英ガーディアン紙ベスト100冊に選ばれなかった名作リスト〈日本・その他の地域編〉

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英ガーディアン紙ベスト100冊に選ばれなかった名作リスト〈日本・その他の地域編〉

 英ガーディアン紙が発表した「史上最高の小説100冊」の公式アンケート(回答者172名)の「マイ・トップ10」のデータから、各自のトップ3を抽出して一覧表にし、投票者が激推ししたにもかかわらず、総合ベスト100冊からは惜しくも漏れてしまった名作だけの一覧表を作成しました。

 今回は〈日本・その他の地域編〉として、イギリスとアメリカ以外の作家の作品を紹介。あわせて、投票者個人の「マイ・トップ10」に選ばれていた日本人作家の作品についてもまとめています。

  1. 英ガーディアン紙ベスト100冊に選ばれなかった名作リスト
  2. 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」のこと
    1. 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の一覧表
    2. 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の「MY TOP 10」
    3. 英ガーディアン紙ベスト100冊、「MY TOP 10」に選ばれていた日本人作家の作品
    4. 英ガーディアン紙の100冊関連のまとめ記事
  3. 英ガーディアン紙の100冊に選ばれなかった名作リスト〈日本・その他の地域編〉
    1. アイリス・マードック「海よ、海」ほか
    2. アゴタ・クリストフ「第三の嘘」
    3. アリス・マンロー「ジュビリー」
    4. アルフレート・デーブリーン「ベルリン・アレクサンダー広場」
    5. アレクサンドル・プーシキン「オネーギン」
    6. イヴォ・アンドリッチ「ドリナの橋」
    7. イザベル・アジェンデ「精霊たちの家」
    8. ウラジーミル・ナボコフ「プニン」ほか
    9. ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」
    10. エイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」
    11. エドゥアルド・ガレアーノ「火の記憶」
    12. エルサ・モランテ「アルトゥーロの島」
    13. 小川洋子「密やかな結晶」
    14. ガブリエル・ガルシア=マルケス「コレラの時代の愛」
    15. ギュンター・グラス「ブリキの太鼓」
    16. クリスタ・ヴォルフ「幼年期の構図」
    17. クリストス・チョルカス「スラップ」
    18. クレア・キーガン「ほんのささやかなこと」
    19. 作者不詳「リグ・ヴェーダ讃歌」
    20. ジェイムズ・ジョイス「若い藝術家の肖像」
    21. スタンダール「赤と黒」
    22. 谷崎潤一郎「細雪」
    23. ダンテ・アリギエリ「神曲」
    24. トーベ・ヤンソン「少女ソフィアの夏」
    25. ハビエル・セルカス「サラミスの兵士たち」
    26. ハン・ガン「少年が来る」
    27. フェルナンダ・メルチョール「ハリケーンの季節」
    28. フラン・オブライエン「スウィム・トゥー・バーズにて」
    29. フリオ・コルタサル「石蹴り遊び」
    30. ペーター・ホゥ「スミラの雪の感覚」
    31. 蒲松齢「聊斎志異」
    32. ボフミル・フラバル「あまりにも騒がしい孤独」
    33. マルグリット・ユルスナール「ハドリアヌス帝の回想」
    34. マルセー・ルドゥレダ「ダイヤモンド広場」
    35. ルーシー・モード・モンゴメリ「赤毛のアン」
    36. レフ・トルストイ「イワン・イリイチの死」
    37. ロバートソン・デイヴィス「五番目の男」

