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- 「幸福の遺伝子」リチャード・パワーズ
- 「惑う星」リチャード・パワーズ
- 「オーバーストーリー」リチャード・パワーズ
- 「オルフェオ」リチャード・パワーズ
- 「シガレット」ハリー・マシューズ
- 「ウィトゲンシュタインの愛人」デイヴィッド・マークソン
- 「これは小説ではない」デイヴィッド・マークソン
- 「愚か者同盟」ジョン・ケネディ・トゥール
- 「10:04」ベン・ラーナー
- 「私はゼブラ」アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ
- 「民のいない神」ハリ・クンズル
- 「J.G.バラードの千年王国ユーザーズガイド」J・G・バラード
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木原善彦さんの本と翻訳作品の一覧
作品名 | 著者名 | 出版社 | 発売日 |
---|---|---|---|
アメリカ文学史への招待 | 橋本安央,藤井光,坂根隆広, 池末陽子,大川淳,古井義昭, 舌津智之,稲冨百合子,小南悠, 白川恵子,石原剛,中村善雄, 小林久美子,水口陽子,畔柳和代, 金澤哲,出口菜摘,戸田慧, ハーン小路恭子,坂井隆, 後藤篤,木原善彦,西光希翔 | 法律文化社 | 2025/03/15 |
失われたスクラップブック (ルリユール叢書) | エヴァン・ダーラ | 幻戯書房 | 2024/11/26 |
終わりのない日々 (エクス・リブリス) | セバスチャン・バリー | 白水社 | 2023/06/02 |
惑う星 | リチャード・パワーズ | 新潮社 | 2022/11/30 |
愚か者同盟 | ジョン・ケネディ・トゥール | 国書刊行会 | 2022/07/28 |
フランキスシュタイン ある愛の物語 | ジャネット・ウィンターソン | 河出書房新社 | 2022/07/23 |
夏 (新潮クレスト・ブックス) | アリ・スミス | 新潮社 | 2022/06/30 |
春 (新潮クレスト・ブックス) | アリ・スミス | 新潮社 | 2022/03/28 |
冬 (新潮クレスト・ブックス) | アリ・スミス | 新潮社 | 2021/10/29 |
地上で僕らはつかの間きらめく (新潮クレスト・ブックス) | オーシャン・ヴオン | 新潮社 | 2021/08/26 |
私はゼブラ (エクス・リブリス) | アザリーン・ヴァンデア フリートオルーミ | 白水社 | 2020/09/26 |
ウィトゲンシュタインの愛人 | デイヴィッド・マークソン | 国書刊行会 | 2020/07/17 |
秋 (新潮クレスト・ブックス) | アリ・スミス | 新潮社 | 2020/03/25 |
アイロニーはなぜ伝わるのか? (光文社新書) | 木原善彦 | 光文社 | 2020/01/15 |
オーバーストーリー | リチャード・パワーズ | 新潮社 | 2019/10/30 |
カーペンターズ・ゴシック | ウィリアム・ギャディス | 国書刊行会 | 2019/09/26 |
JR | ウィリアム・ギャディス | 国書刊行会 | 2018/12/21 |
両方になる (新潮クレスト・ブックス) | アリ・スミス | 新潮社 | 2018/09/27 |
10:04 (エクス・リブリス) | ベン・ラーナー | 白水社 | 2017/02/22 |
実験する小説たち 物語るとは別の仕方で | 木原善彦 | 彩流社 | 2017/01/23 |
オルフェオ | リチャード・パワーズ | 新潮社 | 2015/07/31 |
民のいない神 (エクス・リブリス) | ハリ・クンズル | 白水社 | 2015/02/13 |
トマス・ピンチョン (現代作家ガイド 7) | 麻生享志,木原善彦 | 彩流社 | 2014/06/12 |
これは小説ではない (フィクションの楽しみ) | デイヴィッド・マークソン | 水声社 | 2013/09/30 |
シガレット (エクス・リブリス) | ハリー・マシューズ | 白水社 | 2013/06/13 |
幸福の遺伝子 | リチャード・パワーズ | 新潮社 | 2013/04/26 |
ピンチョンの『逆光』を読む 空間と時間、光と闇 | 木原善彦 | 世界思想社 | 2011/06/22 |
逆光 (上) | トマス・ピンチョン | 新潮社 | 2010/09/30 |
逆光 (下) | トマス・ピンチョン | 新潮社 | 2010/09/30 |
UFOとポストモダン (平凡社新書) | 木原善彦 | 平凡社 | 2006/02/11 |
J.G.バラードの千年王国 ユーザーズガイド | J・G・バラード | 白揚社 | 2003/06/01 |
トマス・ピンチョン 無政府主義的奇跡の宇宙 | 木原善彦 | 京都大学 学術出版会 | 2001/01/01 |
↑リンクはAmazon、
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NEWS
CAVA BOOKS
木原善彦×矢倉喬士トークイベント エヴァン・ダーラ『失われたスクラップブック』&ジャミル・ジャン・コチャイ『きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする』刊行記念
2025年4月19日(土)京都の出町座で開催。
木原善彦さんのXより
関西の、特に京都あたりにお住まいの方で、翻訳とか現代小説にご興味のある皆様。4月にこんなイベントをすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
木原善彦さんのこと
翻訳家・木原善彦さんのこと。よく名前をお見かけしてはいたけれど、じっくりと向き合ったのは、姉妹ブログでアリ・スミスのまとめページを作ってから。彼女の四季四部作の表紙が可愛らしかったのが、そのページを作った理由。だから私の中では完全に、木原善彦さんは「アリ・スミスの人」だった。
このブログを始めて1ヶ月くらいたった頃、ひとりで海外文学の新刊をチェックできるようにと作ったページを、ある翻訳家さんにリポストしていただく機会があって、その流れで何人かの方にも、コメント込みでリポストしていただいた(北烏山編集室さん、ここで出会っていたのか)。そして、その中に木原善彦さんもいた。そこにつけられていたコメントは↓というもの。
これはありがたい!
