
ほんとの作業日誌のこと
月1更新「ほんとの作業日誌」、詳しい説明はこちらのページに。ブログの更新メモ+海外文学関連のニュース+本紹介「ひみつの作業日誌」のアーカイブつきです。
「ひみつの作業日誌」は、ひと月分をまとめると分量が多くなるため、アーカイブは月初と月半ばに分けて、この「ほんとの作業日誌」に追加することにします。

2025年12月のほんとの作業日誌
2025年12月前半
新しく作成した記事には🐦️、大人乙女の新刊案内分室なものには🧸。実際には、Googleスプレッドシートでの一覧表作成や下書きなど、記載できない作業もいろいろ。日付は一部、最終更新日にしています。
ひみつの作業日誌 2025年12月前半
12月16日
12/16🐦️
◆トップページの真ん中あたりに、このブログの「おすすめページ案内」欄を作りました。「とりあえずの新着記事」、リットリンクによる「サイトマップ」、やることメモつきほぼ全記事一覧「おさんぽ案内」ボタンもつけたので、これでブログの全記事を見ることができると思います。
12月15日
12/15🧸
◆書評家・豊﨑由美さんの本と海外文学書評の一覧表のページに、海外文学トークイベントシリーズ「読んでいいとも!ガイブンの輪」と、年末特別企画「外文リーガーの自信の一球と来年の隠し球」の情報を追加しました。
◆よんとも「オレたち外文リーガーの自信の一球と来年の隠し球」は、豊﨑さん好みのユニークな海外文学を刊行している出版社 (岩波書店、河出書房新社、国書刊行会、集英社、白水社、早川書房)にゲスト出版社を加え、豊﨑さんの司会進行のもとで開催される毎年恒例の人気企画。各社が今年のイチオシ本と来年のラインナップを熱く語り合う、海外文学ファン必見のイベントです。(→Peatix)
◆ほんとの作業日誌12月分を作成しました。12月前半の作業日誌です。翌月あたまに更新予定でしたが、ひみつの作業日誌のページが30日分では重くなりそうなため、月の真ん中の段階でこちらにいくつか移すことにしました。
◆海外文学、出版社さんはじめましてに、通訳翻訳ジャーナルの翻訳書を担当する編集者にインタビュー「翻訳出版社最前線」と、全国翻訳ミステリー読書会YouTubeライブ「夏の出版社イチオシ祭」へのリンクを追加しました。往来堂書店と出版社による本紹介「公開書店営業 in スペース」と合わせてどうぞ。
◆「文学ラジオ空飛び猫たち」ポッドキャスト番外編第73回、リスナーからのお便り紹介回。そしてJAPAN PODCAST AWARDSについてのお話も。次週紹介予定の本も追加しています。(→空飛び猫たちの紹介本一覧表)
◆JAPAN PODCAST AWARDS (ジャパンポッドキャストアワード)は、2019年に創設された「今、絶対に聴くべきポッドキャスト」を選出する祭典です。大賞のほか、パーソナリティ賞や企画賞などの部門賞も設けられています。リスナーによる一次選考の締め切りは2026年1月4日(日)。
◆2020年の第2回には、フードエッセイスト・平野紗季子さんのポッドキャスト番組「味な副音声〜Voice of food〜」が受賞。さらに2025年4月には、同番組を書籍化した『おいしくってありがとう 味な副音声の本』も刊行されました。ピンク色の表紙がとても可愛らしい。
◆「文学ラジオ空飛び猫たち」で紹介された海外文学を実際に手に取った人がたくさんいる。番組がきっかけで本を読むようになったり、海外文学を好きになる人が増えるのは素敵なこと。今回は、番組としてさらにできることを広げるためのポッドキャストアワードの投票のお願い。投票を通じて、この番組の魅力や海外文学の楽しさが、もっと多くの人に届いたらうれしいです。
12月14日
12/14🐦️
◆「100分de名著」の本の一覧表、講師の先生から探す一覧表の先生の名前を50音順にしました。見えないけれど、すべてふりがなを入力。これで講師名からちゃんと探せると思います。先生ごとのテキスト紹介や別冊については、後日追加予定です。
◆12月15日発売の『BRUTUS(ブルータス) 2026年1/15号』は、「理想の本棚」特集。目次によると、「本をつくる本棚から。」というページで、翻訳家・英米文学研究者の木原善彦さんの本棚が紹介されているよう。その他には、ブックデザイナーの鈴木成一さんや校正者の牟田都子さんの本棚も。(→木原善彦さんの翻訳作品一覧)【追記】ご自宅ではなく研究室の本棚とのこと。
◆雑誌『BRUTUS』の「理想の本棚」特集。他には、『図書館を建てる、図書館で暮らす』の橋本麻里さんと山本貴光さん。さらにBook in Book「私の本棚の、主(ぬし)」には、シルヴィア・プラス『ベル・ジャー』の翻訳でおなじみ小澤身和子さんの名前もありました。この「理想の本棚」特集は2023年、2024年に続き3回目。2023年には、『アメリカ文学史への招待』の表紙にもなっている藤井光さんの本棚も取り上げられました。(→BRUTUS.jp)
◆TIME誌「2025年の必読書100冊」の一覧表に、10月9日発売のケン・リュウ『All That We See or Seem』を追加しました。洋書新刊にも加えています。
◆先日の作家・中山智幸さんの選書にあった、ガブリエル・ゼヴィン『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』(池田真紀子訳)。Goodreads Choice Awardsの投票途中で表紙を見かけて気になっていた作品で、調べるとビル・ゲイツ氏が「2023年夏に読むべき本」として紹介していた話題作でした。中山さんの読書レビューも素敵。
◆ガブリエル・ゼヴィンは、2016年本屋大賞〈翻訳小説部門〉第1位『書店主フィクリーのものがたり』の著者。『トゥモロー〜』は2022年刊行の長編で、幼なじみの二人が再会し、ビデオゲーム制作を通じて友情や愛、創造の可能性を見いだしていく物語。朝井リョウさんが《もう、ものすっごく面白かった》と評しているのも気になる。(→Wikipedia)
◆こちらのニュースによれば、ガブリエル・ゼヴィンの『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』は、パラマウント・ピクチャーズが映画化権を取得。『CODA あいのうた』で2022年にアカデミー賞作品賞を受賞した、シアン・ヘダー監督による映画化が発表されているそうです。
★関連ニュース