英ガーディアン紙ベスト100冊に選ばれなかった名作リスト

順
位
投票者/作品名作家名翻訳者名出版社ほか投票者英語
3Afterlivesアブドゥルラザク・グルナ――Maaza Mengiste
2スリーピング・マーダーアガサ・クリスティー綾川梓早川書房
クリスティー文庫
Kate Mosse
1第三の嘘アゴタ・クリストフ堀茂樹ハヤカワepi文庫Mazen Maarouf
3ファミリー・ライフアキール・シャルマ小野正嗣新潮クレスト・
ブックス
Nikesh Shukla
2オネーギンアレクサンドル・プーシキン池田健太郎岩波文庫Nadifa Mohamed
1Praiseworthyアレクシス・ライト――Beejay Silcox
2ベルリン・アレクサンダー広場アルフレート・デーブリーン早崎守俊KAWADE
ルネサンス
PD Smith
2ベルリン・アレクサンダー広場アルフレート・デーブリーン早崎守俊KAWADE
ルネサンス
Sukhdev Sandhu
1両方になるアリ・スミス木原善彦新潮クレスト・
ブックス
Lucy Knight
3ジュビリーアリス・マンロー小竹由美子新潮クレスト・
ブックス
Lorrie Moore
2ファン・ホーム ある家族の悲喜劇アリソン・ベクダル椎名ゆかり小学館集英社
プロダクション
Lucy Knight
2やし酒飲みエイモス・チュツオーラ土屋哲岩波文庫Alain Mabanckou
3やし酒飲みエイモス・チュツオーラ土屋哲岩波文庫Sandra Newman
3Tongues Iアンダーズ・ニルセン――Mark Haddon
2夜ごとのサーカスアンジェラ・カーター加藤光也国書刊行会Joanne Harris
1Latecomersアニタ・ブルックナー――Hermione Lee
2ワイルドフェル・ホールの住人アン・ブロンテ山口 弘恵みすず書房Samantha Ellis
1The Yearsアニー・エルノー――Natasha Walter
3シッピング・ニュースE・アニー・プルー上岡伸雄集英社文庫Daisy Johnson
1リグ・ヴェーダ讃歌作者不詳辻直四郎岩波文庫Jeet Thayil
2A Dance to the Music of Timeアンソニー・パウエル――Pratinav Anil
1The Palliser Novelsアンソニー・トロロープ――Tom Crewe
2Proxoperaベネディクト・カイリー――Colum McCann
2Mussel Feastビルギット・ヴァンデルベーケ――Natalie Haynes
3あまりにも騒がしい孤独ボフミル・フラバル石川達夫松籟社
東欧の想像力
Alain Mabanckou
1オリヴァー・ツイストチャールズ・ディケンズ加賀山卓朗新潮文庫Joshua Cohen
3Arrow of Godチヌア・アチェベ――Chigozie Obioma
1幼年期の構図クリスタ・ヴォルフ保坂一夫恒文社Catherine Taylor
2スラップクリストス・チョルカス湊圭史現代企画室
オーストラリア
現代文学傑作選
John Boyne
1ほんのささやかなことクレア・キーガン鴻巣友季子早川書房Amanda Craig
1Citizenクラウディア・ランキン――Candice Carty Williams
1恋する女たちD・H・ロレンス福田恒存新潮文庫Kieran Goddard
1ロビンソン・クルーソーダニエル・デフォー唐戸信嘉光文社古典
新訳文庫
Benjamin Myers
3ロクサーナダニエル・デフォー宮崎孝一槐書房Joshua Cohen
3アルジャーノンに花束をダニエル・キイス小尾芙佐ハヤカワ文庫NVKit de Waal
3North Woodsダニエル・メイソン――Maggie O’Farrell
2神曲(全3巻)ダンテ・アリギエリ原基晶講談社学術文庫Jeet Thayil
2九年目の魔法ダイアナ・ウィン・ジョーンズ浅羽莢子創元推理文庫Imogen Russell Williams
2夜の森デューナ・バーンズ野島秀和国書刊行会Lauren Elkin
2リブラ時の秤ドン・デリーロ真野明裕文藝春秋Dorian Lynskey
2ダニエル書E・L・ドクトロウ渋谷雄三郎サンリオ文庫Maaza Mengiste
3ダニエル書E・L・ドクトロウ渋谷雄三郎サンリオ文庫Sarah Crown
2インドへの道E・M・フォースター小野寺健河出文庫Shahidha Bari
3モーリスE・M・フォースター加賀山卓朗光文社古典
新訳文庫
Benjamin Myers
3モーリスE・M・フォースター加賀山卓朗光文社古典
新訳文庫
Yael van der Wouden
3国の慣習イーディス・ウォートン小林由杲―Hermione Lee
2カントリー・ガールエドナ・オブライエン大久保康雄集英社文庫Nina Stibbe
1火の記憶エドゥアルド・ガレアーノ飯島みどりみすず書房Uzma Aslam Khan
2アルトゥーロの島エルサ・モランテ中山エツコ河出書房新社Naoise Dolan
3ハリケーンの季節フェルナンダ・メルチョール宇野和美早川書房Alex Needham
3スウィム・トゥー・バーズにてフラン・オブライエン大澤正佳白水UブックスColum McCann
3嘘の木フランシス・ハーディング児玉敦子創元推理文庫Imogen Russell Williams
3コレラの時代の愛ガブリエル・ガルシア=マルケス木村榮一新潮社Michael Chabon
2Trilbyジョージ・デュ・モーリア――Joshua Cohen
2ダニエル・デロンダジョージ・エリオット藤田繁彩流社Jacqueline Rose
3サイラス・マーナージョージ・エリオット小尾芙佐光文社古典
新訳文庫
Samantha Harvey
2動物農場ジョージ・オーウェル山形浩生ハヤカワepi文庫Parinoush Saniee
2フィンツィ・コンティーニ家の庭ジョルジョ・バッサーニ大空幸子新潮社Olivia Laing
3ブリキの太鼓ギュンター・グラス高本研一集英社Maya Jaggi
3少年が来るハン・ガン井手俊作CUON
新しい韓国の文学
Philippe Sands
1郊外のブッダハニフ・クレイシ古賀林幸中央公論新社Nikesh Shukla
2A Little Lifeハニヤ・ヤナギハラ――Florence Knapp
2アラバマ物語ハーパー・リー上岡伸雄早川書房Sarah Crown
2ブリジット・ジョーンズの日記ヘレン・フィールディング亀井よし子角川文庫Candice Carty Williams
2鳩の翼ヘンリー・ジェイムズ大原千代子講談社文芸文庫Sarah Churchwell
2鏡と光ヒラリー・マンテル宇佐川晶子早川書房Sian Cain
3切られた首アイリス・マードック工藤昭雄新潮社Pratinav Anil
3鐘アイリス・マードック丸谷才一集英社文庫David Shariatmadari
3海よ、海アイリス・マードック蛭川久康集英社Nina Allan
2精霊たちの家イサベル・アジェンデ木村榮一河出文庫Diana Evans
2ドリナの橋イヴォ・アンドリッチ松谷健二恒文社
東欧の文学
Fiona Sampson
2セポイの反乱ジェイムズ・G・ファレル岩元巌新潮社Samantha Harvey
1ひと月の夏J・L・カー小野寺健白水UブックスRichard Osman
1指輪物語J・R・R・トールキン瀬田貞二,
田中明子
評論社文庫Adam Roberts
2若い藝術家の肖像ジェイムズ・ジョイス丸谷才一集英社文庫
ヘリテージ
シリーズ
Amit Chaudhuri
2若い藝術家の肖像ジェイムズ・ジョイス丸谷才一集英社文庫
ヘリテージ
シリーズ
Maya Jaggi
3The Busconductor Hinesジェームズ・ケルマン――James Meek
3All That Isジェームズ・ソルター――Julie Myerson
1Light Yearsジェームズ・ソルター――Sophie Mackintosh
