「翻訳文学試食会」の紹介作品一覧表
放送回 | 作品名 | 作家名 | 翻訳者 | 出版社ほか |
---|---|---|---|---|
第110回 | 三人の騎士 | ペトロス・マルカリス | 橘孝司ほか | 竹書房文庫 |
第109回 | 最後の授業 | アルフォンス・ドーデ | 桜田佐ほか | 三省堂 |
第108回 | ステリヤノス・フリソプロス号 | サイト・ファーイク | 小山皓一郎 | 響文社 |
第107回 | 黒人小屋通り | ジョゼフ・ゾベル | 松井裕史 | 作品社 |
第106回 | ラングーン駅四時三五分発 | マ・サンダー | 堀田桂子 | 井村文化事業社 |
第105回 | ナショナル・ストーリー・ プロジェクト | ポール・オースター | 柴田元幸 | 新潮社 |
第104回 | 火を熾す | ジャック・ロンドン | 柴田元幸 | スイッチ・ パブリッシング |
第103回 | アーモンド | ソン・ウォンピョン | 矢島暁子 | 祥伝社 |
第102回 | 皇帝の使者 | カフカ | 池内紀 | 白水社 |
第101回 | 地上で僕らはつかの間きらめく | オーシャン・ヴオン | 木原善彦 | 新潮社 |
第100回 | 夕餉 | カズオ・イシグロ | 出淵博ほか | 集英社 |
第99回 | 片肘だけの六ヶ月 | ヤロスラフ・ヴァイス | 平野清美 | 平凡社 |
第98回 | 満ち足りた人生 | キム・チュイ | 関未玲 | 彩流社 |
第97回 | 火葬 | 金薫 | 柳美佐 | クオン |
第96回 | ムギと王さま | エリナー・ファージョン | 石井桃子 | 岩波少年文庫 |
第95回 | 文字占い師 | ケン・リュウ | 古沢嘉通 | 早川書房 |
第94回 | ユダヤの太守 | アナトール・フランス | 内藤濯ほか | ポプラ社 |
第93回 | 二度のキスのあいだに | カレル・チャペック | 田才益夫 | 青土社 |
番外編 | 卵をめぐる祖父の戦争 | デイヴィッド・ベニオフ | 田口俊樹 | 早川書房 |
番外編 | ワイオミングの惨劇 | トレヴェニアン | 雨沢泰 | 新潮文庫 |
番外編 | クージョ | スティーヴン・キング | 永井淳 | 新潮文庫 |
第92回 | カンディード | ヴォルテール | 堀茂樹 | 晶文社 |
第92回 | カンディード | ヴォルテール | 植田祐次 | 岩波文庫 |
番外編 | 制作 上・下 | エミール・ゾラ | 清水正和 | 岩波文庫 |
番外編 | 都会と犬ども | マリオ・バルガス=リョサ | 杉山晃 | 新潮社 |
番外編 | ユニヴァーサル野球協会 | ロバート・クーヴァー | 越川芳明 | 新潮文庫 |
第91回 | ポルフィリア・ベルナルの日記 | シルビナ・オカンポ | 鈴木恵子ほか | 河出文庫 |
第90回 | ねじの回転 | ヘンリー・ジェイムズ | 小川高義 | 新潮文庫 |
第90回 | ねじの回転 | ヘンリー・ジェイムズ | 土屋政雄 | 光文社古典 新訳文庫 |
第89回 | あとになって | イーディス・ウォートン | 橋本福夫ほか | 創元推理文庫 |
第88回 | 湖 他の人 | カン・ファギル | 小山内園子 | 白水社 |
第87回 | 李茵の湖 | 陳春成 | 大久保洋子 | アストラハウス |
番外編 | ダライ・ラマ六世 恋愛詩集 | ダライ・ラマ六世 ツァンヤン・ギャムツォ | 今枝由郎, 海老原志穂 | 岩波文庫 |
番外編 | 対訳 フロスト詩集 アメリカ詩人選(4) | フロスト | 川本皓嗣 | 岩波文庫 |
番外編 | Aな夢 | 鯨向海 | 及川茜 | 思潮社 |
第86回 | 私がイエス様とポーチに 座っていると風が吹いて キモノの胸元が開き、 イエス様が私の乳房を 御覧になった日のこと | グロリア・サワイ | 栩木玲子ほか | 岩波書店 |
第85回 | ヘロデア | フロベール | 蓮實重彦 | 講談社文芸文庫 |
第84回 | 聖ジュリアン伝 | フロベール | 蓮實重彦 | 講談社文芸文庫 |
第83回 | 純な心 | フロベール | 蓮實重彦 | 講談社文芸文庫 |
第82回 | HELLADOS | ノダル・ドゥンバゼ | 児島康宏 | 未知谷 |
第81回 | バベルの図書館ほか2編 | ホルヘ・ルイス・ボルヘス | 鼓直 | 岩波文庫 |
第80回 | 重ね着 | アーサー・ルイス・ トンプソン | 村上さつき | ころから |
第79回 | ガーシュウィンの プレリュード第二番 | チャールズ・バクスター | 田口俊樹 | 早川書房 |
第78回 | ダイヤモンドと火打ち石 | ホセ・マリア・アルゲダス | 杉山晃 | 彩流社 |
第77回 | データの時代の愛(サラン) | チャン・ガンミョン | 吉良佳奈江 | 早川書房 |
第76回 | あいつらにはジャズって 呼ばせておけ | ジーン・リース | 西崎憲 | 亜紀書房 |
第75回 | 三区域、一区域 | キム・ヘジン | 古川綾子 | 筑摩書房 |
第74回 | 復活祭前日 | ゾヤ・ピールザード | 藤元優子 | 大同生命国際 文化基金 |
第73回 | バレンズィ | ケジラハビ | 小野田風子ほか | ことばのたび社 |
第72回 | 白蟻の夢魔 | 黎紫書 | 荒井茂夫ほか | 人文書院 |
第71回 | Do you love me? | ピーター・ケアリー | 柴田元幸 | 松柏社 |
第70回 | クロイツェル・ソナタ(新作) | ドゥブラヴカ・ ウグレシッチ | 奥彩子ほか | 松籟社 |
第69回 | クロイツェル・ソナタ | トルストイ | 望月哲男 | 光文社古典 新訳文庫 |
第69回 | クロイツェル・ソナタ | トルストイ | 米川正夫 | 青空文庫 |
第68回 | 地球の中心まで トンネルを掘る | ケヴィン・ウィルソン | 芹澤恵 | 創元推理文庫 |
第67回 | ジョコンダの微笑 | オルダス・ハックスリー | 太田稔ほか | 筑摩書房 |
第66回 | A&P | ジョン・アップダイク | 岩本巌 | 新潮文庫 |
第65回 | フィアルタの春 | ウラジミール・ナボコフ | 沼野充義ほか | 作品社 |
第64回 | 家庭の事情 | カーソン・マッカラーズ | ハーン小路恭子, 西田実 | ちくま文庫 |
第63回 | 大佐に手紙は来ない | ガルシア=マルケス | 野谷文昭 | 河出文庫 |
第62回 | ハツカネズミと人間 | スタインベック | 齋藤昇 | 講談社文庫 |
第62回 | ハツカネズミと人間 | スタインベック | 大浦暁生 | 新潮文庫 |
第61回 | ゾマーさんのこと | パトリック・ ジュースキント | 池内紀 | 文藝春秋 |
第60回 | 西瓜糖の日々 | リチャード・ ブローティガン | 藤本和子 | 河出文庫 |
第59回 | 歩道橋の魔術師 | 呉明益 | 天野健太郎 | 河出文庫 |
第58回 | 落とし穴と振り子 | E・A・ポー | 河合祥一郎 | 角川文庫 |
第57回 | 盲目のジェロニモと その兄 | シュニッツラー | 番匠谷英一, 山本有三 | 岩波文庫 |
第56回 | アーサー・スナッチ フォールド | E・M・フォースター | 井上義夫 | ちくま文庫 |
第55回 | 地獄で温かい | アクタルッジャマン・ イリアス | 丹羽京子 | 大同生命国際 文化基金 |
第54回 | 砂漠の林檎 | サヴィヨン・ リーブレヒト | 母袋夏生 | 河出書房新社 |
第53回 | ピギー・スニードを救う話 | ジョン・アーヴィング | 小川高義 | 新潮文庫 |
第52回 | 猫の首を刎ねる | ガーダ・アル= サンマーン | 岡真理ほか | 河出書房新社 |
第51回 | 最後の一枚 | O・ヘンリー | 青山南+ 戸山翻訳農場 | ちくま文庫 |
第50回 | パルメーシャル・スィング | アフマド・ナディーム・ カースミー | 鈴木斌 | 大同生命国際 文化基金 |
第49回 | 部屋 | サルトル | 伊吹武彦 | 新潮文庫 |
第48回 | 将軍の首 | 施蟄存 | 大東和重ほか | 勉誠出版 |
第47回 | ミリアム | カポーティ | 川本三郎 | 新潮文庫 |
第46回 | くじ | シャーリィ・ジャクスン | 深町真理子 | ハヤカワ・ミステリ文庫 |