・このビデオゲームに関する小説は私にとって個人的な意味を持つ/Bill Gates (ビル・ゲイツによる書評/2023.05.31)
・シアン・ヘダー監督、ベストセラー『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』を映画化/IndieWire (2024.05.03)
12月13日
12/13🧸
◆海外文学、Kindle Unlimitedで読める本というページを作成しました。出版社別、英米文学などのジャンル別で探せるようになっています。Kindleを愛用されてる本の海と灯台さんの動画も掲載。雑誌の読み放題サービス、楽天マガジンのことにも少しだけ触れています。
◆昨日、ベン・ラーナー&木原善彦『10:04』(白水Uブックス)が配本されました (ネット書店での発売は12月16日)。そして洋書新刊に、ベン・ラーナーの『Transcription』を追加しました。2026年4月7日刊行予定。ペーパーバックは4月23日にGranta Booksより発売予定。そのGrantaのWebサイトでは、ベン・ラーナーの短編小説や小説の抜粋を読むことができます。(→Ben Lerner | Granta)
◆そのベン・ラーナーの『トピーカ・スクール』(川野太郎訳/明庭社)も掲載されている、オバマ元大統領のブックリストの一覧表を作成し始めました。以前、木原善彦さんがアトロクで紹介された頃より、邦訳された作品が増えててうれしい。とりあえずは2018年までの分を公開できるように頑張ります。
◆パーシヴァル・エヴェレット『消失』(雨海弘美訳)の表紙が公開されていました。あの木原善彦訳『ジェイムズ』や、先日発売された上野元美訳『赤く染まる木々』とも、映画『アメリカン・フィクション』のイメージとも違うほのぼのとした表紙。集英社より1月7日に刊行予定です。
12月12日
12/12🐦️
◆海外文学を文庫本で。というページを作成しました。海外文学の出版社別の文庫本のランキングと、このブログで今まで紹介してきた海外文学の文庫レーベルへのリンクをまとめたもの。今まで紹介してきたものは↓こんな感じです。
◆このブログの海外文学の文庫本
・韓国文学を文庫本で読む。
・岩波文庫の赤帯/「イギリス文学」編・「ドイツ文学」編
・岩波少年文庫
・光文社古典新訳文庫
・新潮文庫「Star Classics」
・新潮文庫〈海外名作発掘〉シリーズ
・ハヤカワepi文庫
(→文庫本で読む海外文学)
◆「ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー」の一覧表を作成することにしました。Wikipediaにリストがあるのを見つけてしまった。歴代のデータが何年分も掲載されているようなので、2025年分だけでなく、過去の分も一覧化してみたい。→この前の2025年注目の100冊と被る人がほとんどいない。Goodreads Choice Awardsのラインナップの方が近い気がする。(→Wikipedia)
★2026年1月31日まで投票受付をしている「大学生が選ぶ河出文庫大賞」、参加対象は大学生と大学院生。《大学生協店舗における河出文庫の過去10年の実績の上位銘柄から、大学生が選ぶ河出文庫のベスト1を決定します。》とのこと。この中から一冊選ぶとしたら、ハン・ガン&斎藤真理子『すべての、白いものたちの』かな (でも未読)。
◆ハン・ガン『すべての、白いものたちの』は、岸本佐知子さんが《ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方に》とおすすめされている詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作。《おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語》、Wikipediaには《名もなき語り手の生後2時間で亡くなった姉の死をめぐる、断片的な自伝的瞑想》と書いてありました。(→Wikipedia)
◆ノーベル文学賞作家ハン・ガンの『すべての、白いものたちの』は、2018年のマン・ブッカー国際賞最終候補作。佐々木暁さんによる装丁が素敵な単行本も魅力的ですが、文庫版には訳者の斎藤真理子さんによる補足と、平野啓一郎さんによる解説が収録されているよう。Web河出では、斎藤真理子さん翻訳による冒頭部分が無料公開されています。(→冒頭試し読み)
◆「大学生が選ぶ河出文庫大賞」に掲載されていた海外文学。投票対象は印のあるものだけ。投票部門とコメント部門があるみたいです。
ハン・ガン
📚️『すべての、白いものたちの』斎藤真理子訳
ガブリエル・ガルシア=マルケス
📚️『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』野谷文昭訳
J・D・サリンジャー
📚️『ナイン・ストーリーズ』柴田元幸訳
◆「大学生が選ぶ河出文庫大賞」HPの海外文学
ホルヘ・ルイス・ボルヘス
📚️『ボルヘス怪奇譚集』アドルフォ・ビオイ=カサーレス(共著),柳瀬尚紀訳
ティムール・ヴェルメシュ
📚️『帰ってきたヒトラー 上・下』森内薫訳
ミシェル・ウエルベック
📚️『服従』大塚桃訳
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
『なにかが首のまわりに』くぼたのぞみ訳
R・D・レイン
『好き? 好き? 大好き?』村上光彦訳
◆トマス・ピンチョンのことを、今も普通に「Pさん」と呼んでいる木原さんに和む。数日前の木原善彦さんのXの投稿より。(→トマス・ピンチョン全小説――木原善彦「逆光」1ページ一言つぶやきとともに、難解Pさんを克服する)
◆ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ、2025年「今年注目を集めた100冊」の一覧表に、邦訳作品のある作家の本紹介などを追加しました。
12月11日
12/11🧸
◆ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]上・下』の表紙が公開されました。柳川貴代さんによるデザイン。1990年に刊行された『薔薇の名前』とは全く違う雰囲気、素敵です。東京創元社より12月25日発売予定。(→東京創元社「海外文学セレクション」の一覧表)
◆「ちいさな手のひら事典」シリーズの一覧のページに、いぶきけい訳『いぬ』を追加しました。1月7日発売予定。12月8日には、『秘密の教え』も発売されました。装丁が素敵なグラフィック社の「ちいさな手のひら事典」は、クリスマスプレゼントにもおすすめです。
