
知っているのは、
ジョルジュ・ペレックが、
ハリー・マシューズと友人なこと。
クロスワードが好きなこと、
枕草子が好きなこと、
囲碁が好きなことくらい。
まだいろいろ作業中です。
要約はCopilot、
翻訳はブラウザ翻訳や、
Google翻訳、DeepL翻訳を使用しています。
このサイトがあればいい
「人生 使用法」の解説サイト【ブラウザ翻訳推奨】
Georges Perec | La Vie mode d’emploi | Cahier des charges
(フランス語)
ジョルジュ・ペレック|人生使用法|仕様書
『人生使用法』フランス語版について、完全に網羅されている。たぶん、このページを見れば全部わかる。建物の構造図や、「42の制約リスト」のほか、年表や章、部屋についても。そのほとんどがハイパーリンクでつながっているという、すごいページです。
Wikipédia
La Vie mode d’emploi — Wikipédia
『人生 使用法』Wikipedia
(フランス語)
Liste des personnages de La Vie mode d’emploi
『人生 使用法』登場人物一覧のページ
フランス語版Wikipediaもかなり詳しい。「ナイトの巡回法」も、「42の制約のリスト」も。登場人物の説明は圧巻。こちらのページを元に登場人物一覧表などを作成しました。楽しいけれどネタバレは多めです。
Georges Perec: Das Leben Gebrauchsanweisung. Romane.
(ドイツ語)
ジョルジュ・ペレック:人生:取扱説明書 小説
こちらはドイツ語版Wikipediaに載っていたサイト。「42の制約リスト」はこちらにも。《ゲーテの最も有名な詩『さすらい人の夜の歌』に基づいた実験的なラジオ劇『機械』は、 1972年にドイツでペレックを有名にした。》なんて話も。
Wikimedia Commons
Category:Georges Perec
(英語)
ジョルジュ・ペレック – ウィキメディア・コモンズ
ウィキメディア・コモンズは、自由に利用できる画像・音声・動画などのメディアファイルを集めたデータベース。ナイトの巡回法とかGIFアニメとか、いろいろ使える画像がありそう。
ジョルジュ・ペレックの本と関連書籍
作品名 | 著者 | 翻訳者 | 出版社 | 発売年月 |
---|---|---|---|---|
さまざまな空間 新装版 | ジョルジュ・ペレック | 塩塚秀一郎 | 水声社 | 2024年02月 |
パリの片隅を実況中継する試み ありふれた物事をめぐる人類学 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 塩塚秀一郎 | 水声社 | 2018年10月 |
ジョルジュ・ペレック – 制約と実存 (中公選書) | 塩塚秀一郎 | ― | 中央公論新社 | 2017年05月 |
眠る男 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 海老坂武 | 水声社 | 2016年06月 |
傭兵隊長 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 塩塚秀一郎 | 水声社 | 2016年06月 |
給料をあげてもらうために上司に近づく技術と方法 | ジョルジュ・ペレック | 桑田光平 | 水声社 | 2015年06月 |
ぼくは思い出す (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 酒詰治男 | 水声社 | 2015年05月 |
ジョルジュ・ペレック伝 言葉に明け暮れた生涯 | デイヴィッド・ベロス | 酒詰治男 | 水声社 | 2014年03月 |
Wあるいは子供の頃の思い出 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 酒詰治男 | 水声社 | 2013年11月 |
物の時代/小さなバイク | ジョルジュ・ペレック | 弓削三男 | 文遊社 | 2013年05月 |
家出の道筋 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 酒詰治男 | 水声社 | 2011年07月 |
人生 使用法 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 酒詰治男 | 水声社 | 2010年10月 |
煙滅 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 塩塚秀一郎 | 水声社 | 2010年01月 |
美術愛好家の陳列室 (フィクションの楽しみ) | ジョルジュ・ペレック | 塩塚秀一郎 | 水声社 | 2006年12月 |
水声通信(6) 特集:ジョルジュ・ぺレック | ― | ― | 水声社 | 2006年03月 |
エリス島物語 移民たちの彷徨と希望 | ジョルジュ・ペレック | 酒詰治男 | 青土社 | 2000年10月 |
考える/分類する 日常生活の社会学 (りぶらりあ選書) | ジョルジュ・ペレック | 阪上脩 | 法政大学出版局 | 2000年02月 |
作品名、出版社、発売年月などで、
並べ替え可能、スクロール可能。
水声社さんの本はAmazonで販売していません。
ジョルジュ・ペレック「人生 使用法」を読解する
「人生 使用法」のこと
『人生使用法』
ジョルジュ・ペレック,酒詰治男
水声社
登場人物、1000人以上!パリ市中のアパルトマンでジグゾーパズルに没頭する英国人大富豪バートルブースや、建物を往き過ぎるさまざまな人物と各々の部屋に注がれた視線が織りなす奇想天外な人間喜劇。
※La Vie mode d’emploi→『人生 使用法』のこと。
ペレックの最も有名な小説『La Vie mode d’emploi(人生 使用法)』は1978年に出版されました。そのタイトルページには「小説」と書かれており、複数形では、読むとその理由が明らかになります。
La Vie mode d’emploiは、架空のパリのアパートの住人の生活に基づいた、織り交ぜられた物語やアイデア、文学的および歴史的な暗示のタペストリーです。これは、制約を記述するという複雑な計画に従って書かれており、主にいくつかの要素で構成されており、それぞれが複雑さの層を追加しています。
彼の600ページの小説の99章は、建物の部屋の構造図を巡る騎士のチェス盤のツアーのように動き、部屋と階段の吹き抜けを説明し、住民の物語を語ります。最後には、本全体が実際には一瞬で起こることが明らかになり、最後のひねりは「宇宙の皮肉」の一例です。
建物の構造図
シモン・クルベリエ通り11番地の建物の構造図、PDFです。フランス語版Wikipediaと大塚晩霜さんの断面図を参考に作ってみました。PCから見るとPDFビューアが表示されて、拡大縮小や検索ができる。
Georges Perec | La Vie mode d’emploi | Cahier des charges
le plan de l’immeuble
(フランス語)
建物の構造図
↑こちらのフランス語のサイトには、章の番号も。リンクつきで、たぶん部屋の様子がわかる感じになっている。ブラウザ翻訳でどうぞ。
ナイトの巡回法
Wikipédia
Polygraphie du cavalier|La Vie mode d’emploi
建物の構造図と騎士の巡回法
(フランス語)
Problème du cavalier
チェスのナイト問題
章の構成がチェスのナイトの軌跡に従っている。
フランス語版Wikipediaでは、章の順番に沿って
構造図に線が次々引かれていく
GIFアニメを見ることができます。
Georges Perec | La Vie mode d’emploi | Cahier des charges
Georges Perec – L’Arc n°76 – Polygraphie du cavalier
(フランス語)
こちらは動かないタイプ
「42の制約」の一覧表
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 態勢 | ひざまずく | 降りる またはしゃがむ | 腹ばいになる | 座った | 立っている | 上がる | 入る | 外に出る | 仰向けに 横たわる | 片腕を 空中に上げる |
活動 | 絵を描く | メンテナンス | 身支度 | エロチック | 分類する 整理する | 地図を使う | 修理する | 読み書き | 木片を持つ | 食べる | |
引用1 | フロベール | スターン | プルースト | カフカ | レリス | ルーセル | クノー | ヴェルヌ | ボルヘス | マシューズ | |
引用2 | マン | ナボコフ | ルーボー | ビュトール | ラブレー | フロイト | スタンダール | ジョイス | ラウリー | カルヴィーノ | |
2 | 第3セクター | 三面記事 | 書籍 | 記事の朗読法 規則書 | 通知状 | 料理レシピ | 薬局の パンフレット | 手帳 カレンダー | プログラム | 辞書 | 使用説明書 ガイド、便覧 |
契機 | 旅行から 戻る | 手紙を 受け取る | 親子関係を 確立する | 金銭的な 誘惑 | 懐かしさに 浸る | 夢を持つ | 「創造する」 | 謎を解く | 夢を 追い求める | 復讐を 企てる | |
7 | タブロー | アノルフィーニ | 聖ヒエロニムス | 大使たち | イカロスの墜落 | メニーナス | テンペスタ | メッシーナ | カルパッチョ | ボッシュ | ボーギャン |
書物 | そして誰もいなくなった | 煙滅 | 夢見る宝石 | 白鯨 | Conversions | わが友ピエロ | 百年の孤独 | ハムレット | Le Cycle du Graal | ユビュ王 | |
9 | 感情 | 無関心 | 喜び | 痛み | 退屈 | 怒り | 苦悩 | 驚き | 憎しみ | 愛 | 野心 |
絵画 | 裸の壁 | デッサン | 彫刻 | 水彩ガッシュ | 絵画 | 複製 | 地図と図面 | 写真 | ポスター | ポストカード |
作家名などはフランス語版Wikipediaの
該当ページへのリンクつきです。
《このリストは、42の制約のテーマと、その10の可能な値をまとめたものです。》と書かれていた、フランス語版のWikipediaに一部だけ掲載されていた一覧表を、日本語に翻訳しました。
そこにつけられていた注釈には、手書きで書かれた制約表が見られる「PDFファイル」(たぶんペレック自筆の制約表)へのリンクが貼られていました。
Georges Perec | La Vie mode d’emploi | Cahier des charges
le tableau des 42 contraintes avec leurs 10 valeurs
(フランス語)
42の制約とその10個の値の表
そしてこのたび発見したのが、↑こちらのページ。「42の制約」がすべて載っています。しかもハイパーリンクつき。フランス語なので、ブラウザ翻訳でどうぞ。
Georges Perec: Das Leben Gebrauchsanweisung. Romane.
