ルリユール叢書の本(2023)
「ガリバー」クロード・シモン
『ガリバー (ルリユール叢書)』
エクロード・シモン,芳川泰久
2023/12/26
幻戯書房
『フランドルへの道』『ファルサロスの戦い』『農耕詩』など、前衛的、実験的小説作品を発表した〈ヌーヴォー・ロマン〉の代表作家であり、ノーベル文学賞作家である、クロード・シモン――シモン独自の書法で紡がれた、第二次大戦末期の、とある日曜日の出来事の〈居場所のなさ〉をめぐる初期の長編小説。本邦初訳。
「戦争」ルイ゠フェルディナン・セリーヌ
『戦争 (ルリユール叢書)』
ルイ゠フェルディナン・セリーヌ,森澤友一朗
2023/11/27
幻戯書房
20世紀のスキャンダル作家セリーヌの死後60年の時を経て発見され、「21世紀の文学史的事件」と国内外で話題を呼んだ幻の草稿群のひとつ、『戦争』――『夜の果てへの旅』に続いて執筆された未発表作品にして、第一次大戦下の剥き出しの生を錯乱の文体で描き出した自伝的戦争小説が本邦初訳で登場!
「ドイツの歌姫 他五篇」ラーザ・ラザーレヴィチ
『ドイツの歌姫 他五篇 (ルリユール叢書)』
ラーザ・ラザーレヴィチ,栗原成郎
2023/10/26
幻戯書房
森鷗外『舞姫』を彷彿させる、ドイツ留学したエリート医学生の西欧との出逢い、東欧との疎隔とその葛藤を描く自叙伝的作品『ドイツの歌姫』。古き良き民衆を大らかな共感と深い洞察で活写し、19世紀セルビアのリアリズム文学を確立したラザーレヴィチの中短編六篇を収録。本邦初訳。
「稜線の路」ガブリエル・マルセル
『稜線の路 (ルリユール叢書)』
ガブリエル・マルセル,古川正樹
2023/09/26
幻戯書房
人間に潜む根源的欺瞞を暴き出し、非現実を現実に変えてしまう秩序転倒の現代を告発し、在るべき世界秩序を啓示する――『形而上学日記』の哲学者・劇作家ガブリエル・マルセルの哲学思想を先導する〈筋書きの無い演劇〉にして、マルセル戯曲作品の頂点を極めた全四幕の悲劇。本邦初訳。
「シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス」フリードリヒ・シラー
『シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス: スペインの王子 (ルリユール叢書)』
フリードリヒ・シラー,青木敦子
2023/09/26
幻戯書房
「太陽の沈まぬ国」と謳われたフェリペ二世治下の盛期スペイン。王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、自由の国家の実現を目指すポーザ侯爵に、陰謀と策略をめぐらす宮廷の人々を交えて、友情劇、恋愛劇、政治劇が繰り広げられる。前期シラーの自由概念の到達点となった、全五幕の長大な歴史悲劇。
「乾杯、神さま」エレナ・ポニアトウスカ
『乾杯、神さま (ルリユール叢書)』
エレナ・ポニアトウスカ,鋤柄史子
2023/07/25
幻戯書房
メキシコ革命を兵士として生きた後、労働者として、変動するメキシコシティの地を這って生きるヘスサという女性は何者か――ジャーナリストの経験を活かし、一個人の証言を多声的な〈女性〉の物語へと昇華させた、セルバンテス賞受賞の女性作家によるルポルタージュ文学の傑作長編。本邦初訳。
幻戯書房編集部
エレナ・ポニアトウスカ『乾杯、神さま』訳者解題
「モン゠オリオル」ギ・ド・モーパッサン
『モン゠オリオル (ルリユール叢書)』
ギ・ド・モーパッサン,渡辺響子
2023/07/25
幻戯書房
レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通――温泉リゾート「モン゠オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの「感情」が絡み合う、モーパッサンが描く一大〈人間喜劇〉。
幻戯書房編集部