※なお「乙女」なのは管理者さんであって、海外文学新刊をチェックしたい人なら誰でもきっと重宝すると思います。木原善彦さんのXより
ブログの名前に乙女とつけたことについては、話すと長くなりそうなので割愛するとして、表紙が素敵な本を集めているだけなんですよと弁明し、そんなコメントをするあなたが一番乙女な表紙の本を出しているのに何を言っているんですか。と、そのときはそう思ったものだ(まあ、乙女じゃない海外文学もあるよ、言いたかっただけなのだろうが)。
結論から言うと、木原善彦さんは全然乙女じゃなかった(ご本人が乙女かどうかは未確認)。アリ・スミスの本のような、水沢そらさんのメルヘンチックな表紙はかなりレアだったのだ。ブックデザインに詳しい方ならわかると思うが、国書刊行会から黒い水戸部功デザインの本を出すような人、しかも940ページの鈍器本だ。
翻訳した作家の並びもすごい。トマス・ピンチョン、リチャード・パワーズ、ウィリアム・ギャディス、セバスチャン・バリー、ハリー・マシューズ…そして、エヴァン・ダーラ。オーシャン・ヴオンの表紙は素敵だけれど、他はだいぶ手強そうに見える。
でも、本の厚さやデザインに怯む気持ちを押し込めて、説明文やレビュー、書評なんかを読んでみると、とても面白そうではあるの。
「一軒の古いゴシック式洋館を舞台に」(『カーペンターズ・ゴシック』)とか、「遊歩(フラヌール)」小説(『10:04』)とか、「11歳の少年JRが巨大コングロマリットを立ち上げて株式市場に参入」(『JR』)とか、「空想科学冒険少年スパイ超能力探偵SM陰謀ミステリ歴史」(『逆光』)とか。
中でも気になったのが、ジャネット・ウィンターソンの『フランキスシュタイン ある愛の物語』。幼い子を亡くしたばかりで生命の禁忌に触れる怪物を夢想する、メアリー・シェリー(フランケンシュタイン作者)の時代と、若きトランスジェンダーの医師ライ・シェリー、そして気鋭の人工知能研究者ヴィクター・スタインが暮らす現代の英国が交互に進むというお話。
これは愉快で真面目な、時空を超えた大騒ぎ。
──マーガレット・アトウッド
ジャネット・ウィンターソンさん自身は、2019年のブッカー賞ロングリストに選出されたような人。だからテーマとしては真面目だけれど、それを重く感じさせない軽妙さと面白さ、トランスするような感覚になる読み心地が魅力みたい。マーガレット・アトウッドさんも、↑こう言っているし、これはお気に入り入り決定だ。
そして新刊、エヴァン・ダーラの『失われたスクラップブック』。ルリユール叢書おなじみの表紙の作家イラストには目隠し。訳者の木原善彦さんのお話によると、《本名、年齢ともに不詳のアメリカの作家》とのこと。
木原善彦さんの『実験する小説たち』(←この本も面白そう)でも紹介されていて、楽しみにしていた人も多いと思われるこの作品。「ポスト・ギャディスと目される謎の作家」「ピリオドなし」「大長編の奇書」とキーワードだけでも、どんな本だ、とページをめくってみたくなる。
実はこのエヴァン・ダーラさん、リチャード・パワーズが正体ではないかと噂されたことがあるらしい。木原善彦さんの訳者解題には、このように書いてある。
2012年、私は『幸福の遺伝子』を翻訳する際、作者であるパワーズに質問を送ったのだが、そのメールに「あなたが賛辞を寄せていたエヴァン・ダーラの『失われたスクラップブック』はとても素晴らしかった」という一言を添えたところ、彼からの返事の中に「本人にそう伝えておきます」という言葉があった。
これ、リチャード・パワーズ自身が別名義で書いているのに、「本人にそう伝えておきます」と言っているとしたら…かなり面白い。
初めは、謎のポスト・ポスト・モダン作家の作品として読む。そして二度目は、リチャード・パワーズの本と併読して、いろいろ考えを巡らせながら。そんな読み方をしてみるのも楽しそうだ。
実験小説って聞くとワクワクする♪という人だけでなく、なんかコワい……、何を読んだらいいのかわからない、食わず嫌い、というあなたにも贈ります。
【追記】木原善彦さん著の『実験する小説たち』は、読みたい本を増やして困らせる、ブックガイドとしても読める本。エヴァン・ダーラ『失われたスクラップブック』やジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』、円城塔『これはペンです』など16作品の実験小説の読みどころのほか、各章ごとのタイプ別におすすめ作品リストも掲載。
楽天ブックスでは、この16作品の実験小説の作品名が並んだ目次を公開。Amazonでは、Kindleのサンプルがたっぷり読めるようになっているので、さっそく私も読んでみます。
KIHARA Yoshihiko (@shambhalian) · X
木原善彦さんのX(Twitter)。
木原善彦(kihara yoshihiko) (@shambhalian.bsky.social) — Bluesky
木原善彦 – Wikipedia
木原善彦さんのプロフィール、著書一覧ほか。
木原善彦 研究者総覧 – 大阪大学
木原 善彦 (Yoshihiko Kihara) – マイポータル – researchmap
木原 善彦 | 研究者情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
ハッシュスリンガーズ
『ブリーディング・エッジ』刊行に合わせて作られたウェブサイト hashslingrz.com に掲載された短編を、『逆光』訳の木原さんが日本語に訳して投稿。4月以降は院生との共訳。
『すばる 2025年3月号』(2025.02.06/集英社)
豊崎由美さんがプレイヤードのコーナーで『失われたスクラップブック』を紹介。
木原善彦さんのXより
今月の『すばる』はいつにもまして神々しいです…
木原善彦さんの新刊
「失われたスクラップブック」エヴァン・ダーラ
『失われたスクラップブック』
エヴァン・ダーラ,木原善彦
2024/11/26
幻戯書房
《 584ページ 》
“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!
