
翻訳小説における世界で最も影響力のある、国際ブッカー賞(The International Booker Prize)。翻訳文学を対象とし、作者と翻訳者の両方に贈られる文学賞です。
ここでは、歴代の「最終候補作」の洋書や邦訳作品を紹介しています。国際ブッカー賞の歴代受賞作、ブッカー賞の歴代受賞作をまとめたページも作成しています。
- 国際ブッカー賞の一覧表
- 国際ブッカー賞のこと
- 国際ブッカー賞「最終候補作」の邦訳と気になる作品
- 2026年候補「The Witch」マリー・ンディアイ
- 2025年候補「大きな鳥にさらわれないよう」川上弘美
- 2025年候補「On the Calculation of Volume I」ソルヴェイ・バッレ
- 〈2025年国際ブッカー賞のこと〉
- 2024年候補「The Details」イア・ゲンベリ
- 2024年候補「マテニ10号」黄晳暎
- 2023年候補「一人娘」グアダルーペ・ネッテル
- 2023年候補「鯨」チョン・ミョングァン
- 2022年候補「ヘヴン」川上未映子
- 2022年候補「呪いのウサギ」チョン・ボラ
- 2021年候補「恐るべき緑」 ベンハミン・ラバトゥッツ
- 2021年候補「寝煙草の危険」マリアーナ・エンリケス
- 2021年候補「In Memory of Memory」マリア・ステパノヴァ
- 2020年候補「密やかな結晶」小川洋子
- 2020年候補「スモモの木の啓示」ショクーフェ・アーザル
- 2020年候補「ハリケーンの季節」フェルナンダ・メルチョール
- 2019年候補「廃墟の形」フアン・ガブリエル・バスケス
- 2018年候補「バグダードのフランケンシュタイン」アフマド・サアダーウィー
- 2018年候補「ウィズ・ザ・ライツ・アウト ヴェルノン・クロニクル」ヴィルジニー・デパント
- 2018年候補「すべての、白いものたちの」ハン・ガン
- 2017年候補「救出の距離」サマンタ・シュウェブリン
- 2016年候補「失われた女の子」エレナ・フェッランテ
- 2016年候補「四書」閻連科
- 2016年候補「僕の違和感」オルハン・パムク
- 2016年候補「忘却についての一般論」ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ
- 2016年候補「ある一生」ローベルト・ゼーターラー
- 国際ブッカー賞ロングリストから
- マン・ブッカー国際賞、最終候補作家の気になる作品
- アハロン・アッペルフェルド「バーデンハイム1939」
- アブラハム・B・イェホシュア「エルサレムの秋」
- アミタヴ・ゴーシュ「銃ノ島」
- アミン・マアルーフ「アラブが見た十字軍」
- アモス・オズ「地下室のパンサー」
- アラン・マバンク「割れたグラス」
- アン・タイラー「この道の先に、いつもの赤毛」
- アントニオ・タブッキ「島とクジラと女をめぐる断片」
- E・L・ドクトロウ「ビリー・バスゲイト」
- ウラジーミル・ソローキン「吹雪」
- 王安憶「長恨歌」
- 大江健三郎「大江健三郎自選短篇」
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「族長の秋」
- カルロス・フエンテス「アルテミオ・クルスの死」
- ギュンター・グラス「猫と鼠」
- グギ・ワ・ジオンゴ「一粒の麦」
- ジョイス・キャロル・オーツ「とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢」
- ジョン・アップダイク「クーデタ」
- ジョン・ル・カレ「寒い国から帰ってきたスパイ」
- シンシア・オジック「ショールの女」
- スタニスワフ・レム「ソラリス」
- セサル・アイラ「文学会議」
- ソール・ベロー「ラヴェルスタイン」
- 蘇童「河・岸」
- ダーチャ・マライーニ「ひつじのドリー」
- デイヴィッド・マルーフ「異境」
- トマス・エロイ・マルティネス「サンタ・エビータ」
- ドリス・レッシング「グランド・マザーズ」
- ドン・デリーロ「天使エスメラルダ 9つの物語」
- ナギーブ・マフフーズ「ミダック横町」
- ハリー・ムリシュ「過程」
- フアン・ゴイティソロ「戦いの後の光景」
- フィリップ・プルマン「黄金の羅針盤」
- ペーター・シュタム「誰もいないホテルで」
- マリオ・バルガス=リョサ「都会と犬ども」
- マリリン・ロビンソン「ギレアド」
- ミシェル・トゥルニエ「フライデーあるいは太平洋の冥界」
- ミュリエル・スパーク「あなたの自伝、お書きします」
- ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」
- リュドミラ・ウリツカヤ「緑の天幕」
国際ブッカー賞の一覧表
歴代受賞作と最終候補作の一覧表(邦訳)
| 年 | 受 賞 | 作品名 | 著者 | 翻訳者 | 出版社ほか |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年 | ★ | 台湾漫遊鉄道のふたり | 楊双子 | 三浦裕子 | 中央公論新社 |
| 2025年 | 大きな鳥にさらわれないよう | 川上弘美 | ― | 講談社文庫 | |
| 2024年 | ★ | カイロス | ジェニー・エルペンベック | 松永美穂 | 早川書房 ハヤカワ・プラス |
| 2024年 | マテニ10号 | 黄晳暎/ファン・ソギョン | 姜信子,趙倫子 | 白水社 | |
| 2023年 | ★ | タイム・シェルター | ギオルギ・ゴスポディノフ | 寺島憲治 | 早川書房 |
| 2023年 | 一人娘 | グアダルーペ・ネッテル | 宇野和美 | 現代書館 | |
| 2023年 | 鯨 | チョン・ミョングァン | 斎藤真理子 | 晶文社 韓国文学のオクリモノ | |
| 2022年 | ヘブン | 川上未映子 | ― | 講談社文庫 | |
| 2022年 | 呪いのウサギ | チョン・ボラ | 関谷敦子 | 竹書房文庫 | |
| 2021年 | ★ | 夜、すべての血は黒い | ダヴィド・ディオップ | 加藤かおり | 早川書房 |
| 2021年 | 恐るべき緑 | ベンハミン・ラバトゥッツ | 松本健二 | 白水社 エクス・リブリス | |
| 2021年 | 寝煙草の危険 | マリアーナ・エンリケス | 宮﨑真紀 | 国書刊行会 | |
| 2020年 | ★ | 不快な夕闇 | マリーケ・ルカス・ ライネフェルト | 國森由美子 | 早川書房 |
| 2020年 | 密やかな結晶 | 小川洋子 | ― | 講談社文庫 | |
| 2020年 | スモモの木の啓示 | ショクーフェ・アーザル | 堤幸 | 白水社 エクス・リブリス | |
| 2020年 | ハリケーンの季節 | フェルナンダ・メルチョール | 宇野和美 | 早川書房 | |
| 2019年 | 廃墟の形 | フアン・ガブリエル・バスケス | 寺尾隆吉 | フィクションのエル・ドラード | |
| 2018年 | ★ | 逃亡派 | オルガ・トカルチュク | 小椋彩 | 白水社 エクス・リブリス |
| 2018年 | バグダードのフランケンシュタイン | アフマド・サアダーウィー | 柳谷あゆみ | 集英社 | |
