
Locus Award for Best Translated Novel
アメリカの著名なSF・ファンタジー専門誌『Locus』が主催する、世界的な文学賞「ローカス賞」。その中で2026年に新設された「翻訳部門」は、英語圏以外で書かれた優れたSF・ファンタジー作品と、その翻訳者を称える部門です。
本ページでは、その受賞作と最終候補作(ファイナリスト)を一覧にまとめています。邦訳作品はまだ少ないため、すでに日本語訳のある作家については、他の邦訳作品の情報も併記しています。
ローカス賞「翻訳部門」の受賞作と最終候補作の一覧表
| 年 | 作家名 | 作品名 | 作家名英語 | 翻訳者名 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年★ | ソルヴェイ・バレ | On the Calculation of Volume (Book III) | Solvej Balle | Sophia Hersi Smith, Jennifer Russell |
| 2026年 | 村田沙耶香 | Vanishing World | Sayaka Murata | 竹森ジニー (Ginny Tapley Takemori) |
| ― | 村田沙耶香 | 消滅世界 | ― | 河出文庫 |
| 2026年 | アグスティナ・バステリカ | The Unworthy | Agustina Bazterrica | Sarah Moses |
| 2026年 | チョン・ソンラン | The Midnight Shift | Cheon Seon-Ran | Gene Png |
| 2026年 | チョン・ボラ | Red Sword | Bora Chung | Anton Hur |
| 2026年 | チョン・ボラ | The Midnight Timetable | Bora Chung | Anton Hur |
| 2026年 | ヤチェク・ドゥカイ | Ice | Jacek Dukaj | Ursula Phillips |
| 2026年 | Sung-il Kim | Blood for the Undying Throne (The Bleeding Empire, 2) | Sung-il Kim | Anton Hur |
| 2026年 | Michel Nieva | Dengue Boy | Michel Nieva | Rahul Bery |
| 2026年 | Olga Ravn | The Wax Child | Olga Ravn | Martin Aitken |
↑リンクはAmazon、
作家名で検索、スクロール可能、
右には英語の作家名、並べ替えできます。
洋書のリンクは基本的にはKindle、
表紙は楽天ブックスのもの。
説明文はGoogle翻訳などです。
2026年のローカス賞受賞作
2026年ローカス賞
〈SF長編部門〉
『Death of the Author』
ンネディ・オコラフォー
〈ファンタジイ長編部門〉
『The Everlasting』
アリックス・E・ハロウ
〈ホラー長編部門〉
『The Buffalo Hunter Hunter』
スティーヴン・グレアム・ジョーンズ
〈ヤングアダルト部門〉
『Starstrike (Moonstorm Book 2)』
ユーン・ハ・リー
〈第一長編部門〉
『Sour Cherry』
ナタリア・テオドリドゥ
〈翻訳部門〉
『On the Calculation of Volume (Book III)』
ソルヴェイ・バレ, Sophia Hersi Smith & Jennifer
〈中長編部門〉
『The River Has Roots』
アマル・エル=モフタール
〈中編部門〉
『We Begin Where Infinity Ends』
Somto Ihezue
〈短編部門〉
『In My Country』
トーマス・ハ
〈アンソロジー部門〉
『We Will Rise Again』
マルカ・オールダー,アナリー・ニューイッツ,カレン・ロード
〈短編集部門〉
『Uncertain Sons and Other Stories』
トーマス・ハ
〈雑誌部門〉
『Clarkesworld』
〈出版社部門〉
Orbit
〈編集者部門〉
Neil Clarke
〈アーティスト部門〉
John Picacio
〈イラスト・アートブック部門〉
『The Space Cat』
ンネディ・オコラフォー,タナ・フォード
〈ノンフィクション部門〉
『Enshittification』
コリイ・ドクトロウ
〈2026年特別賞〉
スペキュレイティブ・ライティング・コミュニティへの貢献
The Submission Grinder, David Steffen & Volunteers
ローカス賞とは

ローカス賞は、カリフォルニア州オークランドに拠点を置く月刊SFファンタジー雑誌「ローカス」の読者による投票で選ばれる、毎年恒例の文学賞です。授賞式は毎年晩餐会で行われます。
Locus Award – Wikipedia
元々はローカス誌の購読者のみを対象とした投票だったが、現在は誰でも投票できるようになっている。ただし、購読者の投票は非購読者の投票の2倍の価値がある。この賞は1971年に創設され、当初はヒューゴー賞への提案や推薦を行うことを目的としていた。今では、SF、ファンタジー、ホラー文学における権威ある賞とみなされている。
今年は新たに翻訳小説のカテゴリーを追加しました!
