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幻戯書房「ルリユール叢書」の一覧/ひとり編集部によるトリコロール装丁の本と、読書案内みたいな作家年譜

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幻戯書房「ルリユール叢書」の一覧/ひとり編集部によるトリコロール装丁の本と、読書案内みたいな作家年譜
  1. ルリユール叢書の一覧(国の分類つき)
  2. ルリユール叢書のこと
  3. ルリユール叢書の新刊、刊行予定
    1. 「デイジー・ミラー/ほんもの」ヘンリー・ジェイムズ
    2. 「愛する者は憎む」シルビナ・オカンポ,アドルフォ・ビオイ・カサーレス
    3. 「ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇」フリードリヒ・ヘッベル
    4. 「ユダヤ人の女たち」マックス・ブロート
    5. 「失われたスクラップブック」エヴァン・ダーラ
    6. 「スリー」アン・クイン
    7. 「ジュネーヴ短編集」ロドルフ・テプフェール
    8. 「愛する者は憎む」シルビナ・オカンポ,アドルフォ・ビオイ・カサーレス
    9. 「ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇」フリードリヒ・ヘッベル
    10. 「ユダヤ人の女たち」マックス・ブロート
    11. 「失われたスクラップブック」エヴァン・ダーラ
    12. 「スリー」アン・クイン
    13. 「ジュネーヴ短編集」ロドルフ・テプフェール
  4. ルリユール叢書ににまつわる読みもの、書評と動画
  5. ルリユール叢書の本(2024)つづき
    1. 「メランジュ 詩と散文」ポール・ヴァレリー
    2. 「不審人物 故人 自叙伝」ブラニスラヴ・ヌシッチ
    3. 「ポンペイ最後の日」エドワード・ブルワー゠リットン
    4. 「二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇」エドワード・ブルワー゠リットン
    5. 「ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集」ラウパッハ、シュピンドラー他
  6. 次ページ…ルリユール叢書の本2019-2023

ルリユール叢書の一覧(国の分類つき)

