
ロアルド・ダールの
『「ダ」ったらダールだ!』
という本を見てから、
柳瀬尚紀さんのことが好きになった。
「あーん痛タタタタッ!」
とか可愛すぎる。
なので『フィネガンズ・ウェイク』も、
そんな感じで、調べることに。
ちなみに本を読んだことは、ない。
「フィネガンズ・ウェイク」のWiki的なもの
このサイトがあればいい
海外の「フィネガンズ・ウェイク」解説サイト【ブラウザ翻訳推奨】
たぶん一番詳しいサイト。『フィネガンズ・ウェイク』の英文テキスト全文、その文章中に大量のハイパーリンクが埋め込まれていて、そのアンダーラインのあるひとつひとつ言葉(ジョイス語など)に注釈がつけられている。しかもその内容が、かなり詳細。
注釈は画面手前に表示される。ただし、スマホ用ページは、途中までしか見られないよう(続きは有料?)。ブラウザ翻訳は、スマホからデスクトップ版のページを見る場合などには、上手くいかないかもしれないです。
JJDA Finnegans Wake Homepage
James Joyce Digital Archive Homepage
ジェイムス・ジョイス・デジタルアーカイブ
英文テキストに注釈が付けられたページなのは他と同様、すっきりしたデザインがとても見やすい。ハイパーテキストは色つきタイプでポップアップの注釈。エピソードの短い要約とガイド、ドラフト分析のページ、付録として年表。他に、ユリシーズについてのページもあります。
FinnegansWiki
TOC – FinnegansWiki
目次、チャプターの一覧
こちらも、同じように英文テキストに注釈がつけられたサイト。テキストリンクは文字色のみで、注釈は別ページに飛ぶタイプ。だいたいはブラウザ翻訳で済むけれど、上手くいかないときは、Google翻訳などでどうぞ。
finnegans wake notes
james joyce analysis, philosophy and literary summaries
こちらのサイトは、一行ごとに番号が振ってあり、本文下に詳細な解説がついているのが特徴。ハイパーテキストのリンク先は上の「Finnegans Wiki」の用語の説明ページに飛ぶようになっています。

James Joyce Collection – University Libraries – University at Buffalo
世界最大級のジョイス資料群の全貌と、その保存・公開・研究活動の案内がぎっしり詰まったページ。ジョイスの原稿・ノート・書簡・写真・初版本・私物など10,000点以上あり、写真など一部資料がオンライン公開中らしい。
Fweet
Finnegans Wake Extensible Elucidation Treasury
Hic Sunt Cuppedia
Map Room
直訳すると「フィネガンズ・ウェイク拡張可能説明宝物庫」。詳しいことはチュートリアルに。「Hic Sunt Cuppedia(お菓子はこちら)」というマップページを見ると、検索エンジンや英語による朗読、Faber & Faber版とViking Press版の『フィネガンズ・ウェイク』の修正箇所をまとめたページなどがあるみたい。
The Finnegans Wake Society of New York
フィネガンズ・ウェイク・ソサエティ・オブ・ニューヨーク
『フィネガンズ・ウェイク』を愛し、読み、語り合う人々のための読書会・研究会。イベントやメール配信をしているみたい。「コンパニオンカレンダー」は月ごとのできごとがわかる年表ページ、「フィネガンズウェイクガーデン」は植物カタログで、小説に登場した植物や樹木の登場するページ番号などが書かれています。
日本の「フィネガンズ・ウェイク」解説サイト

フィネガンズ・ウェブ
ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』を読むためのウェブサイトです。
2025年6月16日、ブルームズ・デーに公開された日本の『フィネガンズ・ウェイク』解説サイト。日本語による音声ガイドが付いているのが特徴。各章の英文テキストは海外版と同様に、ハイパーテキストをクリックすると注釈が表示される(ポップアップ)。まだ少しだけ、今後の更新が楽しみです。
フィネガンズ・ウェイクを読む – 言葉の職人 | Worker of Words
フィネガンズ・ウェイクを読む – YouTube
運営されているのは、早川健治さんと今関裕太さん。「フィネガンズ・ウェイクを読む」という動画も配信されています(原著および和訳の音読、解説、フィネガンズ・クイズなど)。
言葉の職人 | Worker of Words
The Breadth and Depth of the Japanese Language
Naoki Yanase + Inuhiko Yomota
個人的には、早川健治さんのHPにあった、柳瀬尚紀さんと四方田犬彦さんの『フィネガン辛航紀』の英訳が良かったです。
1989年に『フィネガンズ・ウェイク』刊行50周年を記念して発足した、日本学術会議協力学術研究団体。こちらは解説サイトではないけれど、ニュースレター(PDF)のバッグナンバーを読むことができます。
「フィネガンズ・ウェイク」のこと
柳瀬尚紀訳「フィネガンズ・ウェイク」
『フィネガンズ・ウェイク I・II/III・IV セット』
ジェイムズ・ジョイス,柳瀬尚紀
2024/08/26
河出書房新社
文学史上に燦然と輝く金字塔初の完訳単行本版、待望の復刊!