幻戯書房編集部
エヴァン・ダーラ『失われたスクラップブック』訳者解題(text by 木原善彦)
幻戯書房NEWS
【装幀確定】11月の新刊2〈ルリユール叢書〉にいよいよエヴァン・ダーラ『失われたスクラップブック』が登場です
YouTube「アサヒ 音楽と文学は色ガラス」
正体不明のポスト・ポストモダン作家が描くエコフィクションの傑作(約39分)
Bandit Magazine
SNSを予見する「散漫さ」――Evan Daraの『The Lost Scrapbook』
Evan Dara – Wikipedia(英語)
The Lost Scrapbook – Wikipedia(英語)
「ジェイムズ」パーシヴァル・エヴェレット
『James: Novel』
Percival Everett
2024年全米図書賞フィクション部門受賞作
こちらの本の翻訳が、2025年刊行予定。
Percival Everett – Wikipedia(英語)
Amazon Prime Video
「アメリカン・フィクション」
パーシヴァル・エヴェレットの小説『イレイジャー』が原作。主演ジェフリー・ライト、監督・脚本はコード・ジェファーソン。
Youtube「Late Night with Seth Meyers」
Percival Everett Explains Why He Hopes His Book James Gets Banned(英語/約8分)
テレビ番組に出演したパーシヴァル・エヴェレットさん。
AP News
Percival Everett’s ‘James’ is a finalist for the PEN/Faulkner prize for fiction
ペン/フォークナー賞の最終候補に。
「終わりのない日々」セバスチャン・バリー
『終わりのない日々 (エクス・リブリス)』
セバスチャン・バリー,木原善彦
2023/06/02
白水社
語り手は、十九世紀半ばの大飢饉に陥ったアイルランドで家族を失い、命からがらアメリカ大陸に渡ってきたトマス・マクナルティ。頼るもののない広大な国でトマスを孤独から救ったのは、同じ年頃の宿無しの少年ジョン・コールだった。美しい顔立ちに幼さの残る二人は、ミズーリ州の鉱山町にある酒場で、女装をして鉱夫たちのダンスの相手をする仕事を見つける。初めてドレスに身を包んだとき、トマスは生まれ変わったような不思議な解放感を覚える。やがて体つきが男っぽくなると、二人は食いっぱぐれのない軍隊に入り、先住民との戦いや南北戦争をともに戦っていくーー。
木原善彦さんの気になる一冊
「実験する小説たち」木原善彦
『実験する小説たち』
木原善彦
2017/01/23
彩流社
気鋭のピンチョン研究者にして現代アメリカ小説の翻訳も精力的に手がける“目利き”がいざなう“実験小説”ガイド!
登場人物がいて、順序だったあらすじがあって……といういわゆる「普通の小説」の枠組みや手法をあえて壊したり、ずらしたり、逸脱したりしながら、小説のさらなる表現の可能性を広げるために「創作上の実験的な試み」がなされた「実験小説」。
実験小説って聞くとワクワクする♪という人だけでなく、なんかコワい……、何を読んだらいいのかわからない、食わず嫌い、というあなたにも贈ります。
実験小説のさまざまなタイプを切り口に、主な作品の読みどころと、一連のおすすめ作品リストを掲載。実験小説に特化した初のガイド本を手に、めくるめく実験小説の世界へ!