第45回 | 砂漠の戦い | パチェーコ | 安藤哲行ほか | 集英社文庫 |
第44回 | ウェイクフィールド | ホーソーン | 柴田元幸 | スイッチ・ パブリッシング |
第43回 | 夢 | ジブ・I・ミハエスク | 住谷春也 | 河出文庫 |
第42回 | 田舎の善人 | フラナリー・オコナー | 横山貞子 | ちくま文庫 |
第41回 | アトラス | シーヴァー・ アラストゥーイー | 藤元優子 | 段々社 |
第40回 | 泳ぐ人 | ジョン・チーヴァー | 村上春樹 | 新潮社 |
第39回 | ウールフ、黒い湖 | ヘラ・S・ハーセ | 國森由美子 | 作品社 |
第38回 | 珈琲の哲学 | ディー・レスタリ | 福武慎太郎, 加藤ひろあき, 西野恵子 | 上智大学出版 |
第37回 | 植民地のあとに残ったもの | テレーザ・ヴェイガ | 黒澤直俊 | 現代企画室 |
第36回 | こびとが打ち上げた 小さなボール | チョ・セヒ | 斎藤真理子 | 河出書房新社 |
第35回 | 誰も笑いはしない | ミラン・クンデラ | 西永良成ほか | 集英社 |
第34回 | あなたの人生の物語 | テッド・チャン | 公手成幸ほか | ハヤカワ文庫SF |
第33回 | 紅毛嬌街 | トレヴァー・モリス | 舩山むつみ | 文藝春秋 |
第32回 | セムリの首飾り | アーシュラ・K・ ル=グィン | 小尾芙佐 | ハヤカワ文庫 |
第31回 | 美しい子ども | ディミトリ・ フェルフルスト | 長山さき | 新潮社 |
第30回 | 蝶々 | イアン・マキューアン | 宮脇孝雄 | 早川書房 |
第29回 | 神を見た犬 | ブッツァーティ | 関口英子訳 | 光文社古典 新訳文庫 |
第28回 | じゃあ、何を歌うんだ | パク・ソルメ | 斎藤真理子 | 白水社 |
第27回 | 弁解屋(アリバイ)アイク | リング・ラードナー | 加島祥造 | 福武文庫 |
第26回 | 刑務所のリタ・ヘイワース | スティーヴン・キング | 浅倉久志 | 新潮文庫 |
第25回 | ヴェネツィアに死す | トーマス・マン | 岸美光 | 光文社古典 新訳文庫 |
第24回 | バーラミー | プラープダー・ユン | 宇戸清治 | タイフーン・ ブックス・ジャパン |
番外編 | 空の怪物アグイーほか | 大江健三郎 | ― | 岩波文庫 |
第23回 | 誕生日 | アルフィアン・サアット | 幸節みゆき | 段々社 |
第22回 | ハイファに戻って | ガッサーン・ カナファーニー | 奴田原睦明 | 河出文庫 |
第21回 | アナクレト・モローネス | フアン・ルルフォ | 杉山晃 | 岩波文庫 |
第20回 | チェレパーノフの姉妹 | オリガ・スラヴニコワ | 岩本和久ほか | 東洋書店新社 |
第19回 | 冷海深情 | シャマン・ラポガン | 魚住悦子 | 草風館 |
第18回 | 朝の門 | パク・ミンギュ | 斎藤真理子, ヒョン・ジェフン | クレイン |
第17回 | 怒りの器 | サマセット・モーム | 増野正衛 | ちくま文庫 |
第16回 | 千年の祈り | イーユン・リー | 篠森ゆりこ | 新潮社 |
第15回 | W・H氏の肖像 | オスカー・ワイルド | 福田恆存,福田逸 | 中公文庫 |
第14回 | ガラス張りの食肉処理場 | J・M・クッツェー | くぼたのぞみ | 人文書院 |
第13回 | 彼方の | エドゥアルド・ ハルフォン | 松本健二 | 白水社 |
第12回 | 立冬 | キム・エラン | 古川綾子 | 亜紀書房 |
第11回 | 小ぬか雨やまず | 小黒 | 今泉秀人 | 人文書院 |
第10回 | なにかが首のまわりに | チママンダ・ンゴズィ・ アディーチェ | くぼたのぞみ | 河出文庫 |
第9回 | アデュー | オノレ・ド・バルザック | 大矢タカヤス | 河出文庫 |
第8回 | ランサローテ | ミシェル・ウエルベック | 野崎歓 | 河出書房新社 |
第7回 | 小犬たち | マリオ・バルガス= リョサ | 鈴木恵子ほか | 集英社 |
第6回 | 書写人バートルビー | ハーマン・メルヴィル | 柴田元幸 | スイッチ・ パブリッシング |
第5回 | 犬と主人、さらに親戚たち | タクブンジャ | 海老原志穂, 大川謙作,星泉, 三浦順子 | 東京外国語大学 出版会 |
第4回 | ガイジン | ラッタウット・ラープ チャルーンサップ | 古屋美登里 | ハヤカワepi文庫 |
第3回 | シンプルな情熱 | アニー・エルノー | 堀茂樹 | ハヤカワepi文庫 |
第2回 | 時の祝福 | 宝樹 | 大久保洋子ほか | 中央公論新社 |
第1回 | 菜食主義者 | ハン・ガン | きむふな | クオン |
↑放送回のリンクは、Apple Podcast。説明文の下の「エピソードのWebページ」というリンクをクリックすると、「Spotify for Creators」へ飛ぶので、Spotify愛用者さんはそちらをどうぞ。
本のリンクは、短編の作品名ですが、「この作品が入っている本」(↓書籍一覧は下に)として掲載されていたAmazonの書籍に飛びます。本当は同じ列にその書籍名を載せたかったけど、幅が足りなかった。
本のタイトルと名前が違う作品の購入を検討する方は、ポッドキャストの説明文などでよく確認することをおすすめします。一部作品は、入手しやすいよう文庫に変更しています。
「翻訳文学試食会」のこと
2024年の年末、ウィリアム・ギャディスの記事を書いていた私。その合間に何気なく、Apple Podcastの「ブック」カテゴリーを覗いてみたところ、一つの番組が目に止まる。「翻訳文学試食会」なんて素敵な響き。そう思って聴いてみたら、ただ楽しいだけではない、とても刺激的な番組だった。
翻訳文学試食会
By 翻訳文学試食会実行委員会翻訳された海外の短編小説を毎回1編読んで、関西のおっちゃん2人がやいのやいのしゃべるポッドキャストです。話題の新作から古典的名作、怪作・珍作までいろいろ味見していきます。
次に読む本選びのきっかけに、外国文学についてのトリビアの仕入れにご活用ください。毎週水曜20時に更新します。
《 おっちゃん2人がやいのやいの 》と言うから、どんな感じなの?と恐る恐る聴いてみたら、思ったよりも聴きやすい。関西弁の軽妙な掛け合い、だけど内容自体はかなりレベルが高く、そのギャップに頭が少し混乱する。間に挟まれる話題からも、おふたりの知識や見識の広さ、深さが感じられる。
ふたりの声の高さが違うのも、心地いい。この空気感はなんだろうと思ったら、本の紹介時はBGMがないからなんだね(雑談時は、のほほんとした音楽が流れる)。
とりあえず目に止まった回を聴いてみたので、どちらが大東さんで、どちらが干場さんなのかさえわからない。第0回を改めて聴く。思っていたのとは逆、高めの声の方が大東さんだった。
「ちょっとだけ読んでみてもいい?どんな感じか」と言って、大東さんが本の一部を少し朗読してくれた。むちゃくちゃ関西弁。読み進めるうちに標準語になってはきたけれど、海外文学を関西弁で読むなんて考えてみたこともなかったから、戸惑う。
えっ、今の朗読の声、格好良くなかった?と、改めて聴き直す。もともとの声の印象だと、干場さんの方が低く落ち着いた声で、大東さんの方はやや声が高く、喜怒哀楽が伝わってくる話し方。
でも、その声のトーンを抑えた大東さんの朗読は、渋くて素敵で、どことなく色気を感じた。途中でやめてしまったのが残念なくらい。
朗読自体はいつもの声で、その渋い声が聴けたのは、終わりかけのほんの一瞬だけ。「元の声に戻らないで」などと、失礼なことを思う。
関西弁→標準語→ええ声と、変化する過程から、素顔の大東さんが垣間見えるような気がして、耳をそばだてててしまう。とりあえず、その声が聴ける朗読をし始めた時間「20:40」(ジャック・ロンドン「火を熾す」)をメモしておく。でも好きなのは、私だけかな。
【追記】なんか大東さんのことばかり褒めてしまったけれど、あらすじ説明のわかりやすさなどは、干場さんの低めで聴き心地の良い声だからこそです。
短編小説を味見していく、それをもって文学を考える。
「翻訳文学試食会」は、大変お忙しいと思われる中、毎週配信されている(編集はあまりされていないみたい)。基本的には、翻訳文学を1回1回交互に紹介。最初におふたりの雑談、どういう話かという、小説のあらすじの説明や感想があって、そのあと読み解きをする感じ。