2025 Recommended Reading List – Locus
2026年ローカス賞「翻訳部門」受賞作
「On the Calculation of Volume (Book III)」ソルヴェイ・バレ
『On the Calculation of Volume (Book III)』
Solvej Balle, Sophia Hersi Smith, Jennifer Russell
2025/11/18
New Directions
11月18日、タラの人生は一変する。彼女は、果てしなく続く秋の日々の中で、もはや一人ではないことに気づく。なぜなら、彼女は、自分と同じように「今は秋だが、冬に向かっているわけではない。春や夏が続くわけでもない。木々の赤や黄色はいつまでもここにある。昨日が11月17日を意味するわけではなく、明日が18日を意味し、19日は私たちが決して見ることのない日かもしれない」ということを覚えていて、知っている人に出会ったからだ。
2026年ローカス賞「翻訳部門」最終候補作
翻訳者さんの名前が長いため、見出しでは省略。
「Vanishing World」村田沙耶香
『Strange Pictures: The Chilling Japanese Mystery Sensation』
Sayaka Murata, Ginny Tapley Takemori
2025/04/15
Grove Press
村田沙耶香は、現代社会の奇妙さを鮮やかに描き出す、最も刺激的な作家の一人であることを証明してきた。彼女は、現代社会を不気味で不安を掻き立てるような視点で描き出している。『コンビニ人間』で描かれた独身の幸せな店員や、『地球人』で自分が宇宙人だと確信する若い女性の描写は、世界中の何百万人もの読者を魅了してきた。『消えゆく世界』は、村田の世界観を大胆な新たな次元へと引き上げ、性や生殖に対する考え方が現代とは全く異なる、もう一つの日本を描き出す。
『消滅世界 (河出文庫)』
村田沙耶香
2018/07/05
河出書房新社
セックスではなく人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、「両親が愛し合った末」に生まれた雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。清潔な結婚生活を送り、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園で一変する…日本の未来を予言する傑作長篇。
「The Unworthy」アグスティナ・バステリカ
『The Unworthy: A Novel』
Agustina Bazterrica, Sarah Moses
2025/03/04
Scribner
【表紙は楽天ブックス(紙の本)です】
謎めいた修道院の独房で、一人の女性が、手に入るものなら何でも――使い古しのインク、土、そして自らの血――に書き綴る。
聖なる修道女会の下位メンバーであり、不適格者とみなされた彼女は、修道院の中心にいる啓蒙者の地位に昇り詰め、不吉な予感を漂わせる修道院長を喜ばせることを夢見ている。
外の世界は大災害に見舞われ、都市は水没し、電気もインターネットも途絶え、生き残った人々は荒涼とした過酷な大地で争い、食料を探し求めている。修道院の中では、語り手は支配され、罰せられながらも、安全な場所にいる。
しかし、見知らぬ女性が修道院の壁を越え、不適格者の仲間入りをした時、語り手は長年封印してきた過去、そして啓蒙者について見落としていたかもしれないことを、改めて考えさせられることになる。
「The Midnight Shift」チョン・ソンラン
『The Midnight Shift』
Cheon Seon-Ran, Gene Png
2025/08/12
Bloomsbury Publishing
同じ病院で、孤独な高齢者4人が6階の窓から飛び降りて相次いで死亡するという事件が発生。〔…〕しかし、警察の同僚たちは、患者の孤独による不幸な自殺として事件を片付けてしまう。だが、スヨンには見て見ぬふりをする余裕はなかった。親友のウンシムおばあちゃんが6階に住んでおり、スヨンは次にウンシムおばあちゃんに何か起こるのではないかと怯えていたのだ。
スヨンは単独で捜査を開始し、現場でヴィオレットという謎の女性に出会う。ヴィオレットは元恋人のリリーを探している吸血鬼ハンターだと名乗り、一連の不可解な死の背後には吸血鬼がいると主張する。
「Red Sword」チョン・ボラ

