「源氏物語 A・ウェイリー版」紫式部、アーサー・ウェイリー
『源氏物語 A・ウェイリー版 第1巻』
紫式部,アーサー・ウェイリー,毬矢まりえ,森山恵
2017/12/22
左右社
《 688ページ 》
このヴィクトリアン・GENJIを読むまで
私は源氏物語を理解していなかった!
このまま漫画にしてみたい!(竹宮惠子)
光り輝く美貌の皇子シャイニング・プリンス、ゲンジ。
日本の誇る古典のなかの古典、源氏物語が英訳され、ふたたび現代語に訳し戻されたとき、男も女も夢中にさせる壮大なストーリーのすべてのキャラクターが輝きだした!
胸を焦がす恋の喜び、愛ゆえの嫉妬、策謀渦巻く結婚、運命の無常。1000年のときを超えて通用する生き生きとした人物描写と、巧みなストーリーテリング。源氏物語のエッセンスをダイレクトに伝える、こころを揺さぶられる決定版!こんなにも笑えて泣けて、感動する物語だった!
100分で名著「ウェイリー版・源氏物語」を見ました
NHK100分で名著「ウェイリー版・源氏物語」第1回、良かった。解説の能楽師・安田登さんが“魔法のように読みやすい”と評した「ウェイリー版・源氏物語」。複雑な敬語がないこと、主語が明確なことが特徴で、帝を「エンペラー」、光る君は「シャイニング・プリンス」、祈祷師は「エクソシスト」、物怪は「エイリアン」と訳すことで、具体的なイメージが湧き、同じお話でも見え方が違ってくる。
多くの女性たちを虜にして浮名を流した光源氏と、火野正平さんの魅力に共通点を見出した伊集院さんの視点、楽しそうに話される先生の姿もいい。
この番組で翻訳の繊細さについて学んだという伊集院光さんのお話も。以前のフランツ・カフカの回での翻訳を“カフカが虫に変わったことを先生が「虫けら」と直したことで、「役立たず」になったんだということが急に理解できた”うれしさを話されていたけれど、ほんとこの番組は伊集院さんならではの例え話とこれまでにない視点が、先生と伊集院さん双方に新たなひらめき、感動を与えてくれる。
この“目から鱗が落ちる”瞬間と、伊集院さんの話に先生方がうんうんと頷くようすが見たくて、この番組を見ていると言ってもいい。「ウェイリー版・源氏物語」あと3回も楽しみ。
『源氏物語 A・ウェイリー版』はアーサー・ウェイリーが英訳したものを、毬矢まりえさん、森山恵さん姉妹が現代日本語に翻訳(戻し訳)したもの。表紙はグスタフ・クリムトの絵で4巻揃えたくなる可愛さです。
第3回、伊集院さんが「あはれ」を「エモい」、「をかし」を「ヤバい」と翻訳したのもわかりやすくて良かった。
ウェイリー版源氏物語の関連本
NHK100分で名著「ウェイリー版・源氏物語」安田登
『NHK100分で名著『ウェイリー版・源氏物語』2024年9月』
安田登
2024/08/26
NHK出版
時を経て訳し戻された「ゲンジ」は、こんなにも面白い!!
アーサー・ウェイリーによる英訳で世界文学となった「ウェイリー版・源氏物語」。本書が現代語に訳し戻されたとき、紫式部の描いた世界が類を見ない「分かりやすさ」と「面白さ」で立ち上がってくる!光る君は「シャイニング・プリンス」、帝は「エンペラー」、御簾は「カーテン」……古典の教養がなくても「読める」現代語訳ならではの魅力を、余すところなく紹介。
「源氏物語 A・ウェイリー版」毬矢まりえ、森山恵訳
『源氏物語 A・ウェイリー版 第2巻』
紫式部,アーサー・ウェイリー,毬矢まりえ,森山恵
2018/06/30
左右社
《 704ページ 》
明石の地に流されていたシャイニング・プリンス、ゲンジの運命は一転!我が子をエンペラーに昇らせ、恋人たちを建てたばかりの新御殿に住まわせ、我が世の春を謳歌する!
100年前、ヨーロッパ中を夢中にさせたアーサー・ウェイリーの名訳を、再び現代語に訳し戻したとき、蘇ったのは、恋に生き、愛に涙する女性たち、運命の変転と格闘する男性たちの生々しいまでのドラマだった。大好評、話題のウェイリー版源氏物語、第2巻刊行!