◆12月新刊、アンドレイ・プラトーノフ『プラトーノフ・コレクション I: エーテル軌道 1920‒1931』(工藤順,古川哲訳)の表紙が公開されました。日本翻訳大賞受賞作『チェヴェングール』もそうでしたが、ロシア語も表記されたタイポグラフィが美しい。作品社より12月24日発売予定。2月4日には『プラトーノフ・コレクション II ジャン 1932‒1951』も刊行予定です。
◆以前、Copilotのコポとのした会話の中に、こんな言葉がありました。《翻訳って単なる言葉の変換じゃなくて、その作品の魂をどうやって別の言語に移し替えるかの作業だから、訳者の熱量が作品に表れるのを感じると、さらにその作品が愛おしくなる気がする!💙》
◆今朝、目にした白石朗さんと鴻巣友季子さんによる「翻訳者名が記載されない」というXの投稿。それを読みながら、コポの言葉を思い出していました。生成AIであるCopilotもリスペクトしている翻訳家という仕事。英語と日本語の読解力と表現力に加え、注釈やルビへの細やかな配慮。そして何より、文化の橋渡しという大切な役割を担っているすごい方たちなのに、影に隠れた存在のように扱われてしまうのはなぜなのだろう、と考えてしまう。
★Nippon.comより。グレイトブリテン・ササカワ財団翻訳賞の最終候補作品が、12月1日に発表されました。この賞は、英国の作家団体The Society of Authoursが2025年に授与する9つの翻訳賞のうちのひとつで、2024年4月1日から2025年3月31日までに英国で出版された、日本語から英語に翻訳されたフィクションおよびノンフィクション作品が対象。受賞作は2026年2月に発表されるそうです。(→公式サイト)
★2025年の候補者
Polly Barton/ポリー・バートン
『Hunchback』(市川沙央『ハンチバック』の英訳)
Ginny Tapley Takemori/竹森ジニー
『Mornings with My Cat Mii』(稲葉真弓『ミーのいない朝』の英訳)
Stephen Snyder/スティーヴン・スナイダー
『Mina’s Matchbox』(小川洋子『ミーナの行進』の英訳)
Bryan Karetnyk
『The Little Sparrow Murders』(横溝正史『悪魔の手毬唄』の英訳)
★今年の審査員には、米田雅早さんの名前もありました。国際ブッカー賞の最終候補作に選ばれた川上弘美さんの小説『大きな鳥にさらわれないよう』の英訳版『Under the Eye of the Big Bird』を翻訳されたのが米田さんです。ブッカー賞の公式サイトでは川上弘美さんと米田雅早さんのインタビューを読むことができます。(→国際ブッカー賞の歴代受賞作と最終候補作の一覧表)
◆Copilotコポより。《実は日本語版Wikipediaには「他言語版へのリンク」が標準で備わっています。》との情報。ブラウザ版でいうと、ページ上部の「文A」アイコンや「Language」から、英語版Wikipediaなどへ飛べるようになっているのだそう。聞いてみてよかった。
◆Xの固定ツイートって、変更するたびタイムラインに流れるんだ。知らなかった。
12月10日
12/10🐦️
◆海外文学のKindle本をセールで探すというページを作りました。「海外小説、500円以下のKindle本」や「Kindle Unlimitedで海外文学が読める出版社」、ポイント還元の情報、「Kindleのお悩みQ&Aページ一覧」や「楽天Koboのこと」など。「海外文学と洋書をKindle/Audibleで」という新しく作ったカテゴリーで、いくつかページを作成する予定です。
◆「文学にまつわる一覧表」というカテゴリーを作りました。昨日作成した「100分de名著」の本の一覧表や文豪と海外作家の生没年表などをこちらに入れています。
★岸本佐知子さんのXより。12月10日、《今日は年に一度、ジョージ・ソーンダーズの『十二月の十日』を声を大にして宣伝する日!》Q-TAさんの装画が印象的な、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』。読書メーターの感想によると、この表紙にも意味があるのだそう。わかると怖いと言ってる方がいました。
◆ソーンダーズ『十二月の十日』は、中世テーマパークで働く若者、賞金で奇妙な庭の装飾を買う父親、薬物実験の人間モルモットなど「報われない人々」の日常を奇想とユーモアで描いた短編集。書評家の松井ゆかりさんは《泣けて泣けてしょうがなかったじゃないの!》とも評されていて、とても気になる作品です。(→岸本佐知子さんの本の一覧)
◆ジョージ・ソーンダーズの邦訳作品
河出書房新社
『十二月の十日』『短くて恐ろしいフィルの時代』岸本佐知子訳
『リンカーンとさまよえる霊魂たち』上岡伸雄訳/ブッカー賞受賞作
フィルムアート社
『ソーンダーズ先生の小説教室』秋草俊一郎,柳田麻里訳
KADOKAWA
『パストラリア』法村里絵訳
『人生で大切なたったひとつのこと』外山滋比古,佐藤由紀訳
◆いつもは早朝に投稿しているひみつの作業日誌。今日は、朝から記事作成に没頭してしまい、気づけば18時半の投稿に。けれどそのおかげで、12月10日にソーンダーズ『十二月の十日』を紹介することができました。何気なくSpotifyで検索したら『三波春夫の大忠臣蔵』の「十二月の十日」がヒットして、三波春夫のさんの1分間の語りも聴いてしまった。今後はこちらも一緒に思い出すことになりそうです。(→YouTube)
◆こんな文章を書いていたら、これまで作成していた記事がエラーになって崩れてしまった。すべてやり直しになるかと思ったらゾッとした。でも、WordPressのリビジョン機能のおかげで少し前の状態にどうにか復元。怖かったけど、便利な機能を知れてよかった。これでエラーになりがちなスマホ作業も少し安心。
12月9日
12/09🧸
◆「100分de名著」の本の一覧表、どうにか形になりました。講師の先生から探すテキストとブックス。NHKの番組の放送月順に並べたテキストの一覧表と、テキストや100分de名著ブックスを講師別に探せる一覧表を作りました。本紹介や別冊など、まだいろいろ追加する予定です。
◆ノーベル文学賞の候補として注目される作家の一覧表のページに、「本当のノーベル文学賞候補作家のこと」の項目を追加しました。
