ルリユール叢書のこと
幻戯書房
「ルリユール叢書」
Reliure〈ルリユール〉は「製本、装丁」を意味する言葉です。
ルリユール叢書は、全集として閉じることのない世界文学叢書を目指し、
多種多様な作品を綴じながら、文学の精神を紐解いていきます。
一冊一冊を読むことで、読者みずからが〈世界文学〉を作り上げていくことを願って──
トリコロールの装丁が目を惹く、幻戯書房のルリユール叢書。新潮クレスト・ブックスや白水社のエクス・リブリスのように一度手を出したら、全部揃えたくなる危険なシリーズ。気になる装丁の本から気軽に手に取ってもらえるようにと考えられたデザインは、背表紙まで美しく、本棚に並べたいと思わせる。作家の肖像イラストもいい感じ。
ラインナップは多彩で、海外文学初心者の私からすると、はじめましての作家さんも多い。でも、「訳者解題」という名の翻訳者さんによる解説が付いているので安心。その一部はnoteで公開もしている。作者の人となりの紹介のほか、カバーの作家イラストの秘密を教えてくれるものもあって、楽しい。作者を知ることで、海外文学特有のとっつきにくさも和らぐ。
巻末には、外国文学者ならではの精緻、詳細な作家・作品分析がなされた「訳者解題」と、世界文学史・文化史が見えてくる「作家年譜」が付きます。
作品選びに負けないくらい、力を入れているというのがこの「作家年譜」。文筆家・山本貴光さんの記事でも紹介されているけれど、作家の年譜と一緒に同時代のできごとや、どんな本が発売されていたかが記されていて、作家さんや書評家さんの資料としても役立ちそうな感じ。
アルフレッド・ジャリが幼稚園に入園したときに、オルコットの『ライラックの花の下』が刊行されたとか、紹介されているの本も1冊や2冊ではなく、まるで読書案内のよう。それだけ読んでも面白い。
この作者に何かが起こるたびに、同時代のできごとや刊行された本のタイトルを調べて載せるなんていう途方もない作業を、編集者の中村健太郎さんは、一人でやっている(ひとり編集部とのこと)。そんな苦労はみじんも見せない、Amazonの紹介文にもただ作家年譜を収録と書いてあるだけだ。
〈ルリユール叢書〉は、どこかの書棚でよき隣人として一所に集う──私たち人間が希望しながらも容易に実現しえない、異文化・異言語・異人同士が寛容と友愛で結びあうユートピアのような──〈文芸の共和国〉を目指します。
2024年8月には、〈ルリユール叢書〉50冊突破記念のフェアが開催された。でもコンスタントに発売されているため、11月発売の木原善彦さん翻訳の『失われたスクラップブック』、12月発売のカフカ没100年記念出版の『ユダヤ人の女たち』で、もう60冊を迎える。
フェアでは、ルリユール叢書の翻訳者51人が選ぶ世界文学をさらに旅するためのおすすめ162冊を掲載した『ルリユール叢書 刊行50点突破記念小冊子』(非売品)が配布された。そちらもかなり興味をそそるが、「作家年譜」の方も読書案内の本として1冊にまとめたらどんな感じになるだろう、と勝手に妄想してしまう。国書刊行会50周年の冊子のように、デザインに力を入れたバージョンも見てみたい。
ルリユール叢書については、書評家のスケザネさんが動画で熱く話されていたので、スケザネさんと編集者の中村さんの対談も実現したらいいなと、こちらもひそかに待ち望んでいる。
ルリユール叢書の一覧
作品名 | 作家名 | 翻訳者名 | ジャンル | 発売日 |
---|---|---|---|---|
ユダヤ人の女たち | マックス・ブロート | 中村寿 | ドイツ文学 | 2024/12/24 |
失われたスクラップブック | エヴァン・ダーラ | 木原善彦 | アメリカ文学 | 2024/11/26 |
ジュネーヴ短編集 | ロドルフ・テプフェール | 加藤一輝 | スイス文学 | 2024/10/28 |
スリー | アン・クイン | 西野方子 | イギリス文学 | 2024/10/28 |
不審人物 故人 自叙伝 | ブラニスラヴ・ヌシッチ | 奥彩子,田中一生 | セルビア文学 | 2024/08/26 |