話している内容は、とても深い。今この本が読まれる意味や背景、社会における本の役割、批評性みたいなものを掘り下げて考える。比較文学者さんだけあって視点が違う。そういう捉え方もあるんだと勉強になる。
楽しむ読書しか知らなかった自分に、教養としての読書を教えてくれる。でも、もちろん話し方は軽妙。そして「大江健三郎の思い出」(干場さんがお好き)や雑談回などの番外編も魅力的。
リクエストもらうと思いがけないものと出会う。自分では(存在は知っていても)わざわざ読もうという気にならないものを読ませてもらった。
紹介される本は基本、短編小説。新しい本もあれば古い本もあるし、アジアやアフリカなど、ジャンルも実に幅広い。リスナーさんからのリクエストを大切にされているのも魅力の一つで、今のところ、ほぼ全部読まれているのではないかという感じ。
好き嫌いは、ハッキリしている。「何がおもろいの、こんなん」「みんなが言うほど、おもろないで」という忖度なしな態度も、おふたりならでは。その分、この本が好きだというときの、「大傑作」「むちゃくちゃ面白い」や、しみじみ語るようすが、よりうれしく感じる。
2024年の年末には年忘れ雑談回として、リスナーさんの「私の好きな翻訳文学」という投稿を集めた「これがあなたが来年読むべき50冊だ!」(3時間半)なんて名前のついた特集も配信された。
驚くのが、そのリスナーさんたちのレベルの高さ。選んだ本も、番組内で紹介された感想も、とにかくすごい。そちらはそちらで、永久保存版にしたいくらいのラインナップだった。
ということで、「翻訳文学試食会」で紹介された本の一覧表と、全配信タイトルの一覧を、リンクつきで作りました。
放送回のリンクはApple Podcastですが、その回の説明文の下の「エピソードのWebページ」というリンクをクリックすると、「Spotify for Creators」のその回のページに飛ぶようになっているので、Spotifyを愛用されている人も大丈夫なはず。
もちろん2024年末配信の、リスナーさんたちの投稿を集めた年忘れ雑談回「これがあなたが来年読むべき50冊だ!」も一覧表に。海外文学に親しむきっかけとして、番組を楽しみつつ、便利に使ってもらえたらうれしいです。
【追記】ちなみに、私はこの番組をついこの間知ったばかりという、新米リスナーとも言えないくらいの状態。だから、おかしなところだらけです、ごめんなさい。聴きながら紹介文も修正していこうと思います。
【パーソナリティ】
大東和重(おおひがし・かずしげ) 比較文学者(日中比較文学)。兵庫県出身。好きな小説はバルガス=リョサ『都会と犬ども』、ゾラ『制作』、ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』
干場達矢(ほしば・たつや) 勤め人。大阪府出身。好きな小説はスティーヴン・キング『クージョ』、トレヴェニアン『ワイオミングの惨劇』、デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』
「翻訳文学試食会」の関連サイト
「これがあなたが来年読むべき50冊だ!」一覧
2024年年末放送、年忘れ雑談回
リスナーさんの「私の好きな翻訳文学」より
順番 | 作品名 | 著者名 | 翻訳者 | 出版社ほか |
---|---|---|---|---|
1 | パチンコ | ミン・ジン・リー | 池田真紀子 | 文春文庫 |
2 | マチルダは小さな大天才 | ロアルド・ダール | 宮下嶺夫 | 評論社 |
3 | 白い闇 | ジョゼ・サラマーゴ | 雨沢泰 | 河出文庫 |
4 | 汝、人の子よ | アウグスト・ロア=バストス | 吉田秀太郎 | 集英社 |
5 | 言語都市 | チャイナ・ミエヴィル | 内田昌之 | 早川書房 |
6 | スイマーズ | ジュリー・オオツカ | ||
7 | オイディプス王 | ソポクレス | 藤澤令夫 | 岩波文庫 |
8 | メグレ警視シリーズ | ジョルジュ・シムノン | 平岡敦ほか | ハヤカワ・ ミステリ文庫ほか |
9 | やし酒飲み | エイモス・チュツオーラ | 土屋哲 | 岩波文庫 |
10 | 源氏物語 A・ウェイリー版 | アーサー・ウェイリー | 毬矢まりえ, 森山恵 | 左右社 |
11 | 中国低層訪談録 インタビューどん底の世界 | 廖亦武 | 劉燕子 | 集広舎 |
12 | 戦争と平和 | トルストイ | 望月哲男 | 光文社古典新訳文庫 |
13 | クリスマスの思い出 | トルーマン・カポーティ | 龍口直太郎 | 新潮文庫 |
14 | バベットの晩餐会 | イサク・ディーネセン | 桝田啓介 | ちくま文庫 |
15 | 巨匠とマルガリータ | ブルガーコフ | 水野忠夫 | 岩波文庫 |
16 | 大地 | パール・バック | 新居格 | 新潮文庫 |
17 | 自分ひとりの部屋 | ヴァージニア・ウルフ | 片山亜紀 | 平凡社 |
18 | 台湾漫遊鉄道のふたり | 楊双子 | 三浦裕子 | 中央公論新社 |
19 | 風の影 | カルロス・ルイス・サフォン | 木村裕美 | 集英社文庫 |
20 | モヒカン族の最後 | ジェイムズ・フェニモア・ クーパー | 足立康 | 福音館書店 |
21 | 楽園 | アブドゥルラザク・グルナ | 粟飯原文子 | 白水社 |
22 | アルグン川の右岸 | 遅子建 | 竹内良雄 | 白水社 |
23 | ヒロシマの人々の物語 | ジョルジュ・バタイユ | 酒井健 | 景文館書店 |
24 | スローターハウス5 | カート・ヴォネガット・ ジュニア | 伊藤典夫 | ハヤカワ文庫 |
25 | あしながおじさん | ジーン・ウェブスター | 岩本正恵 | 新潮文庫 |
26 | 赤毛のアン | L・M・モンゴメリ | 村岡花子 | 講談社 |
27 | アメリカーナ | チママンダ・ンゴズィ・ アディーチェ | 河出文庫 | |
28 | シンチャオ、シンチャオ (『ショウコの微笑』所収) | チェ・ウニョン, 吉川凪 | 牧野美加,横本麻矢, 小林由紀 | クオン |
29 | 精霊たちの家 | イサベル・アジェンデ | 木村榮一 | 河出文庫 |
30 | ペンギンの憂鬱 | アンドレイ・クルコフ | 沼野恭子 | 新潮社 |
31 | プラム・クリークの土手で 大草原の小さな家 | ローラ・インガルス・ ワイルダー | 恩地三保子 | 福音館書店 |
32 | 星のせいにして | エマ・ドナヒュー | 吉田育未 | 河出書房新社 |
33 | 大いなる遺産 | チャールズ・ディケンズ | 佐々木徹 | 河出文庫 |
34 | わたしたちが孤児だったころ | カズオ・イシグロ | 入江真佐子 | ハヤカワepi文庫 |
35 | 終わりの感覚 | ジュリアン・バーンズ | 土屋政雄 | 新潮社 |
36 | 大聖堂 | レイモンド・カーヴァー | 村上春樹 | 中央公論新社 |
37 | So Much Water So Close to Home (足もとに流れる深い川) (「レイモンド・カーヴァー傑作選」所収) | レイモンド・カーヴァー | 村上春樹 | 中公文庫 |
38 | 彼らの目は神を見ていた | ゾラ・ニール・ハーストン | 松本昇 | 新宿書房 |
39 | 世界終末戦争 | マリオ・バルガス・リョサ | 旦敬介 | 新潮社 |
40 | フィフティ・ピープル | チョン・セラン | 斎藤真理子 | 亜紀書房 |
41 | だれも死なない日 | ジョゼ・サラマーゴ | 雨沢泰 | 河出書房新社 |
42 | 小さくも重要ないくつもの場面 | シルヴィー・ジェルマン | 岩坂悦子 | 白水社 |
43 | 停電の夜に | ジュンパ・ラヒリ | 小川高義 | 新潮文庫 |
44 | キャロル | パトリシア・ハイスミス | 柿沼瑛子 | 河出文庫 |
45 | ザリガニの鳴くところ | ディーリア・オーエンズ | 友廣純 | ハヤカワ文庫NV |
46 | アフター・クロード | アイリス・オーウェンス | 渡辺佐智江 | 国書刊行会 |
47 | 夏のヴィラ | ペク・スリン | カン・バンファ | 書肆侃侃房 |
48 | こころが高地にある男 (「アメリカン・マスターピース 準古典篇」所収) | ウィリアム・サローヤン | 柴田元幸 | スイッチ・ パブリッシング |