木原善彦さんの翻訳作品
「秋」アリ・スミス
『秋 (新潮クレスト・ブックス)』
アリ・スミス,木原善彦
2020/03/25
新潮社
【刊行順だと秋→冬→春→夏】
分断が進む世界で小説に何ができるのか。新時代の希望を描く「EU離脱後」小説。EU離脱に揺れるイギリスのとある施設で眠る謎の老人と、彼を見舞う若い美術史家の女。かつて隣人同士だった二人の人生は、六〇年代に早世した女性アーティストを介して再び交錯し――不協和音が響く現代に、生きることの意味を改めて問いかける。『両方になる』で読者を驚かせた著者による、奇想とユーモアに満ちた話題作。
Spotify
# 12 常識を疑うことを教えてくれた一冊。忘れられない読書体験(ゲスト:西加奈子) – Discover your joy ポッドキャスト(約19分)
西加奈子さんが、アリ・スミス「四季四部作」を紹介されてます。
木原善彦さんのXより
今朝ふと思い立って(水沢そらさんの装画にヒントを得て)アリ・スミス季節4部作ビンゴを作成…
「冬」アリ・スミス
『冬 (新潮クレスト・ブックス)』
アリ・スミス,木原善彦
2021/10/29
新潮社
不協和音の時代に生まれるメロディを描く、21世紀のクリスマス・キャロル。年末の帰省で母に紹介するはずだった恋人と大喧嘩した男が、代わりに移民の女性を連れてきた。だが、実業家を引退し孤独に暮らすその母は、すっかり塞ぎ込んでいる。そこで息子は、母とは正反対の性格の伯母を呼び寄せた。水と油の人々の化学反応は、クリスマスをどう彩るのか。英のEU離脱が背景の「四季四部作」冬篇。
「春」アリ・スミス
『春 (新潮クレスト・ブックス)』
アリ・スミス,木原善彦
2022/03/28
新潮社
いくら国境が隔てても、人の心はそれを飛び越える。分断を描く四部作の春篇。一人は、長年相棒だった脚本家を喪い悲嘆に暮れる老演出家。もう一人は、移民収容施設で心を殺して働く若い女。絶望を抱え、それぞれ北の国にたどり着いた二人は、不思議な力を持つ少女との出会いを通じ、人生の新しい扉を開ける。EU離脱に揺れ移民排斥が進むイギリスを描く、奇想溢れるシリーズ第三作。
「夏」アリ・スミス
『夏 (新潮クレスト・ブックス)』
アリ・スミス,木原善彦
2022/06/30
新潮社
ブレグジットからパンデミックへ。苦悩深まる世界の新たな希望を描く最終巻。私が自分の人生の主人公だとしても、私たちはこの星で生きる資格がない。感染症の流行が始まった英国で、環境破壊に心を痛める少女が海岸で出会ったのは、母の形見の丸い石を届ける途中の男とその相棒。少女も家族と一緒に彼らの旅に加わりーーEU離脱をきっかけに始まった不協和音だらけの交響曲、祈りに満ちた最終楽章。
「両方になる」アリ・スミス
『両方になる (新潮クレスト・ブックス)』
アリ・スミス,木原善彦
2018/09/27
新潮社
15世紀イタリアに生きたルネサンスの画家と、母を失ったばかりの21世紀のイギリスの少女。二人の物語は時空を超えて響き合い、男と女、絵と下絵、事実と虚構の境界をも鮮やかに塗り替えていく。そして再読したとき、物語はまったく別の顔を見せるー。未だかつてない楽しさと驚きに満ちた長篇小説。コスタ賞、ベイリーズ賞、ゴールドスミス賞受賞作。
訳者あとがき『両方になる』 アリ・スミス、木原善彦/訳 | 新潮社
新潮クレスト・ブックス | 新潮社
ページ下にある犬の表紙の創刊20周年の小冊子(PDF)で、木原さんによる『両方になる』の作品紹介が読めます。読んだ事がある人は必読。
Book Bang -ブックバン-
“2バージョン”刊行 15の画家と現代の英国少女の交わり[レビュアー]武田将明
稲見/マリエッティさんのXより
アリ・スミスの『両方になる』ポスト
「地上で僕らはつかの間きらめく」オーシャン・ヴオン
『地上で僕らはつかの間きらめく (新潮クレスト・ブックス)』
オーシャン・ヴオン,木原善彦
2021/08/26
新潮社
読み書きできない母に綴った僕の真実ーー。ベトナム系詩人の才能迸る初小説。幼い僕を連れ、母は祖母と共に太平洋を渡った。戦争に人生を狂わされた祖母と、新天地アメリカでの生活に翻弄される母。二人の苦難は少年の僕にも影を落とすが、ある年上の少年との出会いによって、僕は初めて、生きる歓びを知るーー。アメリカ文学の新たな才能による痛みと美しさに満ちた自伝的長篇。
「フランキスシュタイン」ジャネット・ウィンターソン
『フランキスシュタイン : ある愛の物語』
ジャネット・ウィンターソン,木原善彦
2022/07/23
河出書房新社
1816年、レマン湖畔。バイロン卿の別荘では、5人の男女がそれぞれ怪奇譚を披露することになる。そこで子を亡くしたばかりのメアリー・シェリーは、生命の禁忌に触れる怪物を夢想しはじめた。いっぽう現代の英国。若きトランスジェンダーの医師ライ・シェリーは、人体冷凍保存施設で出会った気鋭の人工知能研究者ヴィクター・スタインと関係を持つ。しかし謎多き彼は、秘密裏に危うい研究を進めていて……。繰り返される人類の見果てぬ夢が叶う日はくるのか? 混沌と狂騒の時代におくる、最も危険なラブストーリー。
