・ヒッチコック監督
ジョーン・フォンテイン&ローレンス・オリヴィエ
映画『レベッカ』原作
W・G・ゼーバルト「土星の環」ほか
『土星の環:イギリス行脚[新装版]』
W・G・ゼーバルト,鈴木仁子
2020/07/16
白水社
忘れ去られた廃墟を甦らせる…しかしそれは、未来の廃墟でもある。“私”という旅人は、荒涼とした風景に思索をめぐらし、破片を拾い上げ、過去の事跡から連想の糸をたぐる。消え去ったさまざまな時間と空間を、いまここに呼び戻している。
チヌア・アチェベ「崩れゆく絆」
『崩れゆく絆 (光文社古典新訳文庫)』
チヌア・アチェベ,粟飯原文子
2013/12/05
光文社
古くからの呪術や慣習が根づく大地で、黙々と畑を耕し、獰猛に戦い、一代で名声と財産を築いた男オコンクウォ。しかし彼の誇りと、村の人々の生活を蝕み始めたのは、凶作でも戦争でもなく、新しい宗教の形で忍び寄る欧州の植民地支配だった。「アフリカ文学の父」の最高傑作。
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ「半分のぼった黄色い太陽」
『半分のぼった黄色い太陽 上 (河出文庫)』
『半分のぼった黄色い太陽 下 (河出文庫)』
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ,くぼたのぞみ
2026/06/08
河出書房新社
「私たちが死んだとき世界は沈黙していた」。裕福な事業家の娘オランナ、理想に燃える若き数学者オデニボ、二人の家でハウスボーイとして働く利発な少年ウグウ。書物や友人や美味しい料理に囲まれた幸せな暮らしはいつまで続くのか。数百万もの死者・餓死者を生んだ一九六〇年代後半のビアフラ戦争を背景に綴られる傑作長篇。
タンディ·ニュートン主演
映画『半分のぼった黄色い太陽』原作
チャールズ・ディケンズ「荒涼館」ほか
『荒涼館(一) (岩波文庫)』
『荒涼館(二) (岩波文庫)』
『荒涼館(三) (岩波文庫)』
『荒涼館(四) (岩波文庫)』
チャールズ・ディケンズ,河合祥一郎
2017/06/17ほか
岩波書店
「おまえはおかあさんの恥でした」──両親の名も顔も知らず厳しい代母に育てられたエスターと、あまたの人を破滅させてなお継続する「ジャーンダイス訴訟」。この二つをつなぐ輪は何か? ミステリと社会小説を融合し、呪われた裁判に巻き込まれる人々を軸に、貴族から孤児まで、19世紀英国の全体を書ききったディケンズの代表作。(全四冊)
トーマス・マン「魔の山」ほか
『魔の山(上) (新潮文庫)』
『魔の山(下) (新潮文庫)』
トーマス・マン,高橋義孝
1969/02/25
新潮社
第一次大戦前、ハンブルク生れの青年ハンス・カストルプはスイス高原ダヴォスのサナトリウムで療養生活を送る。無垢な青年が、ロシア婦人ショーシャを愛し、理性と道徳に絶対の信頼を置く民主主義者セテムブリーニ、独裁によって神の国をうち樹てようとする虚無主義者ナフタ等と知り合い自己を形成してゆく過程を描き、“人間”と“人生”の真相を追究したドイツ教養小説の大作。
トニ・モリスン「ビラウド」ほか
『ビラヴド―トニ・モリスン・セレクション (ハヤカワepi文庫)』
トニ・モリスン,吉田廸子
2009/12/10
早川書房