49 | 愛人 ラマン | マルグリット・デュラス | 清水徹 | 河出文庫 |
50 | シーズンの始まり (「厭な物語」所収) | ウラジーミル・ソローキン | 中村妙子ほか | 文春文庫 |
51 | 琥珀捕り | キアラン・カーソン | 栩木伸明 | 東京創元社 |
52 | オン・ザ・ロード | ジャック・ケルアック | 青山南 | 河出文庫 |
53 | 牧師の娘 | ジョージ・オーウェル | 三沢佳子 | 晶文社 |
54 | ペスト | カミュ | 宮崎嶺雄 | 新潮文庫 |
55 | われら闇より天を見る | クリス・ウィタカー | 鈴木恵 | 早川書房 |
リンクはAmazon、スクロール可能。本は入手しやすいものを中心に選んだので、おすすめされた方が持っている本と違ったらごめんなさい。聴き取れなかった「So Much〜」は、いーむさんのnoteのお世話になりました。
大東さん
『卵をめぐる祖父の戦争』
デイヴィッド・ベニオフ,田口俊樹(早川書房)
『ワイオミングの惨劇』
トレヴェニアン,雨沢泰(新潮文庫)
干場さん
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
アンディ・ウィアー, 小野田和子(早川書房)
note「いーむ」
【翻訳文学試食会】年忘れ雑談回で紹介された書籍リスト
番組内で読まれるおおよその時間が掲載されています。うれしい。
「翻訳文学試食会」の配信タイトル一覧
放送日 | 放送回 | 配信タイトル |
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2025/01/15 | 第109回 | アルフォンス・ドーデ「最後の授業」〜この作品の何が問題か |
2025/01/08 | 第108回 | サイト・ファーイク「ステリヤノス・フリソプロス号」〜トルコのギリシャ人について |
2025/01/01 | 第107回 | ジョゼフ・ゾベル「黒人小屋通り」〜最高の小説に出合う1月1日 |
2024/12/25 | 番外編 | 【年忘れ雑談回】これがあなたが来年読むべき50冊だ!(3/3) |
2024/12/25 | 番外編 | 【年忘れ雑談回】これがあなたが来年読むべき50冊だ!(2/3) |
2024/12/25 | 番外編 | 【年忘れ雑談回】これがあなたが来年読むべき50冊だ!(1/3) |
2024/12/18 | 第106回 | マ・サンダー「ラングーン駅四時三五分発」〜検閲下で「市井もの」が書かれる理由 |
2024/12/11 | 第105回 | ポール・オースター「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」〜米国とはどんな国か |
2024/12/04 | 第104回 | ジャック・ロンドン「火を熾す」〜神なき世界の歩き方 |
2024/11/27 | 第103回 | ソン・ウォンピョン「アーモンド」〜「綺麗事を書かない」という綺麗事 |
2024/11/20 | 第102回 | カフカ「皇帝の使者」〜被害者意識が世界を動かす |
2024/11/13 | 第101回 | オーシャン・ヴオン「地上で僕らはつかの間きらめく」〜作家のサステナビリティについて |
2024/11/06 | 第100回 | カズオ・イシグロ「夕餉」〜フェイク・ジャパンと秋の蟬 |
2024/10/30 | 第99回 | ヤロスラフ・ヴァイス「片肘だけの六ヶ月」〜レノン・近代法・オリエンタリズム |
2024/10/23 | 第98回 | キム・チュイ「満ち足りた人生」〜恋は人をアホにする |
2024/10/16 | 第97回 | 金薫「火葬」〜内心の自由という話 |
2024/10/09 | 第96回 | エリナー・ファージョン「ムギと王さま」〜子供は子供の本を喜ぶか |
2024/10/02 | 第95回 | ケン・リュウ「文字占い師」〜コンテンツvs.母の手紙 |
2024/09/25 | 第94回 | アナトール・フランス「ユダヤの太守」〜職業生活の終わりに向かって |
2024/09/18 | 第93回 | カレル・チャペック「二度のキスのあいだに」〜兵庫県知事を語るなど |
2024/09/11 | 番外編 | 【番外編】私の好きな3冊の話(後編) |
2024/09/04 | 第92回 | ヴォルテール「カンディード」〜いま防災について考える |
2024/08/28 | 番外編 | 【番外編】私の好きな3冊の話(前編) |
2024/08/21 | 第91回 | シルビナ・オカンポ「ポルフィリア・ベルナルの日記」〜どこかで読んだような話 |
2024/08/14 | 第90回 | ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」〜身分・性規範・男性優位主義 |
2024/08/07 | 第89回 | イーディス・ウォートン「あとになって」〜ふつうの幽霊譚あるいはFIRE民の悲哀 |
2024/07/31 | 第88回 | カン・ファギル「湖 他の人」〜男たちはどうすればいいか |
2024/07/24 | 第87回 | 陳春成「李茵の湖」〜洗い出しコンクリート文学 |
2024/07/17 | 番外編 | 【番外編】翻訳詩について語るときに僕たちが語ること(2/2) |
2024/07/10 | 番外編 | 【番外編】翻訳詩について語るときに僕たちが語ること(1/2) |
2024/07/03 | 第86回 | グロリア・サワイ「私がイエス様とポーチに……」〜乳房とは何か |
2024/06/26 | 第85回 | フロベール「ヘロデア」〜擁護できるか、このぐだぐだを |
2024/06/19 | 第84回 | フロベール「聖ジュリアン伝」〜「いはんや悪人をや」の意味 |
2024/06/12 | 第83回 | フロベール「純な心」〜度外れた善良さについて |
2024/06/05 | 第82回 | ノダル・ドゥンバゼ「HELLADOS」〜ジョージアについてあれこれ話す回 |
2024/05/29 | 第81回 | ホルヘ・ルイス・ボルヘス「バベルの図書館」ほか2編〜「わからないのに面白い」とは |
2024/05/22 | 第80回 | アーサー・ルイス・トンプソン「重ね着」〜性的少数者を語るのはむずかしい |
2024/05/15 | 第79回 | チャールズ・バクスター「ガーシュウィンのプレリュード第二番」〜飲み干しなさい、そのグラスを |
2024/05/08 | 番外編 | 【番外編】リスナーのお便りから考える小説原論 |
2024/05/01 | 第78回 | ホセ・マリア・アルゲダス「ダイヤモンドと火打ち石」〜これが本場のマチスモだ |
2024/04/24 | 第77回 | チャン・ガンミョン「データの時代の愛(サラン)」〜偶然の起きない世界で |
2024/04/17 | 第76回 | ジーン・リース「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」〜迷惑おばさんの怒りと悲しみ |
2024/04/10 | 第75回 | キム・ヘジン「三区域、一区域」〜都市再開発と生存権 |
2024/04/03 | 第74回 | ゾヤ・ピールザード「復活祭前日」〜異教徒同士の恋愛について |
2024/03/27 | 第73回 | ケジラハビ「バレンズィ」〜地域言語とリンガ・フランカ |
2024/03/20 | 第72回 | 黎紫書「白蟻の夢魔」〜壊れた家族が語るもの |
2024/03/13 | 番外編 | 【番外編】メールとアンケートで雑談大盛り回(2/2) |
2024/03/13 | 番外編 | 【番外編】メールとアンケートで雑談大盛り回(1/2) |
2024/03/06 | 第71回 | ピーター・ケアリー「Do you love me?」〜私たちはいつまで存在できますか |
2024/02/28 | 第70回 | ドゥブラヴカ・ウグレシッチ「クロイツェル・ソナタ(新作)」〜掌の上のインターテクスチュアリティ |
2024/02/21 | 第69回 | トルストイ「クロイツェル・ソナタ」〜おっさんのド迫力にうちのめされて |
2024/02/14 | 第68回 | ケヴィン・ウィルソン「地球の中心までトンネルを掘る」〜モラトリアムはどんな味わいかね? |