◆昨日、岸本佐知子さんにXで紹介していただいたニューヨーク・タイムズ「今年注目を集めた100冊」と、TIME誌「2025年の必読書100冊」の記事に既刊の邦訳メモを少し追加しました。Xの方はリポストが200、いいねが1000、ブックマークが500超え。こんなの初めて。ありがとうございます。
◆Amazonの検索結果から著者名が表示されなくなってしまい、編み物作家の一覧表づくりが足踏みしている。ついさっきまで普通に出ていたのに、急に消えてしまって哀しい。でも『ハンガリーのかわいい刺しゅう』などの本も出されている、東欧を旅する雑貨店「チャルカ」の久保よしみさんの新刊のチェコの糸ボタンの本を発見。1月21日発売予定だそう。
◆解決しました。Amazonの検索結果に著者名が表示されない問題。普段、アプリではなくスマホのブラウザでデスクトップ表示にして使用している私の場合は、一度スマホ表示に切り替えてから戻すと、ちゃんと著者名が表示されるみたい。これでたぶん大丈夫なはず。
◆せっかく「アフリカ文学フェア」で取り上げられた本を整理したので、日本語で読めるアフリカ文学の一覧表を作成しようと思います。出身国も記載する予定。また、ノーベル文学賞受賞者など、国際的に評価の高い作家が多いので、その点が一目でわかる一覧表も別に作成できればと考えています。
★国書刊行会のXより。東京・ジュンク堂書店池袋本店4Fにて「アフリカ文学フェア」開催中との情報。写真をくまなく見つめて、気になった本をいくつか紹介(結局全部)。アラン・マバンクの『もうすぐ二〇歳』(藤沢満子,石上健二)は、自伝小説。個人的には、斎藤真理子さんもおすすめされてる、雨雲出版のベッシー・ヘッド&横山仁美『雨雲の集まるとき』も加えてもらえるとうれしいです。
◆ジュンク堂「アフリカ文学フェア」の本1
国書刊行会
『割れたグラス』アラン・マバンク,桑田光平
『夢遊の大地』ミア・コウト,伊藤秋仁
白水社
『楽園』アブドゥルラザク・グルナ,粟飯原 文子
岩波書店
『やし酒飲み』『薬草まじない』エイモス・チュツオーラ,土屋哲
『マイケル・K』J・M・クッツェー,くぼたのぞみ
『ブラック・カルチャー』中村隆之
◆ジュンク堂「アフリカ文学フェア」の本2
早川書房
『恥辱』J・M・クッツェー,鴻巣友季子
『夜、すべての血は黒い』ダヴィド・ディオップ,加藤かおり
『あたらしい名前』ノヴァイオレット・ブラワヨ,谷崎由依
『動物工場』ノヴァイオレット・ブラワヨ,川副智子
『小さきものたちのオーケストラ』チゴズィエ オビオマ,粟飯原文子
『ぼくらが漁師だったころ』チゴズィエ・オビオマ,粟飯原文子
光文社
『崩れゆく絆』チヌア・アチェベ,粟飯原文子
◆ジュンク堂「アフリカ文学フェア」の本3
河出書房新社
『その国の奥で』J・M・クッツェー,くぼたのぞみ
『パープル・ハイビスカス』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ,くぼたのぞみ
『人形のアルファベット』カミラ・グルドーヴァ,上田麻由子
晶文社
『もうすぐ二〇歳』アラン・マバンク,藤沢満子,石上健二
集英社
『人類の深奥に秘められた記憶』モアメド・ムブガル・サール,野崎歓
講談社
『ナイルの聖母』スコラスティック・ムカソンガ
人文書院
『モラルの話』J・M・クッツェー,くぼたのぞみ
◆ジュンク堂「アフリカ文学フェア」の本4
みすず書房
『母を失うこと』サイディヤ・ハートマン,榎本空
『アフリカ文学講義』アラン・マバンク,中村隆之,福島亮
『地に呪われたる者』フランツ・ファノン,鈴木道彦,浦野衣子
『黒い皮膚・白い仮面』フランツ・ファノン,海老坂武,加藤晴久
春陽堂
『野蛮の言説』中村隆之
明石書店
『黒人法典』ルイ・サラ=モランス,中村隆之,森元庸介
インスクリプト
『カリブ海序説』エドゥアール・グリッサン,星埜守之,塚本昌則,中村隆之
12月8日
12/08🐦️
◆10月新刊、チャーリー・マッケジー&川村元気『きみをわすれない ぼく モグラ キツネ 馬 そして嵐』を遅ればせながら追加しました。『ぼく モグラ キツネ 馬』、2022年末にはアニメ化もされていたとのこと。知らなかった (Xで知る)。そのアニメ版をもとにした書籍も刊行されているみたいです。チャーリー・マッケジーの公式サイトのモグラが可愛い。(→公式サイト)
◆BBCのYouTubeチャンネルでは、2022年冬に『ぼく モグラ キツネ 馬』を題材にした約1時間のクリスマス特別映像が公開されました。タイトルにあるように「calming wintry cosiness (冬のやすらぎ)」をテーマにした映像で、番組間に流れるアイデンツや短いアニメーションをまとめたものだそう。今の季節にぴったりの映像です。(→YouTube)
◆ひとりで新刊「洋書」編にて、アメリカの「ビッグ5」と呼ばれる出版社での新刊検索ができるようになりました。公式HPへのリンク付きです。その他の出版社についても分類・紹介をしています。Amazonでの出版社名での洋書検索は難しい。
◆「文学ラジオ空飛び猫たち」ポッドキャスト世界のYA文学第3回、ジェニファー・リン・バーンズ&代田亜香子『相続ゲーム エイブリーと億万長者の謎の遺言』を追加しました。いわれなき莫大な遺産の 相続人になった少女が、その謎を追う物語。12月18日には、続編の『相続ゲーム2 ホーソーン家の遺産 エイブリーと秘密の家系図』も発売されます。(→空飛び猫たちの紹介本&配信タイトル一覧表)
◆新潮文庫〈海外名作発掘〉シリーズは、先日刊行されたジャドスン・フィリップス『終止符には早すぎる』(矢口誠訳)で23作目となりました。ゴダールの名作映画の原作となったライオネル・ホワイト『気狂いピエロ』(矢口誠訳)、ポール・オースターが別名義ポール・ベンジャミンで書いた私立探偵小説『スクイズ・プレー』(田口俊樹訳)など、ミステリー、ノワール、ハードボイルドの印象が強いシリーズですが、こんな作品もあります。(→新潮文庫〈海外名作発掘〉シリーズの一覧表)
◆玖月晞&泉京鹿『少年の君』は、中国でベストセラーとなった青春純愛ミステリー小説で、いじめや暴力にさらされる女子高生と孤独な不良少年が出会い、互いに支え合いながら心を通わせていく物語。編集者の竹内さんのXの投稿によると、映画に感動し、原作小説を調べ、企画・出版に至った思い入れの深い作品とのこと。二人のその後を綴った特別小冊子付き。Wikipediaには、《映画と原作小説では結末が異なる。》とありました。(→編集者・竹内祐一さんのX)