メランジュ 詩と散文 | ポール・ヴァレリー | 鳥山定嗣 | フランス文学 | 2024/08/26 |
ポンペイ最後の日 (下) | エドワード・ブルワー゠リットン | 田中千惠子 | イギリス文学 | 2024/07/24 |
ポンペイ最後の日 (上) | エドワード・ブルワー゠リットン | 田中千惠子 | イギリス文学 | 2024/06/25 |
二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇 | ドヴィド・ベルゲルソン,デル・ニステル | 田中壮泰,赤尾光春 | イディッシュ文学 | 2024/05/01 |
ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集 | エルンスト・ラウパッハ,カール・シュピンドラー,ゴットフリート・ペーター・ラウシュニク,ルドルフ・ヒルシュ,フランツ・ゼーラフ・クリスマー,ヨーゼフ・リッター・ヴィーザー・フォン・メーレンハイム | 森口大地 | ドイツ文学 | 2024/01/29 |
ガリバー | クロード・シモン | 芳川泰久 | フランス文学 | 2023/12/26 |
戦争 | ルイ゠フェルディナン・セリーヌ | 森澤友一朗 | フランス文学 | 2023/11/27 |
ドイツの歌姫 他五篇 | ラーザ・ラザーレヴィチ | 栗原成郎 | セルビア文学 | 2023/10/26 |
稜線の路 | ガブリエル・マルセル | 古川正樹 | フランス文学 | 2023/09/26 |
シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス スペインの王子 | フリードリヒ・シラー | 青木敦子 | ドイツ文学 | 2023/08/29 |
シラー戯曲傑作選 メアリー・ステュアート | フリードリヒ・シラー | 津﨑正行 | ドイツ文学 | 2023/08/29 |
モン=オリオル | ギ・ド・モーパッサン | 渡辺響子 | フランス文学 | 2023/07/25 |
乾杯、神さま | エレナ・ポニアトウスカ | 鋤柄史子 | メキシコ文学 | 2023/07/25 |
昼と夜 絶対の愛 | アルフレッド・ジャリ | 佐原怜 | フランス文学 | 2023/06/26 |
シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険 (上・下) | ジュール・ヴェルヌ | 三枝大修 | フランス文学 | 2023/05/18 |
恋の霊 ある気質の描写 | トマス・ハーディ | 南協子 | イギリス文学 | 2023/02/28 |
聖ヒエロニュムスの加護のもとに | ヴァレリー・ラルボー | 西村靖敬 | フランス文学 | 2022/12/27 |
ピェール 黙示録よりも深く (上・下) | ハーマン・メルヴィル | 牧野有通 | アメリカ文学 | 2022/11/29 |
ストロング・ポイズン | ドロシー・L・セイヤーズ | 大西寿明 | イギリス文学 | 2022/10/03 |
三つの物語 | スタール夫人 | 石井啓子 | フランス文学 | 2022/08/29 |
詩人の訪れ 他三篇 | シャルル・フェルディナン・ラミュ | 笠間直穂子 | スイス・ロマンド文学 | 2022/07/26 |
みつばちの平和 他一篇 | アリス・リヴァ | 正田靖子 | スイス・ロマンド文学 | 2022/07/25 |
魔法の指輪 ある騎士物語 (上・下) | フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー | 池中愛海,鈴木優,和泉雅人 | ドイツ文学 | 2022/05/26 |
運河の家 人殺し | ジョルジュ・シムノン | 森井良,瀬名秀明(解説) | フランス文学、 ベルギー文学 | 2022/04/26 |
放浪者 あるいは海賊ペロル | ジョウゼフ・コンラッド | 山本薫 | イギリス文学 | 2022/04/01 |