3分別と多感ジェイン・オースティン中野康司ちくま文庫Katharine Viner
1Old Filth Trilogyジェーン・ガーダム――Maggie O’Farrell
1サラミスの兵士たちハビエル・セルカス宇野和美河出書房新社Philippe Sands
3Good Morning, Midnightジーン・リース――M. John Harrison
3ならずものがやってくるジェニファー・イーガン谷崎由依ハヤカワepi文庫Natalie Haynes
1ボートの三人男ジェローム・K・ジェローム丸谷才一中公文庫Sukhdev Sandhu
1U.S.A.(三部作)ジョン・ドス・パソス渡辺利雄,
平野信行,
島田太郎
岩波文庫Dorian Lynskey
3サイダーハウス・ルールジョン・アーヴィング真野明裕文春文庫John Boyne
1キャナリー・ロウ: 缶詰横町ジョン・スタインベック井上謙治福武文庫Xan Brooks
3エデンの東ジョン・スタインベック土屋政雄ハヤカワepi文庫Meg Rosoff
2カップルズジョン・アップダイク宮本陽吉新潮文庫David Shariatmadari
1なにかが起こったジョーゼフ・ヘラー篠原慎角川書店John Self
3第千二夜物語ヨーゼフ・ロート平田達治鳥影社Samantha Ellis
3石蹴り遊びフリオ・コルタサル土岐恒二水声社
フィクション
の楽しみ
Alberto Manguel
2細雪谷崎潤一郎―新潮文庫Catherine Taylor
2飢えクヌート・ハムスン山室静主婦の友社Benjamin Myers
2飢えクヌート・ハムスン山室静主婦の友社Chigozie Obioma
2スローターハウス5カート・ヴォネガット伊藤典夫ハヤカワ文庫SFLucas Rijneveld
3恋を覗く少年L・P・ハートリー蕗沢忠枝新潮社
新鋭海外文學叢書
Aida Edemariam
2Lonesome Doveラリー・マクマートリー――Geoff Dyer
3Lonesome Doveラリー・マクマートリー――Richard Osman
3夜の底を歩くレイラ・モトリー井上里早川書房Candice Carty Williams
3イワン・イリイチの死レフ・トルストイ望月哲男光文社古典
新訳文庫
Melissa Broder
1Who Will Run the Frog Hospital?ローリー・ムーア――Saba Sams
1Ducks, Newburyportルーシー・エルマン――Nina Stibbe
3赤毛のアンルーシー・モード・モンゴメリ村岡花子講談社Florence Knapp
1アキレウスの歌マデリン・ミラー川副智子早川書房Nussaibah Younis
1The Dirty DustMáirtín Ó Cadhain――Naoise Dolan
2火山の下マルカム・ラウリー斎藤兆史,
渡辺暁,
山崎暁子
白水社Nina Allan
3ハドリアヌス帝の回想マルグリット・ユルスナール多田智満子白水社David Diop
2The Book of Night Womenマーロン・ジェイムズ――Bernardine Evaristo
3悲しみは羽根をまとってマックス・ポーター桑原洋子早川書房Lucas Rijneveld
3ダイヤモンド広場マルセー・ルドゥレダ田澤耕岩波文庫Mazen Maarouf
3パチンコミン・ジン・リー池田真紀子文春文庫Roxane Gay
2あなたの自伝、お書きしますミュリエル・スパーク木村政則河出書房新社Ali Smith
3愛の追跡ナンシー・ミットフォード奥山康治彩流社Lisa Allardice
1緋文字ナサニエル・ホーソーン小川高義光文社古典
新訳文庫
Ben Markovits
2Drive Your Plow Over
the Bones of the Dead
オルガ・トカルチュク――Saba Sams
3リヴァイアサンポール・オースター柴田元幸新潮文庫Fiona Sturges
2The Blue Flowerペネロピ・フィッツジェラルド――Jon Day
3赤く染まる木々パーシヴァル・エヴェレット上野元美早川書房Nussaibah Younis
1スミラの雪の感覚ペーター・ホゥ染田屋茂新潮社Daisy Johnson
2聊斎志異蒲松齢柴田天馬ちくま学芸文庫Yan Lianke
1華氏451度レイ・ブラッドベリ伊藤典夫ハヤカワ文庫SFJoanne Harris
2ジャマイカの烈風リチャード・ヒューズ小野寺健晶文社Meg Rosoff
1ブラック・ボーイ
ある幼少期の記録
リチャード・ライト野崎孝岩波文庫David Diop
2ジキル博士とハイド氏ロバート・ルイス・スティーヴンソン田内志文角川文庫Ian Rankin
1A Flag for Sunriseロバート・ストーン――Lorrie Moore
1五番目の男ロバートソン・デイヴィス行方昭夫ベネッセ
コーポレーション
David Shariatmadari
2夜明けの約束ロマン・ガリ岩津航共和国
世界浪曼派
Mazen Maarouf
3アウトサイダーズS・E・ヒントン唐沢則幸あすなろ書房Matt Haig
1Clarissa Harloweサミュエル・リチャードソン――Laura Wilson
3Clarissa,
Or, the History of a Young Lady
サミュエル・リチャードソン――Jennifer Egan
3Ghost Wallサラ・モス――Bernardine Evaristo
1とんがりモミの木の郷セアラ・オーン・ジュエット河島弘美岩波文庫Sarah Moss
3ずっとお城で暮らしてるシャーリィ・ジャクスン市田泉創元推理文庫Joanne Harris
1Savushunスィーミーン・ダーネシュヴァル――Parinoush Saniee
3赤と黒スタンダール野崎歓光文社古典
新訳文庫
Tom Crewe
2勇気の赤い勲章スティーヴン・クレイン藤井光光文社古典
新訳文庫
Rachel Kushner
3Lolly Willowes, Or,
the Loving Huntsman
シルヴィア・タウンゼンド・
ウォーナー
――Jo Hamya
1スーラトニ・モリスン大社淑子ハヤカワepi文庫Jack Edwards
2ディトランジション、ベイビートーリ・ピーターズ吉田育未河出書房新社Nussaibah Younis
3少女ソフィアの夏トーベ・ヤンソン渡部翠講談社Lucy Knight
3薔薇の名前ウンベルト・エーコ河島英昭,
河島思朗
東京創元社RF Kuang
1影との戦い: ゲド戦記 1アーシュラ・K・ル=グウィン清水真砂子岩波少年文庫Imogen Russell Williams
1The Enigma of ArrivalV・S・ナイポール――Amit Chaudhuri
3The Enigma of ArrivalV・S・ナイポール――Tanjil Rashid
1The Golden Gateヴィクラム・セス――Rishi Dastidar
3プニンウラジーミル・ナボコフ大橋吉之輔文遊社Ben Markovits
2セバスチャン・ナイトの真実の生涯ウラジーミル・ナボコフ富士川義之講談社文芸文庫Derek Owusu
3Shadows on the Rockウィラ・キャザー――Sarah Moss
3死の床に横たわりてウィリアム・フォークナー佐伯彰一講談社文芸文庫Rachel Kushner
2八月の光ウィリアム・フォークナー加島祥造新潮文庫Lorrie Moore
3八月の光ウィリアム・フォークナー加島祥造新潮文庫Stephen King
1異次元を覗く家ウィリアム・ホープ・ホジソン荒俣宏アトリエサード
ナイトランド叢書
M. John Harrison
1密やかな結晶小川洋子―講談社文庫Natalie Haynes
2Nwゼイディー・スミス――Nikesh Shukla
1Nwゼイディー・スミス――Roxane Gay