『源氏物語 A・ウェイリー版 第3巻』
紫式部,アーサー・ウェイリー,毬矢まりえ,森山恵
2018/12/21
左右社
《 728ページ 》
シャイニング・プリンス・ゲンジの四十を祝う盛大な儀式が開かれた頃、時代はゆっくりと移り変わりはじめる。エンペラーは代替わりし、若き新人プリンセスが宮中に上がり、恋の物語は子や孫の世代に引きつがれる。
病に伏す者、世を去る者、残される者。絶頂から孤独へ、歓喜から悲嘆へ。やがてゲンジその人も旅立つときがくる――。刊行されるや否や、源氏物語がたちまち世界的古典文学として知られるきっかけとなったアーサー・ウェイリー版源氏物語。その名訳が伝えたのはいつの時代も変わらぬ私たちの、出会いと別れ、運命の切なさだった。大好評のウェイリー版源氏物語、第3巻いよいよ刊行!
『源氏物語 A・ウェイリー版 第4巻』
紫式部,アーサー・ウェイリー,毬矢まりえ,森山恵
2019/08/07
左右社
《 640ページ 》
都を離れた宇治に世を過ごす姉妹アゲマキとコゼリ。ゲンジの息子カオルと孫ニオウは幼なじみだが、ともに姉妹に惹かれ、恋い焦がれるライヴァルだった。
恋するアゲマキが亡くなり、思いのゆくえを失ったカオルの前に、生き写しとしか思えない女性ウキフネが現われる。カオルはアゲマキの影を追い、ニオウはコゼリがありながらウキフネに言い寄る。二人のあいだで揺れ、思い詰めるウキフネ。光り輝くプリンス・ゲンジがこの世を去ったのち、とどまらぬ時の流れが引き寄せた物語は切ないクライマックスへと向かう──。
時代を超え、文化を超えて読者を魅了し続けてきた世界文学の傑作・源氏物語。アーサー・ウェイリーの名訳で新たによみがえった物語がいよいよ完結。切なさと感動の第4巻、ついに完結!
「レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」」毬矢まりえ、森山恵
『レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」』
毬矢まりえ,森山恵
2024/02/22
講談社
《 320ページ 》
レディ・ムラサキとは、一体だれなのか?1925年、アーサー・ウェイリーによる初の英語版が刊行されて以来、世界各国に翻訳された「源氏物語」は、時代を超え国境を越え、中国古典からギリシャ・ローマ神話、聖書、シェイクスピア、プルーストやウルフらモダニズム文学、そして現代まで――。数多の異言語・異文化の波を潜り、「世界文学」として新たに生まれ変わった。千年前の古典原文、百年前の英語、現代日本語を往還しながら、『源氏物語』の〈らせん訳〉=トランスクリエーションを成し遂げた著者による、発見の喜びにみちた評論エッセイ!
現代ビジネス | 群像
「源氏物語」はなぜ世界で読まれる名作になったのか?レディ・ムラサキ=紫式部の時空を超えた物語(毬矢 まりえ,森山 恵)
世界が絶賛した英訳「源氏物語」が現代日本に転生するまで…『レディ・ムラサキのティーパーティ』を読む(毬矢 まりえ,森山 恵)
幕開けは「破滅の愛」…世界で絶賛された「源氏物語」が現代日本に転生するまで(毬矢 まりえ,森山 恵)
源氏物語の「光源氏」が、「英語」ではどう訳されているかご存知ですか? その「意外な答え」(群像編集部)
ウェイリー版「源氏物語」の翻訳者が明かす、千年前の物語が世界で絶賛された理由(毬矢 まりえ,森山 恵)
ウェイリー版「源氏物語」の翻訳者が明かす、「光源氏」と「かぐや姫」の意外な関係(毬矢 まりえ,森山 恵)
「源氏物語」の「英訳」を、さらに「日本語訳」する…そのなかで「扱いに悩んだ言葉」があった(群像編集部)
英語版「源氏物語」を「日本語訳」する…そのとき登場人物の名前を「カタカナ表記」にした「深い理由」(群像編集部)
源氏物語の「英語版」に出てくる「スカーフ」という訳語…それが作品にもたらした「思いがけない効果」(毬矢 まりえ,森山 恵)
源氏物語に出てくる「あはれ」という言葉、「英語」ではどう訳されているかご存知ですか?(森山 恵,毬矢 まりえ)