Die Listen
(ドイツ語)
「42の制約リスト」はこちらのドイツのサイトにも。
甲南女子大学学術情報リポジトリ
『人生使用法』における「制約」について
酒詰治男
登場人物一覧表
姓・日本語 | 名・日本語 | どんな人? |
---|---|---|
アデル | ― | バートルブースのコック。彼女の引退後、スモトフはエレーヌを雇う。 |
アルバン | フローラ | エレベーターに閉じ込められる。レイモンド・アルバンは婚約者。 |
アルバン | レイモンド | エレベーターに閉じ込められる。フローラ・シャンピニーは婚約者。 |
アルバン | ルネ | 妻フローラとともにシリアへ向かう。 |
アルタモン | ブランシュ | 旧姓ガルデル。一座のダンサーだった。 |
アルタモン | シリーユ | 55歳。ポリテクニックとENAの元学生。冷徹なまでに現実的なビジネスマン。 |
アルタモン | ヴェロニク | 16歳。ブランシュとシリーユ・アルタモンの娘。水彩画を描き、ピアノを弾き、パズルが好き。 |
アペンツェル | マルセル | オーストリアの民族学者。クブと呼ばれる幻の民族を探している。 |
アペンツェル | ミセス | マルセルの母。スマトラ島に戻った息子を探す。 |
アラーニャ | ミセス | ビルの最初の管理人。愛想がない。エレベーターに閉じ込められる。 |
バートルブース | パーシヴァル | 1900年生まれ、バイロンと同じくハロー・カレッジに進学。 |
ボーモン | エリザベート・ド | フェルナンとヴェラの娘。レディニャンで祖母に育てられる。考古学の発掘でパリを離れる。 |
ボーモン | フェルナン・ド | 考古学者。首都レブティットの遺跡の発見でシュリーマンに並ぶことを夢見る。 |
ボーモン | ヴェラ・ド | 歌手。旧姓オルローヴァ。20世紀初頭にロシアで生まれる。1918年春に亡命 |
ベルジェ | シャルル | ポルト・マイヨ近くのナイトクラブ・レストランのウェイター。 |
ベルジェ | ジルベール | 15歳で中学3年生。シャルルとリズの息子。両親はジルベール・ベコーのリサイタルで知り合った。 |
ベルジェ | リズ | シャルルの妻で、40代。言語療法士。吃音のある子どもたちのリハビリをしている。 |
ベッサンドル | シャルル=アルベール | 美術評論家。ロルシャッシュからバートルブースの計画を聞く。 |
ブレーデル | アンヌ | ベアトリスの姉(妹)、ボーモン夫人の孫娘。16歳でエコール・サントラルを卒業。 |
ブレーデル | ベアトリス | アンヌの妹(姉)、ボーモン夫人の孫娘。入学試験を控えている。 |
ブロダン | エレーヌ | 旧姓グラショレ。ダンスの先生と結婚。父親と遺産相続を争う。 |
シャンピニー | フローラ | フローラ・アルバンの旧姓。 |
シノック | アルベール | 1947年、エレーヌ・ブロダンのアパートを引き継ぐ。単語殺し。 |
クラヴォー | ミセス | この建物の元管理人。パリ中を回るニコラの配達員と結婚。 |
クラヴォー | ミシェル | 元管理人の息子。切手を集めている。 |
コロンブス | ミスター | 専門年鑑の出版。空中ブランコ師ロドルフの父。 |
クレスピ | セリア | ダングラール家の元メイド。コルシカ島生まれ。 |
クリオラ | アルレット | アルレット・グラシオレの旧姓。 |
クリュベリエ | ノルベール | レンタカー会社を経営。分譲された土地の半分を所有し、その上にこの建物を建てた。 |
子犬を連れた老婦人 | ― | 犬の名前はドデカ。聖職に就く運命にあった息子と住んでいた。 |
ダングラール | ベルト | 私室が火事になる(1925年のクリスマス頃)。 |
ダングラール | マクシミリアン | 控訴院第2代長官。寝室で家事。 |
ダングラール | 父親 | ジロンド地方出身のブドウ栽培者 |
ダントヴィル | ベルナール | 医師。ルイ13世の治世下で貴族に昇格した郵便局長の子孫。 |
エシャール | カロリーヌ | カロリーヌ・マルキゾーの旧姓。 |
エシャール | 夫人 | カロリーヌの母親。義理の息子フィリップ・マルキゾーをことあるごとに侮辱する。 |
エシャール | マルセラン | カロリーヌの父親。引退した老図書館員。趣味はヒトラーがまだ生きている証拠を集めること。 |
フォーセット | ― | 元バートルブースの運転手。バートルブースの母プリシラに仕えていた。 |
フルーリー | アンリ | デコレーター。マダム・モローのアパートメントの内装を設計。 |
フルロ | ジュヌヴィエーヴ | 18歳、通販カタログのモデル。演劇のクラスに通い、映画やメロドラマにも出演。 |
フルロ | ルイ | ジュヌヴィエーヴの祖父。子どもを連れて家を飛び出した彼女を見捨てなかった数少ない人物の一人。 |
フーロー | ― | シャヴィニョールに住んでいると言われるが、誰も見たことがない。 |
フレネル | アリス | ピティヴィエの大きなシャルキュトリーの販売マネージャーの娘。アンリ・フレネルと結婚 。 |
フレネル | ジスラン | アリスの息子。ぽっちゃりした少年で、生まれた時から看護を受けていた。 |
フレネル | アンリ | 憂鬱な南部人。当初はムッシュ・アルディのレストランで料理長を務めていた。 |
フッガー | ヘルマン | ドイツの実業家で、マダム・モローがフランスで販売するキャンプ用品を売って財を成した。 |
ジェルメーヌ | ― | バートルブースのリネン係。彼女の部屋を引き継いだのはエルズビエータ・オルロフスカ。 |
ジェルトリュード | ― | マダム・モローの10年来のコック。パレ・ル・モニアル出身の頑健なブルゴーニュ人。 |
ジェルヴェーズ | ― | M・コロンの家政婦。彼のアパートの一室に寝泊まりし、ヴァレーヌは彼女の古い部屋を借りた。 |
グラシオレ | アルレット | 旧姓クリオラ。10歳年下の看護師オリヴィエ・グラシオレと結婚し、父親と同居。 |
グラシオレ | エミール | ジュストの息子でフランソワの父。趣味は笛を吹くことと、エキゾチックな名前のラジオ局を聴くこと。 |
グラシオレ | フランソワ | エミールの息子で、父の死により建物を相続。その後、卸売食料品店の経理の仕事に就く。 |
グラシオレ | エレーヌ | エレーヌ・ブロダンの旧姓。 |
グラシオレ | イザベル | オリヴィエ・グラシオレの娘、13歳。ダントヴィル医師から渡された医学雑誌の切り抜きを集めている。 |
グラシオレ | ジュスト | 木材取引で富を築き、伐採機を発明。建物を長男のエミールに残す。 |
グラシオレ | マルト | フランソワの妻。1948年にリュエイユ宮殿の映画館の火災に巻き込まれる。 |
グラシオレ | オリヴィエ | ジュスト・グラシオレ(21世)の曾孫。10歳からロシュフォールのリズの寮生。 |
グリファルコーニ | エミリオ | ラ・ミュエット城の家具修復のためにやってきたイタリア人家具職人。15歳年下のレティツィアと結婚。 |
グリファルコーニ | レティツィア | エミリオの妻で15歳年下。ポール・エベールと恋に落ちる。 |
グリファルコーニ | ヴィトリオ | エミリオとレティツィアの息子の一人で、パドヴァで植物分類学の教授となる。 |
アルディ | ― | オリーブオイル商人。自社製品の素晴らしさを実証するためリシュリュー通りにレストランをオープン。 |
アルディ | ミセス | 上唇に口ひげの影が飾られた、優しい顔をした寮母。スペスは彼女にぞっこん。 |
エベール | ヨゼフ | ポールの父。国鉄の車両検査官で、パリにはほとんどいなかった。 |
エベール | ポール | 愛称P.H. 薬剤師の孫で、彼からパレゴリック万能薬の瓶を盗んだ。 |
エレーヌ | ― | バートルブースのメイド。30歳。アデル夫人の引退に伴い、スモーブが雇い入れた。 |
オノレ | コリンヌ・マルシオン | 通称マダム。15歳で厨房のメイドとして寄宿舎へ。 30年後オノレと出会い、ダングラール家の料理人に。 |
オノレ | オノレ・マルシオン | 執事。色白のリヨン人。以前は人形遣い、托鉢僧の助手、ウェイター、オルガン奏者をしていた。 |
ウルカード | マダム | 段ボール工場、戦後は大きな金物店で働く。引退後、建物を出てモンタルジ近くの小さな家に引っ越した |
ハッティング | フランツ | フランス系アメリカ人の画家。建物の最上階2階の左端に巨大なアトリエを作った。 |
ジェローム | アドリアン | 歴史教師。イギリスのバーによく出入りする。1925年7月、エレベーターに閉じ込められる。 |
クレベール | ― | バートルブースの運転手。バートルブースとスモトフが世界一周旅行から戻ったときに雇われた。 |