作品名作家名翻訳者名ジャンル発売日
デイジー・ミラー/ほんものヘンリー・ジェイムズアメリカ文学2025/04/28
愛する者は憎むシルビナ・オカンポ,
アドルフォ・ビオイ・カサーレス
寺尾隆吉アルゼンチン文学2025/02/26
ニーベルンゲン
三部のドイツ悲劇
フリードリヒ・ヘッベル磯崎康太郎ドイツ文学2025/01/28
ユダヤ人の女たちマックス・ブロート中村寿ドイツ文学2024/12/24
失われたスクラップブックエヴァン・ダーラ木原善彦アメリカ文学2024/11/26
ジュネーヴ短編集ロドルフ・テプフェール加藤一輝スイス文学2024/10/28
スリーアン・クイン西野方子イギリス文学2024/10/28
不審人物 故人 自叙伝ブラニスラヴ・ヌシッチ奥彩子,
田中一生
セルビア文学2024/08/26
メランジュ 詩と散文ポール・ヴァレリー鳥山定嗣フランス文学2024/08/26
ポンペイ最後の日 (下)エドワード・ブルワー゠リットン田中千惠子イギリス文学2024/07/24
ポンペイ最後の日 (上)エドワード・ブルワー゠リットン田中千惠子イギリス文学2024/06/25
二匹のけだもの/なけなしの財産
他五篇
ドヴィド・ベルゲルソン,
デル・ニステル
田中壮泰,
赤尾光春
イディッシュ文学2024/05/01
ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集エルンスト・ラウパッハ,
カール・シュピンドラー,
ゴットフリート・ペーター・
ラウシュニク,
フランツ・ゼーラフ・クリスマー,
ルドルフ・ヒルシュ,
ヨーゼフ・リッター・ヴィーザー・
フォン・メーレンハイム
森口大地ドイツ文学2024/01/29
ガリバークロード・シモン芳川泰久フランス文学2023/12/26
戦争ルイ゠フェルディナン・セリーヌ森澤友一朗フランス文学2023/11/27
ドイツの歌姫 他五篇ラーザ・ラザーレヴィチ栗原成郎セルビア文学2023/10/26
稜線の路ガブリエル・マルセル古川正樹フランス文学2023/09/26
シラー戯曲傑作選
ドン・カルロス スペインの王子
フリードリヒ・シラー青木敦子ドイツ文学2023/08/29
シラー戯曲傑作選
メアリー・ステュアート
フリードリヒ・シラー津﨑正行ドイツ文学2023/08/29
モン=オリオルギ・ド・モーパッサン渡辺響子フランス文学2023/07/25
乾杯、神さまエレナ・ポニアトウスカ鋤柄史子メキシコ文学2023/07/25
昼と夜 絶対の愛アルフレッド・ジャリ佐原怜フランス文学2023/06/26
シャーンドル・マーチャーシュ
地中海の冒険 (上・下)
ジュール・ヴェルヌ三枝大修フランス文学2023/05/18
恋の霊 ある気質の描写トマス・ハーディ南協子イギリス文学2023/02/28
聖ヒエロニュムスの加護のもとにヴァレリー・ラルボー西村靖敬フランス文学2022/12/27
ピェール 黙示録よりも深く
(上・下)
ハーマン・メルヴィル牧野有通アメリカ文学2022/11/29
ストロング・ポイズンドロシー・L・セイヤーズ大西寿明イギリス文学2022/10/03
三つの物語スタール夫人石井啓子フランス文学2022/08/29
詩人の訪れ 他三篇シャルル・フェルディナン・
ラミュ
笠間直穂子スイス・ロマンド文学2022/07/26
みつばちの平和 他一篇アリス・リヴァ正田靖子スイス・ロマンド文学2022/07/25
魔法の指輪 ある騎士物語
(上・下)
フリードリヒ・ド・ラ・モット・
フケー
池中愛海,
鈴木優,
和泉雅人
ドイツ文学2022/05/26
運河の家 人殺しジョルジュ・シムノン森井良,
瀬名秀明(解説)
フランス文学、
ベルギー文学
2022/04/26
放浪者 あるいは海賊ペロルジョウゼフ・コンラッド山本薫イギリス文学2022/04/01
ルツィンデ 他三篇フリードリヒ・シュレーゲル武田利勝ドイツ文学2022/01/28
復讐の女/招かれた女たちシルビナ・オカンポ寺尾隆吉アルゼンチン文学2021/11/26
シラー戯曲傑作選
ヴィルヘルム・テル
フリードリヒ・シラー本田博之ドイツ文学2021/10/25
修繕屋マルゴ 他二篇フジュレ・ド・モンブロン福井寧フランス文学2021/09/30
部屋をめぐる旅 他二篇グザヴィエ・ド・メーストル加藤一輝フランス文学2021/09/30
魂の不滅なる白い砂漠 詩と詩論ピエール・ルヴェルディ平林通洋,
山口孝行
フランス文学2021/07/27
過去への旅 チェス奇譚シュテファン・ツヴァイク杉山有紀子オーストリア文学2021/06/28
ニルス・リューネイェンス・ピータ・ヤコブセン奥山裕介デンマーク文学2021/05/26
ヘンリヒ・シュティリング自伝
真実の物語
ユング゠シュティリング牧原豊樹ドイツ文学2021/05/26
ミルドレッド・ピアース
未必の故意
ジエイムズ・M・ケイン吉田恭子アメリカ文学2021/03/26
マクティーグ
サンフランシスコの物語
フランク・ノリス高野泰志アメリカ文学2019/09/26
フラッシュ ある犬の伝記ヴァージニア・ウルフ岩崎雅之イギリス文学2021/02/26
仮面の陰に あるいは女の力ルイザ・メイ・オルコット大串尚代アメリカ文学2021/02/26
山の花環 小宇宙の光ペタル二世ペトロビッチ゠
ニェゴシュ
田中一生,
山崎洋
セルビア文学2020/10/26
イェレナ、いない女 他十三篇イボ・アンドリッチ田中一生,
山崎洋,
山崎佳代子
セルビア文学2020/10/26
ボスの影マルティン・ルイス・グスマン寺尾隆吉メキシコ文学2020/09/28
聖伝シュテファン・ツヴァイク宇和川雄,
籠碧
オーストリア文学2020/08/26
子供時代ナタリー・サロート湯原かの子フランス文学2020/07/27
颱風レンジェル・メニヘールト小谷野敦ハンガリー文学2020/07/27
アルフィエーリ悲劇選
フィリッポ サウル
ヴィットーリオ・アルフィエーリ菅野類イタリア文学2020/04/27
断想集ジャコモ・レオパルディ國司航佑イタリア文学2020/04/27
独裁者ティラノ・バンデラス
灼熱の地の小説
バリェ゠インクラン大楠栄三スペイン文学2020/02/26
従弟クリスティアンの家で
他五編
テーオドール・シュトルム岡本雅克ドイツ文学2020/01/23
ドクター・マリゴールド
朗読小説傑作選
チャールズ・ディケンズ井原慶一郎イギリス文学2019/12/05
アムール・ジョーヌトリスタン・コルビエール小澤真フランス文学2019/11/26
呪われた詩人たちポール・ヴェルレーヌ倉方健作フランス文学2019/11/26
フェリシア、私の愚行録ネルシア福井寧フランス文学2019/06/24
アベル・サンチェスミゲル・デ・ウナムーノ富田広樹スペイン文学2019/06/26