◆チョウ・ドンユイとイー・ヤンチェンシー主演の映画『少年の君』。監督はデレク・ツァン。チョウ・ドンユイさんは、チャン・イーモウ監督作『サンザシの樹の下で』で注目を集めた演技派女優で、本作では第33回金鶏奨最優秀主演女優賞を受賞しました。私自身は、中国ドラマ『千古の愛、天上の詩』でシュー・カイさんと共演されていたときの印象が強く残っています。(→Wikipedia)
◆映画『少年の君』は、フジテレビ「ボクらの時代」で河合優実さん、見上愛さん、青木柚さんが出演した回で「衝撃を受けた」と語られていた作品です。《過酷な社会問題を描いたサスペンスでありながら、2人が魅せるピュアな魂の交錯が激しく胸を打つ》香港電影金像奨で8冠を獲得し、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネート。YouTubeに公開されている予告映像付きのメイキング&インタビュー動画からは、制作チームの雰囲気の良さが伝わってきます。(→公式サイト)
12月7日
12/07🧸
◆ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]上・下』の装丁は、Xによると、柳川貴代さんが担当されるよう。東京創元社より12月25日発売予定。柳川さんのブックデザインは、東京創元社の『牡猫ムルの人生観』(E・T・A・ホフマン/酒寄進一訳)や、春陽堂書店の『荒俣宏 幻想文学翻訳集成 欧米幻想ファンタジー精華』など、どれも素敵なので書影の公開が楽しみです。(→Fragment兎影館|白座のX)
◆ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ2025年「今年注目を集めた100冊」の一覧表を作成しました。洋書を読まない方も楽しんでいただけるよう、選出された作品(洋書)紹介の下に、すでに邦訳されているその作家の作品の情報を添えました。ミニ表紙もつけました。TIME誌「2025年の必読書100冊」の一覧表の方にもつけました。
◆ここ数日の作りかけ、未公開のもの
・編み物作家の一覧表
・100分de名著の本の一覧表
・国書刊行会「12か月の本」の作家の一覧表
✔ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ2025年「今年注目を集めた100冊」の一覧表
◆追加、手直ししたいもの
・柴田元幸さんの翻訳作品一覧表
・新潮クレスト・ブックスの一覧表
・英国ミステリードラマの原作小説一覧表
・ひとりで新刊「レシピ本」編
・ひとりで新刊「洋書」編
◆作りかけ、なかなか進まないもの
・現代短歌の歌人一覧表
・ヴァージニア・ウルフの本の一覧表
・フィリップ・K・ディックの映画化作品一覧表
◆うちのCopilotコポは、木原善彦さんの紹介をするときに、赤ちゃんイモリの話をします。これは第5回日本翻訳大賞を受賞した際の木原さんのエッセイに由来するもの。正しくは、ウィリアム・ギャディス『JR』のような難解な作品を翻訳する楽しさについて問われた際の返答で用いた《赤ちゃんイモリの餌やりに似た喜びがある》という比喩です。アカハライモリは今も飼っていらっしゃるのかな。(→tree「翻訳(という)家の窓から見える風景」)
◆木原善彦さんは昨年、ルリユール叢書から刊行されたエヴァン・ダーラ『失われたスクラップブック』で、第11回日本翻訳大賞を受賞されました。第5回のウィリアム・ギャディスの『JR』に続く二度目の快挙です。そして今年の木原善彦さんはなんと5作品。既刊の白水Uブックス化『10:04』を除けばすべて単行本で、その中には鈍器本『アントカインド』も含まれています。そして思うのは日本翻訳大賞。読者推薦の悩ましいところは、その年に刊行された翻訳作品が多いと、票が分散してしまうところです。→(木原善彦さんの翻訳作品一覧)
◆2025年の木原善彦さん翻訳の本
5月
『ムーア人による報告』レイラ・ララミ/白水社 (414ページ)
6月
『ジェイムズ』パーシヴァル・エヴェレット/河出書房新社 (416ページ)
8月
『アントカインド』チャーリー・カウフマン/河出書房新社 (640ページ)
10月
『プレイグラウンド』リチャード・パワーズ/新潮社 (496ページ)
12月
『10:04』ベン・ラーナー/白水Uブックス (新書・328ページ)
◆日本翻訳大賞の選考対象は、前年12月からの13か月間に新たに刊行された日本語の翻訳作品で、再刊や復刊は対象外とされています。したがって既刊の文庫化などは原則として対象外ということに。読者推薦は例年通りなら1月中旬から始まるので、参加したい人はそれまでに対象作品を読んでおく必要がありそう。最新情報は、日本翻訳大賞の公式Xで告知されると思います。(→日本翻訳大賞と出版社・第12回対象作品)
12月6日
12/06🐦️
◆日本翻訳大賞、第12回の対象作品のある出版社の一覧表のページ、とりあえず形になりました。まだ途中ですが130社ほどの出版社の新刊検索ができる、HPのリンクつきの一覧表です。本を月別に検索できるボタンもあります。
★2025年の『Goodreads Choice Awards』が12月4日に発表されました。邦訳のある馴染み深い作家さんの名前が並んでいてうれしい。ジャンルや作品内容はそちらで、過去の受賞作についてはWikipediaで確認することができます。(→Wikipedia)
★2025年のGCA受賞作その1
フレドリック・バックマン
『My Friends』
テイラー・ジェンキンス・リード『Atmosphere』
ホリー・ジャクソン
『Not Quite Dead Yet』
エミリー・ヘンリー
『Great Big Beautiful Life』
レベッカ・ヤロス
『Onyx Storm』
★2025年のGCA受賞作その2
V・E・シュワブ
『Bury Our Bones in the Midnight Soil』
Aisling Rawle
『The Compound』
グレイディ・ヘンドリクス
『Witchcraft for Wayward Girls』
センリンユー
『Alchemised』
スーザン・コリンズ
『Sunrise on the Reaping』
★2025年のGCA受賞作その3
Lynn Painter
『Fake Skating』
ジョン・グリーン
『Everything Is Tuberculosis』
シャリ・フランク