↑リンクはAmazon。
作家名でのAmazon検索や並べ替えもできます。アルファベット順です。

 一番右の列に投票者の英語名を記載しています。複数訳のある作品は、表紙・翻訳者・内容説明を参考に一冊を選んで掲載していますが、作品リンクからほかの翻訳者による本も検索できます。

英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」のこと

英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の一覧表

英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の一覧表
The Guardian’s List of The 100 Best Novels of All Time 英ガーディアン紙が2026年5月に発表した「史上最高の小説100冊」を一覧表にまとめました...

 英ガーディアン紙が2026年5月に発表した「史上最高の小説100冊」については、こちらでまとめています。

英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の「MY TOP 10」

The 100 best novels of all time
The top 100 novels of all time published in English, as voted for by authors, critics and academics ...

 100冊のランキングの一番下、1位の作品のすぐ下にある「See all the votes」から、アンケートに参加した172人それぞれの「MY TOP 10」を見ることができます。

英ガーディアン紙ベスト100冊、「MY TOP 10」に選ばれていた日本人作家の作品

 英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の投票者個人の「マイ・トップ10」に選ばれていた日本人作家の作品たち。

 それぞれの「マイ・トップ10」で、日本の名作がどのような作品と一緒に並べられていたのかを紐解くことは、日本文学が海外でどう位置づけられ、愛されているのかを知るきっかけにも。一部の作品にはコメントも添えられています。

マイ・トップ10に選ばれていた日本人作家

小川洋子
ナタリー・ヘインズ1位、村田沙耶香7位
『The Memory Police』スティーヴン・スナイダー訳/『密やかな結晶』英語版

谷崎潤一郎
キャサリン・テイラー2位
『The Makioka Sisters』エドワード・G・サイデンステッカー訳/『細雪』英語版

川上弘美
村田沙耶香4位
『Record of a Night Too Brief』ルーシー・ノース訳/『蛇を踏む』英語版

紫式部
ケイト・モス6位、リサ・タトル9位
『The Tale of Genji』アーサー・ウェイリー訳/『源氏物語』英語版

太宰治
村田沙耶香6位
『No Longer Human』ドナルド・キーン訳/『人間失格』英語版

円地文子
ニーシャ・ドーラン7位
『The Waiting Years』ジョン・ベスター訳/『女坂』英語版

村上春樹
ジョアン・ハリス9位、デレク・オウス10位
『Kafka on the Shore』フィリップ・ガブリエル訳/『海辺のカフカ』英語版

津島佑子
デイジー・ジョンソン9位
『Territory of Light』ジェラルディン・ハーコート訳/『光の領分』英語版

三島由紀夫
チゴズィエ・オビオマ10位
『Thirst for Love』アルフレッド・H・マークス訳/『愛の渇き』英語版

村田沙耶香9位
『Confessions of a Mask』メレディス・ウェザビー訳/『仮面の告白』英語版

多和田葉子
村田沙耶香10位
『Scattered All Over the Earth』満谷マーガレット訳/『地球にちりばめられて』英語版

 トップ3の一覧表の制作中に見つけた日本人作家の作品(村田沙耶香さんが投票された作品も含む)。日本文学を選んでくれた投票者(アンケート回答者)の代表作などについては、こちらでまとめています。→英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」の投票者・作家リスト

英ガーディアン紙の100冊関連のまとめ記事

英ガーディアン紙の100冊に選ばれなかった名作リスト〈日本・その他の地域編〉

 投票者が自身のトップ3として激推ししたにもかかわらず、英ガーディアン紙「史上最高の小説100冊」からは惜しくも漏れてしまった名作たちを集めました。

 ここでは〈日本・その他の地域編〉として、イギリスとアメリカの以外の作家の作品を紹介。172名すべてのトップ3はこちらで紹介しています(→海外文学のおすすめ作家リスト)。下の表紙は楽天ブックスもしくは楽天の書店のものです。