2024/02/07 | 第67回 | オルダス・ハックスリー「ジョコンダの微笑」〜イギリス小説の底意地の悪さ |
2024/01/31 | 第66回 | ジョン・アップダイク「A&P」〜ラッキースケベと階級闘争 |
2024/01/24 | 第65回 | ウラジミール・ナボコフ「フィアルタの春」〜日本ナボコフ協会の人には聞かせられない話 |
2024/01/17 | 第64回 | カーソン・マッカラーズ「家庭の事情」〜アルイーとの向き合い方 |
2024/01/10 | 第63回 | ガルシア=マルケス「大佐に手紙は来ない」〜待っているのは何か |
2024/01/03 | 第62回 | スタインベック「ハツカネズミと人間」〜2024年、君たちはどう生きるか |
2023/12/27 | 番外編 | 【番外編】文学とか人生とかポッドキャストとか 〜年末雑談回(3/3) |
2023/12/27 | 番外編 | 【番外編】文学とか人生とかポッドキャストとか 〜年末雑談回(2/3) |
2023/12/27 | 番外編 | 【番外編】文学とか人生とかポッドキャストとか 〜年末雑談回(1/3) |
2023/12/20 | 第61回 | パトリック・ジュースキント「ゾマーさんのこと」〜加害の記憶という問題 |
2023/12/13 | 第60回 | リチャード・ブローティガン「西瓜糖の日々」〜生々しくないとダメですか? |
2023/12/06 | 第59回 | 呉明益「歩道橋の魔術師」〜「不思議ちゃん文学」考 |
2023/11/29 | 第58回 | E・A・ポー「落とし穴と振り子」〜中二病の心象風景的な何か |
2023/11/22 | 第57回 | シュニッツラー「盲目のジェロニモとその兄」〜家族、このうとましきもの |
2023/11/15 | 第56回 | E・M・フォースター「アーサー・スナッチフォールド」〜ジャニーズ性加害問題を考えるテキストとして |
2023/11/08 | 第55回 | アクタルッジャマン・イリアス「地獄で温かい」〜「意識の流れ」についてのお話 |
2023/11/01 | 第54回 | サヴィヨン・リーブレヒト「砂漠の林檎」〜イスラエルってどんなとこ? |
2023/10/31 | 第53回 | ジョン・アーヴィング『ピギー・スニードを救う話』〜誠実なのか悪達者なのか |
2023/10/18 | 第52回 | ガーダ・アル=サンマーン「猫の首を刎ねる」〜男の本当の望みは? |
2023/10/11 | 番外編 | 【番外編】実録・これが文学部外国文学専攻だ〜リスナーのメールにお答えします |
2023/10/04 | 第51回 | O・ヘンリー「最後の一枚」〜メディアの文学/共同体の文学 |
2023/09/27 | 第50回 | アフマド・ナディーム・カースミー「パルメーシャル・スィング」〜非西欧世界における文学作品の「水準」論 |
2023/09/20 | 第49回 | サルトル「部屋」〜食べているのは肉なのか蟹なのか? |
2023/09/13 | 第48回 | 施蟄存「将軍の首」〜中国モダニズム小説の味わい方 |
2023/09/06 | 第47回 | カポーティ「ミリアム」〜パリピが心に宿した深い孤独 |
2023/08/30 | 第46回 | シャーリィ・ジャクスン「くじ」〜胸糞小説のリクエストありがとうございます |
2023/08/23 | 第45回 | パチェーコ「砂漠の戦い」〜ソンブレロ被ったならず者たちの仁義なき闘争の物語(ではない) |
2023/08/16 | 第44回 | ホーソーン「ウェイクフィールド」〜承認欲求モンスター爆誕!の巻 |
2023/08/09 | 第43回 | ジブ・I・ミハエスク「夢」〜ルーマニア・フェティシズム・病気 |
2023/08/02 | 第42回 | フラナリー・オコナー「田舎の善人」〜天国に持って行けるものは |
2023/07/26 | 第41回 | シーヴァー・アラストゥーイー「アトラス」〜熱に浮かされたときに見る悪夢のような |
2023/07/19 | 第40回 | ジョン・チーヴァー「泳ぐ人」〜アメリカという若者、あるいは老いについて |
2023/07/12 | 第39回 | ヘラ・S・ハーセ「ウールフ、黒い湖」〜某世界文学全集が取りこぼした佳品 |
2023/07/05 | 第38回 | ディー・レスタリ「珈琲の哲学」〜あの起業家も登場の人生論的風俗小説 |
2023/06/28 | 第37回 | テレーザ・ヴェイガ「植民地のあとに残ったもの」〜よくわかる「衰亡する国の悲哀」 |
2023/06/21 | 第36回 | チョ・セヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」〜〝主人持ちの文学〟考 |
2023/06/14 | 第35回 | ミラン・クンデラ「誰も笑いはしない」〜どうでもいいことと、譲れないこと |
2023/06/07 | 第34回 | テッド・チャン「あなたの人生の物語」〜大事なことは宇宙人が教えてくれた |
2023/05/31 | 第33回 | トレヴァー・モリス「紅毛嬌街」〜ホームズのパロディで知る香港 |
2023/05/24 | 第32回 | アーシュラ・K・ル=グィン「セムリの首飾り」〜〝アメリカの栗本薫〟と呼ばせていただきます |
2023/05/17 | 第31回 | ディミトリ・フェルフルスト「美しい子ども」〜少女が酒を飲み、道端で用を足す問題作 |
2023/05/10 | 第30回 | イアン・マキューアン「蝶々」〜この人、どうしてこんなことを書いたんでしょうねえ…… |
2023/05/03 | 第29回 | ブッツァーティ「神を見た犬」〜見た目は怖いがとんだ良い人だった件 |
2023/04/26 | 第28回 | パク・ソルメ「じゃあ、何を歌うんだ」〜この小説が日本人に難しい理由 |
2023/04/19 | 第27回 | リング・ラードナー「弁解屋(アリバイ)アイク」〜ふたたびクリエイティブライティングを考える |
2023/04/12 | 第26回 | スティーヴン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」〜なぜ人々は映画「ショーシャンクの空に」が大好きなのか(完全ネタバレVer.) |
2023/04/05 | 第25回 | トーマス・マン「ヴェネツィアに死す」〜死ぬまでに一度は読みたい、でも一度読めばいい名作 |
2023/03/29 | 第24回 | プラープダー・ユン「バーラミー」〜タイ産メタフィクションから政治を考える |
2023/03/22 | 番外編 | 【番外編】大江健三郎の思い出 |
2023/03/15 | 第23回 | アルフィアン・サアット「誕生日」〜光と影のシンガポール |
2023/03/08 | 第22回 | ガッサーン・カナファーニー「ハイファに戻って」〜「ナクバ」を書く |
2023/03/01 | 第21回 | フアン・ルルフォ「アナクレト・モローネス」〜山師はいかに熟女たちを蕩けさせたか |
2023/02/22 | 第20回 | オリガ・スラヴニコワ「チェレパーノフの姉妹」〜女は強し、ロシア女はなお強し |
2023/02/15 | 第19回 | シャマン・ラポガン「冷海深情」〜夜中まで魚獲りをしていて叱られた男の話 |
2023/02/08 | 第18回 | パク・ミンギュ「朝の門」〜経済危機後の時代を生きるということ |
2023/02/01 | 第17回 | サマセット・モーム「怒りの器」〜二流作家とか言うてるやつ表に出ろ! |
2023/01/25 | 第16回 | イーユン・リー「千年の祈り」 〜この不自然な中国人像はアリか |
2023/01/18 | 第15回 | オスカー・ワイルド「W・H氏の肖像」 〜「唯美主義のチャンピオン」の実力 |
2023/01/11 | 第14回 | J・M・クッツェー「ガラス張りの食肉処理場」 〜それでも肉を食べますか? |
2023/01/04 | 第13回 | エドゥアルド・ハルフォン「彼方の」〜読むことと書くことのあいだ |
2022/12/28 | 番外編 | 【番外編】リスナーのみなさまからのご質問にお答えします! |
2022/12/21 | 第12回 | キム・エラン「立冬」 日本人は「セウォル号以後文学」をどう読むか |