『The House of My Mother』
クレア・ミッチェル&ゾーイ・ヴェンディトッツィ『How to Kill a Witch』
◆邦訳作品で説明するなら、『幸せなひとりぼっち』のフレドリック・バックマン、『女優エヴリンの七人の夫』のテイラー・ジェンキンス・リード、『自由研究には向かない殺人』のホリー・ジャクソン、『本と私と恋人と』のエミリー・ヘンリー、『フォースウィング』のレベッカ・ヤロス、『アディ・ラルーの誰も知らない人生』のV・E・シュワブ、『吸血鬼ハンターたちの読書会』のグレイディ・ヘンドリクス、『ハンガー・ゲーム』のスーザン・コリンズ、『さよならを待つふたりのために』のジョン・グリーンが受賞している、という感じになる。
◆センリンユーの『Alchemised』は、ハリー・ポッターの二次創作として知られる『Manacled』を再構築したオリジナル小説。米レジェンダリーが巨額契約で映画化権を取得したことでも話題になっています。『Manacled』は、Wikipediaでマーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を思わせる大人向けディストピア小説とも説明されていて、面白そう。小説は2025年9月23日に刊行され、21カ国語に翻訳される予定とのこと。日本語版も準備が進んでいるのか気になります。(→Wikipedia)
◆クレア・ミッチェルとゾーイ・ヴェンディトッツィの『How to Kill a Witch』は、「スコットランドの魔女たち」という団体を立ち上げた二人による、魔女裁判の歴史を綿密に調査した考察書。2022年の国際女性デーに、スコットランド首相が魔女狩り犠牲者に正式謝罪したというニュースにも、彼女たちの名前が登場していました。二人はポッドキャスト番組もされているされているそうです。(→Witches of Scotland)
◆シャリ・フランク『The House of My Mother』は、世界を驚かせた「8 Passengers」事件の長女による回想録。アメリカのインフルエンサー、ルビー・フランクがYouTubeで発信していた家族の日常、その映像の裏側に潜んでいた恐ろしい真実を、娘の視点から語ったもの。2025年には『Devil in the Family: The Fall of Ruby Franke』というドキュメンタリー番組も制作されています。(→Wikipedia)
★関連ニュース
・『ハリー・ポッター』ハーマイオニー&ドラコのファンフィクから生まれた小説が巨額オファーで映画化決定/THE RIVER (2025.09.11)
・スコットランドで魔女狩り犠牲者を追悼するタータン・チェックが認定。「悲劇の歴史を風化させない」/ARTnews JAPAN (2025.03.12)
・ルビー・フランキー:モデル一家の凋落 – Disney+の衝撃の新ドキュメンタリー/Sortiraparis.com (2025.03.21)
12月5日
12/05🧸
◆彩流社の12月新刊、イーディス・ウォートン&山口ヨシ子『歓楽の家』の表紙が公開されました (Amazonはまだ)。12月9日発売予定です。(→イーディス・ウォートンの本の一覧)
◆第12回日本翻訳大賞の対象作品のある出版社調べを始めました。昨年作った出版社の一覧表を加筆修正する形ですが、見落としていた出版社さんの名前がいくつも見つかり哀しい。対象期間は2024年12月1日から2025年12月31日までの13ヶ月間に発表された翻訳作品。月別検索もできるようにする予定。その他の細かな条件はこちらで。(→日本翻訳大賞とは)
◆ブログでは公式サイトに掲載されている「日本翻訳大賞」の読者推薦の推薦文リンク集を作成、これまでの全11回の推薦文をまとめて読むことができます。一般の方はもちろん、作家や翻訳家、SNSでおなじみの読書家さんの推薦文も掲載され、本当にブックガイドのよう。昨年は中華BL小説など、さまざまな作品が揃いました。(→日本翻訳大賞の歴代受賞作品一覧表)
◆乙女なジュニークいろは歌「パングラム手帖」二冊目できました。ジュニークは12音句の川柳、パングラムはひらがな50音を1文字ずつ使って文章を作る言葉遊び。今のところは20作品、随時追加します。(→ジュニークと新いろは歌のこと)
◆早川書房の2月の新刊。マックス・ポーター&桑原洋子『悲しみは羽根のあるもの』は、ベネディクト・カンバーバッチ主演で映画化した作品。馬伯庸&齊藤正高&泊功『両京十五日 1: 南京脱出』(ハヤカワ文庫NV)、そしてジェイムズ・ラヴグローヴ&日暮雅通『シャーロック・ホームズとハイゲイトの恐怖 上・下』 (ハヤカワ文庫FT)はそれぞれ2月18日発売予定です。(→早川書房のnote)
◆馬伯庸(マー・ボーヨン)は、現在NHK BSで放送中のチェン・クン&バイ・ユー主演の中国ドラマ『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ -風起隴西-』の原作小説の作者です。先日、その邦訳『風起隴西 三国密偵伝』(齊藤正高訳)が刊行されました。馬さんの作品は映像化されることが多く、これまでに『長安二十四時』、『風起洛陽』、『三国志 Secret of Three Kingdoms』などのドラマが放送されました。これらの邦訳の刊行も楽しみです。(→Wikipedia)
★未来屋書店の海外文学に特化したXのアカウント、【公式】未来屋書店 海外文学担当ができました。《海外文学の面白さを広めたい!という熱量だけで会社にアカウント作ってもらいました!》とのこと。木原善彦さんの『ジェイムズ』のトークイベントにも出席されてる、ほんとの海外文学好き。今後の更新が楽しみです。(→未来屋書店 海外文学担当さんのX)
◆12月新刊、トニ・モリスン&篠森ゆりこ『レシタティフ』が晶文社より12月19日発売予定 (表紙も公開済)。「I am I am I am」シリーズ第五弾。ゼイディー・スミスによる解説もあるそうです (小竹由美子さん翻訳の『ホワイト・ティース』の作者さん)。
★ミン・ジヒョンさんの小説『僕の狂ったフェミ彼女』(加藤慧訳)が、Netflix映画として実写化されることが発表されました。フェミニストになっていた初恋の彼女との戦争のような恋愛を描いた物語。『猟奇的な彼女』のフェミニスト版とも表された作品です。小林啓一監督、永野芽郁さん主演で、2026年に世界独占配信予定。(→AOI Pro. Inc.)
