- 共和国の本の一覧表
- 共和国のこと
- 「こじらせ男子とお茶をする」月と文社
- 共和国の気になる本
- 「レモン石鹼泡立てる」東直子
- 「収容所のプルースト」ジョゼフ・チャプスキ
- 「狂喜の読み屋」都甲幸治
- 「熊楠と猫」南方熊楠ほか
- 「ポルトガル、西の果てまで」福間恵子
- 「独裁者のブーツ」ヨゼフ・チャペック
- 「食べること考えること」藤原辰史
- 「たぬきの本」村田哲郎,中村沙絵ほか
- 「第三風景宣言」ジル・クレマン
- 「小松川叙景」小林坩堝
- 「植物園の世紀」川島昭夫
- 「カフェ・シェヘラザード」アーノルド・ゼイブル
- 「凧」ロマン・ガリ
- 「夜明けの約束」ロマン・ガリ
- 「鏡のなかのボードレール」くぼたのぞみ
- 「総統はヒップスター」ジェイムズ・カー,アルチャナ・クマール
- 「ウラジーミルPの老年時代」マイケル・ホーニグ
- 「ナチスのキッチン」藤原辰史
- 「ミクロコスミ」クラウディオ・マグリス
- 「すてきなロウソク」長田真作
- 「源氏手帖」長谷川春子
- 「ドイツ映画零年」渋谷哲也
- 「ラングザマー 世界文学でたどる旅」イルマ・ラクーザ
- 「タブッキをめぐる九つの断章」和田忠彦
- 「ハバナ零年」カルラ・スアレス
- 「製本屋と詩人」イジー・ヴォルケル
- 「十九世紀イギリス自転車事情」坂元正樹
- 「三文オペラ」ベルトルト・ブレヒト
- 「破流 永山則夫小説集成1」永山則夫
- 「共和国国立図書館」館長、下平尾直さんのおすすめ本
共和国の本の一覧表
作品名 | 作家名 | 翻訳者 | 発売日 |
---|---|---|---|
金時鐘 ずれの存在論 | 李珍景 | 影本剛 | 2024/12/10 |
ルソーと人食い: 近代の「虚構」を考える | 冨田晃 | 2024/10/08 | |
第三風景宣言 | ジル・クレマン | 笠間直穂子 | 2024/09/09 |
ウラジーミルPの老年時代 (世界浪曼派) | マイケル・ホーニグ | 梅村博昭 | 2024/08/08 |
アートの潜勢力 | 岡田温司 | 2024/06/07 | |
ルディ・ドゥチュケと戦後ドイツ | 井関正久 | 2024/05/06 | |
大邱の敵産家屋 地域コミュニティと市民運動 | 松井理恵 | 2024/04/08 | |
捨て子ごっこ 永山則夫小説集成2 (2) | 永山則夫 | 2023/11/13 | |
破流 永山則夫小説集成1 (1) | 永山則夫 | 2023/11/06 | |
「命のヴィザ」の考古学 | 菅野賢治 | 2023/10/05 | |
森のような教師: 日本とドイツの学窓から | 渡邊隆信 | 2023/09/05 | |
新空位時代の政治哲学 クロニクル 2015-2023 | 廣瀬純 | 2023/08/07 | |
見知らぬ日本 (境界の文学) | グリゴーリー・ガウズネル | 伊藤愉 | 2023/07/28 |
源氏手帖 | 長谷川春子 | 2023/06/05 | |
たぬきの本: 里山から街角まで | 村田哲郎,中村沙絵,南宗明 上保利樹,萩野(文)賢一 | 2023/04/30 | |
ドイツ語圏のコスモポリタニズム 「よそもの」たちの系譜 | 菅利恵 | 2023/02/25 | |
アントピア だれもが自由にしあわせを 追求できる社会の見取り図 | ウォルター・モズリイ | 品川亮 | 2023/01/15 |
我方他方 サックス吹き・篠田昌已読本 | 大熊ワタル | 2022/12/15 | |
バッサ・モデネーゼの悪魔たち | パブロ・トリンチャ | 栗原俊秀 | 2022/11/10 |
レモン石鹼泡立てる (散文の時間) | 東直子 | 2022/10/31 | |
製本屋と詩人 | イジー・ヴォルケル | 大沼有子 | 2022/10/25 |
しかし語らねばならない 女・底辺・社会運動 | 郡山吉江 | 2022/09/30 | |
第二世界のカルトグラフィ (境界の文学) | 中村隆之 | 2022/08/15 | |
ダダ・カンスケという詩人がいた 評伝陀田勘助 | 吉田美和子 | 2022/06/28 | |
踊る女と八重桃の花 | 長谷川春子 | 2022/04/30 | |
アメリカ日系社会の音楽文化 越境者たちの百年史 | 早稲田みな子 | 2022/03/28 | |
琉球・沖縄寄留民の歴史人類学 移住者たちの生活戦術 | 玉城毅 | 2022/02/28 | |
ミクロコスミ (世界浪曼派) | クラウディオ・マグリス | 二宮大輔 | 2022/01/25 |
メディオーム ポストヒューマンのメディア論 | 吉田健彦 | 2021/12/15 | |
小松川叙景 | 小林坩堝 | 2021/11/30 | |
哲学JAM[白版]: 現代社会をときほぐす | 仲正昌樹 | 2021/04/01 | |
ポルトガル、西の果てまで | 福間恵子 | 2021/09/30 | |
「命のヴィザ」言説の虚構 リトアニアのユダヤ難民に何があったのか? | 菅野賢治 | 2021/08/06 | |
日本の体罰: 学校とスポーツの人類学 | アーロン・L・ミラー | 石井昌幸,坂元正樹 志村真幸,中田浩司 中村哲也 | 2021/06/08 |
レイシズムを考える | 清原悠 | 2021/05/31 | |
哲学JAM[青版]: 現代社会をときほぐす | 仲正昌樹 | 2021/04/30 | |
蔓延する東京: 都市底辺作品集 | 武田麟太郎 | 2021/01/20 | |
哲学JAM[赤版]: 現代社会をときほぐす | 仲正昌樹 | 2021/01/11 | |
活動写真弁史: 映画に魂を吹き込む人びと | 片岡一郎 | 2020/10/31 | |
スポーツ人類学 グローバリゼーションと身体 | ニコ・ベズニエ スーザン・ブロウネル トーマス・F・カーター | 川島浩平,石井昌幸 窪田暁,松岡秀明 | 2020/09/20 |