2022/12/14 | 第11回 | 小黒「小ぬか雨やまず」 テロの時代に響く「馬華文学」 |
2022/12/07 | 第10回 | チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ「なにかが首のまわりに」 〝アフリカ人〟とは誰なのか |
2022/11/30 | 第9回 | オノレ・ド・バルザック「アデュー」 この傷だらけの名作を推せるか |
2022/11/23 | 第8回 | ミシェル・ウエルベック「ランサローテ」 エロと宗教とインセルと |
2022/11/16 | 第7回 | マリオ・バルガス=リョサ「小犬たち」 野口悠紀雄先生にもお勧めしたい五つ星短編 |
2022/11/09 | 第6回 | ハーマン・メルヴィル「書写人バートルビー」 ジンジャーナッツと配達不能郵便 |
2022/11/02 | 第5回 | タクブンジャ「犬と主人、さらに親戚たち」 日本語で読めるチベット文学の深すぎる世界 |
2022/10/26 | 第4回 | ラッタウット・ラープチャルーンサップ「ガイジン」 クリエイティブ・ライティングを考える |
2022/10/19 | 第3回 | アニー・エルノー「シンプルな情熱」 2022年度ノーベル文学賞記念企画「♪制服の胸のボタンを」 |
2022/10/12 | 第2回 | 宝樹「時の祝福」 この小説、中国で出して大丈夫なの? |
2022/10/05 | 第1回 | ハン・ガン「菜食主義者」 肉食主義者たちの世界にいかに抵抗するか |
2022/10/02 | 第0回 | 予告編「翻訳文学試食会」はじめます! |
「この作品が入っている本」と、手元に置きたい短編集(2025年)
放送回 | 作品名 | 作家名 | 翻訳者 | 出版社ほか |
---|---|---|---|---|
第110回 | ギリシャ・ミステリ傑作選 無益な殺人未遂への想像上の反響 | ディミトリス・ポサンジス | 橘孝司ほか | 竹書房文庫 |
第109回 | 教科書の中の世界文学 | 秋草俊一郎,戸塚学 | 桜田佐ほか | 三省堂 |
第109回 | 集英社ギャラリー 世界の文学 (7) | アルフォンス・ドーデほか | 滝田文彦ほか | 集英社 |
第108回 | イスタンブール短編集 | サイト・ファーイク | 小山皓一郎 | 響文社 |
第107回 | 黒人小屋通り | ジョゼフ・ゾベル | 松井裕史 | 作品社 |
第106回 | 欠けている所を埋めて 下さい | マ・サンダー | 堀田桂子 | 井村文化事業社 |
第105回 | ナショナル・ストーリー・ プロジェクトⅠ | ポール・オースター | 柴田元幸 | 新潮社 |
第104回 | 火を熾す (柴田元幸翻訳叢書) | ジャック・ロンドン | 柴田元幸 | スイッチ・ パブリッシング |
第103回 | アーモンド | ソン・ウォンピョン | 矢島暁子 | 祥伝社文庫 |
第102回 | 変身ほか カフカ小説全集4 | カフカ | 池内紀 | 白水社 |
第101回 | 地上で僕らはつかの間きらめく (新潮クレスト・ブックス) | オーシャン・ヴオン | 木原善彦 | 新潮社 |
第100回 | 集英社ギャラリー 世界の文学 (5) イギリス4 | 川村二郎,菅野昭正, 篠田一士,原卓也 | 出淵博ほか | 集英社 |
第99回 | チェコSF短編小説集 2 (平凡社ライブラリー) | ヤロスラフ・オルシャ・jr., ズデニェク・ランパス | 平野清美 | 平凡社 |
第98回 | 満ち足りた人生 | キム・チュイ | 関未玲 | 彩流社 |
第97回 | 火葬 (韓国文学ショートショート きむふなセレクション 18) | 金薫 | 柳美佐 | クオン |
第96回 | ムギと王さま: 本の小べや 1 | エリナー・ファージョン | 石井桃子 | 岩波少年文庫 |
第95回 | 紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1) | ケン・リュウ | 古沢嘉通 | 早川書房 |
第94回 | (057) 城 (百年文庫 57) | アナトール・フランス | 内藤濯ほか | ポプラ社 |
第93回 | カレル・チャペック短編集 | カレル・チャペック | 田才益夫 | 青土社 |
番外編 | 卵をめぐる祖父の戦争 | デイヴィッド・ベニオフ | 田口俊樹 | ハヤカワ文庫NV |
番外編 | ワイオミングの惨劇 | トレヴェニアン | 雨沢泰 | 新潮文庫 |
番外編 | クージョ | スティーヴン・キング | 永井淳 | 新潮文庫 |
第92回 | カンディード | ヴォルテール | 堀茂樹 | 晶文社 |
第92回 | カンディード: 他五篇 | ヴォルテール | 植田祐次 | 岩波文庫 |
番外編 | 制作 (上) | エミール・ゾラ | 清水正和 | 岩波文庫 |
番外編 | 制作 (下) | エミール・ゾラ | 清水正和 | 岩波文庫 |
番外編 | 都会と犬ども | マリオ・バルガス=リョサ | 杉山晃 | 新潮社 |
番外編 | ユニヴァーサル野球協会 | ロバート・クーヴァー | 越川芳明 | 新潮文庫 |
第91回 | ラテンアメリカ怪談集 | 鼓直 | 鈴木恵子ほか | 河出文庫 |
第90回 | ねじの回転 | ヘンリー・ジェイムズ | 小川高義 | 新潮文庫 |
第90回 | ねじの回転 | ヘンリー・ジェイムズ | 土屋政雄 | 光文社古典 新訳文庫 |
第89回 | 怪奇小説傑作集〈3〉 英米編Ⅲ | H・P・ラヴクラフト ほか | 橋本福夫ほか | 創元推理文庫 |
第88回 | 大丈夫な人 (エクス・リブリス) | カン・ファギル | 小山内園子 | 白水社 |
第87回 | 夜の潜水艦 | 陳春成 | 大久保洋子 | アストラハウス |
番外編 | ダライ・ラマ六世 恋愛詩集 | ダライ・ラマ六世 ツァンヤン・ギャムツォ | 今枝由郎, 海老原志穂 | 岩波文庫 |
番外編 | 対訳 フロスト詩集 アメリカ詩人選(4) | フロスト | 川本皓嗣 | 岩波文庫 |
番外編 | Aな夢 (台湾現代詩人シリーズ 16) | 鯨向海 | 及川茜 | 思潮社 |
第86回 | 世界文学のフロンティア2 愛のかたち | 今福龍太,沼野充義, 四方田犬彦 | 栩木玲子ほか | 岩波書店 |
第85回 | 三つの物語/十一月 | フロベール | 蓮實重彦 | 講談社文芸文庫 |
第84回 | 三つの物語/十一月 | フロベール | 蓮實重彦 | 講談社文芸文庫 |
第83回 | 三つの物語/十一月 | フロベール | 蓮實重彦 | 講談社文芸文庫 |
第82回 | 20世紀ジョージア(グルジア)短篇集 | 児島康宏 | 未知谷 | |
第81回 | 伝奇集 | ホルヘ・ルイス・ ボルヘス | 鼓直 | 岩波文庫 |
第80回 | イン・クィア・タイム アジアン・クィア作家 短編集 | イン・イーシェン, リベイ・リンサンガン・ カントー | 村上さつき | ころから |
第79回 | 世界のハーモニー (ハヤカワ・ノヴェルズ) | チャールズ・バクスター | 田口俊樹 | 早川書房 |
第78回 | ダイヤモンドと火打ち石 | ホセ・マリア・ アルゲダス | 杉山晃 | 彩流社 |
第77回 | 極めて私的な超能力 (新☆ ハヤカワ・SF・シリーズ) | チャン・ガンミョン | 吉良佳奈江 | 早川書房 |
第76回 | あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集 | ジーン・リース | 西崎憲 | 亜紀書房 |
第75回 | 君という生活 | キム・ヘジン | 古川綾子 | 筑摩書房 |
第74回 | ゾヤ・ピールザード選集 復活祭前日 | 藤元優子 | 大同生命国際 文化基金 | |
第73回 | 翻訳文学紀行V ことたび編 | 小野田風子ほか | ことばのたび社 | |
第72回 | 白蟻の夢魔: 短編小説集 (台湾熱帯文学4) | 黎紫書ほか | 荒井茂夫ほか | 人文書院 |
第71回 | どこにもない国 現代アメリカ幻想小説集 | 柴田元幸 | ― | 松柏社 |
第70回 | 世界の文学、文学の世界 | 奥彩子 | ― | 松籟社 |