ラフュアント | マダム | ボーモン夫人の20年以上にわたる家政婦。アンヌ・ブレーデルが食料庫に入り浸るのを止めようとする。 |
ランベール | ヴェロニック=エリザベート・ ド・ボーモン | エリクソン夫妻にオーペアとして雇われ、息子のエリックの世話をしていた。 |
レオナール | ― | バートルブースのソムリエ。 |
ロペス | アウレリオ | フィリピン人ガイドで、ブラント・スタンリーがアメリカ軍から脱走するのを助ける。 |
ルイ | ― | バートルブースの労働者 |
ルーヴェ | ― | 夫妻はよく旅行する。彼はボーキサイトの仕事をし、彼女はもうすぐ40歳。 オルロフスカ夫人は時々彼らの家を掃除する。 |
マルシア | クララ | 骨董商。旧姓リヒテンフェルド。ポーランド系ユダヤ人の娘で、15歳年上の夫とは美術館での仕事中に知り合った。 |
マルシア | ダヴィッド | レオンとクララの息子。両親がパリに到着して間もない 1946年に生まれた。 |
マルシア | レオン | 死期が迫った老人でありながら、ほとんどのオークショニアから世界有数の美術品専門家として認められている。 |
マルキゾー | カロリーヌ | 20歳の時、ソルボンヌ大学で歴史を学んでいた時に知り合ったフィリップ・マルキゾーと結婚。 |
マルキゾー | フィリップ | ソルボンヌ大学で歴史を学んでいた時に、カロリーヌ・エシャールと出会い結婚。 結婚後、二人はカロリーヌのメイドの部屋に移り住む。 |
マシー | アルベール | サン=カンタンの養殖業者の息子で、優れた自転車競技者だった彼は、20歳でプロに転向する。 |
マシー | ジョゼット | アルベールの妹。彼女の起こした事故で障害を負った元教え子のマーゲイと結婚するよう説得される。 |
モロー | マリー=テレーズ | 83歳の彼女は、この建物の最年長居住者。木工工場の後継者であった彼女は、個別の工具の販売に成功する。 |
モレレ | バンジャマン | さまざまな職業を経て、29歳で化学実験助手に。バートルブースのために、ジグソーパズルを再構築する。 |
ニエト | ジョゼフ | ハッティングの運転手。40代のパラグアイ人で、エテル・ロジェルスとメイドの部屋のひとつに住んでいる。 |
ノシェール | エミリー | ハッティングのメイド、コック兼リネン係。オランダ人で26歳。ジョゼフ・ニエトとメイドの部屋に住む。 |
ノーヴェル | オリヴィア | オリヴィア・ロルシャッシュの旧姓。 |
オルローヴァ | ヴェラ | ヴェラ・ド・ボーモンの芸名。 |
オルロフスカ | エルズビエータ | ワルシャワのフランス大使館のコンシェルジュの娘。初めてフランスを訪れたとき、 オルセー美術館の記録係の甥であるチュニジア人の少年ブーバカーと出会う。 |
オルロフスキー | マハムッド | エルズビエータ・オルロフスカの息子。9歳。休暇でニヴィエールへ行き、母親の古い道化師の友人の家へ。 |
プラセルト | 夫婦 | アデルとジャン。彼らはインドやその他のエキゾチックな商品を扱う商人。銀行の研修生だった。 |
プラセルト | レミ | 12歳で、ダントヴィル医師がノシェール夫人に渡した医学雑誌の広告を、開封せずに集めている。 |
ポロニウス | ― | レミ・ロルシャッシュがオリヴィアと出会って間もなく贈った一対の飼いならされたハムスターの43番目の子孫。 |
レオル | ルイーズ | ウルカード夫人の後継ぎ。当時彼らは3歳の子供を持つ若い夫婦だった。彼女はデパートの請求書係。 |
レオル | モーリス | 海上運送保険会社の編集者。豪華な寝室を購入した後、返済額が収入の3分の1に達した。 |
レオル | オクターブ | ルイーズとモーリスの息子。体が小さく、レミ・プラセルトのような広告の切り抜きには興味がない。 |
ロジェルス | エテル | ハッティングのメイド、コック兼リネン係。オランダ人で26歳。ジョゼフ・ニエトとメイドの部屋に住む。 |
ロルシャッシュ | オリヴィア | 旧姓ノーヴェル。1930年シドニーで生まれ、8歳でモデルに。そのキャリアは母親によって管理され、 オーストラリアで最も愛された子供でした。 |
ロルシャッシュ | レミ | テレビプロデューサー。「ハリー・カバー」という名前でマックス・リンダーの物まねをしてキャリアをスタート。 |
シモン | サミュエル | 木材商であった彼は、1875 年に分割され、建物が建設された土地の半分を所有していた |
シモーヌ | ― | シモーネ。バートルブースのキッチンメイド。 |
シンプソン | グレゴワール | トノン・レ・バン出身です。歴史学を専攻していた彼は、オペラ図書館で司書補佐としてしばらく働いていた。 |
スモトフ | モーティマー | 50年以上もの間、バートルブースの執事、いや旅仲間、ファクトタム、ポーター、ブラシ、床屋、運転手、ガイド、 会計係、旅行代理店、傘番を務めてきた。 |
スペス | アベル | アルザス人で、元軍獣医。彼の趣味は新聞に懸賞に応募すること。一年中毛皮の帽子をかぶっているため、 皆から『ロシア人』と呼ばれている。マダム・アルディに夢中。 |
スタンリー | ブラントと インゲボリ | 二人は1948年にミズーリ州のミュージックホールで出会った。一目惚れだった。 |
サットン | ジェーン | 16歳、ロルシャッシュ家の家政婦。ロルシャッシュ夫人が56回目の世界一周旅行に出発する前に詳しい指示を受ける。 |
トマ | ― | バートルブースのフットマン。 |
トレヴァン | マダム | 幼なじみのモロー夫人は夫の死後、彼女を呼び寄せて世話役として迎える。ペンネームで架空の伝記を書いていた。 |
トロッケ | 元右8番目 | メイドの部屋で瓶を集め、その中にコルクの人形を入れて、日曜日にシャンゼリゼ通りに売りに行った。 |
トロワイヤン | 元右8位 | 国際旅団の元戦闘員、戦争中ほぼずっとグルス収容所に収監されていた。ルピック通りで古書店を営む。 |
ヴァレーヌ | セルジュ | エタンプ出身、1919年にボザール美術学校に入学。バートルブースは10年間、水彩画のレッスンを依頼した。 |
ヴァンクレール | ガスパール | ラ・フェルテ=ミロンに生まれ、宗教用品製造業者に弟子入りし、仕事の仕方を教わる。 |
ヴァンクレール | マルグリット | 細密画家ガスパールの妻。彼女はマルセイユで彼に出会った。彼が無一文で軍を去ったため失業中。 |
左側の名前のリンクは、
Wikipedia仏語版「人生 使用法」登場人物一覧
該当部分にジャンプ。
本家はネタバレ多めです。
右にスクロールすると、
登場人物の特徴、エピソードが書いてあります。
Special thanks
「とりぶみ」大塚晩霜さん
日本語版の名前を調べていただきました。
「人生 使用法」の名前対応表(フランス語・日本語読み)
姓・フランス語 | 名・フランス語 | 姓・日本語 | 名・日本語 |
---|---|---|---|
Adèle. | ― | アデル | ― |
Albin | Flora | アルバン | フローラ |
Albin | Raymond | アルバン | レイモンド |
Albin | René | アルバン | ルネ |
Altamont | Blanche | アルタモン | ブランシュ |
Altamont | Cyrille | アルタモン | シリル |
Altamont | Véronique | アルタモン | ヴェロニク |
Appenzzell | Marcel | アペンツェル | マルセル |
Appenzzell | Madame | アペンツェル | ミセス |
Araña | Madame | アラーニャ | ミセス |
Bartlebooth | Percival | バートルブース | パーシヴァル |
Beaumont | Élizabeth de | ボーモン | エリザベス・ド |
Beaumont | Fernand de | ボーモン | フェルナン・ド |
Beaumont | Véra de | ボーモン | ヴェラ |
Berger | Charles | ベルジェ | シャルル |
Berger | Gilbert | ベルジェ | ジルベール |
Berger | Lise | ベルジェ | リセ |
Beyssandre | Charles―Albert | ベッサンドル | シャルル=アルベール |
Breidel | Anne | ブレーデル | アンヌ |
Breidel | Béatrice | ブレーデル | ベアトリス |
Brodin | Hélène | ブロダン | エレーヌ |