アイリス・マードック「海よ、海」ほか

アイリス・マードック
『海よ、海』蛭川久康訳/集英社(1982年11月)

マードックは1978年に『海よ、海』でブッカー賞を受賞した。この本は愛の力と喪失を描いた美しく緻密な小説で、主人公の隠退した男優は、数十年離れ離れだったかつての恋人と再会した時、嫉妬に押しつぶされる。

(アイリス・マードック – Wikipedia)

選者トップ3、公式100冊ランク外
『鐘 (集英社文庫)』丸谷才一訳/集英社(1977年7月)
『切られた首』工藤昭雄訳/新潮社(1963年)

アゴタ・クリストフ「第三の嘘」

『第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)』
アゴタ・クリストフ,堀茂樹
2002/03/15
早川書房

ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは? 『悪童日記』にはじまる奇跡の三部作の完結篇。

アリス・マンロー「ジュビリー」

『ジュビリー (新潮クレスト・ブックス)』
アリス・マンロー,小竹由美子
2026/05/27
新潮社

ジュビリーの人々の生活は、退屈で、単純で、驚くべきもので、はかり知れなかった――。
カナダ、オンタリオ州の田舎町ジュビリーで暮らす少女デル。好奇心旺盛で記憶力抜群の彼女は、周囲のうわさ話に耳を傾け、大人たちの世界をあれこれと想像している。上昇志向が強く、周囲から浮いている母、商売に失敗したものの、実直な人柄の父、因習深く辛辣な大おばたち、あけすけなようでいて互いに本心を明かせない友だち。進学を控えたデルは、性の実践へと果敢に身を乗り出しながら、町の人々の物語を小説に書きはじめる。生まれ故郷を舞台に描かれた、マンロー唯一の「長篇小説」。

アルフレート・デーブリーン「ベルリン・アレクサンダー広場」

『ベルリン・アレクサンダー広場 (KAWADEルネサンス)』
アルフレート・デーブリーン,早崎守俊
2012/06/22
河出書房新社

『ユリシーズ』『特性のない男』などとともに20世紀前半を代表する前衛文学の記念碑的巨編、奇蹟の復活。1920年代、刑務所から出所した男がベルリンの底辺を彷徨するー都市と人間のたたかいを実験的手法を駆使しつつ、壮大なポリフォニーとして描き出す、近年、再評価の声が高いデーブリーンの代表作。

アレクサンドル・プーシキン「オネーギン」

『オネーギン (岩波文庫 赤)』
アレクサンドル・プーシキン,池田健太郎
2006/09/15
岩波書店

可憐な少女タチヤーナの切々たる恋情を無残にも踏みにじったオネーギン。彼は後にタチヤーナへの愛に目覚めるが、時すでに遅く、ついに彼の愛が受け入れられることはなかった……。バイロン的な主人公オネーギンは、ロシア文学に特徴的な〈余計者〉の原型となった。ロシア文学史上に燦然と輝く韻文小説の金字塔。散文訳。

イヴォ・アンドリッチ「ドリナの橋」

イヴォ・アンドリッチ
『ドリナの橋 (東欧の文学)』松谷健二訳/恒文社(1966年9月)

イヴォ・アンドリッチ
『ドリーナの橋』田中一生訳/大学書林(1985年11月)

ユーゴスラヴィアのノーベル賞作家、イヴォ・アンドリッチの代表作。セルビアとボスニアの境界近くにあるヴィシェグラードの町を流れるドリナ川にかかる橋を舞台に、オスマン帝国による橋の建造から、サラエヴォの銃声が聞こえ、オーストリアに橋を爆破される1914年までの400年にわたる大河ロマン、ならぬ橋と川を巡る年代記。 『ドリナの橋』(セルビア・クロアチア語: Na Drini ćuprija[1]、トルコ語: Drina Köprüsü、英: The Bridge on the DrinaまたはThe Bridge over the Drina)は、ユーゴスラビアのノーベル賞作家イヴォ・アンドリッチの代表作。

イザベル・アジェンデ「精霊たちの家」

『精霊たちの家 上 (河出文庫)』
『精霊たちの家 下 (河出文庫)』
イサベル・アジェンデ,木村榮一
2017/07/06
河出書房新社

クラーラは、不思議な予知能力をもっていた。ある日、緑の髪をたなびかせ人魚のように美しい姉のローサが毒殺され、その屍が密かに解剖されるのを目の当たりにし、以来九年間口を閉ざしてしまうー発表されるやまたたくまに世界的評価を得た、幻想と現実を自在に行き交う桁外れの物語。ガルシア=マルケス『百年の孤独』と並ぶ、ラテンアメリカ文学の傑作。

メリル・ストリープ主演
映画『愛と精霊の家』原作
2026年、アルフォンソ・ヘレラ主演
ドラマ『精霊たちの家』原作

ウラジーミル・ナボコフ「プニン」ほか

『プニン』
ウラジーミル・ナボコフ,大橋吉之輔
2012/09/26
文遊社

亡命ロシア人プニン教授のアメリカでの生活を、ユーモア溢れる軽妙なタッチで、ときにアイロニカルな悲哀をおりまぜ描いた長編小説。

読むたびに内容が変わるこの本を、読み終えることはできるのだろうか。
プニン的なるものの力を、わたしたちはつい見逃す。はっきりと指さすことはできず、注視すると消えてしまう。書けないはずのものを明瞭に描くナボコフは、だからたしかに魔術師なのだ。もしかしてこの小説の本文は、プニンというひとつの単語なのかも知れない。 円城塔