国道3号線: 抵抗の民衆史 | 森元斎 | 2020/08/15 | |
カフェ・シェヘラザード (境界の文学) | アーノルド・ゼイブル | 菅野賢治 | 2020/08/12 |
植物園の世紀: イギリス帝国の植物政策 | 川島昭夫 | 2020/07/16 | |
ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く | 松下隆志 | 2020/02/29 | |
アンタゴニズムス ポピュリズム〈以後〉の民主主義 | 山本圭 | 2020/02/25 | |
羽音に聴く: 蜜蜂と人間の物語 | 芥川仁 | 2020/02/18 | |
凧 (世界浪曼派) | ロマン・ガリ | 永田千奈 | 2020/02/12 |
断片 1926-1932 | 萩原恭次郎 | 2020/01/13 | |
独裁者のブーツ: イラストは抵抗する | ヨゼフ・チャペック | 増田幸弘 増田集 | 2019/09/30 |
薔薇色のアパリシオン 冨士原清一詩文集成 | 冨士原清一,京谷裕彰 | 2019/08/28 | |
いやな感じ | 高見順 | 2019/06/26 | |
評伝ジャン・ユスターシュ 映画は人生のように | 須藤健太郎 | 2019/04/27 | |
ロシア構成主義: 生活と造形の組織学 | 河村彩 | 2019/02/28 | |
ハバナ零年 | カルラ・スアレス | 久野量一 | 2019/02/28 |
いてつくボタン | 長田真作 | 2019/01/14 | |
きらめくリボン | 長田真作 | 2019/01/14 | |
三文オペラ | ベルトルト・ブレヒト | 大岡淳 | 2018/10/20 |
渚に立つ 沖縄・私領域からの衝迫 (境界の文学) | 清田政信 | 2018/08/13 | |
[新版]黙って野たれ死ぬな | 船本洲治 | 2018/06/30 | |
プロパガンダの文学 日中戦争下の表現者たち | 五味渕典嗣 | 2018/05/30 | |
熊楠と猫 | 南方熊楠,杉山和也,志村真幸 岸本昌也,伊藤慎吾 | 2018/04/21 | |
[増補新版]抵抗者たち 反ナチス運動の記録 | 池田浩士 | 2018/03/28 | |
すてきなロウソク | 長田真作 | 2018/01/31 | |
収容所のプルースト | ジョゼフ・チャプスキ | 岩津航 | 2018/01/27 |
ダダイストの睡眠 | 高橋新吉,松田正貴 | 2017/08/13 | |
夜明けの約束 (世界浪曼派) | ロマン・ガリ | 岩津航 | 2017/06/09 |
ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 | ルスタム・カーツ | 梅村博昭 | 2017/06/09 |
回想の青山光二 資料で読む「最後の文士」の肖像 | 池内規行 | 2017/05/20 | |
群島と大学: 冷戦ガラパゴスを超えて | 石原俊 | 2017/04/10 | |
タブッキをめぐる九つの断章 (境界の文学) | 和田忠彦 | 2016/12/23 | |
汚れた戦争: 1914-1918 | タルディ,ヴェルネ | 2016/12/10 | |
[新装版]記号と機械: 反資本主義新論 | マウリツィオ・ラッツァラート | 杉村昌昭 松田正貴 | 2016/12/01 |
塹壕の戦争: 1914-1918 | タルディ | 藤原貞朗 | 2016/11/07 |
ラングザマー: 世界文学でたどる旅 (境界の文学) | イルマ・ラクーザ | 山口裕之 | 2016/11/07 |
戦争に負けないための二〇章 | 池田浩士,髙谷光雄 | 2016/07/29 | |
[決定版]ナチスのキッチン 「食べること」の環境史 | 藤原辰史 | 2016/07/05 | |
鏡のなかのボードレール (境界の文学) | くぼたのぞみ | 2016/06/09 | |
第一次世界大戦を考える | 藤原辰史 | 2016/05/13 | |
異端者たちのイギリス | 志村真幸 | 2016/04/29 | |
日本文化に何をみる? ポピュラーカルチャーとの対話 | 東谷護,マイク・モラスキー ジェームス・ドーシー,永原宣 | 2016/04/12 | |
燃えるキリン 黒田喜夫 詩文撰 | 黒田喜夫 | 2016/01/15 | |
革命のジョン・レノン サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ | ジェイムズ・A. ミッチェル | 石崎一樹 | 2015/12/12 |
残響のハーレム ストリートに生きるムスリムたちの声 | 中村寛 | 2015/11/16 | |
誰も知らない 香港現代思想史 | 羅永生,丸川哲史,鈴木将久 羽根次郎 | 2015/08/14 | |
ドイツ映画零年 (散文の時間) | 渋谷哲也 | 2015/08/05 | |
[新装版]遊廓のストライキ 女性たちの二十世紀・序説 | 山家悠平 | 2015/05/10 | |
十九世紀イギリス自転車事情 | 坂元正樹 | 2015/03/28 | |
お前は俺を殺した | 佐々木治己 | 2015/02/05 | |
総統はヒップスター | ジェイムズ・カー アルチャナ・クマール | 波戸岡景太 | 2014/09/16 |
食べること考えること | 藤原辰史 | 2014/06/23 | |
狂喜の読み屋 | 都甲幸治 | 2014/06/23 |
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共和国のこと
共和国 editorial republica
世界を書物でロマン化します。