Champigny | Flora | シャンピニー | フローラ |
Cinoc. | ― | シノック | ― |
Claveau | Madame | クラヴォー | ミセス |
Claveau | Michel | クラヴォー | ミシェル |
Colomb | Monsieur | コロンブス | ミスター |
Crespi | Célia | クレスピ | セリア |
Criolat | Arlette | クリオラ | アルレット |
Crubellier | Norbert | クリュベリエ | ノルベルト |
Dame au petit chien. | ― | 子犬を連れた老婦人 | ― |
Danglars | Berthe | ダングラール | ベルト |
Danglars | Maximilien | ダングラール | マクシミリアン |
Danglars | Père | ダングラール | 父 |
Dinteville | Bernard | ダントヴィル | ベルナール |
Échard | Caroline | エシャール | カロリーヌ |
Échard | Madame | エシャール | 夫人 |
Échard | Marcelin | エシャール | マルセラン |
Fawcett. | ― | フォーセット | ― |
Fleury | Henry | フルーリー | ヘンリー |
Foulerot | Geneviève | フルロ | ジュヌヴィエーヴ |
Foulerot | Louis | フルロ | ルイ |
Foureau. | ― | フーロー | ― |
Fresnel | Alice | フレネル | アリス |
Fresnel | Ghislain | フレネル | ギスラン |
Fresnel | Henry | フレネル | ヘンリー |
Fugger | Hermann | フッガー | ヘルマン |
Germaine. | ― | ジェルメーヌ | ― |
Gertrude. | ― | ジェルトリュード | ― |
Gervaise. | ― | ジェルヴェーズ。 | ― |
Gratiolet | Arlette | グラティオレ | アルレット |
Gratiolet | Émile | グラシオレ | エミール |
Gratiolet | François | グラシオレ | フランソワ |
Gratiolet | Hélène | グラシオレ | エレーヌ |
Gratiolet | Isabelle | グラシオレ | イザベル |
Gratiolet | Juste | グラシオレ | ジャスト |
Gratiolet | Marthe | グラシオレ | マルテ |
Gratiolet | Olivier | グラシオレ | オリヴィエ |
Grifalconi | Emilio | グリファルコーニ | エミリオ |
Grifalconi | Laetitzia | グリファルコーニ | レティツィア |
Grifalconi | Vittorio | グリファルコーニ | ヴィットリオ |
Hardy. | ― | ハーディ | ― |
Hardy | Madame | ハーディ | ミセス |
Hébert | Joseph | エベール | ヨゼフ |
Hébert | Paul | エベール | ポール |
Hélène. | ― | エレーヌ | ― |
Honoré | Corinne Marcion | オノレ | コリンヌ・マルシオン |
Honoré | Honoré Marcion, dit | オノレ | オノレ・マルシオン |
Hourcade | Madame | ウルカード | マダム |
Hutting | Franz | ハッティング | フランツ |
Jérôme | Adrien | ジェローム | アドリアン |
Kléber. | ― | クレベール | ― |
Lafuente | Madame | ラフエンテ | マダム |
Lambert | Véronique― Élizabeth de Beaumont | ランベール | ヴェロニク・エリザベス・ド・ボーモン |
Léonard | ― | レオナール | ― |
Lopez | Aurelio | ロペス | オーレリオ |
Louis. | ― | ルイ | ― |
Louvet. | ― | ルーヴェ | ― |
Marcia | Clara | マルシア | クララ |
Marcia | David | マルシア | ダヴィデ |
Marcia | Léon | マルシア | レオン |
Marquiseaux | Caroline | マルキゾー | カロリーヌ |
Marquiseaux | Philippe | マルキゾー | フィリップ |
Massy | Albert | マシー | アルベール |
Massy | Josette | マシー | ジョゼット |
Moreau | Marie―Thérèse | モロー | マリーテレーズ |
Morellet | Benjamin | モレレ | ベンジャミン |
Nieto | Joseph | ニエト | ジョゼフ |
Nochère | Émilie | ノシェール | エミリー |
Norvell | Olivia | ノルベル | オリヴィア |
Orlova | Véra | オルロヴァ | ヴェラ |
Orlowska | Elzbieta | オルロフスカ | エルツビエタ |
Orlowski | Mahmoud | オルロフスキー | マフムード |
Plassaert | Les | プラセルト | レ |
Plassaert | Rémi | プラセルト | レミ |
Polonius. | ― | ポローニアス | ― |
Réol | Louise | レオル | ルイーズ |
Réol | Maurice | レオル | モーリス |
Réol | Octave | レオル | オクターブ |
Rogers | Ethel | ロジャーズ | エセル |
Rorschash | Olivia, née Norvell | ロルシャッシュ | オリヴィア、旧姓ノーヴェル |
Rorschash | Rémi | ロルシャッシュ | レミ |
Simon | Samuel | シモン | サミュエル |
Simone. | ― | シモン | ― |
Simpson | Grégoire | シンプソン | グレゴワール |
Smautf | Mortimer | スモトフ | モーティマー |
Speiss | Abel | シュペイス | アベル |
Stanley | Blunt et Ingeborg | スタンリー | ブラントとインゲボルグ |
Sutton | Jane | サットン | ジェーン |
Thomas. | ― | トーマス | ― |
Trévins | Madame | トレヴァン | マダム |
Troquet. | Anciennement huitième droite | トロッケ | 元右8番目 |
Troyan. | Anciennement huitième droite | トロワイヤン | 元右8位 |
Valène | Serge | ヴァレーヌ | セルジュ |
Winckler | Gaspard | ヴァンクレール | ガスパール |
Winckler | Marguerite | ヴァンクレール | マルグリット |
3人の主要人物のこと【ネタバレあり】
バートルブースのこと
バートルブース(パーシヴァル)
- 1900年生まれ、バイロンと同じハロー大学に通学。
- 20歳で、目的を持たない単一のプロジェクトに人生を捧げると決意。
プロジェクトの詳細
- 1925年~1935年: 水彩画を学ぶ10年間。
- 1935年~1955年: 世界中の港を2週間ずつ旅し、500枚の海景画を描く。
- 1955年~1975年: 描いた海景画をパズルに加工し、それを再度組み立てる計画。
- 完成したパズルは元の港へ戻され、溶剤でインクを洗い流されて痕跡を消去。
関係者
- ヴァレーヌ: 水彩画の教師で、彼の近くに住む。
- ヴァンクレール: パズル職人で、バートルブースのプロジェクトに協力。
結末
- 年月が経つにつれ、パズルはヴァンクレールの仕掛けた罠でますます複雑化。期限に間に合わせるのが困難に。
- 1972年、失明の兆候が現れるが、視覚と触覚を駆使して作業を継続。
- 計画は妨害を受け破綻。1975年6月23日午後8時、439個目のパズルの前で命を落とす。
評価