元奴隷のセサとその娘は幽霊屋敷に暮らしていた。長年怒れる霊に蹂躙されてきたが、セサはそれが彼女の死んだ赤ん坊の復讐と信じ耐え続けた。やがて、旧知の仲間が幽霊を追い払い、屋敷に平穏が訪れるかに思えた。しかし、謎の若い女「ビラヴド」の到来が、再び母娘を狂気の日々に追い込む。死んだ赤ん坊の墓碑銘と同じ名のこの女は、一体何者なのか?ノーベル賞受賞の契機となった著者の代表作。ピュリッツァー賞受賞。
ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ「山猫」
『山猫 (岩波文庫)』
トマージ・ディ・ランペドゥーサ,小林惺
2008/03/14
岩波書店
一八六〇年春、ガリバルディ上陸に動揺するシチリア。祖国統一戦争のさなか改革派の甥と新興階級の娘の結婚に滅びを予感する貴族。ストレーガ賞に輝く長篇、ヴィスコンティ映画の原作を、初めてイタリア語原典から翻訳。
トマス・ハーディ「日陰者ジュード」ほか
『日陰者ジュード (光文社古典新訳文庫)』
トマス・ハーディ,木村政則
2025/06/11
光文社
学問の道を志す貧しいジュードは、本を取り寄せて自学しつつ、生活のために石工の見習いとなる。進学の見込みもないうちに、奔放なアラベラと結婚するものの、その関係はすぐに破綻してしまう。そして今度は知的で進歩的な考えを持つ従妹スーに惹かれ、ふたりは同棲を始めるが……。近代人の悲劇的運命を描いたハーディの代表作。
ドリス・レッシング「黄金のノート」
ドリス・レッシング
『黄金のノート』市川博彬訳/エディ・フォア(2008年4月)
『黄金のノート』初版は1962年。 著者40代の作品である。 ドリス・レッシングは1980年代にノーベル賞候補になったが、以後、候補からはずれていたかのように見えていた時期が長い。欧米では2007年の受賞は遅すぎるとのコメントも出ている。本人も「亡くなった人にはあげられないから、生きている私になったんでしょう。」と笑っている。最高齢での受賞というおまけもついている。
だが、代表作『黄金のノート』は今日読んでも遅すぎはしない。作品には、執筆当時の社会背景が描かれ、その多くはすでに大きな変貌をとげてしまっている。そこから逆に、レッシングの視点は、その時代だけに通用する一時的なものに動かされてはいないということがわかる。執筆から50年後の今だからこそ彼女の眼力がいっそう鮮明になる。
ハーマン・メルヴィル「白鯨」
『白鯨(上) (新潮文庫)』
『白鯨(中) (新潮文庫)』
『白鯨(下) (新潮文庫)』
ハーマン・メルヴィル,田中西二郎
1952/02/04
新潮社
巨大な白い鯨〈モービィ・ディック〉をめぐって繰り広げられる、アメリカの作家メルヴィル(1819-1891)の最高傑作。本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない、法外なスケールとスタイルを誇る、象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり、およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある。新訳(全3冊)
パトリシア・ハイスミス「太陽がいっぱい」
『心は孤独な狩人 (新潮文庫)』
カーソン・マッカラーズ,村上春樹
2023/09/28
新潮社
暗く長い夜と重い沈黙。そこに小さな希望はあったのか――。マッカラーズ23歳の鮮烈なデビュー作を長年愛読してきた村上春樹が新訳!