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ルリユール叢書のこと

果てなき“文芸の共和国”を目指す〈ルリユール叢書〉とはーーひとり編集部で30冊刊行できたわけ|じんぶん堂
2019年6月発刊から2022年4月までに刊行された幻戯書房の〈ルリユール叢書〉30冊。〈ルリユール叢書〉の〈ルリユール〉は「Reliure 製本、装丁」を意味するフランス語が由来。多種多様な世界文学...

幻戯書房
ルリユール叢書」

 Reliure〈ルリユール〉は「製本、装丁」を意味する言葉です。
 ルリユール叢書は、全集として閉じることのない世界文学叢書を目指し、
 多種多様な作品を綴じながら、文学の精神を紐解いていきます。
 一冊一冊を読むことで、読者みずからが〈世界文学〉を作り上げていくことを願って── 

幻戯書房は新しく世界文学のシリーズ〈ルリユール叢書〉を発刊します : 幻戯書房NEWS


 トリコロールの装丁が目を惹く、幻戯書房のルリユール叢書。新潮クレスト・ブックスや白水社のエクス・リブリスのように一度手を出したら、全部揃えたくなる危険なシリーズ。気になる装丁の本から気軽に手に取ってもらえるようにと考えられたデザインは、背表紙まで美しく、本棚に並べたいと思わせる。作家の肖像イラストもいい感じ。

 ラインナップは多彩で、海外文学初心者の私からすると、はじめましての作家さんも多い。でも、「訳者解題」という名の翻訳者さんによる解説が付いているので安心。その一部はnoteでも公開している。作者の人となりの紹介のほか、カバーの作家イラストの秘密を教えてくれるものもあって、楽しい。作者を知ることで、海外文学特有のとっつきにくさも和らぐ。

 巻末には、外国文学者ならではの精緻、詳細な作家・作品分析がなされた「訳者解題」と、世界文学史・文化史が見えてくる「作家年譜」が付きます。


 作品選びに負けないくらい、力を入れているというのがこの「作家年譜」。文筆家・山本貴光さんの記事でも紹介されているけれど、作家の年譜と一緒に同時代のできごとや、どんな本が発売されていたかが記されていて、作家さんや書評家さんの資料としても役立ちそうな感じ。

 アルフレッド・ジャリが幼稚園に入園したときに、オルコットの『ライラックの花の下』が刊行されたとか、紹介されている本も1冊や2冊ではなく、まるで読書案内のよう。それだけ読んでも面白い。

 この作者に何かが起こるたびに、同時代のできごとや刊行された本のタイトルを調べて載せるなんていう途方もない作業を、編集者の中村健太郎さんは、一人でやっている(ひとり編集部とのこと)。そんな苦労はみじんも見せない、Amazonの紹介文にもただ「作家年譜を収録」と書いてあるだけだ。