| 2018年 | ウィズ・ザ・ライツ・アウト ヴェルノン・クロニクル | ヴィルジニー・デパント | 博多かおる | 早川書房 | |
| 2018年 | すべての、白いものたちの | ハン・ガン | 斎藤真理子 | 河出文庫 | |
| 2017年 | 救出の距離 | サマンタ・シュウェブリン | 宮﨑真紀 | 国書刊行会 | |
| 2016年 | ★ | 菜食主義者 | ハン・ガン | きむふな | CUON 新しい韓国の文学 |
| 2016年 | 失われた女の子 | エレナ・フェッランテ | 飯田亮介 | 早川書房 | |
| 2016年 | 四書 | 閻連科 | 桑島道夫 | 岩波書店 | |
| 2016年 | 僕の違和感 | オルハン・パムク | 宮下遼 | 早川書房 | |
| 2016年 | 忘却についての一般論 | ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ | 木下眞穂 | 白水社 エクス・リブリス | |
| 2016年 | ある一生 | ローベルト・ゼーターラー | 浅井晶子 | 新潮クレスト・ブックス |
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★は国際ブッカー賞の受賞作、
作家名でのAmazon検索もできます。
★の列を並べ替えると、受賞作を確認できます。
歴代受賞作と最終候補作の一覧表(洋書)
リンクはAmazonで★は受賞作、
作家名等で並べ替えできます。
下の本紹介の表紙は、
楽天ブックスもしくは楽天の書店のものです。
The Booker Prizes
Prize years
↑こちらではブッカー賞、国際ブッカー賞の歴代受賞作と候補作が確認できます。
The International Booker Prize 2026
The International Booker Prize 2025
The International Booker Prize 2024
The International Booker Prize 2023
The International Booker Prize 2022
The International Booker Prize 2021
The International Booker Prize 2020
The Man Booker International Prize 2019
The Man Booker International Prize 2018
The Man Booker International Prize 2017
The Man Booker International Prize 2016
The Man Booker International Prize 2015
The Man Booker International Prize 2013
The Man Booker International Prize 2011
The Man Booker International Prize 2009
The Man Booker International Prize 2007
The Man Booker International Prize 2005
国際ブッカー賞のこと

The Booker Prizes
The International Booker Prize
国際ブッカー賞は、翻訳小説における世界で最も影響力のある賞です。
毎年授与されるこの賞は、英国および/またはアイルランドで英語に翻訳され出版された長編小説または短編集の優れた作品を表彰するものです。翻訳者の重要な功績を称えるもので、賞金5万ポンドは著者と翻訳者に均等に分配されます。さらに、最終候補に残った著者と翻訳者にはそれぞれ2,500ポンドが授与されます。
助成団体であるブフマン・フィランソロピー(Bukhman Philanthropies)は、2026年の国際ブッカー賞への支援に続き、今後10年間にわたり同賞の資金を拠出するという多大な支援を決定しました。この10年にわたるパートナーシップを記念し、同賞は「ブフマン国際ブッカー賞(Bukhman International Booker Prize)」と改称されます。
The Bukhman International Booker Prize 2027 | The Booker Prizes
翻訳という極めて重要な芸術活動を称え、その功績に報いるという同団体の取り組みの一環として、受賞作に授与される賞金は従来の5万ポンドから10万ポンドへと倍増され、著者と翻訳者で均等に分配されることになります。最終候補作(ショートリスト)に選ばれた各作品には、引き続き5,000ポンド(著者と翻訳者に各2,500ポンド)が授与されます。
The Booker Prizes
The Booker Prizes (@TheBookerPrizes) / X
Everything you need to know about the International Booker Prize 2025 shortlist
国際ブッカー賞2025のショートリストについて知っておくべきこと。2025年国際ブッカー賞のショートリスト(最終候補作)とロングリスト。川上弘美さん、米田雅早さんほか、最終候補者のインタビューも読めます。
The Booker Library
ブッカー賞受賞作家と受賞作、候補作家と候補作の情報など。
The International Booker Prize and its history
国際ブッカー賞とその歴史
ブッカー賞 – Wikipedia
Booker Prize – Wikipedia
International Booker Prize – Wikipedia
2016年以前
マン・ブッカー賞は英連邦、アイルランド、ジンバブエの作家のみが対象でしたが、国際賞は、翻訳を含む英語の作品を利用できるすべての国籍の作家に開かれていました。この賞は60,000ポンドの価値があり、ノーベル文学賞と同様に、存命の作家の全文学に2年ごとに授与されます。
マン・ブッカー国際賞では、翻訳のための別の賞も認められました。該当する場合、受賞した著者は、15,000ポンドの賞金を受け取る翻訳者を選ぶことができます。
国際ブッカー賞の歴代受賞作一覧表

こちらの記事でまとめています。
ブッカー賞の歴代受賞作一覧表

こちらの記事でまとめています。
国際ブッカー賞「最終候補作」の邦訳と気になる作品
こちらでは、国際ブッカー賞「最終候補作」の日本語で読める作品と気になる洋書を紹介しています。受賞作については、国際ブッカー賞の受賞作の一覧ページをご覧ください。
2026年候補「The Witch」マリー・ンディアイ
『The Witch』
Marie NDiaye, Jordan Stump
2026/04/07
MacLehose Press
静かで小さな町で、平凡な結婚生活を送る平凡な魔女が、自分の才能を双子の娘たちに受け継がせようとするが、娘たちはすぐに、母親をはるかに凌駕する才能を持っていることが明らかになる。