10年20年経っても地道に読まれ、表紙やカバーが手になじんでくるような本。紙背や行間に想像力や空想力が結晶し、ページを開くとこぼれおちてくるような本。
いまはまだ現実には存在しないけれども、著者と読者、あるいはその本の成立に関わった印刷製本業者や売り手の想像力をも巻き込んでつくられた、書物という媒体にオリジナルな空間のことを、共和国と呼びたいのです。
たまたま、出版社関連のXをお散歩していてたどり着いた共和国。水声社の編集者だった下平尾直さんが、2014年月に東京都東久留米市に作ったひとり出版社(ご自宅)で、代表(総統)を務めている。
気になる出版社さんを見つけたら、まずはインタビューなどを探すというのが、最近のパターンなので、いつものようにネットを漁る。
版元ドットコム
人を食って人を売るために
面白すぎる、と思ってしまった。たぶん、不意打ちだったというのもあるのかもしれない。こういうところで、こんな感じの文章に出会うとは思わなかったから。自分のことを「シモヒラオ氏」と呼ぶところも好き。
ひとり出版社には、そういう苦労もあるんだ、大変だ。でも、この記事のリンクをブログに載せたりしたら、その人たちに見つかって、ひどい目にあったりしてしまうのかな、などと少し不安に思いながら読んでいったら、フィクションだと言われた(それに近いことは、実際にあったのだろうが)。
本ではなく人を売りたいのであって、単に作品を売りたいのではないのである。その人を世に出したいのである。
版元ドットコムの「版元日誌」は、他にもいろいろ読んでみた。やっぱり、下平尾さんの文章は群を抜いて魅力的。これは2016年に書かれたものだけど、その続きが読みたくなってしまった。
本書では「振り切った生き方をしてきた男性」とゆるく定義し、6人の方々にじっくりお話を聞きました。
『こじらせ男子とお茶をする』月と文社
そしてなんと、先日発売されて気になっていた、月と文社さんの『こじらせ男子とお茶をする』に、下平尾直さんのインタビューが載っているという。その筋では、とても有名な方だったのですね。他も気になる方ばかり。
論座アーカイブ
ひとり出版社「共和国」の野望と恥じらい – 渡部朝香
インタビューを探していたら「下平尾直名言集」なるものを集めた記事も見つけました。「愛蔵率」という考え方、素敵だね。「引っ越ししても処分したくない本」って話もどこかで見かけた。
月と文社さん、『こじらせ男子』のスピンオフとして『下平尾直名言集』(もしくはエッセイ)出してくれないかな。もちろん共和国さんで出してくれるのが一番だけれども、シャイな感じだから、出さなそう。
↓この言葉とか、言葉としても素敵だけど、下平尾さんの声、話す言葉として聞いたら、また違って聞こえるのかな。お話聞きたいね。
出版業界では返品率がよく取り上げられますが、『愛蔵率』を意識しています。これは数値化できませんが、愛蔵してほしい、そしてぼろぼろになるまで読んでもらえるような本をつくりたいという思いだけは、いっちょまえにあるんです。
他のインタビューや書いた文章を見ても、名言と呼びたくなるような素敵な言葉や、熱い言葉がちらほら。でもそんな自分を隠すかのように、「生まれてすみません。」とか言ってしまうところがまた可愛らしい。
私の入り口は文章からでしたが、下平尾さんの魅力は、その人柄とか、トークとか、もちろんお仕事とか、他にもいろいろありそうな感じ。なので、遠くからこっそり見守りたいと思います。
下平尾 直:ひとり出版社「共和国」代表。文化批判的な書物を圧倒的な熱量で刊行する、存在感際立つ版元
『こじらせ男子とお茶をする』月と文社
共和国さんの本、重厚な本、攻めた感じの本が多めなのでどうしようと思って見てみたら、姉妹ブログで既に紹介していたものがありました。
東直子さんの『レモン石鹸泡立てる』という本。表紙もタイトルもずいぶんと乙女な本を、あの下平尾さんが(お写真、動画を拝見した)。この本を出すことになった経緯が知りたい。
帯なんて はぎとって早く読め! ことばの海に 素っ裸で飛びこめ
共和国の創刊ラインナップのうちの1冊が、翻訳家・都甲幸治さんによるブックガイド『狂喜の読み屋』。帯の文句がかなり攻めてる(「定価2400円+悪税」と印刷してしまう遊び心も)。
「遅い読書 まえがきにかえて」がいいと、みんな言う。読みたい本が増えて困る、熱い本紹介とともに、たくさんの本を読んできた、都甲さんならではの読み方も参考になりそう。
【追記】帯と言えば『三文オペラ』のそれもすごかった。その文句にそそられた方はぜひ、読んでみて。私は、恥ずかしくてとても読みたいとは言えないけれど。
もうひとつ気になったのが、『植物園の世紀』という本。宗利淳一さんによる美しい装丁、少しクセのあるフォントもいい。この本は著者の川島昭夫さんの遺作。↑この書評によると、作業を引き継いだ志村真幸さんだけではなく、下平尾さんも川島さんの教え子。思い入れの深い本。
この本自体は、「なぜこの英国艦はカリブ海までパンノキを運んだのか」という「バウンティ号の反乱」の話など、イギリス本国と植民地の「植物園」をテーマにした論考八篇を一冊にまとめたもの。プラント・ハンターなんかも登場するらしく、楽しめそうな本だ。
著者の川島昭夫さんは、ジョスリン・ゴドウィンの『キルヒャーの世界図鑑』(工作舎)の翻訳を手がけた方。この本の解説は、澁澤龍彦さん、中野美代子さん、荒俣宏さんだそうで、こちらもとても面白そう。
共和国さんの本、装丁にこだわったものが多いみたいで、最近発売された『第三風景宣言』はなんと、三方が化粧断ちされていないアンカット本(初版1000部のみ)。ペーパーナイフでページを切りながら読むだなんて、そんな本なかなかお目にかかれるものではない。他にも、デザイン的に素敵な本がいろいろあるので、手にとってお確かめを。
そして、共和国さんの新刊には「共和国急便」という、下平尾さんの言葉を記した栞のような紙が挟み込まれているのだそう。巻末に書かれている編集後記より、特別感があっていいね。大事にしたくなる。
本が好き!