Amazon.co.jp: プニン : ウラジーミル・ナボコフ

選者トップ3、公式100冊ランク外
『セバスチャン・ナイトの真実の生涯 (講談社文芸文庫)』富士川義之訳/講談社(1999年7月)

ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」

『薔薇の名前[完全版] 上 (海外文学セレクション)』
『薔薇の名前[完全版] 下 (海外文学セレクション)』
ウンベルト・エーコ,河島英昭,河島思朗
2025/12/25
東京創元社

物語はメルクの修道院で老修道士アドソが、見習修道士時代のある七日間の出来事を回顧しながら綴った手記の仏訳をエーコが手に入れたことから始まる。そこに記された、北イタリアの修道院で起きた修道士連続怪死事件が、聖務日課の時系列に従って、第三日まで語られていく。これまでの河島英昭先生訳に古典語専門の河島思朗先生による見直し、訂正が加わり、巻頭には、ごく短い二〇一二年版へのエーコ自身の付記が加えられている。

ショーン・コネリー主演
映画『薔薇の名前』原作

エイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」

『やし酒飲み (岩波文庫)』
エイモス・チュツオーラ,土屋哲
2012/10/17
岩波書店

「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」-。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。旅路で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、幻の人質、親指から生まれ出た強力の子…。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高傑作。作者自身による略歴(管啓次郎訳)を付す。

エドゥアルド・ガレアーノ「火の記憶」

『火の記憶〈1〉誕生』
『火の記憶〈2〉顔と仮面』
『火の記憶〈3〉風の世紀』
エドゥアルド・ガレアーノ,飯島みどり
2000/12/16ほか
みすず書房

これは小説なのか、随想なのか、叙事詩なのか、はたまた証言か、いや年代記かと問われても…文学のジャンルに引かれる国境線の存在を、わたしは信じない。

エルサ・モランテ「アルトゥーロの島」

『アルトゥーロの島/モンテ・フェルモの丘の家 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集)』
エルサ・モランテ,ナタリア・ギンズブルグ,中山エツコ,須賀敦子
2008/10/11
河出書房新社

『アルトゥーロの島』-ナポリ湾の小島で、自然を友とし野生児のように暮らす少年アルトゥーロ。不在がちな父の帰りを待ちわびる彼だったが、ある日突然、父が新妻を連れて島に戻ってくる。最愛の父に寄り添う彼女に少年は激しい反感を覚え、幸福な日々は軋れ出すーストレーガ賞に輝いた傑作を新訳で。〔…〕ファシズム期イタリアの闇の時代をくぐり抜けた二人の女性作家の代表作を新訳と名訳でおくる。

小川洋子「密やかな結晶」

『密やかな結晶 新装版 (講談社文庫)』
小川洋子
2020/12/15
講談社

その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。

ガブリエル・ガルシア=マルケス「コレラの時代の愛」

『コレラの時代の愛』
ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村榮一
2006/10/28
新潮社

夫を不慮の事故で亡くしたばかりの女は72歳。彼女への思いを胸に、独身を守ってきたという男は76歳。ついにその夜、男は女に愛を告げた。困惑と不安、記憶と期待がさまざまに交錯する二人を乗せた蒸気船が、コロンビアの大河をただよい始めた時…。内戦が疫病のように猖獗した時代を背景に、悠然とくり広げられる、愛の真実の物語。1985年発表。

ギュンター・グラス「ブリキの太鼓」

『ブリキの太鼓 1』
『ブリキの太鼓 2』
『ブリキの太鼓 3』
ギュンター・グラス,高本研一
1978/09/20
集英社

3歳の時から成長のとまった小男のオスカルの半生を太鼓にのせて語る、死者のためのレクイエム。猥雑、怪奇、偏執のイメージの奔流の中で悪のビートがなり響く。ノーベル文学賞受賞作家の出世作。

フォルカー・シュレンドルフ監督
映画『ブリキの太鼓』原作

クリスタ・ヴォルフ「幼年期の構図」

クリスタ・ヴォルフ
『幼年期の構図』保坂一夫訳/恒文社(1981年1月)

大学でドイツ文学を学んだ後、1961年に作家デビュー。1963年、ベルリンの壁建設によって別れ別れになった恋人を描く『引き裂かれた空』が大きな反響を呼び、東ドイツを代表する作家と目される。ドイツ社会主義統一党に入党し政治にも積極的に関わるが、次第に社会主義への失望を表明するようになり反体制作家と見なされるようになった。 作品は西ドイツでも高い評価を受けたが、東西ドイツ統一には反対の立場を取り、秘密警察の監視を受けた体験を綴った『残るものは何か?』(1990年)で大いに議論を呼ぶ。

クリストス・チョルカス「スラップ」

『スラップ (オーストラリア現代文学傑作選)』
クリストス・チョルカス,湊圭史
2015/01/10
現代企画室

友人同士のバーベキュー・パーティーで、傍若無人にふるまう他人の子どもについ手が出てしまう。そんな些細な「事件」をきっかけに、関係者それぞれのふだんは奥底に秘めている他者への偏見や怒り、愛と欲望、失われた過去への郷愁や未来への不安が噴出する。まるで世界の縮図のような多文化社会・オーストラリアで、出自、世代、性別、信条、生活レベルを異にする多彩な8名の登場人物の視点から語られる、「日常」を内側から揺すぶる複雑な陰影に富んだ感情のドラマ。

クレア・キーガン「ほんのささやかなこと」

『ほんのささやかなこと』
クレア・キーガン,鴻巣友季子
2024/10/23
早川書房

1985年、アイルランドの小さな町。寒さが厳しくなり石炭の販売に忙しいビル・ファーロングは、町が見て見ぬふりをしていた女子修道院の〝秘密″を目撃し――優しく静謐な文体で多くの読者に愛される現代アイルランド文学の旗手が贈る、史実に基づいた傑作中篇