機知に富み、夢のような雰囲気があり、どこか不安を掻き立て、そしてこの上なく魅惑的な(洒落を込めて)『魔女』は、女性らしさと母性の神秘を鮮やかに描き出し、一見揺るぎない関係が次々と崩壊していく中で、私たちを不安な気持ちにさせ、様々な疑問を投げかける。
2025年候補「大きな鳥にさらわれないよう」川上弘美
『大きな鳥にさらわれないよう (講談社文庫)』
川上弘美
2019/10/16
講談社
遠い未来、衰退の危機を認めた人類は、「母」のもと、それぞれの集団どうしを隔離する生活を選ぶ。異なる集団の人間が交雑することにより、新しい遺伝子を持ち、進化する可能性がある人間の誕生に賭けー。かすかな希望を信じる人間の行く末を、さまざまな語りであらわす「新しい神話」。泉鏡花文学賞受賞作
2025年候補「On the Calculation of Volume I」ソルヴェイ・バッレ
『On the Calculation of Volume I』
Solvej Balle, Barbara J. Haveland
2025/03/04
Faber & Faber
彼女は毎朝、11月18日に目を覚ます。もはや11月19日に目覚めることを期待せず、11月17日を昨日のことのように覚えていることもない。
彼女は、パリのホテルの薄暗い朝の光、クロウタドリが歌い出す瞬間、予告なしに帰宅した彼女を見て驚く夫の姿など、その日の輪郭を熟知している。しかし、周囲の人々にとって、この日は初めて、そして唯一無二の出来事なのだ。彼らは他の11月18日を覚えておらず、彼女が説明しようとしても信じてくれない。
タラが365回目の11月18日を迎えようとする時、彼女は、この日の表面の下に、どこか逃れる道があるような気がしてならない。
〈2025年国際ブッカー賞のこと〉

The Booker Prizes
The International Booker Prize 2025
2025年国際ブッカー賞ショートリスト
最終候補6作品
『Under the Eye of the Big Bird』
(『大きな鳥にさらわれないよう』英語版)
川上弘美,米田雅早(アサ・ヨネダ)
(日本)
『A Leopard-Skin Hat』
Anne Serre,Mark Hutchinson
(フランス)
『Heart Lamp』★
バヌ・ムシュタク,ディーパ・バスティ
(インド)
『Perfection』
Vincenzo Latronico,Sophie Hughes
(イタリア)
『Small Boat』
ヴァンサン・デルクロワ,Helen Stevenson
(フランス)
『On the Calculation of Volume I』
ソルヴェイ・バレ,Barbara J. Haveland
(デンマーク)
2024年候補「The Details」イア・ゲンベリ
『The Details』
Ia Genberg, Kira Josefsson
2025/03/04
Wildfire
有名な放送局員が忘れ去られた恋文を書き綴る。友人が突然姿を消す。恋人が思いがけないものを残していく。トラウマを抱えた女性が、自身の不安に苛まれる。〔…〕肖像画の真の被写体は、描かれている人物なのか、それとも筆を握る人物なのか?『ディテールズ』は、そんな4つの肖像画を中心に展開する小説であり、人生を形作る記憶と経験の断片を解き明かしていく。イア・ゲンベリは、刺激的で示唆に富む文章で、人間であることの意味を力強く、そして親密に描き出している。
2024年候補「マテニ10号」黄晳暎
鉄道は朝鮮の民の血と涙でできている。2024年国際ブッカー賞、最終候補作、ついに邦訳刊行!近代の到来、そして日本による植民地支配の象徴でもあった鉄道。闘う産業労働者たちと鉄道員一家四代の、朝鮮半島における百年の物語。
2023年候補「一人娘」グアダルーペ・ネッテル
『一人娘』
グアダルーペ・ネッテル,宇野和美
2025/11/26
現代書館
2023年ブッカー賞最終候補作。
語り手の私と親友のアリナは親友で、20代のころはお互いに「子どもは産まない」と誓い合った仲だった。その意志をかたくなに貫く私とは裏腹に、アリナは結婚し、やがて子ども(イネス)を身ごもる。そんななか、主人公はアパートの隣に暮らす母子家庭の男の子とだんだん交流を深めていく。
2023年候補「鯨」チョン・ミョングァン
『鯨 (韓国文学のオクリモノ)』
チョン・ミョングァン,斎藤真理子
2018/05/21
晶文社
誰が知るだろう、この物語のすべてが一編の復讐劇でもあるということを――
一代にして財を成し、あまたの男の運命を狂わせた母クムボク。並外れた怪力の持ち主にして、人ならざるものと心を通わし、煉瓦づくりに命を賭した娘チュニ。巨大な鯨と煉瓦工場、華やかな劇場をめぐる壮絶な人生ドラマが幕を開ける。ストーリーテラーとして名高い著者が、破壊的なまでに激しく生々しい人間の欲望を壮大なスケールで描き出した一大叙事詩。
2022年候補「ヘヴン」川上未映子
『ヘヴン (講談社文庫)』
川上未映子
2012/05/15
講談社
“わたしたちは仲間です”-十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。苛められる者同士が育んだ密やかで無垢な関係はしかし、奇妙に変容していく。葛藤の末に選んだ世界で、僕が見たものとは。善悪や強弱といった価値観の根源を問い、圧倒的な反響を得た著者の新境地。芸術選奨文部科学大臣新人賞・紫式部文学賞ダブル受賞。
2022年候補「呪いのウサギ」チョン・ボラ
『呪いのウサギ (竹書房文庫)』
チョン・ボラ,関谷敦子
2025/11/29
竹書房
親友がライバル会社の策略によって自殺に追い込まれた。呪物を作る一族の男が復讐のために作ったウサギは、ライバル会社のすべてをかじり尽くしていく。
哀しき復讐譚の表題作をはじめ、排泄物が意志を持ち話しかけてくる「頭」、避妊薬を飲み続けた副作用で妊娠した女性が父親候補を探す「月のもの」、パートナー・ロボットとの奇妙な関係性を描く「さようなら、愛しい人」、黄金の血を流すキツネによって大儲けした男の生涯「罠」、ビルを購入した若い夫婦が次々とトラブルに襲われる「楽しい我が家」など。
孤独に寄りそってくれる“恐怖”と、その先に待つ美しく甘美な破滅を描いた、韓国の奇才による異色短篇集。国際ブッカー賞最終候補作。
2021年候補「恐るべき緑」 ベンハミン・ラバトゥッツ
『恐るべき緑 (エクス・リブリス)』
ベンハミン・ラバトゥッツ,松本健二
2024/02/18
白水社
この素晴らしい地獄は、あなた方のおかげでないとしたら、いったい誰のおかげでしょうか?科学史にプロメテウスの火をもたらした学者たちの奇妙な人生と、それぞれに訪れた発見/啓示の瞬間…。世界33か国で刊行、チリの新鋭による奇天烈なフィクション!2021年度英国PEN翻訳小説賞、チリ・サンティアゴ市文学賞受賞作。2021年度国際ブッカー賞、全米図書賞(翻訳部門)最終候補作。
2021年候補「寝煙草の危険」マリアーナ・エンリケス
『寝煙草の危険』
マリアーナ・エンリケス,宮﨑真紀
2023/05/22
国書刊行会
寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街……
〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!!