祝! #共和国 10周年読書会
そう、2024年は共和国さんは10周年(2014年の4月2日付で「株式会社 共和国」を樹立)という記念の年で、↑こんな楽しいお祭りが開かれていました。海外文学が多めで、レビューも参考になります。
「こじらせ男子とお茶をする」月と文社
『こじらせ男子とお茶をする』
月と文社,島田潤一郎,pha,佐々木典士,ファビアン,田中弦,下平尾直
2024/12/11
月と文社
下平尾直さんインタビューあり
「どこへ行ってもやっていけない気がした」「人と同じことをするのがいやだった」「自分を理解されてたまるか、と思っていた」――。元ニート、ミニマリスト、芸人、ひとり出版社経営者など、「主流」から逸脱し、振り切った生き方をしてきた30~50代の男性6人が登場。「何者かになるとは」から「オタクであること」まで、彼らならではの自意識との向き合い方や、世の中へのまなざしに触れる濃厚インタビュー集。
<本書に登場する男性たち>
島田潤一郎:ひとり出版社「夏葉社」代表。不器用な生き方を綴った『あしたから出版社』がロングセラー
pha:元“日本一有名なニート”。近著『パーティーが終わって、中年が始まる』が大ヒット中
佐々木典士:ミニマリスト。『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』が世界累計80万部突破のベストセラーに
ファビアン:芸人。吉本興業の第一芸人文芸部で活動。著書はショートショート小説『きょうも芸の夢をみる』
田中 弦:Unipos社長CEO。「人的資本開示のマニアック報告会」で上場企業経営者が大注目する異色の起業家
下平尾 直:ひとり出版社「共和国」代表。文化批判的な書物を圧倒的な熱量で刊行する、存在感際立つ版元
共和国の気になる本
「レモン石鹼泡立てる」東直子
『レモン石鹼泡立てる (散文の時間)』
東直子
2022/10/31
共和国
本のなかの世界は、永遠だ。–多忙な日々のかたわらにある本、大好きな作家や歌人たち、そして旅の思い出。なつかしい風景がよみがえる、待望の書評&エッセイ集。
定価1800円+悪税
「収容所のプルースト」ジョゼフ・チャプスキ
『収容所のプルースト』
ジョゼフ・チャプスキ,岩津航
2018/01/27
共和国
1939年のナチスとソ連による相次ぐポーランド侵攻。このときソ連の強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョゼフ・チャプスキ(1896 – 1993)は、零下40度の極寒と厳しい監視のもと、プルースト『失われた時を求めて』の連続講義を開始する。その2年後にチャプスキは解放されるが、同房のほとんどが行方不明となり、「カティンの森」事件の犠牲になるという歴史的事実の過程にあって、『失われた時を求めて』はどのように想起され、語られたのか? 現存するノートをもとに再現された魂の文学論にして、この長篇小説の未読者にも最適なガイドブック。
* 「カティンの森」事件……第二次世界大戦中にソ連の内務人民委員部によって2 万人以上に及ぶポーランド軍将校、官吏、聖職者らが虐殺された事件。アンジェイ・ワイダ監督による映画『カティンの森』(2007)でも知られる。
「狂喜の読み屋」都甲幸治
『狂喜の読み屋』
都甲幸治
2014/06/23
共和国
現代作家から古典まで、あの本この本のおもしろさを、かたっぱしからご紹介します!
町田康、筒井康隆、円城塔、金原ひとみ、伊坂幸太郎、トマス・ピンチョンのような現代作家から、織田作之助、野呂邦暢、小島信夫、スーザン・ソンタグ、サリンジャー、マーク・トウェイン、そしてマキャベッリ、ホッブスといった古典的名著まで! ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』などで「いま、いちばんおもしろい文学者」による、めくるめくブックガイド。ゲラを読んだいしいしんじさんが絶賛した「まえがきにかえて」は、独自の翻訳論にもなっていて必読です!