〈ルリユール叢書〉は、どこかの書棚でよき隣人として一所に集う──私たち人間が希望しながらも容易に実現しえない、異文化・異言語・異人同士が寛容と友愛で結びあうユートピアのような──〈文芸の共和国〉を目指します。


 2024年8月には、〈ルリユール叢書〉50冊突破記念のフェアが開催された。でもコンスタントに発売されているため、11月発売の木原善彦さん翻訳の『失われたスクラップブック』、12月発売のカフカ没100年記念出版の『ユダヤ人の女たち』で、もう60冊を迎える。

 フェアでは、ルリユール叢書の翻訳者51人が選ぶ世界文学をさらに旅するためのおすすめ162冊を掲載した『ルリユール叢書 刊行50点突破記念小冊子』(非売品)が配布された。そちらもかなり興味をそそるが、「作家年譜」の方も辞典や読書案内の本として1冊にまとめたらどんな感じになるだろう、と勝手に妄想してしまう。

 ルリユール叢書については、書評家のスケザネさんがYoutubeの動画で熱く話されていたので、スケザネさんと編集者の中村さんの対談も実現したらいいなと、こちらもひそかに待ち望んでいる。

【追記】『ルリユール叢書 刊行50点突破記念小冊子』をいただきました。読んだ感想など、書いています。

【追記】ルリユール叢書の中の人、中村健太郎さんも書き手に『たやさない つづけつづけるためのマガジン Vol.05』。

関連サイト

気になるワードを集めてみました。

ルリユール叢書(2024)

ヴァンパイア奇談集、2匹のけだもの、ギリシア人美女をめぐり青年貴族と魔術師が対決、ポール・ヴァレリーの銅版画挿絵入り、ゴーゴリものの喜劇、行方不明の少女が遺したテープと日記帳、伯父の書斎、木原善彦さん訳・ピリオドなしの大長編の奇書、カフカとの約束を破った親友の本ほか。

ルリユール叢書(2023)

とある日曜日の出来事、筋書きの無い演劇、王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、トマス・ハーディのロマンス・ファンタジー、催眠術によって新しい世界を創造しようとする話、ジュール・ヴェルヌの狂瀾怒濤の海洋冒険物語、モーパッサンの温泉リゾート、とある日曜日の出来事の居場所のなさ、ドイツ留学したエリート医学生、「乾杯、神さま」、スキャンダル作家セリーヌの自伝的戦争小説ほか。

ルリユール叢書(2022)

〈メグレ警視〉シリーズの作家の硬い小説、ドロシー・L・セイヤーズの探偵小説、『ナルニア国物語』の先駆となった冒険ファンタジー小説、コンラッドの海賊ペロル、みつばちの平和、三人のヒロインたち、手本としてのセザンヌ、〈世界文学の仲介者〉ヴァレリー・ラルボーの翻訳論、「自分の愛とか君の愛とか、僕にはもう言えないよ。」ほか。

ルリユール叢書(2021)

ヴァージニア・ウルフの英国版「吾輩は犬である」、オルコットの米国大衆〈スリラー〉小説、修繕屋マルゴ、19世紀デンマーク文学の傑作長編、42日間の室内旅行、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』著者のノワール文学、チェス奇譚、幻想的リアリズムの頂点をなす怪奇短編集ほか。

ルリユール叢書(2020)

森鷗外『舞姫』を彷彿させるドイツ留学したエリート医学生、伝記でも回想でもない、「目にするものはすべて詩であり、手に触れるものはすべて痛みである。」、パリの日本人コロニーが舞台の話、ラテンアメリカ文学の巨匠が激賞、民衆の「哀しき人間の運命」、「司祭の蝶ネクタイをつけ黒いサングラスをかけた髑髏のようだ。」、「三色すみれ」「人形つかいのポーレ」「森のかたすみ」「静かな音楽家」、ウェス・アンダーソンもコメント、イタリア人に最も愛された大詩人と、ノーベル文学賞作家の散文詩ほか。

ルリユール叢書(2019)

ディケンズの「ドクター・マリゴールド」、中原中也の愛した呪われた詩人、←も含めた呪われた詩人の画期的評論、怪物シュトロハイムに映画『グリード』を作らせた、現代に甦らせたカインとアベルの物語、18世紀フランスの“反恋愛”リベルタン小説ほか。