源氏物語の「光る君」が「シャイニング・プリンス」に生まれ変わるまで…翻訳者が明かす意外な工夫(毬矢 まりえ,森山 恵)
源氏物語イチの「不美人」な登場人物…彼女の「思いがけない姿」をご存知ですか?(毬矢 まりえ,森山 恵)
もしも『枕草子』の中に『源氏物語』をテーマにした章段があったなら?(渡辺 祐真)
「源氏物語」の世界をもっと楽しむための招待状…「失われた半分」を埋める「想い」の冒険譚(たられば)
「源氏物語」が千年読まれる理由は「らせん構造」にあった?世界の読者をとらえた物語の魅力(三宅 香帆)
「源氏物語」の女性たちがたどる自立への旅と紫式部の肖像…『レディ・ムラサキのティーパーティ』書評(石沢 麻依)
「源氏物語」とシェイクスピアの意外な結びつきとは…紫式部と世界の傑作を繋ぐDNA(イザベラ・ディオニシオ)
イギリスの超有名女性作家は『源氏物語』をどう読んだか…? 作家だからこその「ユニークな感想」(群像編集部)
苦難のなか『源氏物語』を「ロシア語訳」したロシア人女性がいた…彼女の日記が、私たちに伝えること(群像編集部)
「ウェイリー版 源氏物語(平凡社ライブラリー)」佐復秀樹訳
『ウェイリー版 源氏物語1 (平凡社ライブラリー)』
紫式部,アーサー・ウェイリー,佐復秀樹
2022/05/06
平凡社
佐復秀樹さん日本語訳のウェイリー版・源氏物語
もっとも読みやすい源氏物語。ウェイリーのこの英訳によってGENJIは世界文学になった。それを忠実に日本語訳。うるさい敬語も、わからない歌もない20世紀小説・源氏を提供。
伊集院光さんと「100分で名著」の話
「名著の話 僕とカフカのひきこもり」伊集院光
『名著の話 僕とカフカのひきこもり』
伊集院光
2022/02/16
KADOKAWA
「この孤独わかるよね」 ──本の話をすると、もう孤独じゃなくなってる。
NHK「100分de名著」で出会った約100冊より、伊集院光が、心に刺さった3冊を厳選。名著をよく知る3人と再会し、時間無制限で新たに徹底トークを繰り広げる、100分de語りきれない名著対談!
■川島隆(京都大学准教授)と語る、カフカ『変身』
──“虫体質な僕ら”の観察日記■石井正己(東京学芸大学教授)と語る、柳田国男『遠野物語』
──おもしろかなしい、くさしょっぱい話たち■若松英輔(批評家、随筆家)と語る、神谷美恵子『生きがいについて』
──人生の締め切りを感じたとき出会う本
「名著の予知能力(幻冬舎新書)」秋満吉彦
『名著の予知能力 (幻冬舎新書)』
秋満吉彦
2023/05/31
幻冬舎
「100分de名著」(NHK Eテレ)で取り上げる作品を九年にわたり選び続けてきたプロデューサーが最も戦慄を覚えたのは、現代社会のありようを言い当てる「名著の予知能力」。カミュ「ペスト」には、新型コロナで苦しむ「今」があった。ル・ボン「群衆心理」は、対立意見で分断を煽るSNS社会を見通したかのようだ。ミッチェル「風と共に去りぬ」には、トランプ政権へつながるアメリカの裂け目が見える。名著との格闘から得られる、驚き、興奮、感動。そして人生を変える力。画期的な「名著」の読み方。
「変身(角川文庫)」フランツ・カフカ、川島隆
『変身 (角川文庫)』
フランツ・カフカ,川島隆
2022/02/22
KADOKAWA
平凡なサラリーマンが、ある朝、虫けらに。カフカ像を刷新する新訳と解説
「おれはどうなったんだ?」 平凡なサラリーマンのグレゴールはベッドの中で巨大な虫けらに姿を変えていた。変身の意味と理由が明かされることはなく、主人公の家族を巻き込んだ不条理な物語が展開していく――。最新のカフカ研究を踏まえた精緻でテンポよい新訳で贈る不朽の問題作。神話化されつづける作家の実像を、両親や恋人、労災保険局での仕事、ユダヤ人の出自、執筆の背景などから多面的に説き明かす、訳者解説を収録。
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