「熊楠と猫」南方熊楠ほか
『熊楠と猫』
南方熊楠,杉山和也,志村真幸,岸本昌也,伊藤慎吾
2018/04/21
共和国
生誕150年を経て、いまも話題がつきることのない稀代の人類学者、南方熊楠。
青春時代の海外留学中から最晩年まで、彼のそばにはつねに猫の影が――。そんな「熊と猫」の関係をめぐって、日記や著書はもちろん、直筆のイラスト、猫についての論考、猫を詠んだ俳句、友人に宛てた書簡などを断簡零墨まで集めました。
猫の目を通して熊楠のことがわかる、見ても読んでも楽しい1冊です。
[発掘資料・年表・ブックガイドも収録]
「ポルトガル、西の果てまで」福間恵子
『ポルトガル、西の果てまで』
福間恵子
2021/09/30
共和国
ポルトガルに通うようになって18年、13回の旅、滞在日数およそ220日。どうしてポルトガルなのか――。
城壁の村マルヴォアンで出会った恵さん。ヴィディゲイラで立ち寄ったパンとお菓子の祭り。リスボンの「ニコの食堂」では、タラのオリーブオイル焼きやワインに舌鼓を打つ。タブッキの『レクイエム』を想起しながら、フィルム・アーカイヴで観ることができた数々の映画……。
夫で詩人の映画監督、福間健二作品のプロデューサーとしても知られるエッセイストによる、魅惑のポルトガル紀行。*日本旅行作家協会が選ぶ第4回「旅の良書」に認定されました(2022年7月)。
「独裁者のブーツ」ヨゼフ・チャペック
『独裁者のブーツ: イラストは抵抗する』
ヨゼフ・チャペック,増田幸弘,増田集
2019/09/30
共和国
童話『こいぬとこねこのおかしな話』、あるいは『園芸家の12カ月』の挿画など弟カレルとのコラボ「チャペック兄弟」としても日本で人気の高いチェコスロヴァキアの画家でエッセイスト、ヨゼフ・チャペック(1887-1945)。彼はナチズムがヨーロッパを席捲する危機的な状況のもとで、自由と平和、そして民主主義のために、独自のユーモラスなタッチで、連作『独裁者のブーツ』をはじめ「反ファシズム」をテーマにした1コマ漫画や諷刺画を描きつづけました。
本書は当時の新聞紙に掲載された貴重な作品を集成し、強制収容所で没するまでの生涯をたどった、日本語版オリジナル編集です。
「食べること考えること」藤原辰史
『食べること考えること』
藤原辰史
2014/06/23
共和国
「食べものって、単なる死骸のかたまりなんですか?」――コピペ時代の「食」の歴史/物語。
ナチス時代の人びと、あるいは明治時代の貧民窟で暮らした人びとは、何を食べていたんだろう? 原発やTPPで揺れるわたしたちの食生活は、これからどうなっていくのだろう? ホコテンと公衆食堂が必要なわけは……? 歴史の細部から新しい物語をつむぎだし、エネルギーや生命倫理、生活文化 をめぐって、わたしたちに共考をうながす多彩なテクストを集めました。『ナチスのキッチン』で一躍脚光を浴びた著者と一緒に、これからの「食」や「農」のあり方について考えてみませんか?
「たぬきの本」村田哲郎,中村沙絵ほか
『たぬきの本: 里山から街角まで』
村田哲郎,中村沙絵,南宗明上保利樹,萩野(文)賢一
2023/04/30
共和国
動物? 置物? 化け物!? 民話や童謡に登場するなど、古くから私たちに身近な動物、たぬき。そんなたぬきの不思議な魅力に引きこまれた5人の人間たちが、独自の視点でその魅力を語り尽くします。
動物園での定点観察、子だぬきの飼育に奮闘する日々、信楽たぬきの謎、たぬきのイメージの変遷や日本と韓国の比較など、全ページにあふれる「たぬき愛」。新旧の「日本たぬき学会」会長による対談も収録し、写真や図表、イラストもふんだんにあしらって、立体的にたぬきの魅力に迫ります!
定価=2200円+悪税
「第三風景宣言」ジル・クレマン
『第三風景宣言』
ジル・クレマン,笠間直穂子
2024/09/09
共和国
被災地を考えるうえでも示唆的な空間、〈第三風景〉とはどこにあるのか? それは、人間が放棄した場所であり、人間が出入りを禁じた場所、そして人間が踏み入ったことのない場所のこと。そこが生物多様性のための避難所となる――。
—
『動いている庭』(みすず書房)などで、環境論/風景論/庭園論に新たなページを刻んだジル・クレマン(1943- )が、生物の多様性のための空間設計の指標として執筆し、世界各国で参照されている、実践のためのマニフェスト。*人間の支配の及ばない放棄地などに生物多様性の可能性をみる本書は、三方が化粧断ちされておらず「地」(頁の下部)が袋状に綴じられたままです。お手数ですが、充分に気をつけて、ペーパーナイフなどでカットしながらお読みください。コツは最初に地袋の部分をすべてカットすることです。ぜひ思い思いの仕上がりをお楽しみください。
「小松川叙景」小林坩堝
『小松川叙景』
小林坩堝
2021/11/30
共和国
第33回富田砕花賞受賞作
詩集『でらしね』(思潮社、2013)で鮮烈にデビューした詩人の最新作品集。2020年~21年に『アナキズム』紙などに連作として掲載され、大きな反響を呼んだ表題作に、書き下ろし詩篇および著者撮影の写真を加えて、待望の単行本化。見慣れた町のひずみを切り裂き、言語によって一変させる黒の詩群。