ギ・ド・モーパッサン『モン゠オリオル』訳者解題
「昼と夜 絶対の愛」アルフレッド・ジャリ
『昼と夜 絶対の愛 (ルリユール叢書)』
アルフレッド・ジャリ,佐原怜
2023/06/26
幻戯書房
アポリネール、ブルトン、レーモン・クノー、イヨネスコ、ボリス・ヴィアンら20世紀フランスの前衛作家たちに多大な影響を与えた、不条理の作家アルフレッド・ジャリ――兵役体験における生と存在を夢幻的に描く『昼と夜』、催眠術によって新しい世界を創造しようとする『絶対の愛』の小説2篇を収録。
幻戯書房編集部
アルフレッド・ジャリ『昼と夜 絶対の愛』訳者解題
「シャーンドル・マーチャーシュ」ジュール・ヴェルヌ
『シャーンドル・マーチャーシュ: 地中海の冒険 (上) (ルリユール叢書)』
ジュール・ヴェルヌ,三枝大修
2023/05/18
幻戯書房
「逃げるんだ、マーチャーシュ! 生きて、裏切り者に鉄槌をくだせ!」 ハンガリー独立運動の道半ばにして斃れた仲間たちから「裁き」の使命を託されたシャーンドル・マーチャーシュ伯爵。果たして彼は、奸智に長けた仇敵たちを捕らえることができるのか?――――『海底二万里』『八十日間世界一周』を凌駕し、ジュール・ヴェルヌの小説シリーズ〈驚異の旅〉の中でも最大級のスケールを誇る、狂瀾怒濤の海洋冒険物語。上巻は、全五部のうち第三部第四章までを収録。エッツェル版挿絵全点を掲載した新訳決定版。
「恋の霊 ある気質の描写」トマス・ハーディ
『恋の霊: ある気質の描写 (ルリユール叢書)』
トマス・ハーディ,南協子
2023/02/28
幻戯書房
斬新な構成、独特な心理描写で、彫刻家である主人公の、三代にわたる女性への愛情が赤裸に描かれる――唯美主義、ダーウィニズムの思想を取り込み、〈性愛と芸術〉の関係を探究し続けた英国ヴィクトリア朝の詩人・小説家トマス・ハーディが最後に著したロマンス・ファンタジー。
幻戯書房編集部
トマス・ハーディ『恋の霊 ある気質の描写』訳者解題
ルリユール叢書の本(2022)
「聖ヒエロニュムスの加護のもとに」ヴァレリー・ラルボー
『聖ヒエロニュムスの加護のもとに (ルリユール叢書)』
ヴァレリー・ラルボー,西村靖敬
2022/12/27
幻戯書房
ジョイス、ホイットマン、バトラーら英米文学から中南米文学、伊文学まで〈世界文学の仲介者〉として多言語の文芸を翻訳したコスモポリタン作家ヴァレリー・ラルボー──聖ヒエロニュムスの論考を筆頭に、500余名の文人をめぐり翻訳の理念、原理、技法がエッセイで説き明かされる翻訳論の白眉。本邦初訳。
「ピェール 黙示録よりも深く」ハーマン・メルヴィル
『ピェール: 黙示録よりも深く (上) (ルリユール叢書)』
ハーマン・メルヴィル,牧野有通
2022/11/29
幻戯書房
理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出す――『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図【ピクチュアレスク】として描いた大長編の問題作。全二十六の書のうち、イザベル登場によりピェールの反逆の人生の火蓋が切られる〈第十二の書〉までを収録。
「ストロング・ポイズン」ドロシー・L・セイヤーズ
『ストロング・ポイズン (ルリユール叢書)』
ドロシー・L・セイヤーズ,大西寿明
2022/10/03
幻戯書房
アガサ・クリスティらと、1920~30年代の〈探偵小説の黄金期〉を牽引した女性作家ドロシー・L・セイヤーズ――探偵らしさと男らしさの狭間で存在の不安に揺れ動く男性探偵の危うさに焦点を当てた、〈ピーター・ウィムジィ卿〉シリーズの重要な転換期となる奇妙な探偵小説。
幻戯書房編集部
ドロシー・L・セイヤーズ『ストロング・ポイズン』訳者解題
「三つの物語」スタール夫人
『三つの物語 (ルリユール叢書)』
スタール夫人,石井啓子
2022/08/29
幻戯書房