2021年候補「In Memory of Memory」マリア・ステパノヴァ
『In Memory of Memory』
Maria Stepanova, Sasha Dugdale
2021/02/17
Fitzcarraldo Editions
叔母の死後、マリア・ステパノヴァは色褪せた写真、古い絵葉書、手紙、日記、山積みの土産物で埋め尽くされたアパートを整理することになる。それは、ロシアにおける一世紀にわたる生活の、朽ち果てた宝庫だった。穏やかで確かな手つきで丁寧に再構成されたこれらの断片は、一見平凡なユダヤ人家族が、いかにして前世紀の無数の迫害と弾圧を生き延びたのかという物語を語る。
2020年候補「密やかな結晶」小川洋子
『密やかな結晶 新装版 (講談社文庫)』
小川洋子
2020/12/15
講談社
その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。
2020年候補「スモモの木の啓示」ショクーフェ・アーザル
『スモモの木の啓示 (エクス・リブリス)』
ショクーフェ・アーザル,堤幸
2022/01/28
白水社
1988年8月18日午後2時35分に、村を見下ろす丘にあるいちばん背の高いスモモの木の上で母さんは啓示を受けた。まさにそれと同じ瞬間、兄さんのソフラーブは絞首刑になった。〔…〕13歳の末娘バハールの目を通して、イスラーム革命に翻弄される一家の姿が、時に生々しく、時に幻想的に描かれる。『千一夜物語』的な挿話、死者や幽鬼との交わり、SNSなどの現代世界が融合した、亡命イラン人作家による、魔術的リアリズムの傑作長篇。
2020年候補「ハリケーンの季節」フェルナンダ・メルチョール
『ハリケーンの季節』
フェルナンダ・メルチョール,宇野和美
2023/12/20
早川書房
とある村で、〈魔女〉の死体が見つかる。彼女は村の女たちに薬草を処方し、堕胎もしてやっていた。彼女を殺したのは一体誰か–。暴力と貧困がはびこる現代メキシコの田舎を舞台に狂気と悲哀を描き、名だたる文学賞候補となった西語圏文壇新星による傑作長篇
2019年候補「廃墟の形」フアン・ガブリエル・バスケス
『廃墟の形』
フアン・ガブリエル・バスケス,寺尾隆吉
2021/07/21
水声社
1948年、ボゴタの路上で暗殺された政治家ホルヘ・エリエセル・ガイタンの死はコロンビアを深刻な危機に陥れた。2014年、博物館に展示されたガイタンのスーツを盗もうとした男が逮捕される。
ガイタン殺害の背後にある「真実」を探求するこの男は、かつて作家J・G・バスケスに接近し、ある本を書くようしつこく迫っていた……
ガイタン暗殺にジョン・F・ケネディ暗殺が関係するなど、すべてに陰謀を嗅ぎつける謎の男、カルロス・カルバージョを通してコロンビアの歴史に迫り、入念な調査を元に過去の闇をスリリングに描き出す傑作長編。
2018年候補「バグダードのフランケンシュタイン」アフマド・サアダーウィー
『バグダードのフランケンシュタイン』
アフマド・サアダーウィー,柳谷あゆみ
2020/10/26
集英社
<中東×ディストピア×SF小説>
連日自爆テロの続く2005年のバグダード。古物商ハーディーは町で拾ってきた遺体のパーツを縫い繋ぎ、一人分の遺体を作り上げた。しかし翌朝遺体は忽然と消え、代わりに奇怪な殺人事件が次々と起こるようになる。そして恐怖に慄くハーディーのもとへ、ある夜「彼」が現れた。自らの創造主を殺しに――
不安と諦念、裏切りと奸計、喜びと哀しみ、すべてが混沌と化した街で、いったい何を正義と呼べるだろう?
国家と社会を痛烈に皮肉る、衝撃のエンタテインメント群像劇。
2018年候補「ウィズ・ザ・ライツ・アウト ヴェルノン・クロニクル」ヴィルジニー・デパント
『ウィズ・ザ・ライツ・アウト (ヴェルノン・クロニクル 1)』
ヴィルジニー・デパント,博多かおる
2020/10/15
早川書房
かつては伝説のレコード店主、いまや哀愁のカウチサーファー。五十路の男ヴェルノンがたずね歩く旧友たちの心にも、90年代の輝かしい記憶が響きつづけるのであった。パリの片隅で生きる人々の哀しさと滑稽さを音楽が彩る、現代版・バルザック『人間喜劇』と称される文芸三部作、開幕。
2018年候補「すべての、白いものたちの」ハン・ガン
『すべての、白いものたちの (河出文庫)』
ハン・ガン,斎藤真理子
2023/02/04
河出書房新社
アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。
2017年候補「救出の距離」サマンタ・シュウェブリン
『救出の距離』
サマンタ・シュウェブリン,宮﨑真紀
2024/09/21
国書刊行会
シャーリイ・ジャクスン賞中長篇部門受賞作にして国際ブッカー賞最終候補作!Netflixで映画化もされた「まったく新らしい幻想譚」が本邦初上陸!!!