第69回 | イワン・イリイチの死/ クロイツェル・ソナタ | トルストイ | 望月哲男 | 光文社古典 新訳文庫 |
第69回 | クロイツェル・ソナタ (青空文庫) | トルストイ | 米川正夫 | 青空文庫 |
第68回 | 地球の中心まで トンネルを掘る | ケヴィン・ウィルソン | 芹澤恵 | 創元推理文庫 |
第67回 | 新・ちくま文学の森 4 悪の物語 | 鶴見俊輔,安野光雅,森毅 | 太田稔ほか | 筑摩書房 |
第66回 | アップダイク自選短篇集 | ジョン・アップダイク | 岩本巌 | 新潮文庫 |
第65回 | ナボコフ全短篇 | ウラジミール・ナボコフ | 沼野充義ほか | 作品社 |
第64回 | マッカラーズ短篇集 | カーソン・マッカラーズ | ハーン小路恭子, 西田実 | ちくま文庫 |
第63回 | ガルシア=マルケス中短篇 傑作選 | ガルシア=マルケス | 野谷文昭 | 河出文庫 |
第62回 | ハツカネズミと人間 | スタインベック | 齋藤昇 | 講談社文庫 |
第62回 | ハツカネズミと人間 | スタインベック | 大浦暁生 | 新潮文庫 |
第61回 | ゾマーさんのこと | パトリック・ ジュースキント | 池内紀 | 文藝春秋 |
第60回 | 西瓜糖の日々 | リチャード・ ブローティガン | 藤本和子 | 河出文庫 |
第59回 | 歩道橋の魔術師 | 呉明益 | 天野健太郎 | 河出文庫 |
第58回 | ポー傑作選1 ゴシック ホラー編 黒猫 | エドガー・アラン・ポー | 河合祥一郎 | 角川文庫 |
第57回 | 花・死人に口なし 他7篇 | シュニッツラー | 番匠谷英一, 山本有三 | 岩波文庫 |
第56回 | E・M・フォースター 短編集 | E・M・フォースター | 井上義夫 | ちくま文庫 |
第55回 | バングラデシュ短編集 地獄で温かい | アクタルッジャマン・ イリアスほか | 丹羽京子 | 大同生命国際 文化基金 |
第54回 | 砂漠の林檎 イスラエル 短編傑作選 | サヴィヨン・リーブレ ヒト,ウーリー・オルレブ | 母袋夏生 | 河出書房新社 |
第53回 | ピギー・スニードを救う話 | ジョン・アーヴィング | 小川高義 | 新潮文庫 |
第52回 | 短篇コレクションI (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) | フリオ・コルタサルほか | 岡真理ほか | 河出書房新社 |
第51回 | O・ヘンリー ニューヨーク 小説集 街の夢 | O・ヘンリー | 青山南+ 戸山翻訳農場 | ちくま文庫 |
第50回 | カースミー短編集 パルメーシャル・スィング | アフマド・ナディーム・ カースミー | 鈴木斌 | 大同生命国際 文化基金 |
第49回 | 水いらず | サルトル | 伊吹武彦 | 新潮文庫 |
第48回 | 中国現代文学傑作 セレクション | 大東和重,神谷まり子, 城山拓也 | 大東和重ほか | 勉誠出版 |
第47回 | 夜の樹 | トルーマン・カポーティ | 川本三郎 | 新潮文庫 |
第46回 | くじ | シャーリィ・ジャクスン | 深町真理子 | ハヤカワ文庫 |
第45回 | ラテンアメリカ五人集 | マリオ・バルガス= リョサほか | 安藤哲行ほか | 集英社文庫 |
第44回 | アメリカン・マスター ピース 古典篇 | 柴田元幸 | ― | スイッチ・ パブリッシング |
第43回 | 東欧怪談集 | 沼野充義 | 住谷春也 | 河出文庫 |
第42回 | フラナリー・オコナー 全短篇 上 | フラナリー・オコナー | 横山貞子 | ちくま文庫 |
第41回 | 天空の家 イラン女性作家選 | 藤元優子 | ― | 段々社 |
第40回 | 巨大なラジオ / 泳ぐ人 | ジョン・チーヴァー | 村上春樹 | 新潮社 |
第39回 | ウールフ、黒い湖 | ヘラ・S・ハーセ | 國森由美子 | 作品社 |
第38回 | 珈琲の哲学 ディー・ レスタリ短編集 1995-2005 | ディー・レスタリ | 福武慎太郎, 加藤ひろあき, 西野恵子 | 上智大学出版 |
第37回 | ポルトガル短篇小説傑作選 (現代ポルトガル文学選集) | ルイ・ズィンク, | 黒澤直俊 | 現代企画室 |
第36回 | こびとが打ち上げた 小さなボール | チョ・セヒ | 斎藤真理子 | 河出書房新社 |
第35回 | 微笑を誘う愛の物語 | ミラン・クンデラ | 西永良成ほか | 集英社 |
第34回 | あなたの人生の物語 | ― | 公手成幸ほか | ハヤカワ文庫SF |
第33回 | 辮髪のシャーロック・ ホームズ | トレヴァー・モリス | 舩山むつみ | 文藝春秋 |
第32回 | 風の十二方位 | アーシュラ・K・ル= グィン | 小尾芙佐 | ハヤカワ文庫 |
第31回 | 残念な日々 | ディミトリ・フェル フルスト | 長山さき | 新潮社 |
第30回 | 最初の恋、最後の儀式 (ハヤカワ・ノヴェルズ) | イアン・マキューアン | 宮脇孝雄 | 早川書房 |
第29回 | 神を見た犬 | ブッツァーティ | 関口英子訳 | 光文社古典 新訳文庫 |
第28回 | もう死んでいる十二人の女 たちと(エクス・リブリス) | パク・ソルメ | 斎藤真理子 | 白水社 |
第27回 | ラードナー傑作短篇集 | リング・ラードナー | 加島祥造 | 福武文庫 |
第26回 | ゴールデンボーイ | スティーヴン・キング | 浅倉久志 | 新潮文庫 |
第25回 | ヴェネツィアに死す | トーマス・マン | 岸美光 | 光文社古典 新訳文庫 |
第24回 | 鏡の中を数える | プラープダー・ユン | 宇戸清治 | タイフーン・ ブックス・ジャパン |
番外編 | 大江健三郎自選短篇 | 大江健三郎 | ― | 岩波文庫 |
第23回 | サヤン、シンガポール | アルフィアン・サアット | 幸節みゆき | 段々社 |
第22回 | ハイファに戻って/ 太陽の男たち | ガッサーン・ カナファーニー | 奴田原睦明 | 河出文庫 |
第21回 | 燃える平原 | フアン・ルルフォ | 杉山晃 | 岩波文庫 |
第20回 | 現代ロシア文学入門 | ポスト・ソヴィエト 文学研究会 | 岩本和久ほか | 東洋書店新社 |
第19回 | 冷海深情 (シャマン・ラポガン の海洋文学 1) | シャマン・ラポガン | 魚住悦子 | 草風館 |
第18回 | カステラ | パク・ミンギュ | 斎藤真理子, ヒョン・ジェフン | クレイン |
第17回 | アー・キン | サマセット・モーム | 増野正衛 | ちくま文庫 |
第16回 | 千年の祈り (新潮クレスト・ブックス) | イーユン・リー | 篠森ゆりこ | 新潮社 |
第15回 | アーサー卿の犯罪 | オスカー・ワイルド | 福田恆存,福田逸 | 中公文庫 |
第14回 | モラルの話 | J・M・クッツェー | くぼたのぞみ | 人文書院 |
第13回 | ポーランドのボクサー | エドゥアルド・ ハルフォン | 松本健二 | 白水社 |
第12回 | 外は夏 (となりの国のものがたり3) | キム・エラン | 古川綾子 | 亜紀書房 |
第11回 | 白蟻の夢魔: 短編小説集 (台湾熱帯文学4) | 黎紫書 | 今泉秀人 | 人文書院 |
第10回 | なにかが首のまわりに | チママンダ・ンゴズィ・ アディーチェ | くぼたのぞみ | 河出文庫 |
第9回 | シャベール大佐 | オノレ・ド・バルザック | 大矢タカヤス | 河出文庫 |
第8回 | 短篇コレクションⅡ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) | ミシェル・ウエルベック ほか | 野崎歓 | 河出書房新社 |
第7回 | ラテンアメリカ五人集 | マリオ・バルガス= リョサほか | 鈴木恵子ほか | 集英社 |
第6回 | アメリカン・マスター ピース 古典篇 | 柴田元幸 | ― | スイッチ・ パブリッシング |
第5回 | ハバ犬を育てる話 | タクブンジャ | 海老原志穂, 大川謙作,星泉, 三浦順子 | 東京外国語大学 出版会 |
第4回 | 観光 | ラッタウット・ラープ チャルーンサップ | 古屋美登里 | ハヤカワepi文庫 |
第3回 | シンプルな情熱 | アニー・エルノー | 堀茂樹 | ハヤカワepi文庫 |