ナポレオンとの政治的対立から追放されながら、個人の自由と寛容を重んじ、政治的リベラリズムを貫き通したスタール夫人――奴隷制度廃止宣言の翌年に刊行された、三角貿易の拠点セネガル、アンティル諸島、ル・アーヴルを舞台にした三人のヒロインたちによる「愛と死」の理想を描く中編小説集。本邦初訳。
「詩人の訪れ 他三篇」シャルル・フェルディナン・ラミュ
『詩人の訪れ 他三篇 (ルリユール叢書)』
シャルル・フェルディナン・ラミュ,笠間直穂子
2022/07/26
幻戯書房
土地固有のかたちとフランス語の多様性を追求し続けたスイス・ロマンドの国民作家C・F・ラミュ──ラヴォー地域の村落を理想郷として描く詩的小説の表題作、故郷の地勢から発する文学を決意した「存在理由」、「手本としてのセザンヌ」「ベルナール・グラッセへの手紙」を収録。本邦初訳。
「みつばちの平和 他一篇」アリス・リヴァ
『みつばちの平和 他一篇 (ルリユール叢書)』
アリス・リヴァ,正田靖子
2022/07/25
幻戯書房
20世紀スイスロマンド文学を代表する女性作家アリス・リヴァ――告白体の軽快な「女性の文体」で〈女の生〉を赤裸々に綴った、時代に先駆けたフェミニズム小説の表題作と、名もなき者たちの沈黙に言葉を与える詩的散文『残された日々を指折り数えよ』の2篇を収録。本邦初訳。
「魔法の指輪 ある騎士物語」フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー
『魔法の指輪: ある騎士物語 (上) (ルリユール叢書)』
フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー,池中愛海,鈴木優,和泉雅人
2022/05/26
幻戯書房
『ウンディーネ――水の妖精』の詩人が書いた大ベストセラー小説が、210年の時を超えて蘇る!――『指輪物語』『ナルニア国物語』の先駆となった冒険ファンタジー小説の原像。汎ヨーロッパのヴィジョンを夢幻に繰り広げた、力と美の奔出する中世騎士道絵巻。本邦初訳。原著全3部中、第1部から第2部前半までを収録(全2巻)。
「運河の家 人殺し」フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー
『運河の家 人殺し (ルリユール叢書)』
ジョルジュ・シムノン,森井良,瀬名秀明
2022/04/26
幻戯書房
〈メグレ警視〉シリーズの作家が、人間であることの病いをどこまでも灰色に、〝イヤミス〟以上にほろ苦く描く――シムノン初期の、「純文学」志向の〈硬い小説〉の傑作2篇がついに本邦初訳で登場! シムノン研究家の顔をもつ小説家・瀨名秀明による、決定版シムノン「解説」を収録。
「放浪者 あるいは海賊ペロル」ジョウゼフ・コンラッド
『放浪者 あるいは海賊ペロル (ルリユール叢書)』
ジョウゼフ・コンラッド,山本薫
2022/04/01
幻戯書房
若くして祖国を離れ、他郷での船乗り体験から作家へと転身、複数の言語と文化を越境しながら、政治小説、海洋小説の名作を世界文学に残した〝二重の生を持つ人〟コンラッド――ナポレオン戦争期の南仏・地中海の、老練の船乗りの帰郷と静かな戦いを描く、知られざる歴史小説。本邦初訳。
「ルツィンデ 他三篇」フリードリヒ・シュレーゲル
『ルツィンデ 他三篇 (ルリユール叢書)』
フリードリヒ・シュレーゲル,武田利勝
2022/01/28
幻戯書房
「精神と官能」「男と女」――色鮮やかな生の無限の混沌を、あふれる機知とイロニーでもって、めくるめくアラベスクへと織りあげたマニエリスム小説の傑作『ルツィンデ』のほか、文学と哲学、そして愛をめぐるフリードリヒ・シュレーゲルの初期批評3篇を収録。
自分の愛とか君の愛とか、僕にはもう言えないよ。ふたつの愛はお互いに等しく、完全にひとつ。愛と、それに応える愛とは同じってこと。これこそ結婚、つまり僕たちの精神の永遠の統一、永遠の結合だ。