*第33回富田砕花賞受賞(2022年10月、芦屋市・芦屋市教育委員会主催)
「植物園の世紀」川島昭夫
『植物園の世紀: イギリス帝国の植物政策』
川島昭夫
2020/07/16
共和国
数々の映画や文学作品でも知られる「バウンティ号の反乱」(1789年)。なぜこの英国艦は、はるばるカリブ海までパンノキを運んでいたのか。イギリスの植民地戦略を担った植物学者やプラント・ハンターたちの姿を通して、現在では憩いの場として利用される「植物園」の起源を描き出す。イギリス帝国史研究の原点にして、長きにわたる著者の業績の精華。
「カフェ・シェヘラザード」アーノルド・ゼイブル
『カフェ・シェヘラザード (境界の文学)』
アーノルド・ゼイブル,菅野賢治
2020/08/12
共和国
ホロコーストを生き延びた〈生存者(サヴァイヴァー)〉たちの劇的な経験と記憶が、いま語られる……。
メルボルンに実在したカフェ《シェヘラザード》。ナチスに蹂躙された故国ポーランドを脱出し、奇跡的に杉原千畝のヴィザを取得。神戸、そして上海を経由して、はるばるオーストラリアにたどりついたユダヤ難民/移民たちの声が、カフェを舞台にポリフォニックに響く――。モノクローム映画のように静謐な筆致で現代史の局面を描き出した、オーストラリア在住の著者の代表作。
装画:宮森敬子*著者のアーノルド・ゼイブル氏が、その全業績に対してオーストラリアで最も重要な文学賞 Australia Council Award の Lifetime Achievement を受賞しました。(2021年4月20日)
「凧」ロマン・ガリ
『凧 (世界浪曼派)』
ロマン・ガリ,永田千奈
2020/02/12
共和国
戦後フランスの代表する作家ロマン・ガリ(1914-80)が、自殺する直前に遺した最後の長篇小説(原著1980年刊)。
稀代の凧揚げ名人を叔父にもつ主人公の少年リュドは、ポーランド人の令嬢リラに恋をするが、対ナチス戦によって2人は引き裂かれる。リラへの思いを募らせるリュドは、凧がふたたび自由に空を舞う日を取り戻すためにレジスタンスへと身を投じるが、それはフランス=善/ナチス=悪という図式が崩壊してゆく過程でもあった……。
日本でも再評価著しい作者の遺作。
小社刊『夜明けの約束』映画化上映(『母との約束、250通の手紙』、配給=松竹)記念出版。
「夜明けの約束」ロマン・ガリ
『夜明けの約束 (世界浪曼派)』
ロマン・ガリ,岩津航
2017/06/09
共和国
狂おしいまでの母の愛を、全身で受けとめる私の愛。純粋なふたつの愛の遍歴――。謎の多い作者の半生が赤裸々に語られる最高傑作。
史上唯一、ゴンクール賞を2度受賞した作家で外交官、女優ジーン・セバーグの伴侶にして、拳銃自殺を遂げたロマン・ガリ。その代表作であり、戦後フランスを象徴する自伝小説の白眉、ついに刊行。
「鏡のなかのボードレール」くぼたのぞみ
『鏡のなかのボードレール (境界の文学)』
くぼたのぞみ
2016/06/09
共和国
現代詩の始祖にして19世紀最大の詩人、シャルル・ボードレール。その恋人ジャンヌは、カリブ海出身で白人と黒人の混血女性でした。著者のくぼたのぞみさんは、詩人がかの女に捧げた「ジャンヌ・デュヴァル詩篇」を中心に語り、それらを訳し直しながら、さらにノーベル賞作家クッツェー『恥辱』へと、その思索を開いてゆきます――まるで割れた鏡の断片に、ふたりの姿が映し出されるように。それらの詩篇は、本邦初の女性訳『悪の華』ともなっています。
また、かの女を主人公にしたアンジェラ・カーター(Angela Carter)の傑作短篇「ブラック・ヴィーナス」(Black Venus)も新訳で収録。ボードレールを《世界文学》として読みかえるための、とても贅沢な1冊になりました。
新シリーズ[境界の文学]第1弾。
「総統はヒップスター」ジェイムズ・カー,アルチャナ・クマール
『総統はヒップスター』
ジェイムズ・カー,アルチャナ・クマール,波戸岡景太
2014/09/16
共和国
これが草食系メガネ男子のヒトラーによる「わが闘争」? 各国で話題騒然となったブラックなカルトコミック、ついに日本侵略開始!
「ウラジーミルPの老年時代」マイケル・ホーニグ
『ウラジーミルPの老年時代 (世界浪曼派)』
マイケル・ホーニグ,梅村博昭
2024/08/08
共和国
引退した元ロシア大統領Pの別邸を舞台に跳梁する、介護士! ピンハネ! 鶏肉料理!
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ウクライナとベラルーシの一部を占領ずみの2030年代ロシア。引退し、モスクワ郊外の別邸で暮らす元大統領ウラジーミルPは認知症を患い、夜な夜なチェチェン人に襲われる夢を見る。介護士のシェレメーチェフは、長年にわたって誠実に元大統領に尽くしているが、反政府活動によって逮捕された甥を獄中から救い出すために、多額の賄賂が必要となる。金策に行き詰まった彼は、元大統領の私物に手を出してしまうのだが……。
現代ロシア社会の内幕を、リアルに、コミカルに、哀切に、そして預言的に描く、怪小説の日本語版(2016年作品)。
◎ 『ニューヨーク・タイムズ』『デイリー・メール』など各紙誌絶賛!