- 世界との隔絶を目指し交流を拒否した彼のプロジェクトは、当初から失敗する運命にあった。
- 不可能な全体性や純粋な現実とのコミュニケーションを夢見た計画は破綻し、象徴的に終焉を迎える。
フランス語版Wikipedia Bartlebooth
ヴァレーヌのこと
ヴァレーヌ(セルジュ)
- 部屋はヴァンクレールの工房の上にあり、長年工具の微かな音を聞きながら過ごす。
- マルグリット・ヴァンクレールに惹かれるが愛は実らず、友情の中で距離感を保つ。
- スモトフが送る絵葉書を長く保管し、他の住人とも複雑な関係を築く。
ヴァンクレールの死後
- 建物の歴史や現在の崩壊を描いた絵画に執念を持つようになる。自分自身をルネサンス画家のように描き入れることを夢見る。
- 彼の内面的な特性は、分断された物事を結び付け、記憶や夢を通して建物全体に生命を与える存在として描かれる。
最期と遺品
- バートルブースの死後数週間で亡くなり、部屋には未完成の建物断面図がスケッチされたキャンバスだけが残されていた。
フランス語版Wikipedia Valène
ヴァンクレールのこと
『人生 使用法』におけるガスパール・ヴァンクレール(Gaspard Winckler)
生い立ちと若年期
- ラ・フェルテ=ミロン生まれ、宗教用品職人のもとで修業。
- 師匠の死後、職業経験・住居・友人・家族なしの状態に。
- 1929年3月にパリへ移住し、義兄を探すが見つからず軍に入隊。
- モロッコの砦で18か月を過ごし、ボウリングのピンを彫る。
- マルセイユで賭博により全財産を失う。
- マルグリットと結婚し、パリへ戻る。
パズル職人としての道
- 玩具店で働き、『Le Jouet français』の広告をきっかけにバートルブースからパズル制作を依頼される。
- 制作の流れ:観察、接着・保護、研究、切断、磨き作業。
- 彼の作るパズルには仕掛けがあり、バートルブースは解くのが困難になる。
- 500個のパズルを「壮大な一つの作品」と捉える。
私生活と晩年
- 1943年、妻が死去(死産を経験)。
- 工具を眺め続けるが、ある日すべて捨て、アトリエへ戻る。
- 1955年、最後のパズルを完成。
- 1960年代、金・銀の指輪や精巧な木製フレームの鏡を制作。
- 死の2年前、道具を片付け、作業台を解体。
- 最後の一年間は部屋にこもり、窓から外を眺めて過ごす。
- 1973年10月29日、63歳で死去。
- 1975年6月23日、バートルブースは439個目のパズルで敗れ、死去。
ヴァンクレールの知的戦略
- パズルにはバートルブースを苦しめる罠が仕込まれている。
- バートルブースとの関係は知的な闘争へと変化。
- 「主人と奴隷の関係の逆転」や「復讐の物語」の要素を持つキャラクター。
- バートルブースの計画を妨害し続け、最終的に彼の運命を決定づける。
ガスパール・ヴァンクレールの登場作品
ガスパール・ヴァンクレールは、ジョルジュ・ペレックの3作品に登場するキャラクターである。
- 『Le Condottiere』(1960)
- 『W ou le souvenir d’enfance』(1975)
- 『La Vie mode d’emploi』(1978)
キャラクターの誕生
『Gaspard pas mort』
- 1958年の小説プロジェクト。主人公はベルヴィルの少年で、「20世紀のアルセーヌ・ルパン」を夢見る。
- 4部構成、16章、64節、256段落という厳密な構成。
- 初稿(350ページ)は出版社に拒否され、その後Gallimardに受理されるも1960年に再び拒否される。
- 原稿は現存せず、失われている。
各作品でのヴァンクレール
『Le Condottiere』
- 天才的な贋作師として登場。
- 依頼主マデラから「コンドッティエーレ」風の贋作制作を依頼される。
- 物語冒頭でマデラを殺害し、その理由を問い続ける。
『W ou le souvenir d’enfance』
- 二重の存在として登場。
- 1人目: 8歳の聾唖の少年。母と世界旅行へ。
- 2人目: 逃亡者であり、少年のパスポートを利用。
- 少年の乗った船が難破し、「偽のヴァンクレール」が本物のヴァンクレールを探すよう命じられる。
『La Vie mode d’emploi』
- 職人として登場。
- バートルブースの500枚の水彩画を750ピースのパズルへと変える仕事を任される。
- パズルに罠を仕掛け、バートルブースの死を引き起こす。
名前の由来
姓(Winckler)
- ドイツ語の「Winkel」(隅)が由来。ペレックの幼少期の象徴だった。
- 「Wink」(合図)も関連し、暗号的な執筆スタイルと結びつく。
名(Gaspard)
- カスパー・ハウザー(孤児として育った謎の少年)に関連。
- ペレックは1958年にヴェルレーヌの詩『カスパー・ハウザーの歌』について情報を求めていた。
キャラクターの分析
- 『Le Condottiere』と『La Vie mode d’emploi』のヴァンクレールは「復讐の物語」として類似。
- ヴァンクレールは「虐げられた職人が支配者に復讐する」存在。
- ペレック自身の精神分析との関係も指摘されている。
関連情報
- 1990年、ペレックの元パートナー・カトリーヌ・ビネによるドキュメンタリー
- 『Te souviens-tu de Gaspard Winckler ?』
- 『Vous souvenez-vous de Gaspard Winckler ?』
- 作家マルタン・ヴァンクレールは、ペレックのキャラクターからペンネームを採用。
フランス語版Wikipedia Winckler Gaspard Winckler
知っておきたいこと
ジョルジュ・ペレックについて

Wikipedia
ジョルジュ・ペレック
ジョルジュ・ペレック(1936年3月7日 – 1982年3月3日)は、フランスの小説家、映画監督、ドキュメンタリー作家、エッセイスト。彼はウリポグループのメンバーでした。彼の父は第二次世界大戦の初期に兵士として亡くなり、母はホロコーストで殺されました。彼の作品の多くは、不在、喪失、アイデンティティを、しばしば言葉遊びを通じて扱っています。
彼はかなりどっしりとした顔立ちで、ふさふさでウェーブのかかった、やや綿毛のような茶色の髪をしており、もみあげがあり、あごひげは生えていたが口ひげは生やしていなかった。唇のひだには薄く青白い溝があった。最高級のホイップコードで作られた三つボタンの茶色のラグランセーターから、襟なしのオックスフォードシャツのスモックが覗いていた。それがやや民俗的な雰囲気を醸し出していた。
彼のリポグラム、つまり制約された筆致(ウリポの得意技であり、彼が間違いなく最も有名な構成員であった)は、不在の中心、欠けた文字、あるいはアルファベットの牢獄を巡って戯れる。彼の小説『消失』(1969年)は「e」の文字を使わずに書かれており、したがって、戦争で亡くなった父親も、アウシュヴィッツで殺害された母親もいない状態で書かれている。
ペレックの愉快な言葉遊びは、言葉にできないことを語り、不在に形を与え、母の死とヨーロッパのユダヤ人絶滅の忌まわしさを宣言することにあるように思われる。
“2817 Perec”: The Celestial Eccentricity of Georges Perec’s Writing – Asymptote Blog
キーワードで読み解く、ジョルジュ・ペレック
- クロスワードと言葉遊び
- ハリー・マシューズ
- 映画
- 囲碁
- 枕草子
- 夢日記
- 論文・研究
- 評伝
『Wishes』
Georges Perec
2013/02/19
Melville House
ジョルジュ・ペレックが12年間にわたり発行した、同音異義語の語呂合わせに満ちた年次パンフレット
「初めに駄洒落があった」とサミュエル・ベケットはかつて書きました。ジョルジュ・ペレックは毎年、新年のお祝いとして友人や知人にこの言葉遊びを伝えていました。『Wishes』は、ペレックが1970年から1982年に亡くなるまで、自費で限定発行された10冊の同音異義語のパンフレットを収録したものです。この駄洒落への賛歌は、短い散文作品の連作で構成され、それぞれの作品の最後には、その根底にある日常の言葉遣いの断片が列挙されています。
『Les Mots Croises』
Georges Perec
クロスワードについての本。
(フランス語)
Believer Magazine
Thoughts on the Art and Technique of Crossing Word
ペレックのクロスワードパズル集2冊への序文。
Georges Perec – Jeux & Stratégie – A quoi jouez-vous ?