ルツィンデ 他三篇 | フリードリヒ・シュレーゲル | 武田利勝 | ドイツ文学 | 2022/01/28 |
復讐の女/招かれた女たち | シルビナ・オカンポ | 寺尾隆吉 | アルゼンチン文学 | 2021/11/26 |
シラー戯曲傑作選 ヴィルヘルム・テル | フリードリヒ・シラー | 本田博之 | ドイツ文学 | 2021/10/25 |
修繕屋マルゴ 他二篇 | フジュレ・ド・モンブロン | 福井寧 | フランス文学 | 2021/09/30 |
部屋をめぐる旅 他二篇 | グザヴィエ・ド・メーストル | 加藤一輝 | フランス文学 | 2021/09/30 |
魂の不滅なる白い砂漠 詩と詩論 | ピエール・ルヴェルディ | 平林通洋,山口孝行 | フランス文学 | 2021/07/27 |
過去への旅 チェス奇譚 | シュテファン・ツヴァイク | 杉山有紀子 | オーストリア文学 | 2021/06/28 |
ニルス・リューネ | イェンス・ピータ・ヤコブセン | 奥山裕介 | デンマーク文学 | 2021/05/26 |
ヘンリヒ・シュティリング自伝 真実の物語 | ユング゠シュティリング | 牧原豊樹 | ドイツ文学 | 2021/05/26 |
ミルドレッド・ピアース 未必の故意 | ジエイムズ・M・ケイン | 吉田恭子 | アメリカ文学 | 2021/03/26 |
マクティーグ サンフランシスコの物語 | フランク・ノリス | 高野泰志 | アメリカ文学 | 2019/09/26 |
フラッシュ ある犬の伝記 | ヴァージニア・ウルフ | 岩崎雅之 | イギリス文学 | 2021/02/26 |
仮面の陰に あるいは女の力 | ルイザ・メイ・オルコット | 大串尚代 | アメリカ文学 | 2021/02/26 |
山の花環 小宇宙の光 | ペタル二世ペトロビッチ゠ニェゴシュ | 田中一生,山崎洋 | セルビア文学 | 2020/10/26 |
イェレナ、いない女 他十三篇 | イボ・アンドリッチ | 田中一生,山崎洋,山崎佳代子 | セルビア文学 | 2020/10/26 |
ボスの影 | マルティン・ルイス・グスマン | 寺尾隆吉 | メキシコ文学 | 2020/09/28 |
聖伝 | シュテファン・ツヴァイク | 宇和川雄,籠碧 | オーストリア文学 | 2020/08/26 |
子供時代 | ナタリー・サロート | 湯原かの子 | フランス文学 | 2020/07/27 |
颱風 | レンジェル・メニヘールト | 小谷野敦 | ハンガリー文学 | 2020/07/27 |
アルフィエーリ悲劇選 フィリッポ サウル | ヴィットーリオ・アルフィエーリ | 菅野類 | イタリア文学 | 2020/04/27 |
断想集 | ジャコモ・レオパルディ | 國司航佑 | イタリア文学 | 2020/04/27 |
独裁者ティラノ・バンデラス 灼熱の地の小説 | バリェ゠インクラン | 大楠栄三 | スペイン文学 | 2020/02/26 |
従弟クリスティアンの家で 他五編 | テーオドール・シュトルム | 岡本雅克 | ドイツ文学 | 2020/01/23 |
ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選 | チャールズ・ディケンズ | 井原慶一郎 | イギリス文学 | 2019/12/05 |
アムール・ジョーヌ | トリスタン・コルビエール | 小澤真 | フランス文学 | 2019/11/26 |
呪われた詩人たち | ポール・ヴェルレーヌ | 倉方健作 | フランス文学 | 2019/11/26 |
フェリシア、私の愚行録 | ネルシア | 福井寧 | フランス文学 | 2019/06/24 |
アベル・サンチェス | ミゲル・デ・ウナムーノ | 富田広樹 | スペイン文学 | 2019/06/26 |
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並べ替えもできます。