1930年代末、大恐慌の嵐が吹き荒れるアメリカ。南部の町のカフェに聾啞の男シンガーが現れた。店に集う人々の痛切な告白を、男はただ静かに聞き続ける。貧しい家庭の少女ミック。少女に想いを寄せる店主ビフ。流れ者の労働者ジェイク。同胞の地位向上に燃える黒人医師コープランド……。だが、シンガーの身に悲劇が起きると、報われない思いを抱えた人々はまた孤独へと帰っていくのだった。著者の鮮烈なデビュー作にして最高傑作、待望の新訳。
ハン・ガン「菜食主義者」
『菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)』
ハン・ガン,きむふな
2011/06/15
クオン
ごく平凡な女だったはずの妻・ヨンヘが、ある日突然、肉食を拒否し、日に日にやせ細っていく姿を見つめる夫(「菜食主義者」)、妻の妹・ヨンヘを芸術的・性的対象として狂おしいほど求め、あるイメージの虜となってゆく姉の夫(「蒙古斑」)、変わり果てた妹、家を去った夫、幼い息子……脆くも崩れ始めた日常の中で、もがきながら進もうとする姉・インへ(「木の花火」)-
3人の目を通して語られる連作小説集。
ヒラリー・マンテル「ウルフ・ホール」
『ウルフ・ホール 上』
『ウルフ・ホール 下』
ヒラリー・マンテル,宇佐川晶子
2011/07/08
早川書房
16世紀のイギリス、ロンドン。息子が生まれないと悩む国王ヘンリー八世は、王妃との離婚を願う。しかし、教皇の反対により、一向に離婚協議は進まない。トマス・クロムウェルは、卑しい生まれから自らの才覚だけで生きてきた男。数カ国語を流暢に話し、記憶力に優れ、駆け引きに長けた戦略家だった。仕える枢機卿の権勢が衰えていくなか、クロムウェルはヘンリー八世に目をかけられるようになるがー16世紀のイギリス宮廷を、希代の天才政治家クロムウェルの目から描いた興奮の歴史大作。ブッカー賞、全米批評家協会賞、ウォルター・スコット賞受賞。
BBCドラマ
『ウルフ・ホール』原作小説
フアン・ルルフォ「ペドロ・パラモ」
『ペドロ・パラモ (岩波文庫)』
フアン・ルルフォ,杉山晃,増田義郎
1992/10/16
岩波書店
ペドロ・パラモという名の、顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく。しかしそこは、ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった……。生者と死者が混交し、現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し、ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作。(解説 杉山 晃)
フォード・マドックス・フォード「かくも悲しい話を…」
『かくも悲しい話を…: 情熱と受難の物語』
フォード・マドックス・フォード,武藤浩史
1998/05/25
彩流社
ロレンス、 ジョイス、 パウンドら20世紀を代表する作家を世に送り出した名編集者にしてコンラッドとの共著もあるモダニズムの巨人本邦初登場。男と女の複雑で悲劇的なまでに食い違う現実観を見事な文体で描く英国不倫小説の極致。
フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」ほか
『カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)』
『カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)』
『カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)』
ドストエフスキー,原卓也
1978/07/20
新潮社
物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。
ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」
『吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)』
ブラム・ストーカー,平井呈一
1971/04/18
東京創元社
トランシルヴァニアの山中、星明かりを封じた暗雲をいただいて黒々と聳える荒れ果てた城。その城の主ドラキュラ伯爵こそは、昼は眠り夜は目覚め、狼やコウモリに姿を変じ、人々の生き血を求めて闇を徘徊する吸血鬼であった。ヨーロッパの辺境から帝都ロンドンへ、不死者と人間の果てしのない闘いが始まろうとしている…時代を越えて読み継がれる吸血鬼小説。