ジョルジュ・ペレックへのインタビュー。
ハリー:ペレックは生涯の大半を、医療研究所の図書館で研究助手として過ごしました。彼は職員のために書類の分析と分類を行っていました。彼はクロスワードパズルが得意で、それなりの報酬をもらっていました。
バーバラ:クロスワードパズルも書いていたの?
ハリー:ええ、週刊誌「ル・ポワン」のクロスワードパズルです。フランスで最も偉大なクロスワードパズル作者、クロスワード作成者だと考える人もいます。

EOAGH
An Interview with Harry Mathews
友人ハリー・マシューズ
インタビューに、ジョルジュ・ペレックとのエピソード。
Wikipedia
Harry Mathews
Harry Mathews | Oulipo
一般的に言えば、私たちの多くがそうであるように、しかし彼の場合ははるかに広範囲に及ぶ形で、抽象的で恣意的な手法を用いることで作家は自己中心的な執着から解放され、それによって本来備わっている想像力の潜在能力が解き放たれることを発見したのです。
より具体的には、そのような手法の一つを経験したことで、彼は人生最大のトラウマを探求することができたのです。
Georges Perec – IMDb
ペレックに関する映画の情報。動画や写真も。
眠る男 | Filmarks映画
(1974年フランス)
レビュー・評価・あらすじなど。
Un homme qui dort (1974) – IMDb
The Man Who Sleeps – Wikipedia
★
セリ・ノワール | Filmarks映画
(1979年フランス)
Série noire (1979) – IMDb
セリ・ノワール – Wikipedia
web ふらんす
第7回 駆け落ちはおまえと:『セリ・ノワール』 | 清岡智比古「映画の向こうにパリが見える」
Amazon
『A Short Treatise Inviting the Reader to Discover the Subtle Art of Go』
Pierre Lusson,Jacques Roubaud,Georges Perec,Peter Consenstein
囲碁も好き、ウリポでこんな本も出している。
松岡正剛の千夜千冊
504夜 『考える/分類する』 ジョルジュ・ペレック
ペレックは『枕草子』の大ファン。
Sei Shōnagon — Wikipédia
一応、関連記事のところにペレックの名前がある。
『La Boutique Obscure: 124 Dreams』
Georges Perec,Daniel Levin Becker
2013/02/19
Melville House
(暗い店)
ジョルジュ・ペレックの魅惑的で未翻訳の夢日記
『暗黒のブティック』でペレックは再び文学の形式に革命を起こし、世界初の「夜の自伝」を創り上げた。1968年から1972年まで、すなわち彼が最もよく知られた作品を執筆した期間、愛されたフランス人文家は自らの夢を記録し続けた。しかし、ご想像の通り、彼のアプローチは正統派とは程遠いものだった。
多くの夢日記に見られる曖昧な精神分析を避け、彼は自らの幻覚と潜在意識の渦を直接散文へと翻訳するという挑戦に挑んだ。想像力の無意味な飛躍を描き出すことで、彼は夢の質感と曖昧さ――捉えどころのない性質――を表現する新たな方法を見出したのだ。
普遍的な経験を初めて捉え、文学的創意工夫の優れた記録であるだけでなく、『暗黒のブティック』には、ペレックの最も有名な作品のいくつかを生み出す種子が眠っている。これは、近代文学の偉大な革新者の一人の親密な肖像画でもあります。
La Boutique obscure — Wikipédia
(フランス語)
List of dream diaries – Wikipedia
Asymptote
Scott Esposito reviews Georges Perec’s La Boutique Obscure
書評、とても詳しく書かれている。
Los Angeles Review of Books
Scenes from the Resistance: Georges Perec’s “La boutique obscure”
こちらの書評も。
The Rumpus
“La Boutique Obscure,” by Georges Perec
こちらには引用がいくつか。
Words Without Borders
Georges Perec’s “La Boutique Obscure” – Words Without Borders
Complete Review
La Boutique Obscure – Georges Perec
Goodreads
La Boutique obscure: 124 rêves (French Edition) by Georges Perec
読者レビュー
『La Boutique Obscure』の要約
- ジョルジュ・ペレックが1973年に出版した、124の夢を記録した作品。
- 夢は1968年5月から1972年8月までのものを年代順に並べられ、ページ番号ではなくシンプルな番号付きで掲載。
- ペレックはこの期間、ウリポに加入(1967年)、『煙滅』を出版(1969年)、『Wあるいは幼少の思い出』を準備(1975年刊行)していた。
- 彼の精神分析の歴史:
- 1948年 フランソワーズ・ドルドーのもとで心理療法を開始。
- 1956年~1957年 ミシェル・ド・ミュザンによる分析を受ける。
- 1971年~1975年 ジャン=ベルトラン・ポンタリスによる精神分析。
- 精神分析医を困らせるために、夢を記録して出版する決断。
- 分析の過程で、「夢は経験されたものではなく、テキストにするために見られたもの」と気づく。
批評の視点
- ペレックは夢と自身の生活は関係ないと主張したが、実際には日常生活から分類可能なものだった。
- ペレックが出版を後悔した唯一の作品とされ、批評家の評価は低かった。
- ジャンルの定義が難しく、批評家は「文学作品なのか?暗号文なのか?精神分析とウリポの交差点なのか?」と迷った。
- ウリポの作家ジャック・ルボーの「この書の闇の中に何を求めるのか?」という発言が、評価の停滞に影響。
- ペレック自身は、「埋もれた形で、別れの物語を描いている」と後年明かした。
- 夢を小説や詩のように記録し、解釈を排除した作品を目指した。
- ロジェ・バスティードは後書きで、「ペレックは言葉を使いながら、視覚的思考を文章化する独自のスタイルを生み出した」と指摘。
Presses universitaires de Lyon
Georges Perec artisan de la langue
Véronique Montémont,Christelle Reggiani
(フランス語)
リヨン大学出版局
ナンシーで開催された会議「ジョルジュ・ペレック、言語の職人」で発表された論文のテキスト。見出しとか、全部リンクになっていてすごい。
Presses Sorbonne Nouvelle
Chances du roman, charmes du mythe – Présences du mythe dans La Vie mode d’emploi de Georges Perec
Isabelle Dangy
(フランス語)
ジョルジュ・ペレックの『人生 使用法』における神話の存在。
甲南女子大学学術情報リポジトリ
『人生使用法』における「制約」について
酒詰治男
G.ペレックはいかにして『人生 使用法』のある章を書いたか
甲南女子大学学術情報リポジトリ
酒詰治男で検索
日本語研究論文 | ジョルジュ・ペレック研究
こちらにも論文がいろいろ
『ジョルジュ・ペレック伝 言葉に明け暮れた生涯』
デイヴィッド・ベロス,酒詰治男
2014/03
水声社
『物の時代』、『煙滅』、『W』、『人生使用法』など、革新的作品を発明した小説家ジョルジュ・ペレック。フランス防衛のために闘った父親の戦死、アウシュビッツ=ビルケナウでの母親の死に終世とり憑かれることになった苦悩。滑稽かつ憎みがたき謙虚な生活、芸術と戯れる日々…不遜にして博識なるペレックの文学作品の誕生に迫る。1994年「ゴンクール伝記賞」を受賞した、ジョルジュ・ペレック評伝の決定版!