アルゼンチンの片田舎の診察室で死にかけている女アマンダ、その横にたたずむ謎の少年ダビ。彼女はなぜ死にかけているのか、ふたりは対話を通してその記憶を探っていく。すべては熱に浮かされているアマンダの妄想なのか、ダビはそこにいるのかいないのか、そして愛する娘はどこに行ってしまったのか……〈スパニッシュ・ホラー文芸〉を牽引する作家による、めくるめく愛の悪夢がいまここに。
2016年候補「失われた女の子」エレナ・フェッランテ
『失われた女の子 (ナポリの物語 4)』
エレナ・フェッランテ,飯田亮介
2019/12/19
早川書房
生まれ育った故郷を抜け出したいと願ったふたりの少女がいた――エレナは街を出るが、恋の果てに帰ってくる。一方リラは、故郷で実業家として成功するが。ニューヨーク・タイムズ紙やタイム誌の年間ベストに選出。世界中の読書家を虜にした四部作、ついに完結
2016年候補「四書」閻連科
『四書』
閻連科,桑島道夫
2023/1/31
岩波書店
更生区に収容され労働に邁進する知識人たちを、無謀な政策の果ての飢饉が襲う。大躍進時代を主題とした意欲作。
黄河のほとり、第九十九更生区。知識人たちはここで「こども」に監督され、再教育を受ける。解放を夢みて狂騒的な鉄鋼農業生産に突き進む彼らを、やがて無謀な政策の果ての大飢饉が襲い……。不条理な政治に翻弄される人間の痛ましくも聖なる苦闘を、「四つの書」の形式で語る。大躍進時代を彷彿とする歴史の暗部に挑んだ意欲作。
2016年候補「僕の違和感」オルハン・パムク
『僕の違和感〈上〉』
『僕の違和感〈下〉』
オルハン・パムク,宮下遼
2016/03/24
早川書房
我らが主人公メヴルト・カラタシュは、12歳のときに故郷の村からイスタンブルに移り住む。昼間は学校に通い、夜は父とともにトルコの伝統的飲料ボザを売り歩く日々を重ねて、彼は次第に大都会になじんでいく。そしてある日、彼はいとこの結婚披露宴で運命の恋をした――
ノーベル文学賞作家が描く、ある男の半生と恋と夢、そして変わりゆく時代。新たな代表作となる傑作長篇。
2016年候補「忘却についての一般論」ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ
『忘却についての一般論 (エクス・リブリス)』
ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ、,木下眞穂
2020/08/28
白水社
ポルトガル生まれのルドヴィカ(ルド)は空や広い場所が怖い。両親を相次いで亡くし、姉オデッテの結婚に伴い、鉱山技師の義兄オルランドがアンゴラの首都ルアンダに所有する豪奢なマンションの最上階に移り住む。長年にわたりポルトガルの支配下にあったアンゴラでは解放闘争が激化し、1975年ついに独立を宣言。動乱のさなか、姉夫妻が消息不明となる。恐慌をきたし、外部からの襲撃を恐れたルドは、マンション内の部屋の入口をセメントで固め、犬とともに自給自足の生活が始まる。
2016年候補「ある一生」ローベルト・ゼーターラー
『ある一生 (新潮クレスト・ブックス)』
ローベルト・ゼーターラー,浅井晶子
2019/06/27
新潮社
吹雪の白い静寂のなかに消えていった、あの光景。アルプスの山とともに生きた、名もなき男の生涯。雪山で遭難したヤギ飼いとの邂逅に導かれるように、20世紀の時代の荒波にもまれながら、誰に知られるともなく生きたある男の生涯。その人生を織りなす、瞬くような忘れがたき時間が、なぜこんなにも胸に迫るのだろう。80万部を超えるベストセラー、英語圏でも絶賛! 現代オーストリア文学の名手が紡ぐ恩寵に満ちた物語。
ハンス・シュタインビッヒラー監督
映画『ある一生』原作
国際ブッカー賞ロングリストから
「ハンチバック」市川沙央(2025年ロングリスト)
『ハンチバック』
市川沙央
2019/10/16
文藝春秋
2025年国際ブッカー賞ロングリスト
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだすーー。
The Booker Prizes
Hunchback: Longlisted for the International Booker Prize 2025
An interview with Saou Ichikawa and Polly Barton, author and translator of Hunchback(市川沙央さん、ポリー・バートンさんのインタビュー)
マン・ブッカー国際賞、最終候補作家の気になる作品
2005年から2015年までの「マン・ブッカー国際賞」は、特定の作品ではなく、一人の作家がこれまでに築き上げた「生涯の文学的功績」を称えて人に贈られる賞です。
アハロン・アッペルフェルド「バーデンハイム1939」
アハロン・アッペルフェルド
『バーデンハイム1939』村岡崇光訳/みすず書房(1996年11月)
暗雲立ちこめる1939年の春。ヒトラーは数か月後にヨーロッパを席巻する。しかし、ウィーンにほど近い架空の保養地バーデンハイムでは、今年もホテルや街角はさんざめき、典型的な同化ユダヤ人の町のシーズンが始まる。かれらは、いくつもの小さな変化に気がつかない。運命の日は迫っているというのに…。現代イスラエルを代表する作家の一人、アッペルフェルドの初期の傑作。簡潔な文章と寓話のような語りに滲むメランコリーは、カフカの世界を彷彿とさせる。
アブラハム・B・イェホシュア「エルサレムの秋」
『エルサレムの秋』
アブラハム・B・イェホシュア,母袋夏生
2006/11/08
河出書房新社
彼の地の空と暑熱に、揺れ動く青年の心を重ねた表題作。言葉を捨てた老詩人と、言葉を持とうとあがく息子との日々を静かにつづった「詩人の、絶え間なき沈黙」。いずれも、人間の深い哀しみを詩的に研ぎ澄まされた筆致で描く。イスラエル・ヘブライ文学を代表する作家のこのうえなく哀しく美しい傑作二篇。
アミタヴ・ゴーシュ「銃ノ島」
『銃ノ島』
アミタヴ・ゴーシュ,岩堀兼一郎
2026/09/30
KADOKAWA
ブルックリンに住む古書商のディーンは、故郷のコルカタで「銃商人」の説話と出会い、世界最大級のマングローブ群生地シュンドルボンの寺院を訪れる。そこで語り継がれていたのは、17世紀に生きたひとりの男が、蛇の女神から逃れ「銃ノ島」へと辿り着く苦難の旅を描いたものだった。奇妙な運命にいざなわれながら、ディーンは銃商人の謎めいた足跡を辿り始める。過去と現在、伝説と現実が重なり合う中で、ディーンたちは世界を一変させる大きなうねりに巻き込まれていくーー。
アミン・マアルーフ「アラブが見た十字軍」
『アラブが見た十字軍 (ちくま学芸文庫)』
アミン・マアルーフ,牟田口義郎,新川雅子
2001/02/01
筑摩書房
11世紀から13世紀まで、200年にわたって西欧キリスト教徒が行った近東への軍事遠征ーそれが十字軍である。ヨーロッパ側の史料と史観に依拠することもっぱらで、ときに「聖戦」の代名詞ともされる、この中世最大の文明衝突の実相は、はたしてどのようなものだったのだろうか。豊富な一次史料を用い、ジャーナリストならではの生き生きとした語り口で、アラブ・イスラム教徒の観点からリアルな歴史を再現して、通念を覆し偏見を正すとともに、今日なお続く抗争と対立からの脱却の途を示唆する反十字軍史。
アモス・オズ「地下室のパンサー」
アモス・オズ
『地下室のパンサー』村田靖子訳/未知谷(1998年11月)
1947年、イスラエル国家誕生を目前にしたパレスチナの夏。12歳の少年が時代と人間の新たな局面を迎える最中、無垢さ純粋さを疑い、寛容さ相対へと移行する成長の痛みを、冷徹な眼差しで綴った物語。
アラン・マバンク「割れたグラス」
『割れたグラス (アフリカ文学の愉楽)』
アラン・マバンク,桑田光平
2025/04/22
国書刊行会
コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー”ツケ払いお断り”。バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。
アン・タイラー「この道の先に、いつもの赤毛」
『この道の先に、いつもの赤毛』
アン・タイラー,小川高義
2022/03/16
早川書房
ボルティモア郊外で、コンピューターの便利屋をしながら独り暮らす43歳のマイカ・モーティマー。人付き合いの少ない彼は、毎朝7:15になるとランニングに出かけ、その後シャワー、朝食、掃除…というように決まった日課を守って毎日を過ごしている。そんなある日、マイカの息子だと名乗る青年が彼の元を訪れる。さらに、恋仲の女性には、とあるすれ違いで別れを告げられー。予想外の出来事が続き、日常のテンポがズレ始めたマイカの行き着く先とは。
アントニオ・タブッキ「島とクジラと女をめぐる断片」
『島とクジラと女をめぐる断片 (河出文庫)』
アントニオ・タブッキ,須賀敦子
2018/03/06
河出書房新社
居酒屋の歌い手がある美しい女性の記憶を語る「ピム港の女」のほか、クジラと捕鯨手の関係や歴史的考察、ユーモラスなスケッチなど、夢とうつつの間を漂う<島々>の物語。解説=堀江敏幸
E・L・ドクトロウ「ビリー・バスゲイト」
E・L・ドクトロウ
『ビリー・バスゲイト』中野恵津子訳/文藝春秋(1992年2月)
野球選手でも、映画スターでもなく、ギャングのように世界を支配したい。1920〜30年代にニューヨークに君臨した実在のギャングのボス“ダッチ・シュルツ”の懐に入りこんだ少年は、そこで学んだ。悪と人情、打算と誇りつまり人生そのものを。
ダスティン・ホフマン主演
映画『ビリー・バスゲイト』原作
ウラジーミル・ソローキン「吹雪」
『吹雪』
ウラジーミル・ソローキン,松下隆志
2023/05/20
国書刊行会
人間がゾンビ化する「黒い病」のワクチンを村に届けるため、インテリ地方医師プラトン・イリイチ・ガーリンは吹雪をついて旅に出る。御者セキコフが操るソリ車にはヤマウズラのような小馬50頭がボンネットに収まる。小人の粉屋と豊満な妻、謎の透明物質でできたピラミッド状の麻薬装置、ホログラムを映しだすラジオ、身の丈6メートルにおよぶ巨人、三階建てほどの巨大な馬…吹き荒れる嵐のなか、二人はいつしか暗闇と吹雪の世界に迷いこむ。『青い脂』『氷三部作』『ロマン』『愛』など、現代文学のモンスターと称される作家随一の人気作!!!