◎ 装釘:宗利淳一/装画:Caffeine House
◎ 本体3000円+悪税
「ナチスのキッチン」藤原辰史
『[決定版]ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』
藤原辰史
2016/07/05
共和国
国民社会主義(ナチス)による支配体制下で、人間と食をめぐる関係には何が生じたのか? この強烈なモティーフのもと、竃(かまど)からシステムキッチンへ、近代化の過程で変容する、家事労働、レシピ、エネルギーなどから、「台所」という空間のファシズムをつぶさに検証し、従来のナチス研究に新たな一歩を刻んだ画期的な成果。第1回(2013年度)河合隼雄学芸賞を受賞した、著者の代表作。
「ミクロコスミ」クラウディオ・マグリス
『ミクロコスミ (世界浪曼派)』
クラウディオ・マグリス,二宮大輔
2022/01/25
共和国
作者の生地トリエステを舞台に、カフェから山岳地帯、小島、教会にいたるまで、アドリア海に面したこの境界の地の歴史と空間を縦横無尽に描き出し、微に入り細を穿ちながら、そこに小宇宙(ミクロコスミ)を浮上させる稀有のロマン。近年もカフカ賞を受賞し、ノーベル文学賞候補となるなど、現代イタリア文学の巨匠として君臨する小説家/研究者、クラウディオ・マグリスの代表作。
本作は1997年のストレーガ賞受賞作であり、著者の邦訳としては初めてイタリア語原語から翻訳された。
「すてきなロウソク」長田真作
『すてきなロウソク』
長田真作
2018/01/31
共和国
いまもっとも輝いている絵本作家がこどもたちに贈る、新しい予感と刺激にみちたモノクロ映画のような、とんがりあたまのパロムのものがたり。きらめく感性と独特の世界観がおおきな音をひびかせる、64ページの書きおろし長篇です。
「源氏手帖」長谷川春子
『源氏手帖』
長谷川春子
2023/06/05
共和国
“「戦時下の様々の統制がいくら厳しくなつても、画家の心は少しも貧困にはならないものだ。」
初期の奔放なイラストやエッセイを収録した『踊る女と八重桃の花』(小社刊)につづく作品集、第2弾。
戦時下アジアの女性たちの姿から、舌鋒鋭い戦後の戯画漫文。さらに畢生の連作「源氏手帖」まで、めくるめく長谷川春子の世界を、カラー図版や新発見の原稿・画稿も紹介しながら展開します。
第1部は、戦時下の満洲、中国、ベトナムなどアジア各地で生きる女性たちの姿。第2部は、映画評からSFまで、銃後で執筆された散文集。第3部は、ますます毒舌が冴えわたる戦後のエッセイ集。第4部は、グラフ誌に連載されたまま埋もれていた「源氏手帖」(計18回)をオールカラーで単行本初収録。ほかに16ページのカラー口絵と詳細な解説を附す。定価=2700円+悪税
「ドイツ映画零年」渋谷哲也
『ドイツ映画零年 (散文の時間)』
渋谷哲也
2015/08/05
共和国
ナチスのプロパガンダ映画を撮ったレニ・リーフェンシュタールをはじめ、政治や犯罪と融合した高度な思想性にこそ魅力を放つドイツ映画。ヴァイマル時代から戦後のファスビンダー、ストローブ=ユイレ、そして移民映画の数々にいたる《映像の世紀》の検証を通して映画史の顚覆を謀る映像論の集成。
「ラングザマー 世界文学でたどる旅」イルマ・ラクーザ
『ラングザマー: 世界文学でたどる旅 (境界の文学)』
イルマ・ラクーザ,山口裕之
2016/11/07
共和国
多和田葉子さん推薦!
国際的な作家であり翻訳家、そして世界文学のしたたかな読み手である著者が、本を読むことによって「ラングザマー(もっとゆっくり)」とした時間の回復を試みる、極上の世界文学ガイド/読書論。本書が著者の単行本としては本邦初訳。
いま、わたしたちを取り巻くこの世界から脱出し、本のなかを流れる時間に身を委ねて、まだ見ぬもうひとつの日常、もうひとつの風景へ――。
「タブッキをめぐる九つの断章」和田忠彦
『タブッキをめぐる九つの断章 (境界の文学)』
和田忠彦
2016/12/23
共和国
『インド夜想曲』『レクイエム』などで現代イタリア文学に圧倒的な足跡を刻んだアントニオ・タブッキ。かれの最良の理解者のひとりにして友、そして翻訳者でもある著者が描き出す、タブッキに寄り添って歩んだ《旅》のメモランダム。夢や虚構と現実のあわいを生きたタブッキの風景と記憶が、かずかずの断片のなかに浮かびあがる。
タブッキの短篇「元気で」、そして1997年に収録されたふたりの対談を付す。
「ハバナ零年」カルラ・スアレス
『ハバナ零年』
カルラ・スアレス,久野量一
2019/02/28
共和国
カオス理論とフラクタルを用いて、電話がキューバで発明された事実を証明せよ!?
1993年、深刻な経済危機下のキューバ。数学教師のジュリアは、世界で最初の電話がハバナで発明されたことを証明する、イタリア人発明家アントニオ・メウッチの重要な自筆文書の存在を知る。その文書をめぐって、作家、ジャーナリスト、そして元恋人までが虚々実々の駆け引きと恋を展開するが……。
キューバ出身の新鋭作家が、数学とミステリーの要素を巧みに織り込んで挑んだ代表作。
[2012年カルベ・ド・ラ・カリブ賞受賞作]
「製本屋と詩人」イジー・ヴォルケル
『製本屋と詩人』
イジー・ヴォルケル,大沼有子
2022/10/25
共和国
20世紀初頭のチェコを代表する革命詩人、イジー・ヴォルケル(1900-24)が、その短い生涯に遺した数多くの童話と詩から精選した、日本初の作品集。子どもや虐げられた者たちの低い視線に映し出される社会を描いた童話5篇に、故郷モラヴィア地方や性愛をうたった詩や社会的バラッド24篇、さらにカレル・タイゲと共同執筆したマニフェスト「プロレタリア芸術」を収録。この稀有な詩人の姿が、ついにあきらかになる!
装画:ヨゼフ・チャペック
装幀:宗利淳一定価=2500円+悪税
「十九世紀イギリス自転車事情」坂元正樹
『十九世紀イギリス自転車事情』
坂元正樹
2015/03/28
共和国
すべての自転車ユーザーに捧げます!
「自転車趣味」はこうして生まれた――この不思議な形の乗り物の「進化論」。
わたしたちの日常生活に欠かせない移動手段・自転車は、なぜ現在のような形態になったのか? 1880年代の英国で、趣味から娯楽・スポーツへと発展した、前輪の大きな「オーディナリ型自転車」の発展と消滅を、雑誌・地図・旅行記・カタログなど、豊富な資料を駆使して描き出す《自転車秘史》。
「三文オペラ」ベルトルト・ブレヒト
『三文オペラ』
ベルトルト・ブレヒト,大岡淳
2018/10/20
共和国
“最悪。マジ最悪。うちの娘の性欲はパンッパンだぞ!”