「逆光 (上)」トマス・ピンチョン
『逆光 (上)』
トマス・ピンチョン,木原善彦
2010/09/30
新潮社
《 862ページ 》
フロンティア消滅直後の19世紀末アメリカ。飛び立つは謎の飛行船“不都号”。文学史にそびえる金字塔『重力の虹』を嗣ぐ著者最大最長の長篇、空想科学冒険少年スパイ超能力探偵SM陰謀ミステリ歴史。
「逆光 (下)」トマス・ピンチョン
『逆光 (下)』
トマス・ピンチョン,木原善彦
2010/09/30
新潮社
《 845ページ 》
“侵入者”は実在していた。歪み始める時間と空間、儚き者たちの恋と運命。“不都号”の面々は自分たちの任務に疑問を抱き始める。トラヴァース家の長兄リーフは賭博師として流浪を続け、次兄フランクはメキシコ革命に身を投じた。末っ子キットはヴァイブ家の元を去り大西洋を渡る。そして唯一の娘「嵐の子」レイクは…。膨大に登場する、愚かしくも滑稽な人物の数々。その愛しさと哀しさ。もつれ合う彼らの生は、やがて訪れる驚愕の一瞬を目撃すべく、急速に収斂してゆくー。歴史小説にしてSF、恋愛小説にしてポルノ、テロ小説にして大河家族小説。綿密な史実の積み重ねが現代を照射し、荒唐無稽な挿話が涙を誘う。文学の垣根を超える貪欲さと自由さが(改めて)世界中の絶賛と茫然を呼んだ空前絶後の巨篇、世界への祈り。
Thomas Pynchon Wiki – A Literary / Literature Wiki(英語/ピンチョンウィキ)
Twilog (ツイログ)
KIHARA Yoshihiko(@shambhalian)
「逆光」の検索結果
「#pcyom」の検索結果
Twilogなので古いものから順番に読めます。
2010年、『逆光』発売(2010年9月30日)の約1ヶ月後の10月20日より、「逆光精読者」というアカウント名で(稲見さんのXのポストより)から、『逆光』について1日に必ず1頁=1ツイートをつぶやくという試みをスタート。
それは『ピンチョンの『逆光』を読む』発売(2011年6月22日)を目前に控えた2011年6月15日まで、236日(約8ヶ月)にわたって続いた。
『逆光 上』862ページを読了したのは12月29日。『逆光 下』は2011年1月18日より開始し、2011年06月15日に無事読了した。
木原さんが自ら発案した試みであった(と思われる)が、同時期に開催されていた伊藤聡さん提案の「ピンチョンマラソン」に便乗し、その後はハッシュタグ「#pcyom」を使用する。
その、伊藤聡さん提案の「ピンチョンマラソン」は『トマス・ピンチョン全小説』の柴田元幸さん翻訳の1作目『メイスン&ディクスン』の発売&イベントに合わせて開催されていたもののよう。木原さんのツイートはその一連のツイート群の中で、ひときわ異彩を放っていた。当然だ、ひとりで8ヶ月も続けていたのだから。そのことにより、このブログ「乙女の海外文学案内」を執筆する、私に発見され、現在に至る。
Togetter [トゥギャッター]
ピンチョンの『逆光』をつぶやく その1/全5回(2023年2月3日)
ポストモダン英文学の代表的作家による作品、日本語版翻訳者本人が解説をツイート(トゥギャッター編集部Xのポストより)。
ピンチョンの『逆光』をつぶやく その2/全5回
ピンチョンの『逆光』をつぶやく その3/全5回
ピンチョンの『逆光』をつぶやく その4/全5回
ピンチョンの『逆光』をつぶやく その5/全5回
木原善彦さんXより
毎日一回、ピンチョン『逆光(上下)』(新潮社)についてつぶやく。ことを目標にします。一日一ページのペースなら五年くらいの長期計画ということで。どうなることやら。
【逆光】せっかくなので……とこじつけて今後は、伊藤聡さん提案のハッシュタグを私の一連のツイートに添えることにします。PynChonYOMで #pcyom
【逆光】このつぶやきは当初、「『逆光』について1日に必ず1頁=1ツイート」として始めたものですが、ここまでは順調に来て、平均するとかなりハイペース。怠け心が生まれた(正気に戻った)ので、週に2-3日は休んで、「平均1ツイート/日以上」としようと思います。#pcyom
「JR」ウィリアム・ギャディス
『JR』
ウィリアム・ギャディス,木原善彦
2018/12/21
国書刊行会
第27回全米図書賞
第5回日本翻訳大賞受賞作
《 940ページ 》
11歳の少年JRが巨大コングロマリットを立ち上げて株式市場に参入、世界経済に大波乱を巻き起こす――!?
ミステリ作家・殊能将之も熱讃した、世界文学史上の超弩級最高傑作×爆笑必至の金融ブラックコメディがついに奇跡的邦訳!!