王安憶「長恨歌」
『長恨歌』
王安憶,飯塚容
2023/08/30
アストラハウス
「ミス上海の死」を描いた、中国文学の記念碑的作品、待望の邦訳!茅盾文学賞受賞
上海の街を舞台に、美しき主人公・王琦瑶(ワン・チーヤオ)の青春から死に至る四十年を描く長編小説。1940年代の虚栄の繁華、50〜60年代の困窮と苦難、そして80 年代のロマン的悲劇まで、恋多き主人公の
人生を通して、上海という街の繁栄と虚栄が描かれる傑作。
大江健三郎「大江健三郎自選短篇」
『大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)』
大江健三郎
2014/08/20
岩波書店
「奇妙な仕事」「飼育」「セヴンティーン」「「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち」など、デビュー作から中期の連作を経て後期まで、全二三篇を収録。作家自選のベスト版であると同時に、本書刊行にあたり全収録作品に加筆修訂をほどこした最終定本。性・政治・祈り・赦し・救済など、大江文学の主題が燦めく、ノーベル賞作家大江健三郎のエッセンス。
ガブリエル・ガルシア=マルケス「族長の秋」
『族長の秋 (新潮文庫)』
ガブリエル・ガルシア=マルケス,鼓直
2025/02/28
新潮社
無人の聖域に土足で踏みこんだわれわれの目に映ったのは、ハゲタカに喰い荒らされた大統領の死体だった。国に何百年も君臨したが、誰も彼の顔すら見たことがなかった。生娘のようになめらかな手とヘルニアの巨大な睾丸を持ち、腹心の将軍を野菜詰めにしてオーブンで焼き、二千人の子供を船に載せてダイナマイトで爆殺したという独裁者ーー。権力の実相をグロテスクなまでに描いた異形の怪作。
カルロス・フエンテス「アルテミオ・クルスの死」
『アルテミオ・クルスの死 (岩波文庫 赤)』
フエンテス,木村榮一
2019/11/16
岩波書店
大地主の私生児として生まれ、混血の伯父に育てられ、革命軍に参加し、政略結婚によって財産の基礎をつくり、政治を巧みに利用して、マスコミを含む多くの企業を所有する‒‒‒‒。メキシコ革命の動乱を生き抜いて経済界の大立者に成り上がった男アルテミオ・クルスの栄光と悲惨。現代ラテンアメリカ文学の最重要作。
ギュンター・グラス「猫と鼠」
『猫と鼠』
ギュンター・グラス,髙本研一,杵渕博樹
2025/05/01
あいんしゅりっと
第二次世界大戦の暗い影を落とす、バルト海に面した港町で暮らす少年たちの生き生きとしつつも、ちょっといびつな日常の物語。主人公と友人のマールケたちは沈没したポーランドの掃海艇に潜り、いろいろなものを引き上げてくる日々を送っていたが、やがて軍隊に加わり、戦争に関わっていくことに。
グギ・ワ・ジオンゴ「一粒の麦」
『一粒の麦 (光文社古典新訳文庫)』
グギ・ワ・ジオンゴ,粟飯原文子
2026/08/07
光文社
一九六三年、長く続いた植民地支配からの独立にわくケニア。独立を目指して激しい抵抗運動を繰り広げ、多数の犠牲者を出したザファイ村では、老若男女を問わず民衆の多くが心に傷を負っている。記念式典までの四日間を起点に、物語は過去と現在を行き来しつつ進む。闘争のさなかに処刑された村の英雄キヒカを裏切ったのは誰なのか――キヒカ逮捕の謎を中心に、さまざまな裏切りや疑念、迷い、罪の告白を、重層的な語りで描き出す。
ジョイス・キャロル・オーツ「とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢」
『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 (河出文庫)』
ジョイス・キャロル・オーツ,栩木玲子
2018/01/05
河出書房新社
美しい金髪女子中学生の誘拐事件、誕生前から仲違いしてきた双子の兄弟、赤ん坊を見守るネコの魔力、腕利きの美容整形医がはまる悪夢のような現実…。ミステリ/ホラー/ファンタジーの垣根を超えて心の暗闇と現実の歪みを描き、近年ノーベル文学賞の候補と目されるアメリカ女性作家の自選中短篇傑作集。
ジョン・アップダイク「クーデタ」
『クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集)』
ジョン・アップダイク,池澤夏樹
2009/07/11
河出書房新社
北半分はサハラ沙漠、南の国境沿いに大河が流れるアフリカの内陸国クシュ。5年にわたる旱魃により飢餓に苦しむこの国を、クーデタで政権を奪ったエレルー大統領が支配する。アメリカ帰りの独裁者はイスラムの教義を信奉し、アメリカの援助を拒絶して独立国家として生きていこうとするが、4人の夫人と新しい愛人、先王エドゥムー4世、事実と数字の人間である内務大臣のエザナ、友邦ソ連の酔いどれ軍人などとの駆け引きの中で次第に自由を奪われていく。
ジョン・ル・カレ「寒い国から帰ってきたスパイ」
『寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫NV)』
ジョン・ル・カレ,宇野利泰
1978/05/01
早川書房
ベルリンの壁を境に展開される英独諜報部の熾烈な暗闘を息づまる筆致で描破! 作者自身情報部員ではないかと疑われたほどのリアルな描写と、結末の見事などんでん返しとによってグレアム・グリーンに絶賛され、英国推理作家協会賞、アメリカ探偵作家クラブ賞両賞を獲得したスパイ小説の金字塔!