ルリユール叢書の本(刊行年別紹介&目次)
ルリユール叢書(2024)
ヴァンパイア奇談集、2匹のけだもの、ギリシア人美女をめぐり青年貴族と魔術師が対決、ポール・ヴァレリーの銅版画挿絵入り、ゴーゴリものの喜劇、行方不明の少女が遺したテープと日記帳、伯父の書斎、木原善彦さん訳・ピリオドなしの大長編の奇書、カフカとの約束を破った親友の本ほか。
ルリユール叢書(2023)
とある日曜日の出来事、筋書きの無い演劇、王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、トマス・ハーディのロマンス・ファンタジー、催眠術によって新しい世界を創造しようとする話、ジュール・ヴェルヌの狂瀾怒濤の海洋冒険物語、モーパッサンの温泉リゾートほか。
ルリユール叢書(2022)
ジョルジュ・シムノンの硬い小説、ドロシー・L・セイヤーズの探偵小説、コンラッドの海賊ペロル、みつばちの平和、三人のヒロインたち、手本としてのセザンヌ、〈世界文学の仲介者〉ヴァレリー・ラルボーの翻訳論、「自分の愛とか君の愛とか、僕にはもう言えないよ。」ほか。
ルリユール叢書(2021)
ヴァージニア・ウルフの英国版「吾輩は犬である」、ルイザ・メイ・オルコットの米国大衆〈スリラー〉小説、19世紀デンマーク文学の傑作長編ほか。
ルリユール叢書(2020)
伝記でも回想でもない「子供時代」、ボスの影、パリの日本人コロニーが舞台の話、イタリア人に最も愛された大詩人の散文集、ノーベル文学賞作家の短篇&散文詩ほか。
ルリユール叢書(2019)
18世紀フランスの“反恋愛”リベルタン小説、中原中也の愛した呪われた詩人コルビエールの本、 ディケンズみずから朗読する「クリスマス・キャロル」ほか。
↑あとで作成する刊行年ごとの本の紹介にジャンプできるようにする予定。
ルリユール叢書の新刊、刊行予定
「失われたスクラップブック」エヴァン・ダーラ
『失われたスクラップブック』
エヴァン・ダーラ,木原善彦
2024/11/26
幻戯書房
“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!
「ユダヤ人の女たち」マックス・ブロート
『ユダヤ人の女たち』
マックス・ブロート,中村寿
2024/12/24
幻戯書房
文学の徒にして親友だったフランツ・カフカの遺言に逆らい、遺稿を守って亡命、カフカ全集を編纂して世界文学に貢献した作家・翻訳家マックス・ブロート――1910年代チェコのギムナジウムに通うドイツ系ユダヤ人青年の恋愛と蹉跌を赤裸に描く、ブロートの自伝的小説。本邦初訳。
「スリー」アン・クイン
『スリー (ルリユール叢書)』
アン・クイン,西野方子
2024/10/28
幻戯書房
B・S・ジョンソンらと並び、1960年代イギリスで実験小説を発表し、女性であることの困難にも向き合った前衛作家アン・クイン。行方不明の少女が遺したテープと日記帳が夫婦二人の日常を軋ませ、次第に蝕んでいく――作者の自伝的要素も組み込まれた奇妙な長編小説。本邦初訳。
「ジュネーヴ短編集」ロドルフ・テプフェール
『ジュネーヴ短編集 (ルリユール叢書)』
ロドルフ・テプフェール,加藤一輝
2024/10/28
幻戯書房
手書きの文字と線画を組み合わせ、コマ割マンガの創始者となったジュネーヴの作家ロドルフ・テプフェール――諧謔精神あふれる半自伝的小説「伯父の書斎」、アルプスの風土をスイスことばで描いた冒険譚「アンテルヌ峠」など珠玉の全8篇をテプフェール自身の挿絵つきで収録。本邦初訳。
ルリユール叢書ににまつわる読みもの、書評と動画
じんぶん堂
〈ルリユール叢書〉から世界文学の翻訳を考える——文学の仲介者ヴァレリー・ラルボーとともに(2024.09.09)
作品メモランダム
「〈ルリユール叢書〉から世界文学の翻訳を考える」(2024.08.03/山本貴光さんのブログ)
〈ルリユール叢書〉の楽しみ(2023.11.28/文筆家・山本貴光)