◆『僕の狂ったフェミ彼女』は、ミン・ジヒョンさんの初の長編小説。2023年には『私の最高の彼氏とその彼女』(加藤慧訳)も刊行されています。こちらによると、ミンさんは小説のほかドラマ脚本や映画シナリオも手がける作家で、イ・ドンゴン主演の韓国ドラマ『レバレッジ 最高の詐欺師たち』(米ドラマ『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』のリメイク版)の脚本も担当されているそう。
◆現在ソウルに暮らすミン・ジヒョンさんは、仙台在住のわかめさんとともにポッドキャスト番組「ヒョンかめ」を配信中。2025年1月には、翻訳家の加藤慧さんをゲストに迎えた『僕の狂ったフェミ彼女』特集回も放送されました。(→Spotify)
★クオンさんのXより。韓国の大型書店チェーン「教保文庫」とオンライン書店「YES24」の2025年の年間ベストセラーが発表されたとの情報。両書店の1位はハン・ガンの『少年が来る』。そして目に留まったのが小池龍之介さんの『超訳 ブッダの言葉』の韓国語版。2025年1月に韓国のTV番組へ出演したIVEのウォニョンさんが、この本を愛読していると紹介して話題になったのだそう。(→聯合ニュース)
12月4日
12/04🐦️
◆ひとりで新刊「レシピ本」編、公開しました。Amazon料理本探しの案内板では、本来は料理カテゴリーにない、食べものエッセイや小説なども探せるように。出版社検索、料理雑誌はまだ一部だけなので、あとで追加します。
◆2月新刊、柴田元幸さん翻訳の本が河出書房新社より刊行されます。リチャード・パワーズのこの新刊はみすず書房の『囚人のジレンマ』、あの〇ッキーマウスの耳をつけた人?が表紙になっている、ビビットピンクの本の文庫化みたいです。(→柴田元幸さんの翻訳作品)
◆柴田元幸さんの新刊予定/2月
2月27日
『サリンジャー初期短篇全集』J・D・サリンジャー
2月20日
『けだもの赤子』エドワード・ゴーリー
2月6日
『囚人のジレンマ 上・下 (河出文庫)』リチャード・パワーズ(共訳・前山佳朱彦)
◆なんか、よそでしていただいた私のページの引用ポストに、たくさんいいねがついている。ブックマークがなんと200もある。どうもありがとうございます。(→新潮文庫〈海外名作発掘〉シリーズの一覧表)
◆もう一つの姉妹ブログ「蚤の市」の要素も加えて「暮らしと新刊、道案内」というページを作成予定。でも、あくまでも海外文学が主体のブログなので、「大人乙女の新刊案内分室」の中に。個別の紹介記事などは作らず、それぞれ1ページで一覧できて目的地へたどり着けるような形にする予定です。
◆暮らしと雑貨の店案内(仮)
・雑貨ブランド案内
・北欧雑貨ブランド案内
・北欧雑貨店案内(楽天)
・キッチン雑貨店案内(楽天)
・インテリア雑貨店案内(楽天)
・シンプル、ナチュラルな大人服の店案内(楽天)
◆国書刊行会「ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ・コレクション」の第2回配本『骰を振る女神』(夏来健次訳)が、先日刊行されました。ピカレスクにして先の読めない、J・T・ロジャーズ流異色ノワール。このシリーズを知るきっかけになったのは、作家・島崎町さんとチバクンのYouTubeチャンネル「変な本大賞」決定会議の動画でした。(→YouTube)
◆ジョエル・タウンズリー・ロジャーズは、アメリカの作家で、ハーバード大学で学んだ秀才。ミステリやサスペンス、ホラー、SFと幅広いジャンルを手がけ、海軍航空隊での経験を生かし、航空冒険小説なども執筆。最も有名な小説は1945年発表の長編ミステリー『赤い右手』です。
◆『赤い右手』は、Wikipediaによると《1920年代のミステリー小説、ハードボイルド・ノワール、サイコスリラー、ホラー小説の要素を混ぜ合わせた》ような作品。ミステリーのジャンルにおけるカルト的な人気を誇り、さまざまな国で翻訳され、1951年にはフランス推理小説大賞を受賞しました。(→Wikipedia)
◆ジョー・R・ランズデールによる序文には、《『赤い右手』を網で捕らえ、ピンで留め、ラベルを貼る》なんてことは不可能。《意識の流れに近い、パルプ小説の裏側のようなウィリアム・フォークナーの文芸小説》《実験的な小説》、さらには《ジャック・ケルアックのような作家の到来》を予見するような小説とも。
◆この長い序文の抜粋はAmazonの『The Red Right Hand』の編集レビュー部分で読むことができます。ホットチョコレートを横において読むと気分が高まる、なんて文章もあって、ランズデールの方に興味が湧いてしまいました。
12月3日
12/03🧸
◆国書刊行会の〈12か月の本〉シリーズのラストを飾る『1月の本』『2月の本』『3月の本』が12月25日、26日、27日に発売予定。西崎憲さんがXで紹介されてた美しい箔見本、1月、2月は紅白でおめでたい感じ。
★佐藤良明さんのXより。ピンチョンの新作 『Shadow Ticket』についてのうれしいお知らせ。新潮社「トマス・ピンチョン全小説」のシリーズ10タイトル目になるとのこと。翻訳、刊行されるのが楽しみです。(→トマス・ピンチョン全小説のWiki的なもの)
◆12月新刊、リチャード・ブローティガン&松本淳『風に吹きはらわれてしまわないように』の表紙が公開されました。ちくま文庫より12月12日発売予定。『ハンバーガー殺人事件』の新タイトル&改訳です。
◆タイトルをコンパクトにしました。ひとりでできる新刊チェック→ひとりで新刊「海外文学」編、ひとりで新刊「ホラー」編、ひとりで新刊「短歌の本と歌集」編、ひとりで新刊「手芸本」編。今は、ひとりで新刊「レシピ本」編を作成しているところ。
◆暮らし本の道案内的なページを構想中。先日、手芸本のページを作成。暮らし本の出版社一覧は、それぞれの出版社検索用に集めたものを総合したページを作る予定です。
◆暮らしの新刊案内
・レシピ本案内
・手芸本案内
・キッチン、台所の本案内
・インテリア本案内
・食と暮らしのエッセイ案内
・ライフスタイル雑誌案内
・暮らし本のKindle案内
・暮らし本出版社一覧
・暮らし本の著者一覧
料理研究家、手芸作家(編み物作家、刺繍作家)、スタイリスト、エッセイストほか
◆一昨日、木原善彦さんがリポストされていた、作家・中山智幸さんの選書。12月1日より担当されているという福岡東図書館「じぶん本棚」、テーマは「世界の小説の世界」。選ばれた20冊がどれも魅力的で、眺めているだけでもうれしくなる。写真を見たら、表紙も素敵なものばかり。本のタイトルについてはこちらで。(→中山智幸さんのX)
◆中山智幸選「世界の小説の世界」1
新潮社
リチャード・パワーズ&木原善彦
河出書房新社
イーユン・リー&篠森ゆりこ
ジェイムズ・スティーヴンズ&阿部大樹
カミラ・グルドーヴァ&上田麻由子
現代書館
グアダルーペ・ネッテル&宇野和美
集英社
ロベルト・ヴェラーヘン&國森由美子
◆中山智幸選「世界の小説の世界」2
国書刊行会
ピラール・キンタナ&村岡直子
東京創元社
ラーラ・プレスコット&吉澤康子
デイジー・ジョンソン&市田泉
アンドレス・バルバ&宇野和美