第2回 | 中国史SF短篇集 移動迷宮 | 大恵和実 | 大久保洋子ほか | 中央公論新社 |
第1回 | 菜食主義者 | ハン・ガン | きむふな | クオン |
デザイン的に好きな本を中心に集めました。
「教科書の中の世界文学」秋草俊一郎、戸塚学
『教科書の中の世界文学: 消えた作品・残った作品25選』
秋草俊一郎,戸塚学
2024/02/28
三省堂
「掟の門」「夏の読書」「ジュール伯父」「信号」「最後の授業」…。戦後の昭和~平成~令和に至るまで、時代を彩った世界文学の名作を教科書で採録されなかった部分も含めた“ノーカット”で収録。
「この作品が入っている本」と、手元に置きたい短編集(2024年)
「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」ポール・オースター
『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』
ポール・オースター,柴田元幸
2008/12/20
新潮社
「誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は想像しがたい」。元はラジオ番組のためにオースターが全米から募り、精選した「普通の」人々の、ちょっと「普通でない」実話たち――。彼の小説のように不思議で、切なく、ときにほろっとさせられ、ときに笑いがこみ上げる。名作『トゥルー・ストーリーズ』と対になるべき180もの物語。
「アーモンド」ソン・ウォンピョン
『アーモンド (祥伝社文庫)』
ソン・ウォンピョン,矢島暁子
2024/07/11
祥伝社
2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位
扁桃体が小さく、怒りや恐怖を感じることができない16歳の高校生、ユンジェ。祖母から「かわいい怪物」と呼ばれた彼は、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、黙ってその光景を見つめているだけだった。事件によって一人ぼっちになった彼の前に現れたのは、もう一人の〝怪物〟ゴニ。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく――。
「地上で僕らはつかの間きらめく」オーシャン・ヴオン
『地上で僕らはつかの間きらめく (新潮クレスト・ブックス)』
オーシャン・ヴオン,木原善彦
2021/08/26
新潮社
読み書きできない母に綴った僕の真実ーー。ベトナム系詩人の才能迸る初小説。幼い僕を連れ、母は祖母と共に太平洋を渡った。戦争に人生を狂わされた祖母と、新天地アメリカでの生活に翻弄される母。二人の苦難は少年の僕にも影を落とすが、ある年上の少年との出会いによって、僕は初めて、生きる歓びを知るーー。アメリカ文学の新たな才能による痛みと美しさに満ちた自伝的長篇。
「火葬」金薫
『火葬 (韓国文学ショートショートきむふなセレクション 18)』
金薫,柳美佐
2023/04/10
クオン
大手化粧品会社で役員を務め現場の指揮を執る「私」は、前立腺炎を患いつつ、死期の迫った妻の看病をしている。病にむしばまれていく体へのぞっとするほどのリアルな描写と、社内の女性社員への秘めた思いの独白とが交差しながら物語が進んでいく。
「通俗的設定のようにも見えるが、作品は読者の安易な感情移入を冷たくあしらうかのように終末へと向かう」–訳者解説より
金薫(『狐将』、『黒山』)による2004年李箱文学賞受賞作を、原文と邦訳の二言語で収録。
「ムギと王さま」エリナー・ファージョン
『ムギと王さま: 本の小べや 1 (岩波少年文庫)』
エリナー・ファージョン,石井桃子
2001/05/18
岩波書店
幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集.
「紙の動物園」ケン・リュウ
『紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)』
ケン・リュウ,古沢嘉通
2017/04/06
早川書房
香港で母さんと出会った父さんは、母さんをアメリカに連れ帰った。
泣き虫だったぼくに母さんが包装紙で作ってくれた折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動きだした。魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった……。
ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作など、
第一短篇集である単行本版『紙の動物園』から7篇を収録した胸を打ち心を揺さぶる短篇集。
「卵をめぐる祖父の戦争」デイヴィッド・ベニオフ
『卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)』
デイヴィッド・ベニオフ,田口俊樹
2011/12/05
早川書房
「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が?逆境に抗って逞しく生きる若者達の友情と冒険を描く、傑作長篇。
「都会と犬ども」マリオ・バルガス=リョサ
『都会と犬ども』
マリオ・バルガス=リョサ,杉山晃
2010/12/10
新潮社
厳格な規律の裏では腕力と狡猾がものを言う、弱肉強食の寄宿生活。首都リマの士官学校を舞台に、ペルー各地から入学してきた白人、黒人、混血児、都会っ子、山育ち、人種も階層もさまざまな一群の少年たち=犬っころどもの抵抗と挫折を重層的に描き、残酷で偽善的な現代社会の堕落と腐敗を圧倒的な筆力で告発する。’63年発表。
「大丈夫な人」カン・ファギル
『大丈夫な人 (エクス・リブリス)』
カン・ファギル,小山内園子
2022/05/31
白水社
厳女性の日常は、サスペンススリラー。現代社会の弱者の不安を自由自在に奏でる欧米も注目する韓国の奇才が放つ、衝撃の短篇小説集!
「夜の潜水艦」カン・ファギル
『夜の潜水艦』
カン・ファギル,小山内園子
2023/05/27
アストラハウス
潜水艦は永遠の夜を航行する。
イマジネーションの極まる、“その先”へ――迷宮のようなプロットと東洋の美学が織りなす、
中国文学の新星による至高の作品集
「極めて私的な超能力」チャン・ガンミョン
『極めて私的な超能力 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』
チャン・ガンミョン,吉良佳奈江
2022/06/22
早川書房
「自分には予知能力がある、あなたは私とは二度と会えない」手首に傷痕をもつ元カノは、いつか僕にそう言った――とある男女のふとした日常に不思議が射し込む表題作、第二次大戦後にユダヤ人自治区ができたアラスカで、ユダヤ人虐殺に関わったアドルフ・アイヒマンを、人の感情を移植できる〈体験機械〉を利用して裁いた顛末を描く「アラスカのアイヒマン」、カップルの関係持続性を予測するアルゴリズムに翻弄される、近未来のロマンスを描いた「データの時代の愛(サラン)」などヴァラエティ豊かな全10篇を収録。韓国で多数の文学賞を受賞した気鋭の文芸作家が放つSF作品集。
「あの人たちが本を焼いた日」ジーン・リース
『あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集 (ブックスならんですわる)』
ジーン・リース,西崎憲,安藤しをほか
2022/06/29
亜紀書房
――わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。
カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。
しかも女性である。自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。
だが彼女らはけっして下を向かない。
慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。
《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》
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