シンシア・オジック「ショールの女」
シンシア・オジック
『ショールの女』東江一紀訳/草思社(1994年3月)
ショールにくるまれた乳児は、三日三晩、生きつづけた。ただの一声の発さずに…。だが、ショールを奪われた日、赤ん坊は死んだ。収容所を囲う、電流を通した鉄条網に投げつけられて、ローザの赤ん坊は死んだ。そして三十数年後-。ホロコーストを生き延びたポーランド人ローザの壮絶なる生を、圧倒的な筆力で描きあげる。心を揺さぶり、忘れがたい感動を呼び起こす迫真の作。O・ヘンリー賞受賞。
スタニスワフ・レム「ソラリス」
『ソラリス (ハヤカワ文庫SF)』
スタニスワフ・レム,沼野充義
2015/04/08
早川書房
惑星ソラリスーーこの静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海がもたらす現象に囚われていく……。人間以外の理性との接触は可能か?–知の巨人が世界に問いかけたSF史上に残る名作。レム研究の第一人者によるポーランド語原典からの完全翻訳版
セサル・アイラ「文学会議」
『文学会議 (新潮クレスト・ブックス)』
セサル・アイラ,柳原孝敦
2015/10/30
新潮社
奔放なウィットと想像力の炸裂する、アルゼンチン作家の衝撃作。小説家でマッド・サイエンティストの〈私〉は、文学会議に出席する文豪のクローンを作製しようと企む。しかし小さな手違いから大惨事が――。奇想天外な表題作のほか「マオとレーニン」というパンク少女たちと街角で出会った〈私〉がスーパーを襲撃するまでを描く「試練」を併録。世界的名声を誇る作家による、渾身の2篇。
ソール・ベロー「ラヴェルスタイン」
『ラヴェルスタイン』
ソール・ベロー,鈴木元子
2018/04/26
彩流社
ノーベル文学賞作家、ソール・ベローの最後の小説、ついに初訳刊行!
主人公チックは、友人で、世界的に著名な学者ラヴェルスタインから、回想録執筆を依頼されるのだが……。記憶をたどるチックの問わず語りは果たしてどこへ向かうのか。シカゴ大学の同僚で親友だったアラン・ブルーム(ラヴェルスタインのモデル)のメモワールであるとともに、記憶、ユダヤ性、そして死とはなにかを問う。
蘇童「河・岸」
『河・岸 (エクス・リブリス)』
蘇童,飯塚容
2012/02/16
白水社
文化大革命期を背景に、父と息子の13年間にわたる船上生活と、少女への恋と性の目覚めを、少年の視点から伝奇的に描く。中国の実力派作家による、哀愁とユーモアが横溢する傑作長篇。マン・アジアン文学賞、中華文学賞、華語文学メディア大賞受賞作品。
ダーチャ・マライーニ「ひつじのドリー」
『ひつじのドリー』
ダーチャ・マライーニ,望月紀子,さかたきよこ
2016/09/01
未来社
運命なんてはねつけろ!
イタリアを代表する作家・詩人・劇作家、ダーチャ・マライーニによる子どもから読める短篇集。クローン問題を訴えるために国連に行くおばあさんひつじ、王家に仕えていたことを鼻にかけているガラスの鍋ぶた、こびと家に生まれたのっぽの娘スピル、実験用に捕まってしまった親友を助ける血統書つきの犬、毛皮にされた母親を助け出すきつねの女の子……風変わりな登場人物たちに巻き起こる、魅惑の冒険譚10篇。
デイヴィッド・マルーフ「異境」
『異境 (オーストラリア現代文学傑作選)』
デイヴィッド・マルーフ,武舎るみ
2012/03/01
現代企画室
ときは19世紀半ば、ところはクイーンズランド開拓の最前線。荒削りな自然の猛威にさらされ、人びとが身を寄せあって暮らす辺鄙な町に、アボリジニに育てられた白人の男、ジェミーが現れた。言葉をとりもどし、ヨーロッパの側に帰ろうとするジェミーを、人びとは戸惑いつつも受け入れる。しかし彼の存在は、平穏だった町にやがて大きな亀裂を生みだしていく。1993年度ニューサウスウェールズ州首相賞受賞作。
トマス・エロイ・マルティネス「サンタ・エビータ」
トマス・エロイ・マルティネス
『サンタ・エビータ』旦敬介訳/文藝春秋(1997年1月)
熱烈な信仰とおぞましい呪詛をよそに16年間行方不明だった。完全防腐処理されたエビータの死体が男たちの運命を狂わせる。「エビータ」の愛称で知られるエヴァ・ペロンの生涯とその死後の遍歴をめぐる小説。
ドリス・レッシング「グランド・マザーズ」
『グランド・マザーズ (集英社文庫)』
ドリス・レッシング,山本章子
2009/06/26
集英社
幼い頃から双子の姉妹のように育ったロズとリル。二人は今、各々息子と孫娘を連れて、光る海の見えるレストランのテラスで、昼下がりの幸福なひと時を過ごしている。だがこの何気ない家族の風景にはある秘密が隠されていた…。互いに相手の息子との恋(?)に落ちた二人の女性の心の葛藤を描いた表題作の他に、「ヴィクトリアの運命」、「最後の賢者」、「愛の結晶」の三つの作品を収録した傑作短編集。
アンヌ・フォンテーヌ監督
映画『美しい絵の崩壊』原作
ドン・デリーロ「天使エスメラルダ 9つの物語」
『天使エスメラルダ: 9つの物語』
ドン・デリーロ,柴田元幸,上岡伸雄,都甲幸治,高吉一郎
2013/05/31
新潮社
島から出られないリゾート客。スラム街の少女と修道女。第三次世界大戦に携わる宇宙飛行士。娘たちのテレビ出演を塀の中から見守る囚人。大地震の余震に脅える音楽教師ー。様々な現実を生きるアメリカ人たちの姿が、私たちの生の形をも浮き彫りにする。四人の訳者によるみずみずしく鮮明な9篇。1979年から2011年まで。現代アメリカ文学の巨匠、初の短篇集。
ナギーブ・マフフーズ「ミダック横町」
『ミダック横町』
ナギーブ・マフフーズ,香戸精一
2023/02/01
作品社
ミダック横町が過ぎ去りし時代の偉大なる遺産で、かつてはカイロの街に真珠のごとく光り輝いたであろうことは間違いない。カイロの下町に生きる個性豊かな人々の姿を軽妙に描く、ノーベル文学賞作家による円熟の傑作長編、本邦初訳!