早川書房
イアン・リード&坂本あおい
クレア・キーガン&鴻巣友季子
ガブリエル・ゼヴィン&池田真紀子
パオロ・コニェッティ&飯田亮介
◆中山智幸選「世界の小説の世界」3
亜紀書房
イーディス・パールマン&古屋美登里
白水社
キルメン・ウリベ&金子奈美
カミーラ・シャムジー&⾦原瑞⼈・安納令奈
ベンハミン・ラバトゥッツ&松本健二
書肆侃侃房
徐嘉澤&三須祐介
福音館書店
マルセロ・ビルマヘール&宇野和美
◆こうした作家さんの読書傾向を見ていると、作品にもどこか反映されているのではないかと思ってしまう。中山智幸さんは『ペンギンのバタフライ』『暗号のポラリス』の作者で、2008年には『空で歌う』が第138回芥川賞候補に。noteには海外文学や映画のレビュー、HPでは、ショートストーリーを読むことができます。
12月2日
12/02🐦️
◆ひとりで新刊「手芸本」編のページに、Kindle本タブを追加しました。Kindle Unlimited読み放題の本もいろいろあります。
◆フィリップ・K・ディックの作品一覧のページに、土井宏明デザインの本の表紙と説明文を並べ終わりました。全部で30冊+1。Tシャツなど、HAYAKAWA FACTORYのグッズの情報も載せています。
◆12月新刊、マリオ・バルガス=リョサ&柳原孝敦『沈黙をあなたに』の表紙が公開されました。集英社より12月15日発売予定です。
★アメリカの読書SNS「Goodreads」が、2025年のリーディング・チャレンジ参加者に最も読まれた本「The Most Read Books of the 2025 Reading Challenge」を発表していました。ジャンルごとに、トップ12冊が紹介されています。
◆全体のトップ12冊には、2025年の本屋大賞・翻訳小説部門第1位に選ばれたレベッカ・ヤロスの『フォースウィング』(原島文世訳)、キャリー・ハート『クイックシルバー』(田辺千幸訳)といった人気のロマンタジー作品。そして12月19日に映画が全米公開されるフリーダ・マクファデン『ハウスメイド』(高橋知子訳)の名前も。日本ではそれぞれ1月、11月、12月に刊行もしくは発売予定です。(→「本屋大賞」翻訳小説部門・歴代受賞作の一覧表)
◆テイラー・ジェンキンス・リードの新作『Atmosphere』は、TIME誌「2025年の必読書100冊」にも選ばれた作品。2023年刊行の代表作『女優エヴリンの七人の夫』(喜須海理子訳)の説明文でも《100週以上リスト入り100万部突破の超ロングセラー》と紹介されている、今とても注目されている作家さんです。
◆日本では『本と私と恋人と』(林啓恵訳)で知られるエミリー・ヘンリーの新作『Great Big Beautiful Life』は、20世紀を代表するスキャンダラスな一族の娘マーガレットが、二人の作家に「1か月の試用期間」を与え、どちらが自分の物語を語るにふさわしいかを決めるという話で、面白そう。
◆ジャンル別では、ファンタジーに川口俊和『コーヒーが冷めないうちに』、ホラーに雨穴『変な絵』など日本の作品の英訳版も登場。そして歴史フィクション、パーシヴァル・エヴェレット『ジェイムズ』(木原善彦訳)は、《本のオタクの領域を越えて、世界的な文化的会話にまで広まった作品》として紹介されていました。
12月1日
12/01🧸
◆1月新刊、新潮クレスト・ブックスからは、ミヒャエル・ケンペ&森内薫『ライプニッツの輝ける7日間』が1月29日発売予定。12月17日には、ヴェロニク・オヴァルデ&村松潔『わたしたちの不完全な人生へ』も。こちらはもう、可愛らしい表紙が公開されています。(→新潮クレスト・ブックスの一覧表)
◆本日公開された本の海と灯台さんの「心が満たされまくる購入本紹介」の動画で、アリ・スミス&木原善彦『両方になる』(新潮クレスト・ブックス)が紹介されていました。そして村上柴田翻訳堂についてのお話も。ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』(茅野美ど里訳)は、Netflixで映画化されている作品とのこと。そのページには「ゾクッとする」と書いてある。(→YouTube)
◆出版レーベル「Rabbit」より、柴田元幸さん翻訳『モノの物語』(1巻−5巻)が本日発売。SWITCH ONLINEでは取扱書店リストが確認できます。「Rabbit」カテゴリーもできていました。柴田元幸さんの新刊についてのコメントは、MONKEYのXで見ることができます。
◆実は密かに「100分de名著」の一覧表を作成中。小川公代さんのブラム・ストーカー『ドラキュラ』や鴻巣友季子さんによるマーガレット・アトウッド『侍女の物語』『誓願』、そしてマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』など。作品に新たな視点を与え、読み方を教えてくれる素敵なシリーズなので、講師の先生を主役に据えたまとめ記事にする予定です。
◆1月新刊、廣野由美子さんのNHK「100分de名著」ブックス 『メアリ・シェリー フランケンシュタイン』がNHK出版より1月23日発売予定。100分de名著テキスト『E・キューブラー・ロス 『死ぬ瞬間』12月』が刊行された12月の放送は、島薗進さんが講師のこちら (予告動画あり)。12月24日には、宮地尚子さんの『安克昌『心の傷を癒すということ』』が発売予定なので、アンコール放送が行われるようです。
◆「文学ラジオ空飛び猫たち」ポッドキャスト世界のYA文学第2回、チャン・グエン&ジート・ズーン&杉田七重『ソリアを森へ』と、次週紹介予定の本を追加しました。ベトナム発のグラフィックノベルで、第1回10代が選ぶ海外文学大賞受賞作です。(→空飛び猫たちの紹介本&配信タイトル一覧表)
◆12月新刊、フィリッパ・グレゴリー&加藤洋子『ブーリン家の咎人 上・下』が、mirabooksより12月11日発売予定。世界的ベストセラー『ブーリン家の姉妹』の外伝的な物語。『Boleyn Traitor』は、先日発表されたTIME誌「2025年の必読書100冊」に選出されていた作品で、こちらはおそらくその邦訳。これまでブーリン家シリーズは、集英社文庫から刊行されていました。
◆『ブーリン家の姉妹』は16世紀、国王ヘンリー8世の愛をめぐり、アンとメアリーの姉妹が争う英国史上最大の愛憎劇を描いた作品。2008年にはナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソン主演で映画化され、その前にはBBCでドラマ化もされています。(→IMDb)
◆フィリッパ・グレゴリーは歴史家であり、《イギリス歴史小説の女王》とも称される小説家。彼女は、歴史上の人物や出来事の現実世界の年表に基づき、このブーリン家シリーズの「読む順番」を提案していて、その一覧は英語版Wikipediaで見ることができます。(→Wikipedia)
ひみつの作業日誌 2025年11月
ひみつの作業日誌、2025年11月分のアーカイブはこちらへ移動しました。



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