キリアン・マーフィー主演
映画『決断するとき』原作小説

作者不詳「リグ・ヴェーダ讃歌」

『リグ・ヴェーダ讃歌 (岩波文庫 赤)』
辻直四郎
1970/05/16
岩波書店

インド最古の宗教文献であるヴェーダのうち、紀元前13世紀を中心として永い間に成ったリグ・ヴェーダはとりわけ古く、かつ重要な位置にある。それは財産・戦勝・長寿・幸運を乞うて神々の恩恵と加護を祈った讃歌の集録であって、アーリア人がのこしたこの偉大な文化遺産は、インドの思想・文化の根元的理解に欠かすことができない。

ジェイムズ・ジョイス「若い藝術家の肖像」

『若い藝術家の肖像 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ)』
ジェイムズ・ジョイス,丸谷才一
2014/07/18
集英社

アイルランド中流階級の長男として生まれた主人公スティーヴン・ディーダラス。藝術家に憧れた彼の幼年時代からアイルランドを離れるまでの魂の軌跡を、彼の言語意識に沿って描いたモダニズムの代表的傑作。1、イエズス会系学校での寄宿生活。2、一家の没落、転学、娼婦…。3、犯した罪の意識と懺悔。4、贖罪、聖職を選ぶ葛藤。5、藝術家として飛翔の決意。

スタンダール「赤と黒」

『赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫)』
『赤と黒 (下) (光文社古典新訳文庫)』
スタンダール,野崎歓
2007/09/06
光文社

スタンダールの代表作に新訳登場。ナポレオン失脚後のフランス、貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレルは、立身のため僧職に身を投じる。やがて貴族であるレナール家の家庭教師となり、その美貌からレナール夫人に慕われるようになる。ジュリヤンは金持ちへの反発と野心から、夫人を誘惑するのだが……。才知と美貌で激動の時代を駈けぬけた主人公の誇り高き精神を、新たな解釈で生き生きと描き出す。

谷崎潤一郎「細雪」

『細雪(上) (新潮文庫)』
『細雪(中) (新潮文庫)』
『細雪(下) (新潮文庫)』
谷崎潤一郎
1955/11/01
新潮社

大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

『源氏物語』の現代語訳をなしとげた著者が、現代の上方文化のなかにその伝統を再現しようと、戦争中の言論統制によって雑誌掲載を禁止されながらも、えいえいとして書き続けた記念碑的大作。

細雪 (下) (新潮文庫) | 谷崎潤一郎 | Amazon

ダンテ・アリギエリ「神曲」

『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。

トーベ・ヤンソン「少女ソフィアの夏」

『少女ソフィアの夏 新版』
トーベ・ヤンソン,渡部翠
2024/07/25
講談社

人生の扉を開けたばかりの少女ソフィアと、その出口にたたずむ祖母。70も年齢の違うふたりが思うままを対等に、率直にぶつけあいながらも、たがいをさりげなく思いやる。北欧の自然描写の美しさ、自分らしさを大切にする生き方。ふたりをそっと見守る国際アンデルセン賞受賞作家トーベ・ヤンソンの優しいまなざし。今こそ、私たちが大切にしたい物語ー。

ハビエル・セルカス「サラミスの兵士たち」

『サラミスの兵士たち』
ハビエル・セルカス,宇野和美
2008/10/01
河出書房新社

第二次世界大戦前夜の「スペイン内戦」を舞台に、戦後世代の若い著者が戦争の本質を探った大ベストセラー小説。巨匠バルガス=リョサが絶讃し、数多くの文学賞に輝く傑作。

ハン・ガン「少年が来る」

『少年が来る (新しい韓国の文学 15)』
ハン・ガン,井手俊作
2016/10/27
クオン

1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。

フェルナンダ・メルチョール「ハリケーンの季節」

『ハリケーンの季節』
フェルナンダ・メルチョール,宇野和美
2023/12/20
早川書房

“魔女”が死んだ。都市から離れた村で、外界と隔絶していた魔女。鉄格子のある家にこもり、誰も本当の名を知らない。村人から恐れられつつ、秘かに頼られてもいた。困窮する女たちの悩みを聞き、様々な薬をあたえ、堕胎の手助けをしていたのだ。莫大な遺産があるという噂もあった。魔女は殺された。暴力が吹き荒れるこの村の誰かに。魔女の家の前にいた男たちを目撃したジェセニア、その徒弟で麻薬常習者のルイスミとその悪友ブランド、売春宿を営むチャベラとその夫ムンラ、継父の性虐待から逃れてきた少女ノルマ…。村の人びとの言葉が導く、あまりに悲痛な真実とはー。

フラン・オブライエン「スウィム・トゥー・バーズにて」

『スウィム・トゥー・バーズにて (白水Uブックス/海外小説 永遠の本棚)』
フラン・オブライエン,大澤正佳
2014/10/29
白水社

のらくら者の大学生の語り手が執筆中の小説の主人公トレリスは、二十年も部屋にこもりきりの作家である。トレリスは自分が創造した作中人物を同じホテルに同居させ、監視下においているが、作中人物たちは自分の意志をもち作者の支配を脱して動きだし、物語は錯綜をきわめていく。小説の中の小説という重層的な語りの中にアイルランドの英雄伝説や大学生の日常を盛り込み、瑞々しい活力に溢れた豊饒な文学空間を創造した傑作。

フリオ・コルタサル「石蹴り遊び」

『石蹴り遊び (フィクションの楽しみ)』
フリオ・コルタサル,土岐恒二
2016/08/01
水声社

読者を共犯者に、旅の道連れに、仕立てあげることー二通りの読み方をもつ開かれた書物。『ユリシーズ』の実験的技法を用いながら、パリ、そしてブエノスアイレスを舞台に現代人の苦悩を描いた、ラテンアメリカ文学屈指の野心作。