フランツ・カフカ「審判」ほか
『審判 (岩波文庫 赤)』
カフカ,辻セイ
1966/05/16
岩波書店
Kについてはごく平凡なサラリーマンとしか説明のしようがない。なぜ裁判に巻きこまれることになったのか、何の裁判かも彼には全く訳がわからない。そして次第に彼はどうしようもない窮地に追いこまれてゆく。全体をおおう得体の知れない不安。カフカ(1883-1924)はこの作品によって現代人の孤独と不安と絶望の形而上学を提示したものと言えよう。
ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」ほか
『ねじの回転 (光文社古典新訳文庫)』
ジェイムズ,土屋政雄
2012/09/20
光文社
両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子供たちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするが――登場人物の複雑な心理描写、巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。ラストの怖さに息を呑む、文学史上もっとも恐ろしい小説、新訳で登場。
マーガレット・アトウッド「侍女の物語」
『侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)』
マーガレット・アトウッド,斎藤英治
2001/10/24
早川書房
ギレアデ共和国の侍女オブフレッド。彼女の役目はただひとつ、配属先の邸宅の主である司令官の子を産むことだ。しかし彼女は夫と幼い娘と暮らしていた時代、仕事や財産を持っていた昔を忘れることができない。監視と処刑の恐怖に怯えながら逃亡の道を探る彼女の生活に、ある日希望の光がさしこむが……。自由を奪われた近未来社会でもがく人々を描く、カナダ総督文学賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作。解説/落合恵子
エリザベス・モス主演
ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」原作
マリリン・ロビンソン「ハウスキーピング」
『ハウスキーピング』
マリリン・ロビンソン,篠森ゆりこ
2018/02/07
河出書房新社
両親のいない姉妹と、放浪生活を営んできた奔放な叔母との奇妙な三人暮らし。拠り所となる家(ハウス)の喪失の悲しみを詩情豊かにつづる、ピュリツァー賞・全米批評家賞作家のデビュー作。
マルセル・プルースト「失われた時を求めて」
『失われた時を求めて(1)――スワン家のほうへI (岩波文庫)』
(全14冊)
プルースト,吉川一義
2014/02/27
岩波書店
ひとかけらのマドレーヌを口にしたとたん襲われる戦慄。「この歓びは、どこからやって来たのだろう?」 日本の水中花のように芯ひらく想い出――サンザシの香り、鐘の音、コンブレーでの幼い日々。プルースト研究で仏アカデミー学術大賞受賞の第一人者が精確清新な訳文でいざなう、重層する世界の深み。当時の図版を多数収録。(全14巻)
ミゲル・デ・セルバンテス「ドン・キホーテ」
『ドン・キホーテ (前篇一) (岩波文庫 赤)』
(全6冊)
セルバンテス,牛島信明
2001/01/16
岩波書店
騎士道物語を読み過ぎて妄想にとらわれた初老の紳士が,古ぼけた甲冑に身を固め,やせ馬ロシナンテにまたがって旅に出る.決定的な時代錯誤と肉体的脆弱さで,行く先々で嘲笑の的となるが….主人公ドン・キホーテをはじめ登場する誰も彼もがとめどもなく饒舌な,おなじみセルバンテス(1547-1616)の代表作.新訳.(全6冊)
ミハイル・ブルガーコフ「巨匠とマルガリータ」
『巨匠とマルガリータ (新潮文庫)』
ミハイル・ブルガーコフ,石井信介
2025/02/12
東京創元社
「原稿は 燃えないのです」
独裁政権の言論弾圧に屈することなく優雅なる反逆を貫き、死後発表されるや世界でセンセーションを巻き起こした文豪ブルガーコフの最高傑作にして極上のエンターテインメント!
ある春の晴れた日、モスクワに悪魔が現れた。黒魔術の教授を名乗る悪魔は、チェック柄の背広を着た邪悪なのっぽ、グラスでウオッカを飲む巨大黒ネコ、口から牙がのぞく赤毛の殺し屋、全裸の女吸血鬼ら手下を従え、首都に大混乱を巻き起こす。
ミュリエル・スパーク「ミス・ブロウディの青春」
『ミス・ブロウディの青春 (白水Uブックス 海外小説永遠の本棚)』
ミュリエル・スパーク,岡照雄
2015/09/16
白水社