果てなき“文芸の共和国”を目指す〈ルリユール叢書〉とはーーひとり編集部で30冊刊行できたわけ(2022.04.25)
WEB本の雑誌
【今週はこれを読め! SF編】不死者の欲望と葛藤〜森口大地編訳『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』 – 牧眞司(2024年2月13日)
人間の感情ヘドロをえぐり出す『壁の向こうへ続く道』 – 新刊めったくたガイド(本の雑誌2022年3月号)
比類なき円錐小説ベルンハルト『推敲』に大満足! – 新刊めったくたガイド(本の雑誌2021年11月号)
血と情念が燃え上がるヨクナパトーファ・サーガの原点 – 新刊めったくたガイド(本の雑誌2021年9月号)
好書好日
「仮面の陰に あるいは女の力」 別名義で書いた 抑圧への復讐譚 朝日新聞書評から(2021.05.01)
毎日新聞
知られざる世界の名作に光 幻戯書房の「ルリユール叢書」 翻訳者の情熱を感じ(2020.02.05)
YouTube「文学系チャンネル【スケザネ図書館】」
ブックニュースラジオ2021年6月号【スケザネ図書館】【雑談と本にまつわるニュースについて】【ルリユール叢書】(約2時間6分/2021/06/05)
Youtube「Michihiro Hirabayashi」
ピエール・ルヴェルディ『魂の不滅なる白い砂漠 詩と詩論』 ルリユール叢書 幻戯書房 訳者による紹介動画(約10分/2021/12/15)
ルリユール叢書の本(2024)つづき
「メランジュ 詩と散文」ポール・ヴァレリー
『メランジュ 詩と散文 (ルリユール叢書)』
ポール・ヴァレリー,鳥山定嗣
2024/08/26
幻戯書房
定型韻文詩、自由韻文詩、自由詩、散文、散文詩を混在させ、挿絵とテクストを混淆させた詩人ヴァレリーの精神としての書物――「雑纂」「断章」の文学ジャンルの系譜を、新たな書法(エクリチュール)で切り開く〈散文と詩の混淆(メランジュ)〉。ヴァレリー自身の手による銅版画挿絵入り初版本新訳の決定版。
「不審人物 故人 自叙伝」ブラニスラヴ・ヌシッチ
『不審人物 故人 自叙伝 (ルリユール叢書)』
ブラニスラヴ・ヌシッチ,奥彩子,田中一生
2024/08/26
幻戯書房
激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチ――官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。
「ポンペイ最後の日」エドワード・ブルワー゠リットン
『ポンペイ最後の日 (上) (ルリユール叢書)』
エドワード・ブルワー゠リットン,田中千惠子
2024/06/25
幻戯書房
華麗な古代ポンペイを舞台にギリシア人美女をめぐり青年貴族と魔術師が対決。魔術、占星術、イシス女神を駆使し、人間の愛憎、キリスト教の黎明、剣闘士の死闘を描く。小説『ペラム』で一世を風靡したブルワー=リットンの波乱万丈の歴史小説ー不朽の名作が待望の完訳でよみがえる。
「ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集」ラウパッハ、シュピンドラー他
『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集 (ルリユール叢書)』
エルンスト・ラウパッハ,カール・シュピンドラー,ゴットフリート・ペーター・ラウシュニク,ルドルフ・ヒルシュ,フランツ・ゼーラフ・クリスマー,ヨーゼフ・リッター・ヴィーザー・フォン・メーレンハイム,森口大地
2024/01/29
幻戯書房
ポリドリ『ヴァンパイア』ブームのさなか、1820~30年代にかけて発表された、ラウパッハ『死者を起こすなかれ』、シュピンドラー『ヴァンパイアの花嫁』など怪縁が織りなすドイツ・ヴァンパイア文学傑作短編集。本邦初訳。ヴァンパイア学者が詳述する訳者解題「ヴァンパイア文学のネットワーク」を併録。
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