ルリユール叢書の新刊、刊行予定

「デイジー・ミラー/ほんもの」ヘンリー・ジェイムズ

デイジー・ミラー/ほんもの (ルリユール叢書)
ヘンリー・ジェイムズ
2025/04/28
幻戯書房

ヨーロッパにおける、アメリカ人女性の無垢で奔放な生を描き、〈国際テーマ〉の名作として文名を高めた短編「デイジー・ミラー」。画家とモデルと絵画の関係を寓話的に描き出す〈芸術もの〉の短編「ほんもの」。ヘンリー・ジェイムズの小説的リアリティの特性が浮かび上がる珠玉の2篇。

「愛する者は憎む」シルビナ・オカンポ,アドルフォ・ビオイ・カサーレス

愛する者は憎む (ルリユール叢書)
シルビナ・オカンポ,アドルフォ・ビオイ・カサーレス,寺尾隆吉
2025/02/26
幻戯書房

幻想的短編小説の名手シルビナ・オカンポと、名作『モレルの発明』の著者にして夫のアドルフォ・ビオイ・カサーレスが共作した唯一の長編小説。スペイン語圏に推理小説ブームを巻き起こすボルヘス監修の伝説的コレクション〈第七圏〉から刊行された名作の探偵小説が本邦初訳で登場。

「ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇」フリードリヒ・ヘッベル

ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇
フリードリヒ・ヘッベル,磯崎康太郎
2025/01/28
幻戯書房

フロイトやブレヒトにも影響を与えた、19世紀ドイツ最大の悲劇作家フリードリヒ・ヘッベルーー中世叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に忠実な劇作化が試みられ、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』四部作と双璧をなすことになった、最後の観念劇とも言われるヘッベル晩年の大傑作。

フロイトやブレヒトにも影響を与えた、19世紀ドイツ最大の悲劇作家フリードリヒ・ヘッベルーー中世叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に忠実な劇作化が試みられ、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』四部作と双璧をなすことになった、最後の観念劇とも言われるヘッベル晩年の大傑作。

「ユダヤ人の女たち」マックス・ブロート

ユダヤ人の女たち
マックス・ブロート,中村寿
2024/12/24
幻戯書房

文学の徒にして親友だったフランツ・カフカの遺言に逆らい、遺稿を守って亡命、カフカ全集を編纂して世界文学に貢献した作家・翻訳家マックス・ブロート――1910年代チェコのギムナジウムに通うドイツ系ユダヤ人青年の恋愛と蹉跌を赤裸に描く、ブロートの自伝的小説。本邦初訳。

「失われたスクラップブック」エヴァン・ダーラ

失われたスクラップブック
エヴァン・ダーラ,木原善彦
2024/11/26
幻戯書房

“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!

「スリー」アン・クイン

スリー (ルリユール叢書)
アン・クイン,西野方子
2024/10/28
幻戯書房

B・S・ジョンソンらと並び、1960年代イギリスで実験小説を発表し、女性であることの困難にも向き合った前衛作家アン・クイン。行方不明の少女が遺したテープと日記帳が夫婦二人の日常を軋ませ、次第に蝕んでいく――作者の自伝的要素も組み込まれた奇妙な長編小説。本邦初訳。

「ジュネーヴ短編集」ロドルフ・テプフェール

ジュネーヴ短編集 (ルリユール叢書)
ロドルフ・テプフェール,加藤一輝
2024/10/28
幻戯書房

手書きの文字と線画を組み合わせ、コマ割マンガの創始者となったジュネーヴの作家ロドルフ・テプフェール――諧謔精神あふれる半自伝的小説「伯父の書斎」、アルプスの風土をスイスことばで描いた冒険譚「アンテルヌ峠」など珠玉の全8篇をテプフェール自身の挿絵つきで収録。本邦初訳。