ペーター・ホゥ「スミラの雪の感覚」

ペーター・ホゥ
『スミラの雪の感覚』染田屋茂訳/恒文社(1996年2月)

雪のコペンハーゲン。イヌイットの血をひき、雪と氷と孤独を愛する女性、スミラ。友人の少年が雪の屋根から転落死する。が、雪が「読める」スミラに残された足跡は告げる、これは事故ではない-。真相を追う彼女にかかる検察の圧力。無言の脅し。そして、スミラが単身乗り込んだ謎の船は、氷に閉ざされたグリーンランドへ…。全く新しいヒロイン像が欧米で爆発的にヒットした、北欧産海洋冒険ミステリー。

蒲松齢「聊斎志異」

『聊斎志異: 和訳 (ちくま学芸文庫)』
蒲松齢,柴田天馬
2012/05/01
筑摩書房

妖艶な美女やいたいけな少女に化けた妖怪、狐、狸、鬼たちと、いずれもまじめな主人公たちが繰り広げる、艶やかで面白おかしい物語の数々。中国怪異文学の金字塔。全446篇のうち特に面白い35篇を精選し、中国語原文の雰囲気を残しながら、独特のルビづかいで読ませる柴田天馬の名訳・玄文社版(1919年刊)を文庫化。

ボフミル・フラバル「あまりにも騒がしい孤独」

『あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2)』
ボフミル・フラバル,石川達夫
2007/12/14
松籟社

ナチズムとスターリニズムの両方を経験し、過酷な生を生きざるをえないチェコ庶民。その一人、故紙処理係のハニチャは、毎日運びこまれてくる故紙を潰しながら、時折見つかる美しい本を救い出し、そこに書かれた美しい文章を読むことを生きがいとしていたが……カフカ的不条理に満ちた日々を送りながらも、その生活の中に一瞬の奇跡を見出そうとする主人公の姿を、メランコリックに、かつ滑稽に描き出す、フラバルの傑作。

マルグリット・ユルスナール「ハドリアヌス帝の回想」

『ハドリアヌス帝の回想』
マルグリット・ユルスナール,多田智満子
2008/12/16
白水社

旅とギリシア、芸術と美少年を偏愛したローマ五賢帝の一人ハドリアヌス。命の終焉でその稀有な生涯が内側から生きて語られる、「ひとつの夢による肖像」。著者円熟期の最高傑作。(巻末エッセイ:堀江敏幸)

マルセー・ルドゥレダ「ダイヤモンド広場」

『ダイヤモンド広場 (岩波文庫 赤)』
マルセー・ルドゥレダ,田澤耕
2019/08/21
岩波書店

三十以上の言語に翻訳されている、世界的によく知られた名作。現代カタルーニャ文学の至宝と言われる。スペイン内戦の混乱に翻弄されるように生きたひとりの女性の愛のゆくえを、散文詩のような美しい文体で綴る。「この作品は、私の意見では、内戦後にスペインで出版された最も美しい小説である」(G.ガルシア=マルケス)。

ルーシー・モード・モンゴメリ「赤毛のアン」

『赤毛のアン』
ルーシー・モード・モンゴメリ,北澤平祐,村岡花子
2022/03/24
講談社

緑の切妻屋根の家、グリン・ゲイブルスを舞台に、アンが大まじめで引き起こす大騒動が、みんなをしあわせに!

1952年、村岡花子によってはじめて日本に紹介された『赤毛のアン』。親子3代で人気のある村岡花子の美しい訳が、邦訳70周年の2022年、これから読み継ぎたい改訂版となりました。気鋭のイラストレーター北澤平祐と人気の装丁家・中嶋香織とによる、クラシカルかつ可愛い装丁で、名作がよみがえります。プレゼントにも、自分で持っているにも、ぴったりの一冊です。

レフ・トルストイ「イワン・イリイチの死」

『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)』
レフ・トルストイ,望月哲男
2006/10/12
光文社

19世紀ロシアの一裁判官が、「死」と向かい合う過程で味わう心理的葛藤を鋭く描いた「イワン・イリイチの死」。社会的地位のある地主貴族の主人公が、嫉妬がもとで妻を刺し殺す――作者の性と愛をめぐる長い葛藤が反映された「クロイツェル・ソナタ」。トルストイの文体が持っている「音とリズム」を日本語に移しかえ、近代小説への懐疑をくぐり抜けた後の新しい作風を端正な文体で再現したトルストイ後期中編2作。

ロバートソン・デイヴィス「五番目の男」

ロバートソン・デイヴィス
『五番目の男』行方昭夫訳/ベネッセコーポレーション(1991年5月)

ヒーローでもヒロインでもないし、腹心の友でも悪漢でもないが、オペラで大団円をもたらすのに必要不可欠な役柄は「五番目の男」と呼ばれていた。カナダの小さな村で生まれたダンスタン・ラムゼイは、悪友がいたずらで投げた雪つぶてがもとで、人生の歯車が大きく狂っていく。第一次大戦への参加、聖人研究の旅、奇妙な魔術団との出会い、さまざまな女性遍歴。奇々怪々なこの一篇の物語の中で、「五番目の男」の役割を果すのは一体誰なのか?カナダ文学界の大御所ロバート・デイヴィスの代表作、本邦初紹介。

※実際の選考委員の投票作品は本作を含む『The Deptford Trilogy(デプトフォード三部作)』。ですが、現在日本で読める邦訳は第1作目にあたる本作のみのため、こちらを掲載。

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