ロンドンの貧民街に暗躍する乞食たちを描き、《ドイツ黄金の20 年代》の光と闇を切り裂いたブレヒト不朽の名作を、気鋭の演出家がキレッキレの日本語で訳しおろす。
クルト・ヴァイルの名曲群がファシズム前夜の都市を照射する、痛快無比の音楽劇!
《東京芸術祭2018》の『野外劇 三文オペラ』で採用された最新日本語訳。
「破流 永山則夫小説集成1」永山則夫
『破流 永山則夫小説集成1 (1)』
永山則夫
2023/11/06
共和国
やがて何もかもが、分る日が来るだろう。生きていれば――。
貧困、DV、ネグレクト、バックレ、密航、窃盗、そして……。故・永山則夫の自伝的小説を全2巻に初めて集成。本巻には代表作「木橋」「土堤」「なぜか、アバシリ」「破流」のほか、「小説家以前」となる異稿や習作を単行本初収録。
解説=早助よう子 × マニュエル・ヤン
投げ込み附録=赤井浩太、川村湊、渡邊英理
定価=3400円+悪税
永山則夫さんについて | 永山子ども基金
永山 則夫「異水」 | 米福屋(こめふくや)
共和国Xより
「現在発売中の『ふぇみん婦人民主新聞』(2024年6月15日号)では、昨年末に刊行した『永山則夫小説集成』について取材していただきました。いつもありがとうございます! グラサンで怪しさ全開です!…
共和国Xより
「先週の『図書新聞』(3616号)に寄稿した拙稿を添付します。『永山則夫小説集成』については、これまでも版元として文章化する機会をいただいてきたのですが、発行者/編集者としてというより、一読者としてこのかん思っていたことを記しました…
「共和国国立図書館」館長、下平尾直さんのおすすめ本
東久留米市の図書館フェス「ひとハコ図書館」より。
下平尾さんがどんなことを大切にされているのか、
よくわかる選書。
初回より毎年参加されているみたいです。
東久留米市ホームページ
図書館フェス2024 ひとハコ図書館
「共和国10周年記念図書館」
図書館フェス2023 ひとハコ図書館
「世の中を底辺から考える図書館」
図書館フェス2022 ひとハコ図書館
「すべてを疑え!図書館」
図書館フェス2021 ひとハコ図書館
「世のなかをナナメに見る 図書館」
図書館フェス2020 ひとハコ図書館めぐり
「共和国版「世界文学全集」」
図書館フェス2019 ひとハコ図書館めぐり
「こんな世のなかはおかしいと一緒に考えるための図書館」
図書館フェス2018 ひとハコ図書館めぐり
「共和国国立図書館 東久留米分館」
図書館フェス2017 ひとハコ図書館めぐり
「共和国国立図書館付属資料館」
図書館フェス2016 みんなのひとハコ図書館
「共和国国立東久留米図書館アネックス図書館」
図書館フェス2015 ひとハコ図書館めぐり
「図書館の共和国!」
ひとハコ図書館大集合(2015~2019)
「マルジナリアでつかまえて2」山本貴光
『マルジナリアでつかまえて2 世界でひとつの本になるの巻』
山本貴光
2022/05/19
本の雑誌社
書いて自分のものにする。マルジナリア“余白の書き込み”探求道の書第2弾。本に書き込みをする人たちの読みっぷりを追体験し、知となり肉となる読書を学ぶ。本を読むのが今より、もっと、楽しくなる! 〈カラー蔵書探検〉神谷美恵子の本棚 印刷博物館 松竹大谷図書館 東京理科大学近代科学資料館
「その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。」山本貴光、吉川浩満
『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。古代ローマの大賢人の教え』
山本貴光,吉川浩満
2020/03/13
筑摩書房
仕事、進路、人間関係……尽きない悩みも、みるみる氷解。
古代の賢人エピクテトスの教えをアップデートした、
現代人のための、人生哲学の書!
1900年ほど昔に奴隷の子として生まれ、やがて解放され、哲学の教師になるという、
数奇な人生を送ったエピクテトス。
その言行録『人生談義』でエピクテトスは、弟子や来訪者から寄せられた
数々の人生相談に、的確な答えを繰り出していく。
悩める現代人にも十分通用するその教えを、とことん分かりやすく解説。
不安なく前向きに生きるための知の技法がするする頭に入る、類例のない一冊!
「哲学の門前」吉川浩満
『哲学の門前』
吉川浩満
2022/08/30
紀伊國屋書店
門しなくていい。門前で楽しめばよいのだ。
自伝的エピソードの断片と哲学的思考が交差して織りなす、画期的な「哲学門前書」の誕生。
十九歳の夏にニューヨークで出会ったタクシードライバーとの会話、伯父の死に涙する祖母を慰めた夜、読書会で生じた環境型セクシュアルハラスメントの後悔、新卒で勤めた国書刊行会で接した個性的な面々、創業間もないヤフーでの目の回るような忙しさ、デビュー作『心脳問題』を山本貴光と書いた日々――
文筆家・編集者・ユーチューバーとして活躍する著者が、コミュニケーションや政治、性、仕事、友人関係などをテーマに、暮らしのなかで生じる哲学との出会いや付き合い方について、体験談を交えて考察する、ユニークな随筆集。
相棒・山本貴光氏による「吉川浩満くんのこと」収録。
「世界手づくり酒宝典」貝原浩
『世界手づくり酒宝典: 図解文集』
貝原浩
1998/12/01
農山漁村文化協会
日本全国から、ロシア、インドネシア、ブータン、タイまで、手作りの酒を手を変え、品を変え楽しんでいる人々を訪ね、酒を肴に彼らと交流した様子を、楽しいイラストも交えて紹介する。
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