「愛する者は憎む」シルビナ・オカンポ,アドルフォ・ビオイ・カサーレス

愛する者は憎む (ルリユール叢書)
シルビナ・オカンポ,アドルフォ・ビオイ・カサーレス,寺尾隆吉
2025/02/26
幻戯書房

幻想的短編小説の名手シルビナ・オカンポと、名作『モレルの発明』の著者にして夫のアドルフォ・ビオイ・カサーレスが共作した唯一の長編小説。スペイン語圏に推理小説ブームを巻き起こすボルヘス監修の伝説的コレクション〈第七圏〉から刊行された名作の探偵小説が本邦初訳で登場。

「ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇」フリードリヒ・ヘッベル

ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇
フリードリヒ・ヘッベル,磯崎康太郎
2025/01/28
幻戯書房

フロイトやブレヒトにも影響を与えた、19世紀ドイツ最大の悲劇作家フリードリヒ・ヘッベルーー中世叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に忠実な劇作化が試みられ、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』四部作と双璧をなすことになった、最後の観念劇とも言われるヘッベル晩年の大傑作。

フロイトやブレヒトにも影響を与えた、19世紀ドイツ最大の悲劇作家フリードリヒ・ヘッベルーー中世叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に忠実な劇作化が試みられ、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』四部作と双璧をなすことになった、最後の観念劇とも言われるヘッベル晩年の大傑作。

「ユダヤ人の女たち」マックス・ブロート

ユダヤ人の女たち
マックス・ブロート,中村寿
2024/12/24
幻戯書房

文学の徒にして親友だったフランツ・カフカの遺言に逆らい、遺稿を守って亡命、カフカ全集を編纂して世界文学に貢献した作家・翻訳家マックス・ブロート――1910年代チェコのギムナジウムに通うドイツ系ユダヤ人青年の恋愛と蹉跌を赤裸に描く、ブロートの自伝的小説。本邦初訳。

「失われたスクラップブック」エヴァン・ダーラ

失われたスクラップブック
エヴァン・ダーラ,木原善彦
2024/11/26
幻戯書房

“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!

「スリー」アン・クイン

スリー (ルリユール叢書)
アン・クイン,西野方子
2024/10/28
幻戯書房

B・S・ジョンソンらと並び、1960年代イギリスで実験小説を発表し、女性であることの困難にも向き合った前衛作家アン・クイン。行方不明の少女が遺したテープと日記帳が夫婦二人の日常を軋ませ、次第に蝕んでいく――作者の自伝的要素も組み込まれた奇妙な長編小説。本邦初訳。

「ジュネーヴ短編集」ロドルフ・テプフェール

ジュネーヴ短編集 (ルリユール叢書)
ロドルフ・テプフェール,加藤一輝
2024/10/28
幻戯書房

手書きの文字と線画を組み合わせ、コマ割マンガの創始者となったジュネーヴの作家ロドルフ・テプフェール――諧謔精神あふれる半自伝的小説「伯父の書斎」、アルプスの風土をスイスことばで描いた冒険譚「アンテルヌ峠」など珠玉の全8篇をテプフェール自身の挿絵つきで収録。本邦初訳。

ルリユール叢書ににまつわる読みもの、書評と動画

じんぶん堂
〈ルリユール叢書〉から世界文学の翻訳を考える——文学の仲介者ヴァレリー・ラルボーとともに(2024.09.09)

ヴァンパイアと「遊ぶ」研究――『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』のねらい(2024.02.20)

〈ルリユール叢書〉の楽しみ(2023.11.28/文筆家・山本貴光)

「ノストローモ(我々の友)」という問い――「我々」のことばに訳されたコンラッド(2022.08.16)

幻景のメキシコシティ――「かつて」の地層を描きだすポニアトウスカの小説世界(2023.07.25)

ピェールへの旅――メルヴィル『ピェール』新訳とゆかりの地探訪(2022.12.20)

翻訳ミステリー大賞シンジケート
第85回『反動分子』(執筆者・瀬名秀明)(2022.05.10/記事下にルリユール叢書の紹介)

果てなき“文芸の共和国”を目指す〈ルリユール叢書〉とはーーひとり編集部で30冊刊行できたわけ(2022.04.25)

デンマーク詩人が紡いだプレパラートの中の言葉 ――ふたたび世界に出逢うまで(2021.07.23)