まだ工事中です。
ウリポのこと
Oulipo | Ouvroir de littérature potentielle
潜在的文学工房「ウリポ」
ウリポ (Oulipo) は、数学者のフランソワ・ル・リヨネーを発起人として設立された文学グループ。大まかに訳すと「潜在的文学工房」、様式化された(OuLiPo)は、制約のある執筆技法を用いて作品を創作することを目指す、(主に)フランス語を話す作家と数学者の緩やかな集まりである。
1960年にレイモン・クノーとフランソワ・ル・リオネによって設立された。 他の著名な会員には、小説家のジョルジュ・ペレックとイタロ・カルヴィーノ、詩人のオスカール・パスティオールとジャン・レスキュール、詩人で数学者のジャック・ルボーなどがいる。
このグループは、潜在的文学(littérature potentielle )という用語を(大まかに訳すと)「作家が好きなように利用できる新しい構造やパターンの探求」と定義しています。クノーはウリピアンを「脱出を計画する迷路を構築するネズミ」と表現しました。
各国のWikipediaからわかること
- フランス語
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- スペイン語
- ドイツ語
- イタリア語
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- ポーランド語
- Wikiquoteほか
Wikipédia
Georges Perec
(フランス語)
La Vie mode d’emploi
『人生 使用法』
Liste des personnages de La Vie mode d’emploi
『人生 使用法』登場人物一覧
基本情報
- フランスの作家。1936年3月7日にパリで生まれ、1982年3月3日にイヴリー・シュル・セーヌで亡くなる。
- 1967年よりOulipo(文学的実験を行うグループ)のメンバー。
作品の特徴
- 形式的・文学的・数学的な制約を用いて制作。
- 小説的、自伝的、社会学的、遊び心を軸とした作品が多い。
背景
- 戦争で亡くなった父親と、アウシュビッツで行方不明になった母親の欠如が、彼の作品に透けて見える。
代表作
- 『新文学、選集』収録の小説で名声を得る。
- 『眠る男』では都会の孤独を描写。
- 『消失』は「e」を含まないリポグラム小説。
- 『W ou le Souvenir d’enfance』は自伝的文章と物語を交互に収録。
- 『La Vie mode d’emploi』ではパリの建物に住む人々の生活を詳細に調査し、1978年にメディシス賞を受賞。
他の活動
- 詩や戯曲、ラジオドラマの執筆。
- 映画にも進出。
作品概要
- ジョルジュ・ペレックの代表作『La Vie mode d’emploi(人生 使用法)』は1978年に出版され、同年メディシス賞を受賞。
- 約10年かけて執筆され、全99章、600ページで構成。多数の物語と登場人物を描く壮大な小説。
テーマと構造
- 舞台はパリ17区の架空のオスマン様式の建物。
- 建物に住む住人の生活が、チェスの駒の動きのように語られる。
- 絵画的な描写で、部屋や物、住人たちを細かく表現。
物語の核心
- 大富豪バートルブースのプロジェクトを軸に展開。
- 世界中で描かれた500枚の水彩画をパズルにし、それを再び組み立てて元に戻すという壮大な計画。
- 計画は未完のまま終わり、最終的には主人公が死を迎える。
特徴的なスタイル
- 探偵小説や広告風の文章、料理のレシピやカタログなど、多様なトーンと形式を駆使。
- Oulipoの影響を反映し、数学的・文学的制約を利用した独自の物語構成。
登場人物
- 約100人の登場人物が登場し、巻末に物語がまとめられている。
- 主要な3人は、水彩画を描くバートルブース、パズルを作るヴァンクレール氏、建物をキャンバスにする夢を持つ画家ヴァレーヌ。
人間の分類
- コレクター:断片を集めることで失われた統一性を探求。
- プレイヤー:無限に浪費し、新たにやり直すことを追求。
- プレイヤーたちは真実と虚偽が絡むメビウスの螺旋に位置する。
復讐者と救出者
- 奇妙な繋がりを持つ2つのグループ。
- 死を与える者と生を保つ者がいる。
- 共通点は記憶への執着。
キャラクターの解釈
- ペレックは主要人物3人を作家の化身とみなしている。
- バートルブースは無益な努力を象徴し、ヴァンクレール氏はその努力を困難にする罠を仕掛ける。
- ヴァレーヌは冒険を観察し物語に組み込む役割を果たす。
- ペレックはバートルブースとヴァンクレール氏を「双子の兄弟」とも呼んだ。
Wikipedia
ジョルジュ・ペレック
- 人物概要: 1936年生まれ、1982年没。フランス・パリ出身の小説家、随筆家。
- 家系: 本来の苗字はペレツ(Peretz)。ユダヤ系で、ポーランドの作家イツホク・レイブシュ・ペレツの遠縁にあたる。
- デビューと受賞: 1965年に『物の時代』でデビューし、ルノードー賞を受賞。
- 文学活動: 1967年より文学グループ「ウリポ」に参加。言語遊戯を活用した作品を多く制作。
- 主な作品と映画化: 『眠る男』(1970年)は映画化され、1974年度ジャン・ヴィゴ賞を受賞。
- 代表作の受賞歴: 1978年に『人生使用法』でメディシス賞を受賞。
- 業績の評価: 2017年には作品がガリマール出版社の「プレイヤード叢書」に収録。
- 称賛の証: 小惑星(2817)ペレックが彼の名を冠して命名される。
日本語版、関連出版ほか
Wikipedia, la enciclopedia libre
Georges Perec
ジョルジュ・ペレック
(スペイン語)
La vida instrucciones de uso
『人生 使用法』
Wikipedia
Georges Perec
ジョルジュ・ペレック
(ドイツ語)
Das Leben Gebrauchsanweisung
『人生 使用法』
人生
- ジョルジュ・ペレック(1936年3月7日 – 1982年3月3日)は、フランスの作家で映画制作者。
- 文学グループ「ウリポ」に所属し、戦後フランス文学の重要な代表者とされる。
- ポーランド系ユダヤ人の両親のもと、パリで生まれ、幼少期はドイツ占領下で過ごす。
- 父親は1940年に戦死、母親は1943年に連行されアウシュビッツで命を落としたとされる。
- 1942年、叔母夫妻に引き取られ、1945年に養子としてパリに戻る。
- 1949年に心理療法を開始し、哲学教師の指導で文学誌への寄稿を始める。
- 1958年から1959年に兵役に従事し、その後結婚。1960年から1961年はチュニジアで生活。
- 1961年からCNRS(フランス国立科学研究センター)でアーカイバとして勤務し、1978年まで続ける。
- 1967年から「ウリポ」のメンバーとなり、形式的制約を活用した文学作品を制作。
- 1981年、オーストラリアのクイーンズランド大学で教鞭をとり、未完の『53日間』を執筆開始。
- オーストラリア帰国後、健康が悪化し、1982年に肺がんで死去。
- 遺稿はフランス国立図書館の「アルセナル」部門に保管されている。
仕事
- 初期の作品『サラエボの暗殺』や『コンドッティエーレ』は死後に出版。
- 初の出版作品『物事』でルノードー賞を受賞。
- 『La Disparition』では母音「E」を排除する形式制約を採用。
- ドイツ語版でも同じ制約を維持。
- 『Les Revenentes』では母音「E」だけを使用。
- 1300語以上のパリンドローム形式の手紙も執筆。
- 自伝的作品『W あるいは幼年期の思い出』で幼少期の記憶と13歳の頃の架空の物語を融合。
- 『人生使用法』では集合住宅を舞台に物語を展開し、メディシス賞を受賞。
- パズルを組み立てるコンセプトが作品の構造を象徴。
- この成功により専業作家となる。
- 架空の絵画や文学の相互関係に関心を持つ作品を多数執筆。
- 1960年代後半からラジオドラマ制作に参加し、脚本・映画制作にも取り組む。
- 1974年の映画『Un homme qui dort』でジャン・ヴィゴ賞を受賞。
- 自身の執筆理念として「二度と同じ本を書かない」ことを目指す。
『人生使用法』について
- ジョルジュ・ペレックによる1978年刊行の小説で、1982年にドイツ語訳が出版。
- 全99章、6つのパートで構成されている。
- 冒頭にはジュール・ヴェルヌの『ミシェル・ストロゴフ』から引用「両目で見よ、見よ」が記されている。
- エピローグと付録(索引、時系列的指針、物語のリストなど)が含まれる。
舞台と構成
- 舞台は架空のパリの住所「Rue Simon-Crubellier 11」にある建物。
- 現在・過去の住人たちや彼らの人生のエピソードを詳細に描写。
- 章の配置がチェスのナイトの動きを模した構造になっている。
中心人物とストーリー
- バルトルブースは、50年にわたる人生計画を持つ裕福なイギリス人。
- 計画には、水彩画を学び、世界を旅して500枚の港風景を描くことが含まれる。
- 水彩画は複雑なパズルに加工され、元の港に返された後、海水で消去される。
- 視力の低下や年齢によって計画は挫折し、最後のパズルを未完成のまま亡くなる。