第27回全米図書賞受賞作。
「カーペンターズ・ゴシック」ウィリアム・ギャディス
『カーペンターズ・ゴシック』
ウィリアム・ギャディス,木原善彦
2019/09/26
国書刊行会
《 380ページ 》
今は亡き大鉱山主の娘エリザベス・ブースは、ハドソン河畔にある古いカーペンター・ゴシック様式の屋敷に、夫ポールと暮らしていた。山師気質で粗暴なポールは、メディアコンサルタントとしての成功を目論見、いくつもの胡散臭い事業の立ち上げを画策し動き回っている。ひっきりなしに屋敷にかかってくるいくつもの電話、そして訪ねてくる怪しい男たち。彼らが交わす錯綜した会話の断片からは、CIA、FBI、放送局、種子販売会社、鉱山開発会社などの影が垣間見え、やがて巨大利権をめぐる遠大な世界的陰謀へと話は広がり、エリザベス自身もそこで起こる事件へと巻き込まれていく…全米図書賞受賞『JR』の作家ギャディスによる、一軒の屋敷を舞台に繰り広げられる、超絶技巧×超高密度文体のゴシック・サスペンス&黙示録的狂騒会話劇。(1985年作)
「幸福の遺伝子」リチャード・パワーズ
『幸福の遺伝子』
リチャード・パワーズ,木原善彦
2013/04/26
新潮社
《 429ページ 》
スランプに陥った元人気作家の創作講義に、アルジェリア人学生がやってくる。過酷な生い立ちにもかかわらず、彼女はいつも幸福感に満ちあふれ、周囲の人々をも幸せにしてしまう。やがてある事件をきっかけに、彼女が「幸福の遺伝子」を持っていると主張する科学者が現れ、国民的議論を巻き起こすー。鋭敏な洞察の間に温かな知性がにじむ傑作長篇。
「惑う星」リチャード・パワーズ
『惑う星』
リチャード・パワーズ,木原善彦
2022/11/30
新潮社
《 392ページ 》
地球を憂う少年の心を、亡き母の愛が解き放つ。科学と情感が融合する傑作。パパ、この惑星に僕の居場所はないの? 地球外生命の可能性を探る研究者の男、その幼い息子は絶滅に瀕する動物たちの悲惨に寄り添い苦しんでいた。男は彼をある実験に参加させる。MRIの中で亡き母の面影に出会った少年は、驚くほどの聡明さを発揮し始めーー現代科学の最前線から描かれる、21世紀の「アルジャーノン」。
「オーバーストーリー」リチャード・パワーズ
『オーバーストーリー』
リチャード・パワーズ,木原善彦
2019/10/30
新潮社
《 674ページ 》
アメリカ最後の原始林を救え。米現代文学の旗手が放つ、森羅を覆い尽す物語。撃墜されるも東南アジアの聖木に救われた兵士、四世代に亘り栗の木を撮影し続けた一族の末裔、感電死から甦った女子大生……アメリカ最後の手つかずの森に聳える巨木に「召命」された彼らの使命とは。南北戦争前のニューヨークから20世紀後半のアメリカ西海岸の「森林戦争」までを描き切る、今年度ピュリッツァー賞受賞作。
「オルフェオ」リチャード・パワーズ
『オルフェオ』
リチャード・パワーズ,木原善彦
2015/07/31
新潮社
《 428ページ 》
耳に聞こえないメロディーは、聞こえるメロディーよりさらに甘美だ。微生物の営みを音楽にしようと試みる現代芸術家のもとに、捜査官がやってくる。容疑はバイオテロ? 逃避行の途上、かつての家族や盟友と再会した彼の中に、今こそ発表すべき新しい作品の形が姿を現す――。マーラーからメシアンを経てライヒに至る音楽の歩みと、一人の芸術家の半生の物語が響き合う、危険で美しい音楽小説。
「シガレット」ハリー・マシューズ
『シガレット (エクス・リブリス)』
ハリー・マシューズ,木原善彦
2015/02/13
白水社
ニューヨーク近郊に暮らす上流階級13人の複雑な関係が、時代を往来しながら明かされる。絵画、詐欺、変死をめぐる謎…その背後でいったい何が起きていたのか?実験的文学者集団「ウリポ」の鬼才による、精緻なパズルのごとき構成と仕掛け!
「ウィトゲンシュタインの愛人」デイヴィッド・マークソン
『ウィトゲンシュタインの愛人』
デイヴィッド・マークソン,木原善彦
2020/07/17
国書刊行会
アトロクで矢部太郎さんが推薦
地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト。彼女はアメリカのとある海辺の家で暮らしながら、終末世界での日常生活のこと、日々考えたとりとめのないこと、家族と暮らした過去のこと、生存者を探しながら放置された自動車を乗り継いで世界中の美術館を旅して訪ねたこと、ギリシアを訪ねて神話世界に思いを巡らせたことなどを、タイプライターで書き続ける。彼女はほぼずっと孤独だった。そして時々、道に伝言を残していた…ジョイスやベケットの系譜に連なる革新的作家デイヴィッド・マークソンの代表作にして、読む人の心を動揺させ、唯一無二のきらめきを放つ、息をのむほど知的で美しい“アメリカ実験小説の最高到達点”。
note「国書刊行会」
【再版記念・全文期間限定再公開!】『ウィトゲンシュタインの愛人』「訳者あとがき」【2020年8月7日~終了日未定】
【アメリカ実験小説の最高到達点】『ウィトゲンシュタインの愛人』(デイヴィッド・マークソン/木原善彦訳)を刊行します
Spotify
カルチャートーク:アトロク 秋の推薦図書月間(矢部太郎さん)(約23分)
2020年11月4日(水)放送のライムスター歌丸さんのラジオ番組で、矢部太郎さんがデイヴィッド・マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』をおすすめ。
好書好日
「ウィトゲンシュタインの愛人」書評 確かさ崩れて気持ちのいい虚無(評者: いとうせいこう)
「これは小説ではない」デイヴィッド・マークソン
『これは小説ではない (フィクションの楽しみ)』
デイヴィッド・マークソン,木原善彦
2013/10/05
水声社
究極的には、主題さえ持たない芸術作品。それが“作者”の望みだ。まったく物語のない小説。“死の類別目録”小説。
「愚か者同盟」ジョン・ケネディ・トゥール
『愚か者同盟』
ジョン・ケネディ・トゥール,木原善彦
2022/07/28
国書刊行会
イグネイシャスは、潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、職場では仕事を放り出し、事務所をリボンで飾り付けつつ黒人たちの労働デモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に声を掛けてきた怪しい男に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。やがて今度は職場から放り出され、警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こすーー!!!