BOOKS 青いカバ Xより
ルリユール叢書の凄さはラインナップもさることながら、版元の幻戯書房が卸値60%で、書店は70%ほどで入荷可能なこと。手にした方はその定価の高さにびっくりするかもしれないが、書店版元訳者がきちんと生きていくためにはこのくらいの価格になる、ということなのだろう。継続的に(これ大事)→

「きちんと全力で作っていきます。」という編集者の気概は、それこそラインナップをみれば明らか。 「高くて買えない」という気持ちは痛いほどわかる。だから誤解を恐れずに「図書館にリクエストすることもシリーズの応援にはなります」と言いたい。 そして買える人は買って欲しい。買える人は買って。(2021.05.19)


Mikiki by TOWER RECORDS
翻訳をめぐる旅で共鳴した2冊――松永美穂のエッセイ集とポール・ヴァレリー『メランジュ』の新訳を読んで(2024.11.29)

ALL REVIEWS
『運河の家 人殺し』(幻戯書房) – 著者:ジョルジュ・シムノン 翻訳:森井 良 – 若島 正による書評(2024.09.18)

作品メモランダム
「〈ルリユール叢書〉から世界文学の翻訳を考える」(2024.08.03/山本貴光さんのブログ)

COLORFUL
今月のベスト・ブック 幻想と怪奇『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』|今月のベスト・ブック 幻想と怪奇(2024.05.14)

好書好日
世界に広がる伝説を味わい、学ぶ 吸血鬼のルーツをたどる古典と評論3点(2024.03.02)

産経ニュース
ビクトリア朝の大ヒット災害小説が完訳 ブルワー=リットン『ポンペイ最後の日 上・下』 <書評>評・平戸懐古(翻訳家)(2024.09.15)

【書評】『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』 「吸血貴族」を刷新する 評・平戸懐古(翻訳家)(2024.02.18)

【書評】息もつかせぬ冒険譚 『シャーンドル・マーチャーシュ』ジュール・ヴェルヌ著、三枝大修訳(2023.06.25)

WEB本の雑誌
【今週はこれを読め! SF編】不死者の欲望と葛藤〜森口大地編訳『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』 – 牧眞司(2024年2月13日)

人間の感情ヘドロをえぐり出す『壁の向こうへ続く道』 – 新刊めったくたガイド(本の雑誌2022年3月号)

比類なき円錐小説ベルンハルト『推敲』に大満足! – 新刊めったくたガイド(本の雑誌2021年11月号)

血と情念が燃え上がるヨクナパトーファ・サーガの原点 – 新刊めったくたガイド(本の雑誌2021年9月号)

産経ニュース
【ビブリオエッセー】言葉の標本箱のような 「ニルス・リューネ」イェンス・ピータ・ヤコブセン著 奥山裕介訳(幻戯書房ルリユール叢書)(2023.6.19)

翻訳ミステリー大賞シンジケート
謎解きミステリのグッド・オールド・デイズ~H・H・ホームズ『九人の偽聖者の密室』ほか(執筆者:ストラングル・成田)(2022.10.25)

夢が形に~レオ・ブルース『レオ・ブルース短編全集』ほか(執筆者:ストラングル・成田)(2022.06.01)

ジョルジュ・シムノン『運河の家 人殺し』(執筆者・森井良)(2022.04.22)

女だって完璧ってわけじゃない~ジェイムズ・M・ケイン『ミルドレッド・ピアース』他(執筆者:ストラングル・成田)(2021.05.05)

美しき闖入者・三態~ダフネ・デュ・モーリア『原野の館』他(執筆者:ストラングル・成田)(2021.03.30)

artscape
フリードリヒ・シュレーゲル『ルツィンデ 他三篇』:artscapeレビュー(2022.06.07)

好書好日
「仮面の陰に あるいは女の力」 別名義で書いた 抑圧への復讐譚 朝日新聞書評から(2021.05.01)

幻戯書房編集部
『呪われた詩⼈たち』『アムール・ジョーヌ』刊⾏記念対談(前編)(2020.05.05)
『呪われた詩⼈たち』『アムール・ジョーヌ』刊⾏記念対談(後編)(2020.05.13)