翻訳不可能とされた不滅の奇書に挑んだ画期的訳業!僕は夜の本を書こうとした。曖昧になるのはあたりまえだ
──ジェイムズ・ジョイス名訳者と言える人は何人もいるが、
化け物と呼べるのは柳瀬尚紀だけだ。
──柴田元幸
原書雑誌掲載 100周年!
日本語全訳完結 30周年!◎世界文学最大の迷宮的奇書を完全翻訳
◎数千年の人類の全歴史を酒場の家族の一夜の夢に
圧縮した抱腹絶倒、複雑怪奇な傑作
◎『ユリシーズ』著者が最後に遺した夢言語の小宇宙
◎文学のみならず現代の芸術に影響を与え続けている
◎60数か国語で書かれたとされる原典を日本語で表現
◎漢字・ひらがな・カタカナ・ルビという日本語の特長を駆使
◎注を一切使わず、全編総ルビを施す
「フィネガンズ・ウェイク」のこと

フィネガンズ・ウェイク – Wikipedia
Finnegans Wake – Wikipedia
『フィネガンズ・ウェイク』(Finnegans Wake)は、ジェイムズ・ジョイスの最後の小説である。『フィネガンズ・ウェイク』は、『ユリシーズ』刊行の翌年1923年より執筆を開始し、〔…〕1939年現在のタイトルのもとにロンドンとニューヨークで刊行された。book I から book IV の全4巻からなる。ジョイスの他の作品同様、アイルランドの首都ダブリンを舞台とする。
英語による小説ではあるが、各所に世界中のあらゆる言語(日本語を含む)が散りばめられ、「ジョイス語」と言われる独特の言語表現が見られる。また英語表現だけをとっても、意識の流れの手法が極限にまで推し進められ、言葉遊び、二重含意など既存文法を逸脱する表現も多い。
『若き芸術家の肖像』以来の神話的世界と現代を二重化する重層的な物語構成と相俟って、ジョイスの文学的達成の極と評価される。
ジェイムズ・ジョイスに直接会った日本人のこと
アイルランド文学者・勝田孝興のこと
勝田孝興 – Wikipedia
勝田孝興 | 山陰日本アイルランド協会
「ジョイスが私に『日本には恐ろしいものが4つあるじゃないですか。『雷』もその一つでしょう?』と尋ねたんです。私は『地震、雷、火事、おやじ』と数えてあげました。すると彼は笑っていました。」(勝田孝興『1926年7月15日』)
この上の解説サイトとして紹介したFinwake.comで、『フィネガンズ・ウェイク』の最初のページにある、日本語版で言う「転落」の場面に付けられたオノマトペ「Bababa……」の注釈をブラウザ翻訳したところ、こんなものが紛れていた。カッコの部分にあったのは「Takaoki Katta」という名前。日付を頼りに検索したところ、アイルランド文学者の勝田孝興さんという方に辿り着く。
James Joyce: Finnegans Wake
文章中に大量のハイパーリンクが埋め込まれていて、そのアンダーラインのあるひとつひとつ言葉(ジョイス語)に注釈がつけられている。翻訳はGoogle Chromeによるブラウザ翻訳、文中のアンダーライン部分は[]にて表記。
原文
(bababadalg [haraght] a [kamminarro] n [nkon] n [bron] n [tonner]- ronn [tuon] n [thun] n [tr] o [varrhou] n [awnska] wn [toohoohoorden] en [thur] – nuk!)