「10:04」ベン・ラーナー
『10:04 (エクス・リブリス)』
ベン・ラーナー,木原善彦
2017/02/22
白水社
《オースター、フランゼンが絶賛する期待の若手
小説の執筆に挑む詩人の、美しく愉快な語り》「全ては今と変わらない――ただほんの少し違うだけで」
主人公の詩人を通じて語られる、「世界が組み変わる」いくつもの瞬間。身体感覚は失われ、過去と未来、事実と虚構(フィクション)……あらゆる境界が揺らめきだす。
オースター、フランゼンが才能を評価する米の若手作家による「遊歩(フラヌール)」小説。
「私はゼブラ」アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ
『私はゼブラ (エクス・リブリス)』
アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ,木原善彦
2020/09/26
白水社
PEN/フォークナー賞受賞の傑作長篇
「文学以外の何ものをも愛してはならない」。父から教え込まれた家訓を胸に、若き文学至上主義者ゼブラが、文学に時に救われ、時に囚われながら、度重なる亡命で分裂した自己を取り戻し、新たな愛に目覚めていくピカレスク小説。主要メディアが絶賛、イラン系アメリカ人作家による現代版『ドン・キホーテ』。
「民のいない神」ハリ・クンズル
『民のいない神 (エクス・リブリス)』
ハリ・クンズル,木原善彦
2015/02/13
白水社
ピンチョンとデリーロの系譜に連なる、インド系イギリス作家による、「超越文学」の登場!砂漠にそびえる巨大な岩山「ピナクル・ロック」。そこで起きた幼児失踪事件を中心に、アメリカ先住民の伝承から、UFOカルト、イラク戦争、金融危機まで、いくつもの時空を往還し、予測不能の展開を見せる傑作長篇。
「J.G.バラードの千年王国ユーザーズガイド」J・G・バラード
『J.G.バラードの千年王国ユーザーズガイド』
J・G・バラード,木原善彦
2003/06/01
白揚社
世界の終末を描く『沈んだ世界』『結晶世界』、スピルバーグ監督が映画化した『太陽の帝国』などで知られるSF界の異才J・G・バラード。ミステリー・現代小説ファンからも広く熱狂的な支持を集めるそのバラードが、30年にわたって発表してきた書評とエッセイが初めて一冊になりました。
もっと木原善彦さんの本
「アメリカ文学史への招待」橋本安央、藤井光、坂根隆広ほか
『アメリカ文学史への招待: 豊饒なる想像力』
橋本安央,藤井光,坂根隆広,池末陽子,大川淳,古井義昭,舌津智之,稲冨百合子,小南悠,白川恵子,石原剛,中村善雄,小林久美子,水口陽子,畔柳和代,金澤哲,出口菜摘,戸田慧,ハーン小路恭子,坂井隆,後藤篤,木原善彦,西光希翔
2025/03/15
法律文化社
17世紀入植時代の始まりから近代文学として立ち現われ、内包する革新的精神をもとに文学史観を大きく変容させてきたアメリカ文学。文学作品をめぐる視点が後退しつつあるいま、文学史の原点に立ち戻り、狭義の文学を文学作品として読む姿勢を基軸として代表的な30作品を取り上げる。世界文学におけるアメリカ文学、アメリカ文学と日本文学の関連性などにも視野を広げ、日本語読者が読むべき読書リストも付す。
「アイロニーはなぜ伝わるのか?」木原善彦
『アイロニーはなぜ伝わるのか? (光文社新書)』
木原善彦
2020/01/15
光文社
ある晴れた休日、「今日はお出かけ日和だ」と言って意気揚々とAさんが家族をつれてピクニックに出掛ける。
ところが、急に天気が崩れて土砂降りになり、「ほんとに今日はお出かけ日和ね」と家族に言われてしまう。
Aさんに対する非難のこもったこの発言がいわゆるアイロニー発話と呼ばれるものの典型とされる。
この場合、「アイロニー」に「皮肉」という訳語を当ててもかまわないが、
アイロニーは「皮肉」よりも幅広いカテゴリーの修辞的表現である。
本書では、この「言いたいことの逆を言う」アイロニーがどうして相手に伝わるのかという問題を考える。
加えて現実を相対化するための、知的な「武器としてのアイロニー」の可能性も示す。
「トマス・ピンチョン 現代作家ガイド 7」麻生享志、木原善彦
『トマス・ピンチョン (現代作家ガイド 7)』
麻生享志,木原善彦
2014/06/12
彩流社
ポスト・モダン、そしてアメリカ現代作家の最高峰!?