DLGのモチーフのさらなる使用
- シモン・クルベリエ通りを探して:
架空のシモン・クルベリエ通りをテーマとしたマルチメディアプロジェクト。このプロジェクトは、「何か非現実的なものが、探し続けることで現実のものになる可能性があるか」という問いに取り組むことを目的としている。ウリポのマルセル・ベナブーの協力による。 - Andreas Winterer: Cosmo Pollite Schwarten, Kühbach 2000:
この著書の中で、作者が「セルライト惑星、シモン・クルベリエ通り11番地」という章を取り上げ、パズルの概念がますます拡大していくことを示している。
関連項目
- 『Le Monde』による「20世紀の100冊の本」。
Wikipedia
Georges Perec
ジョルジュ・ペレック
(イタリア語)
La vita, istruzioni per l’uso
『人生 使用法』
略歴
- 生涯と背景:
ジョルジュ・ペレック(1936–1982)はフランスの作家で、OuLiPo(潜在的文学工房)のメンバー。作品には形式的・数学的な制約を用いる特徴がある。 - 幼少期と家族:
ポーランド系ユダヤ人の両親のもとに生まれる。父は戦争で死亡、母は1943年に強制収容所へ送られ、戦後は叔母に養子として引き取られる。 - 教育と心理分析:
ソルボンヌ大学で歴史を学ぶも中退。1949年より心理療法を開始し、1956年から精神分析を受ける。 - 職業と文学活動:
1962年よりCNRS(フランス国立科学研究センター)に勤務。1967年にOuLiPoに参加し、活動の中心的な存在となる。 - 代表作と活動:
1965年、『ものたち(Les Choses)』でルノドー賞を受賞。1978年、『人生使用法』を執筆し、大きな成功を収める。 - 晩年と死去:
1982年、肺がんで死去。ペール=ラシェーズ墓地に埋葬され、死後も多数の作品が出版される。
文学作品
『人生使用法』
ペレックの最も有名な作品は、『人生使用法(La Vie mode d’emploi)』(1978年)で、レーモン・クノーへの追悼として書かれた。この作品では、パリのある建物の住人たちの人生を、チェスの騎士の動きに基づいた構造で描写している。この作品でペレックはメディシス賞(Prix Médicis)を受賞した。
その他の作品
ペレックはリストや列挙を好む作家であり、『Le Point』や『Télérama』などの週刊誌でクロスワードや論理パズルを制作していた。彼の作品は、秩序と単純さを求める一方で、安心感を必要とする心理を反映している。
彼自身の作品について、ペレックは次のように分類している:
- 社会学的視点:日常を観察する作品(例:『ものたち(Les Choses)』)。
- 自伝的視点:自身の記憶を描く作品(例:『W ou le souvenir d’enfance』『La Boutique obscure』『Je me souviens』)。
- 遊びの要素:言葉遊びや構造的な制約を用いた作品(例:回文、リポグラム、アナグラム、クロスワード)。
- 物語性:読者が夢中になれるストーリー(例:『人生使用法』)。
自伝的要素
ペレックの作品には、自伝的要素が強く含まれている。例えば、『W ou le souvenir d’enfance』は純粋な自伝であり、『Un homme qui dort(眠る男)』は自己言及的な小説だ。
代表作
- 『Je me souviens(私の記憶)』:ジョー・ブレイナードの『I Remember』に着想を得た作品。世代ごとの小さな記憶を列挙し、独特のクライマックスを生み出している。後に演劇作品としても上演された。
- 『La Clôture et autres poèmes(柵とその他の詩)』:回文やアクロスティックを含む詩集(1978年)。
- 『Petit abécédaire illustré』:短い物語を音のパターンに基づいて構成した作品(1969年)。
- 『Ulcérations(潰瘍)』:フランス語で頻出する11文字を使い、コンピューターで生成したアナグラムを詩にした作品。
- 『La Disparition(消失)』:フランス語で最も使われる母音「e」を一切使わずに書かれた300ページのリポグラム小説(1969年)。
- 『Les revenentes(回帰)』:『消失』の対になる作品で、逆に「e」だけを使って書かれた小説。
- 『Alphabets(アルファベット)』:音楽のセリエル技法を詩に応用した作品(1976年)。
- 『Le Grand Palindrome de Georges Perec』:約5000文字の世界最長の回文小説。
文化的影響
- 小惑星2817番(1982年に発見)は、ペレックの名前が付けられた。
- 『ザ・シンプソンズ』のエピソード「Indovina chi viene a criticare」では、ペレックの『消失』へのオマージュが登場。
- 2015年の音楽賞「Targa Tenco」では、イタリアのバンド「La Scapigliatura」がペレックの名前を歌詞に引用。
Википедия
Перек, Жорж
ジョルジュ・ペレック
(ロシア語)
Жизнь, способ употребления
『人生 使用法』
Wikipedia, wolna encyklopedia
Georges Perec
ジョルジュ・ペレック
(ポーランド語)
Życie instrukcja obsługi
『人生 使用法』
Georges Perec – Wikiquote
(イタリア語)
ジョルジュ・ペレックに関する引用、名言など。
Wikimedia Commons
Category:Georges Perec
Wikiコモンズ(ウィキメディア・コモンズ)は、自由に利用できる画像・音声・動画などのメディアファイルを集めたデータベース。ナイトの巡回法とか、GIFアニメとか、いろいろ使えそう。
Copilotによる要約。
ただいま、追加作業中。
関連サイト
全般
Association Georges Perec
ジョルジュ・ペレック協会のサイト。
Guess Who’s Coming to Criticize Dinner? – Wikipedia
アニメ「シンプソンズ」の第11シーズン第3話「誰がディナーを批判しに来ると思う?」に、「e」の文字が機能しないタイプライターのエピソード。(詳細→イタリア語版Wikipedia)
Ateldec(フランス語)
『Je me souviens』(ぼくは思い出す)のテキスト。
I Remember | Georges Perec | Granta
I Remember Georges Perec – Paris Review
ジョルジュ・ペレック研究 | 日本語でペレックを研究する(楽しむ)ために
La Vie mode d’emploi (1978). – 10 citations – Référence citations –
人生:ユーザーズマニュアル(1978年)。 – 10の引用 – 参考引用 –
DIACRITIK
Quand Georges Perec raillait joyeusement les codes de la publication scientifique
ジョルジュ・ペレックが科学出版の規範を楽しそうに嘲笑したとき
Georges Perec at the Complete Review
読者レビュー。ジョルジュ・ペレックの本の感想いろいろ。
Georges Perec, Mode d’Emploi : un podcast à écouter en ligne | France Culture | Radio France
ポッドキャスト
「人生使用法」の書評と分析
Georges Perec (Author of Life)|Goodreads
La Vie mode d’emploi : mode d’emploi de la vie ?(フランス語)
La mécanique du détail – La vie modèle : détail et totalité dans La Vie mode d’emploi de Georges Perec – ENS Éditions(フランス語)
Résumé : La Vie, Mode d’Emploi(フランス語)
『人生使用法 新装版』|感想・レビュー – 読書メーター
『人生使用法』|感想・レビュー – 読書メーター
人生使用法(新装版) | ジョルジュペレック – ブクログ
人生 使用法 | ジョルジュペレック – ブクログ
『人生 使用法』ジョルジュペレック/水声社【本が好き!】
Georges Perec (Author of Life) | Goodreads
Life: A User’s Manual by Georges Perec | Goodreads(英語版)
La Vie mode d’emploi by Georges Perec | Goodreads(フランス語版)
La Vie mode d’emploi – Georges Perec – Babelio(フランス語)
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