注釈
gaireachtach ( garokhtokh ) (gael) – 騒々しい + gargarahat、karak ( Hindustani ) – 雷。
「ジョイスが私に『日本には恐ろしいものが4つあるじゃないですか。『雷』もその一つでしょう?』と尋ねたんです。私は『地震、雷、火事、おやじ』と数えてあげました。すると彼は笑っていました。」(勝田孝興『1926年7月15日』)
ukkonen (フィンランド語) – 雷
brontę(ギリシャ語) – 雷
Donner (ドイツ語) = Tonnerre (フランス語) – 雷
tuono (イタリア語) – 雷
thunner (スコットランド方言) – 雷
trovăo (ポルトガル語) – 雷
Varuna – ヒンドゥー教の創造神であり嵐の神
åska (スウェーデン語) – 雷
torden (デンマーク語) – 雷
tornach ( tornokh ) (ゲール語) – 雷
勝田孝興(かった たかおき、1886年9月30日 – 1976年5月23日)は、日本のアイルランド文学者・語学者。島根県松江市出身。1911(明治44)年、東京帝国大学(現在の東京大学)英文科卒。1925年から2年間、文部省から推薦されアイルランド留学。
知られざるアイルランド文学者・勝田孝興。ジョイスに直接会った数少ない日本人のひとりで、『フィネガンズ・ウェイク』創作時に日本語についての助言をしていたことを示す、インタビューの記録が残されているそう。
⽇本ジェイムズ・ジョイス協会
2024年度ニューズレター春号 2024年4⽉
(リンク先にPDF)
「ジョイス 勝田孝興」でGoogle検索
⽇本ジェイムズ・ジョイス協会のニュースレターにあった、山田久美子さんが書かれた文章によると、勝田孝興はもともとシェイクスピアなどの演劇に関心があった人(大学でも専攻)で、渡欧中に口語英語に興味を持ち、『ユリシーズ』(1922年)が評判になっていたジョイスに会いに行くことに。
Genetic Joyce Studies
Yasuo Kumagai, “‘Takaoki Katta’ (VI.B.12: 113)”
松江市ホームページ
「松江市の新収蔵資料紹介(1)勝田孝興関係文書」村角紀子(2022年5月6日)
(「英国近代劇ト其見聞録」の写真も)
「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」等の漢字や読みが記されたジョイスのノート『Buffalo Notebook』が残されていて、1978年に出版される。熊谷安雄さんという方が松江市の遺族を訪ね、勝田の自筆ノート『英国近代劇ト其見聞録』を見せてもらい、その中のジョイスと話した部分を2002年、オンラインジャーナル「Genetic Joyce Studies」にて発表。
そして2021年には、松江市の旧勝田邸が解体されることになり、資料や蔵書を松江市に寄贈。『勝田孝興関係文書』として公開され、閲覧できるようになったよう。松江市のコラムには、シェイクスピアの故郷で勝田が買った画集に、押し花が挟んであったというエピソードが記されていて素敵でした。
Atelier Aterui
The Japanese Elements of Finnegans Wake “Jishin, Kaminari, Kaji, Oyaji”
フィネガンズウェイク の日本的要素「じしん、かみなり、かじ、おやじ」伊東栄志郎
こちらの岩手県立大学の伊東栄志郎さんのHPによると、勝田孝興のほかに画家の田中保(Yasushi Tanaka)、劇作家の佐藤健(Ken Sato)という日本人と会っていた可能性があるそうです。
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