『Red Sword』
Bora Chung, Anton Hur
2025/05/13
Honford Star
紛争中の惑星で、文字通りの戦場の霧の中、一人の女性が戦場に放り込まれ、捕らえた者たちの戦争で戦うことを強いられる。帝国が背後に控え、少しでも躊躇すれば殺そうと待ち構えている中、奴隷から不本意ながら英雄となった彼女は、未知の敵、科学的な怪物、そして真に異質な地形を突破し、自身の正体と奴隷にされた仲間たちの正体についての真実を明らかにしなければならない。
「The Midnight Timetable」チョン・ボラ
『Midnight Timetable: A Novel in Ghost Stories』
Bora Chung, Anton Hur
2025/09/30
Algonquin Books
韓国の著名なホラー・SF作家による、鳥肌が立つような新作は、研究所の夜勤職員を主人公とする物語だ。
彼らはすぐに、なぜ一部の職員が研究所で長続きしないのかを知ることになる。302号室のハンカチは、かつて2人の息子を持つ亡き母親のものだった。息子たちの確執がハンカチに不当な力を与え、それを手に入れようとする者たちの人生を狂わせていく。一方、ライブ配信で幽霊退治をしている職員は、廊下で呪われたスニーカーを盗むが、後にその足跡から逃れられないことに気づく。206号室の猫は、かつての家族の犯罪を明かし始め、研究所の薄暗い廊下へと至る自身の経緯を理解しようとする。
「Ice」ヤチェク・ドゥカイ
『Ice』
Jacek Dukaj, Ursula Phillips
2025/11/06
Head of Zeus — an AdAstra Book
彼は氷を受け入れるのか、それとも氷を破壊するのか?
1924年7月14日。雪に覆われ、ロシアの支配下に置かれたワルシャワで、放蕩な生活を送るポーランドの若き数学者ベネディクト・ギエロスワフスキは、冬季省の二人の役人に起こされ、シベリア鉄道に乗ってシベリアへと派遣される。長年亡命生活を送っている父を探し出すためだ。
「Blood for the Undying Throne」Sung-il Kim
『Blood for the Undying Throne: Book Two of the Bleeding Empire』
Sung-il Kim, Anton Hur
2025/10/30
Orbit
帝国は、自らの力に抵抗するあらゆるものを破壊する巨大な兵器を用いて、いわゆる平和を強行し続けている。征服された人々は帝国のなすがままにされるしかないが、このような絶望的な状況は、英雄的な抵抗の土壌となり得る。
ローランの旗の下で結集した姿が最後に目撃されたエメレは、今や帝都で無力な政治家として身を置いている。しかし、暗殺未遂事件に巻き込まれた彼は、帝国の最高レベルで企てられている陰謀の中心に自分がいるかもしれないことに気づく。
「Dengue Boy」Michel Nieva
『Dengue Boy: A Novel』
Michel Nieva, Rahul Bery
2025/02/04
Astra House
この物語の主人公は、「冬」「寒さ」「雪」といった言葉の意味を全く理解していない。なぜなら、それらの言葉が表す現象を一度も経験したことがないからだ。
舞台はアルゼンチンのラ・パンパ州、ビクトリカ。時は2197年、南極の氷冠が全て溶け、前例のない気候変動が起こり、この地域の景観はカリブ海のパンパへと劇的に変貌した年。そこで、デング熱の子供は成長する。子供と蚊が混ざり合った突然変異体であり、超資本主義企業がウイルスとその治療法を独占しようと競い合い、株式市場で利益を得るために自らの子供の存在さえも破壊する、狂気じみた実験の結果生まれた存在なのだ。
「The Wax Child」Olga Ravn
『The Wax Child』
Olga Ravn, Martin Aitken
2025/09/30
New Directions
17世紀のデンマークで、未婚の貴族女性クリステンツェ・クルッコウは魔女の嫌疑をかけられる。彼女と他の数人の女性は、首のない背の高い男の姿で現れた悪魔に取り憑かれ、邪悪な力を授けられたと噂される。彼女たちは人々の幸福を奪い、非キリスト教的な行為を行い、疫病や死を引き起こすことができるというのだ。彼女たちは皆、火刑に処される危険にさらされていた。





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