毎日新聞
知られざる世界の名作に光 幻戯書房の「ルリユール叢書」 翻訳者の情熱を感じ(2020.02.05)

マガジン航[kɔː]
読書という〈遅い文化〉を守るために投じた一石――幻戯書房・田尻勉さんに聞く(2019.07.01)


YouTube「文学系チャンネル【スケザネ図書館】」
ブックニュースラジオ2021年6月号【スケザネ図書館】【雑談と本にまつわるニュースについて】【ルリユール叢書】(約2時間6分/2021.06.05)

Youtube「Michihiro Hirabayashi」
ピエール・ルヴェルディ『魂の不滅なる白い砂漠 詩と詩論』 ルリユール叢書 幻戯書房 訳者による紹介動画(約10分/2021.12.15)

Spotify
走ることについて語ること/フレンチ・ミステリの翻訳 – 森のクマさんのポッドキャスト(約46分/2022.04.29)

幻戯書房編集部
チャールズ・ディケンズ『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』刊行記念/収録作「ひいらぎ旅館の下足番」朗読音声公開(2019.11.14)

ルリユール叢書の本(2024)つづき

「メランジュ 詩と散文」ポール・ヴァレリー

メランジュ 詩と散文 (ルリユール叢書)
ポール・ヴァレリー,鳥山定嗣
2024/08/26
幻戯書房

定型韻文詩、自由韻文詩、自由詩、散文、散文詩を混在させ、挿絵とテクストを混淆させた詩人ヴァレリーの精神としての書物――「雑纂」「断章」の文学ジャンルの系譜を、新たな書法(エクリチュール)で切り開く〈散文と詩の混淆(メランジュ)〉。ヴァレリー自身の手による銅版画挿絵入り初版本新訳の決定版。

「不審人物 故人 自叙伝」ブラニスラヴ・ヌシッチ

不審人物 故人 自叙伝 (ルリユール叢書)
ブラニスラヴ・ヌシッチ,奥彩子,田中一生
2024/08/26
幻戯書房

激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチ――官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。

「ポンペイ最後の日」エドワード・ブルワー゠リットン

ポンペイ最後の日 (上) (ルリユール叢書)
エドワード・ブルワー゠リットン,田中千惠子
2024/06/25
幻戯書房

華麗な古代ポンペイを舞台にギリシア人美女をめぐり青年貴族と魔術師が対決。魔術、占星術、イシス女神を駆使し、人間の愛憎、キリスト教の黎明、剣闘士の死闘を描く。小説『ペラム』で一世を風靡したブルワー=リットンの波乱万丈の歴史小説ー不朽の名作が待望の完訳でよみがえる。

「二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇」エドワード・ブルワー゠リットン

二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇 (ルリユール叢書)
ドヴィド・ベルゲルソン,デル・ニステル,田中壮泰,赤尾光春
2024/05/01
幻戯書房

東欧ユダヤ文化の「生き証人」としてポグロム(虐殺)と亡命の記憶を活写した、ドヴィド・ベルゲルソン。「隠遁者」の筆名でスターリニズムのテロルを予感させる幻想的な作品を発表した、デル・ニステル。スターリン時代に粛清されたイディッシュ文学の代表作家二人の傑作短編集。

「ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集」ラウパッハ、シュピンドラー他

ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集 (ルリユール叢書)
エルンスト・ラウパッハ,カール・シュピンドラー,ゴットフリート・ペーター・ラウシュニク,ルドルフ・ヒルシュ,フランツ・ゼーラフ・クリスマー,ヨーゼフ・リッター・ヴィーザー・フォン・メーレンハイム,森口大地
2024/01/29
幻戯書房

ポリドリ『ヴァンパイア』ブームのさなか、1820~30年代にかけて発表された、ラウパッハ『死者を起こすなかれ』、シュピンドラー『ヴァンパイアの花嫁』など怪縁が織りなすドイツ・ヴァンパイア文学傑作短編集。本邦初訳。ヴァンパイア学者が詳述する訳者解題「ヴァンパイア文学のネットワーク」を併録。

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