カフェ店主、理髪師、女衒、寡婦、政治家、詩人、物乞い。1940年代エジプト・カイロの下町に生きる人間群像、近代庶民の「千夜一夜」をノーベル賞作家ナギーブ・マフフーズの円熟のペンが鮮やかに描き出す。
ハリー・ムリシュ「過程」
『過程』
ハリー・ムリシュ,長山さき
2010/10/01
国書刊行会
人間の創造とそれに伴う危険。最初に聖書の「創世記」が引用され、次に中世のユダヤ人ラビ「聖職者」が王に頼まれて泥からゴーレムをつくる物語、最後に現代社会で無機物から生命体の創造に成功した科学者の数奇な運命が語られる。物語の背後にカフカの存在がほのめかされ、読者をもうひとつの物語へといざなう幻想的長篇。
フアン・ゴイティソロ「戦いの後の光景」
フアン・ゴイティソロ
『戦いの後の光景』旦敬介訳/みすず書房(1996年12月)
パリの移民地区の朝、パリっ子はわが目を疑った。町の看板や標識が見慣れない文字に書き替わっていた…。ポストコロニアルな野蛮化されたパリを舞台に、バロウズを思わせる文体と想像力で、未来の混血都市の地図を描き出す。
フィリップ・プルマン「黄金の羅針盤」
『ダーク・マテリアルズI 黄金の羅針盤(上) (新潮文庫)』
『ダーク・マテリアルズI 黄金の羅針盤(下) (新潮文庫)』
フィリップ・プルマン,大久保寛
2021/03/27
新潮社
11歳の少女・ライラの世界では、皆が自分の魂の片割れであり動物の姿をした守護精霊(ダイモン)と共に生活している。ある時、ライラの暮らすジョーダン学寮の周りで子どもの連続誘拐事件が発生。連れ去られた子が北極で危険な人体実験に使われていると噂される中、親友のロジャーまでもが姿を消してしまった。運命に導かれ〈真理計(アレシオメーター)〉を手にしたライラは北へ向かう。壮大な冒険がいま幕を開ける!
クリス・ワイツ監督
映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』原作
ペーター・シュタム「誰もいないホテルで」
『誰もいないホテルで (新潮クレスト・ブックス)』
ペーター・シュタム,松永美穂
2016/07/29
新潮社
森の中のホテルで出会った不思議な女性。ロック・フェスを見物に来た近所の農夫。工場から姿を消したもの静かな警備員。食堂の二階で暮らし始めた若いカップル――。平穏な日々を揺るがすような一瞬と、それに向き合う人々の驚き、悲嘆、喜びを丹念に鮮やかに映し出す10篇。世界的な名声を誇るスイス人作家による短篇集。
マリオ・バルガス=リョサ「都会と犬ども」
『都会と犬ども』
マリオ・バルガス=リョサ,杉山晃
2010/12/10
新潮社
厳格な規律の裏では腕力と狡猾がものを言う、弱肉強食の寄宿生活。首都リマの士官学校を舞台に、ペルー各地から入学してきた白人、黒人、混血児、都会っ子、山育ち、人種も階層もさまざまな一群の少年たち=犬っころどもの抵抗と挫折を重層的に描き、残酷で偽善的な現代社会の堕落と腐敗を圧倒的な筆力で告発する。’63年発表。
マリリン・ロビンソン「ギレアド」
『ギレアド』
マリリン・ロビンソン,宇野元
2017/10/25
新教出版社
2005年ピューリツァー賞・全米批評家賞受賞小説 アイオワ州のギレアドという片田舎の町。 カルヴァンとバルトを愛読する老牧師が自らの死期を意識し、若い妻との間にもうけた幼い息子に手紙を綴る。南北戦争から冷戦期にいたる三代にわたる牧師一家の信仰の継承と屈折。帰郷した知己の青年と妻との関係。自らの揺れる心。隣人たちの人生――。 「私はこの本の虜になった」バラク・オバマ。
ミシェル・トゥルニエ「フライデーあるいは太平洋の冥界」
『フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集)』
ミシェル・トゥルニエ,J・M・G・ル・クレジオ,榊原晃三,中地義和
2009/04/11
河出書房新社
「フライデーあるいは太平洋の冥界」
ロビンソン・クルーソーとフライデーのもう一つの物語。南海の孤島で遭難したロビンソンは、島を開拓し、食料の備蓄に努めるが、野生人フライデーの登場によってその秩序は一瞬のうちに崩壊する。文明と野蛮を双子のように描いた哲学小説。
ミュリエル・スパーク「あなたの自伝、お書きします」
『あなたの自伝、お書きします』
ミュリエル・スパーク,木村政則
2016/07/21
河出書房新社
作家の卵フラーは、自伝協会なる組織に雇われ、名士ぞろいの会員の自伝執筆を手伝うことになった。やがて奇妙なことに、会員たちはフラーが書いた小説の登場人物と同じ台詞を口にしだし、小説そっくりの事件が!一方、フラーは念願の小説出版の話を反故にされ、唯一の原稿も盗まれてしまう。自伝協会と出版撤回には何か関連が?フラーは原稿を無事取り返し、出版することができるのか?スパークの幻の傑作、ついに登場!
ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」
『存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)』
ミラン・クンデラ,千野栄一
1998/11/20
集英社
苦悩する恋人たち。不思議な三角関係。男は、ひとりの男に特別な感情を抱いた。鮮烈でエロチック…。プラハの悲劇的政治状況下での男と女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。
フィリップ・カウフマン監督、主人公トマシュにダニエル・デイ=ルイス、テレーザにジュリエット・ビノシュを迎え、1988年に映画公開された原作小説。
フィリップ・カウフマン監督
映画『存在の耐えられない軽さ』原作
リュドミラ・ウリツカヤ「緑の天幕」
『緑の天幕 (新潮クレスト・ブックス)』
リュドミラ・ウリツカヤ,前田和泉
2021/12/22
新潮社
ソ連とは一体何だったのか? ロシアを代表する人気作家の大河小説、ついに完訳! いつも文学だけが拠りどころだった――。スターリンが死んだ一九五〇年代初めに出会い、ソ連崩壊までの激動の時代を駆け抜けた三人の幼なじみを描く群像劇。近年ではノーベル文学賞候補にも目される女性作家が、名もなき人々の成長のドラマを描き、強大なシステムに飲み込まれることに抗する精神を謳いあげた新たな代表作。


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