トマス・ピンチョン、
「現代作家ガイド」シリーズについに登場!!満載のギャグやポップカルチャーと高度な知性の混交、圧倒的な情報量、
複雑な構成、ノンストップで走りまくるストーリー……。
研究者はもちろん、文学ファンにも好評の「現代作家ガイド」シリーズの
最新刊は、その作風を一口には語るのが難しいだけでなく、公に姿を現さず、
プロフィールがいまだ謎に包まれる作家トマス・ピンチョンを取り上げます。
「ピンチョンの『逆光』を読む」木原善彦
『ピンチョンの『逆光』を読むー空間と時間、光と闇』
木原善彦
2011/06/22
世界思想社
フロンティアが消滅したアメリカと世界大戦へと突き進むヨーロッパを舞台に“偶然の仲間”の冒険、トラヴァース一家の復讐、無数の人々の出会いと別れが交錯する物語『逆光』。ポストモダン文学の巨人ピンチョンの千ページを超える傑作の訳者が贈る、ひとつの創造的注釈書。
いい本が出た。: sgtsugar.com.blog
佐藤良明さんのトマス・ピンチョン翻訳日記ブログに感想。
「UFOとポストモダン」木原善彦
『UFOとポストモダン (平凡社新書)』
木原善彦
2006/02/11
平凡社
UFO(空飛ぶ円盤)と宇宙人についてのおびただしい言説。そこから、アメリカ社会=現代社会の論理が浮かび上がる。たとえば、初期の宇宙人は優れた科学を持つ金髪の白人だったが、灰色の肌をした吊り上がった目の邪悪なものへと姿を変え、ポストモダンの時代には節足動物や昆虫になってしまった。これはいったい何を意味しているのだろうか?UFO神話、政府陰謀説を丁寧に読み解き、エイリアンと人類の未来を予測する。
「トマス・ピンチョン 無政府主義的奇跡の宇宙」木原善彦
『トマス・ピンチョン: 無政府主義的奇跡の宇宙』
木原善彦
2001/01/01
京都大学学術出版会
複雑かつ難解な作品世界で多くの読者を魅了してきたピンチョン。17年の歳月を経て著された「ヴァインランド」、最新作「メイソン&ディクソン」はどうだったか。全長編の変遷を詳細に分析しながら、作家の軌跡を追う。
木原善彦さんの読みもの、ラジオ
Spotify「アフター6ジャンクション 2」
特集:バラク・オバマ 特集【本と文房具】編 !by木原善彦 さん(約52分)
カルチャートーク:アトロク 秋の推薦図書月間(矢部太郎さん)(約23分)
2020年11月4日(水)放送のライムスター歌丸さんのラジオ番組で、矢部太郎さんがデイヴィッド・マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』をおすすめ。
Youtube「公式 TBS Podcast」
特集:バラク・オバマ 特集【本と文房具】編 !by木原善彦 さん(約52分)
アフター6ジャンクション2のXより
翻訳家・木原善彦さん作成 オバマ元大統領のお薦め本2014-2020(日本語版)その①
オバマ元大統領のお薦め本2014-2020(日本語版)その②
新潮社
バラバラな世界とバラ色の夢 木原善彦|『夏』 アリ・スミス、木原善彦/訳
木原善彦 | 国書刊行会創業50周年
ENGLISH JOURNAL
宇宙人のイメージはどこから?時代とともに移り変わるエイリアン像
現代ビジネス | 講談社
いまアメリカで「UFO」が再注目されつつある「驚きの背景」(池田 純一)
Real Sound|リアルサウンド ブック
UFO目撃情報が多発、その社会心理とは? 2020年のUFO像を考える
【群像 エッセイ】|翻訳(という) 家の窓から見える風景/木原善彦|tree
ALL REVIEWS
『JR』(国書刊行会) – 著者:ウィリアム・ギャディス 翻訳:木原 善彦 – 木原 善彦による訳者あとがき
国書刊行会さん: 「【W受賞】このたび『JR』(ウィリアム・ギャディス/木原善彦訳)が第55回日本翻訳出版文化賞を受賞いたしました! / X
エキサイトニュース
全員オタクで全員アツイ「日本翻訳大賞」に行ってきました、どんなジャンルでも人が推しを語る姿はステキだ
装画「四季4部作」 | Sora Mizusawa
アリ・スミス「四季四部作」完結記念 特製BOXプレゼント | News Headlines | 新潮社
こんな素敵な試みも。応募締め切りは2022年11月30日。
Book Bang -ブックバン-
トマス・ピンチョンと比肩する作家の邦訳版が刊行 全930ページの重量級小説の魅力とは? | レビュー
本の読める店 fuzkue
アリ・スミス『秋』(木原善彦訳、新潮社)
ALL REVIEWS
『オルフェオ』(新潮社) – 著者:リチャード・パワーズ 翻訳:木原 善彦 – 鴻巣 友季子による書評
『アイロニーはなぜ伝わるのか?』(光文社) – 著者:木原 善彦 – 小川 公代による書評
光文社新書
木原善彦さんの最新刊を読んだら積ん読中の難解な小説まですらすら読めるようになった
Web河出
ププッ♪戦時下に響く平和の放屁! 浅暮三文が放つ奇想の物語
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