ルリユール叢書の本(2021)
「復讐の女/招かれた女たち」シルビナ・オカンポ
『復讐の女/招かれた女たち (ルリユール叢書)』
シルビナ・オカンポ,寺尾隆吉
2021/11/26
幻戯書房
ボルヘスやビオイ・カサーレスに高く評価され、「アルゼンチン文学の秘宝」とも称された短編小説の名手シルビナ・オカンポは、日常生活に隠された不思議から奇想天外な物語を引き出した。幻想的リアリズムの頂点をなす怪奇短編集『復讐の女』と『招かれた女たち』の全78篇を収録。本邦初訳。
「シラー戯曲傑作選 ヴィルヘルム・テル」フリードリヒ・シラー
『シラー戯曲傑作選 ヴィルヘルム・テル (ルリユール叢書)』
フリードリヒ・シラー,本田博之
2021/10/25
幻戯書房
14世紀初頭、代官の圧政に苦しむスイス三州の民衆は、独立を求めて同盟し蜂起する――盟友の文豪ゲーテとの交遊を通じて構想された、〝弓の名手〟の英雄ヴィルヘルム・テル伝説、スイスの史実を材に、民衆の精神的自由を力強く活写した、劇作家シラーの不朽の歴史劇。
「修繕屋マルゴ 他二篇」フジュレ・ド・モンブロン
『修繕屋マルゴ 他二篇 (ルリユール叢書)』
フジュレ・ド・モンブロン,福井寧
2021/09/30
幻戯書房
偽善社会をこき下ろし、ディドロに「心臓に毛が生えている」と評された、人相不明の諷刺作家フジュレ・ド・モンブロン――エロティックな妖精物語『深紅のソファー』と遊女の成り上がりの物語『修繕屋マルゴ』、奔放不羈な旅人の紀行文学『コスモポリット(世界市民)』を収録。
「部屋をめぐる旅 他二篇」グザヴィエ・ド・メーストル
『部屋をめぐる旅 他二篇 (ルリユール叢書)』
グザヴィエ・ド・メーストル,加藤一輝
2021/09/30
幻戯書房
フランス革命の只中、18世紀末のトリノで、世界周游の向こうを張って42日間の室内旅行を敢行、蟄居文学の嚆矢となったグザヴィエ・ド・メーストル「部屋をめぐる旅」――その続編「部屋をめぐる夜の遠征」、および「アオスタ市の癩病者」の小説3篇と、批評家サント゠ブーヴによる小伝を収録。
「魂の不滅なる白い砂漠」ピエール・ルヴェルディ
『魂の不滅なる白い砂漠: 詩と詩論 (ルリユール叢書)』
ピエール・ルヴェルディ,平林通洋,山口孝行
2021/07/27
幻戯書房
シュルレアリスムの先駆的存在と知らしめた〈イマージュ〉から孤高の存在へと歩を進めた詩人ルヴェルディ――初期から晩年に至る30篇の「詩」、本邦初訳「詩と呼ばれるこの情動」他「詩論」4篇、E・グリッサンのルヴェルディ論を付したルヴェルディ詩学の核心に迫る精選作品集。
「過去への旅 チェス奇譚」シュテファン・ツヴァイク
『過去への旅 チェス奇譚 (ルリユール叢書)』
シュテファン・ツヴァイク,杉山有紀子
2021/06/28
幻戯書房
無情な現実に引き裂かれる男女の合間をドラマティックに物語る、本邦初訳の未完小説『過去への旅』。作者の生涯最後の日々に完成した、チェスをめぐる孤独と狂気の心理を克明に描く『チェス奇譚』。ツヴァイクの生涯を貫く〈内的自由〉の思想を映した二つの傑作中編。
ルリユール叢書の本(2020)
「山の花環 小宇宙の光」ペタル二世ペトロビッチ゠ニェゴシュ
『山の花環 小宇宙の光 (ルリユール叢書)』
ペタル二世ペトロビッチ゠ニェゴシュ,田中一生,山崎洋
2020/10/26
幻戯書房
低き丘でも高みに立たば、
下の者より見ゆるは道理、
われもみなより多く見ゆべし――
幸せにして、また不幸なり。イスラム教改宗者の討伐という歴史的事件を材に、民衆の「哀しき人間の運命」を綴った、セルビア「第二の聖書」と目される一大詩篇『山の花環』。宇宙創造、人間の堕落と魂の救済を詠う『小宇宙の光』。セルビア文学の金字塔となった、ニェゴシュを代表する二大叙事詩。
ルリユール叢書の本(2019)
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