1930年代のエディンバラ、女子学園の教師ジーン・ブロウディはお気に入りの生徒を集め、彼女たちを「一流中の一流」にするための独自の教育を授けた。その圧倒的な個性と情熱に心酔し、“ブロウディ組”と呼ばれるようになった六人の少女は高等部にあがってもブロウディ先生のもとに集まり、親衛隊として、先生の教育方針に疑念を抱き追放を画策する校長に抵抗したが…。20世紀イギリス文学を代表する名作。
メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」
『フランケンシュタイン (新潮文庫)』
メアリー・シェリー,芹沢恵
2014/12/22
新潮社
若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。あるとき、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆえの孤独にあえぎ、彼を憎んだ“怪物”に、追い詰められることなろうとは知る由もなかった。天才女性作家が遺した伝説の名著。
ラルフ・エリスン「見えない人間」
『見えない人間(上) (白水Uブックス)』
『見えない人間(下) (白水Uブックス)』
ラルフ・エリスン,松本昇
2020/11/28
白水社
「僕は見えない人間である。僕の姿が見えないのは、単に人が僕を見ないだけのことなのだ」
町の有力者の集まりでバトルロイヤルに参加させられ、演説を行なった代償に、黒人大学の奨学金を貰った〈僕〉は、北部出身の白人理事を旧奴隷地区へ案内するという失敗を犯して、大学を追い出されてしまう。学費を稼ぐためニューヨークへやってきたが、就職活動はうまくいかず、たまたま発揮した演説の才を見込まれて政治運動に参加することに……。ビル地下の穴ぐらに住む黒人青年の遍歴とピカレスクな冒険を描いた20世紀アメリカ文学の名作
レフ・トルストイ「アンナ・カレーニナ」
『アンナ・カレーニナ1 (光文社古典新訳文庫)』
『アンナ・カレーニナ2 (光文社古典新訳文庫)』
トルストイ,望月哲男
2008/07/10ほか
光文社
青年将校ヴロンスキーと激しい恋に落ちた美貌の人妻アンナ。だが、夫カレーニンに二人の関係を正直に打ち明けてしまう。一方、地主貴族リョーヴィンのプロポーズを断った公爵令嬢キティは、ヴロンスキーに裏切られたことを知り、傷心のまま保養先のドイツに向かう……。激動する19世紀後半のロシア貴族社会の人間模様を描いたトルストイの代表作。真実の愛を求め、苦悩する人間たちが織りなす一大恋愛叙事詩。
ローベルト・ムージル「特性のない男」
『特性のない男: ウルリッヒとアガーテ』
ローベルト・ムージル,白坂彩乃,大川勇
2025/10/10
松籟社
観念と官能の織りなす愛の新世界―
ウルリッヒとアガーテは可能性の限界に向かう旅に出て、近親相姦でも〈遙かな愛〉でもない、〈肉体的であると同時に精神的な〉愛のユートピアを夢見る。
その傍らで演じられる市民的性愛の数々―
ニンフォマニアの裁判官夫人と性科学の教えを実践する外務省高官夫人が、これまで見過ごされてきた〈笑える形而上学小説〉の側面を浮かび上がらせる。20世紀ヨーロッパ文学を代表する大作が清新な新訳・抄訳で甦る。
ローレンス・スターン「トリストラム・シャンディ」
『トリストラム・シャンディ 上 (岩波文庫 赤)』
『トリストラム・シャンディ 中 (岩波文庫 赤)』
『トリストラム・シャンディ 下 (岩波文庫 赤)』
ローレンス・スターン,朱牟田夏雄
1969/08/16
岩波書店
プルーストやジョイス、ウルフ等の“意識の流れ派”の源流とも先駆的作品ともいわれる本書だが、内容・形式ともに奇抜そのもので、話しは劈頭から脱線また脱線、独特の告白体を駆使して目まぐるしく移り変る連想の流れは、いつか一種不思議なユーモアの世界をつくり出し、我々はただ流れに身を任せ漂うばかりである。1760〜1767年。
ワシーリー・グロスマン「人生と運命」
『人生と運命 1【新装版】』
『人生と運命 2【新装版】』
『人生と運命 3【新装版】』
ワシーリー・グロスマン,齋藤紘一
2022/08/11
みすず書房
第二次世界大戦で最大の激闘、スターリングラード攻防戦を舞台に、物理学者一家をめぐって展開する叙事詩的歴史小説(全三部)。兵士・科学者・農民・捕虜・聖職者・革命家などの架空人物、ヒトラー、スターリン、アイヒマン、独軍・赤軍の将校などの実在人物が混ざりあい、ひとつの時代が圧倒的迫力で文学世界に再現される。戦争・収容所・密告ースターリン体制下、恐怖が社会生活を支配するとき、人間の自由や優しさや善良さとは何なのか。

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